奈良・大仏殿の桜 平成24年4月10日 nikonD4
奈良時代は華やかな時代であると同時に、政変・かんばつ・飢饉・凶作・大地震・天然痘の大流行などが相次ぎ、惨憺たる時代であった。このような混乱の中、神亀元年(724)二月、聖武天皇が24歳で即位し、待ちのぞんでいた皇太子基親王が神亀四年(727)10月5日に誕生する。ところが、神亀五年(728)9月13日、基親王は一歳の誕生日を迎えずして夭折する。聖武帝は、すぐに親王の菩提を追修するため金鍾山寺を建立(同年11月)し、良弁(のちの東大寺初代別当)を筆頭に智行僧九人を住持させた。
天平13年(741)に、国分寺・国分尼寺(金光明寺・法華寺)建立の詔が発せられたのに伴い、この金鍾山寺が昇格して大和金光明寺となり、これが東大寺の前身寺院とされる。
東大寺南大門
●〔国宝〕天平勝宝4年(752)に創建された高さ25mの東大寺総門。重層入母屋造
阿吽(あうん)
門内両脇には、鎌倉時代の仏師運慶と快慶によって造られた阿吽(あうん)の金剛力士像2体〔国宝〕が安置されている
阿吽(あうん、Skt:A - hum)は仏教の呪文(真言)の1つ。悉曇文字(梵字)において、阿 は口を開いて最初に出す音、吽は口を閉じて出す最後の音であり、そこから、それぞれ 宇宙の始まりと終わりを表す言葉とされた。
古の土塀
東大寺金堂(大仏殿)・大仏
●〔国宝〕古都奈良のシンボル的な建築物。世界最大の木造建築であり、東大寺の金堂として本尊廬舎那仏(るしゃなぶつ)坐像〔国宝〕を祀る。高さ47.5m、東西57m、南北50.5m。大仏殿は中門から回廊で結ばれ、正面中庭には国宝八角燈籠がある。廬舎那仏は高さ15m、重量は約300tともいわれる。幾度か修理が行われたが、開眼当時の造立の一部が蓮弁などに残されている。