藤谷治氏の小説「船に乗れ!」の全三巻を昨年11月くらいかな~…から昨晩までで読み終えました。
『 合奏と協奏』『 独奏』『 合奏協奏曲』 の三巻からなるこちらの小説は,私立の音楽大学の付属高校に通う高校生を描いた青春小説です。
ざっくり書いてしまえば,音楽一家に生まれ,環境に恵まれている主人公が真剣に目指していたプロのチェリストを断念するまでの模様なのですが、高校生にしては荷が重過ぎる体験や友情、恋愛が、胸が締め付けられるほど活き活きとせつなく描かれています。
また、文中に幾度となく表現されている、チェロを始め各楽器の練習の様子やオーケストラの練習の様子、またガールフレンドや友人達と行ったオペラやリサイタルの様子はまるで自分がその中に居る高校生になったような気がするくらい克明で鮮やかで,一緒にうっとりしたり、上手く出来ないところでため息をついてしまうくらいです…。
そんな臨場感溢れる文章なのに、ブラスバンド部に所属していた中学生の頃がいちばんクラシックを聴いてたぐらいで,あとはとんとご無沙汰のクラシックに疎い私なので,文中に出て来る音楽がどれひとつとして耳に鳴って来ないのが残念!
アニメ化や映画化されなくてもいいから,せめて文中に出て来る曲が収録されたCD集を出して欲しいなと本当に思います。
3巻目に収録されている『船に乗れ!』のスピンオフ短編「再会」の中に「音楽教育を一時期、専門的に受け,後にその教育を放棄して,まったく違う道へ進む,というのは,探せばざらにある話だろう。 高校球児でしたとか,陸上で国体に出ましたとかいうのと、はたで聞けば同じようなものに違いない。私にとっても,それで都合がいい。」の文章があって、主人公サトルはなぜやめたかの質問に答えるために、やめた理由の辛い想い出を思い出したくないといったことを書いています。
この一文を読んだとき、高校球児だった人も陸上選手だった人も,中にはサトルと同じ様に、辛く思い出したくもない想いを経験した後,プロの道を断念した人が居るのかもしれない、いや居るだろう…と思いました…。
それでふとね、今自分が曲がりなりにも絵や絵に携わることでなんとか暮らしていけている幸運を思いましたね…。
もっともサトルが目指したものほどハードルの高いものを望んだわけでは無いから、なりたいと望んだイラストレーターのひとりになれたのだとは思いますが、だとしてもやはり絵が好きで勉強して来ても,大人になって絵を描き続けて居ない人もいるわけですからね。
強くなりたいものがあって,それにたいして死ぬ思いで努力し邁進して来たのに断念せざるを得ない想いをした人も居る。
志が低いとはいえ(笑)就きたい職業に就けている今、このお仕事をもっと大切にしていかないとな…と改めて思うのでした。
そうそう、それでね、私このお仕事に就けたお陰で、10年くらい前に著者の藤谷氏に会ってるんですよ! 下北沢にある藤谷氏の書店「フィクショネス」を取材させていただいた時に名刺交換させていただけているのでした。
先日下北沢に行った時にお店に行ったのですが残念ながらお休み。 日を改めてまた訪れたいと思います。
昨年参加した母校の40周年記念パーティで,初めて言葉を交わした先輩に勧められて読み始めた「船に乗れ!」…不思議なご縁を感じる小説です…。
『 合奏と協奏』『 独奏』『 合奏協奏曲』 の三巻からなるこちらの小説は,私立の音楽大学の付属高校に通う高校生を描いた青春小説です。
ざっくり書いてしまえば,音楽一家に生まれ,環境に恵まれている主人公が真剣に目指していたプロのチェリストを断念するまでの模様なのですが、高校生にしては荷が重過ぎる体験や友情、恋愛が、胸が締め付けられるほど活き活きとせつなく描かれています。
また、文中に幾度となく表現されている、チェロを始め各楽器の練習の様子やオーケストラの練習の様子、またガールフレンドや友人達と行ったオペラやリサイタルの様子はまるで自分がその中に居る高校生になったような気がするくらい克明で鮮やかで,一緒にうっとりしたり、上手く出来ないところでため息をついてしまうくらいです…。
そんな臨場感溢れる文章なのに、ブラスバンド部に所属していた中学生の頃がいちばんクラシックを聴いてたぐらいで,あとはとんとご無沙汰のクラシックに疎い私なので,文中に出て来る音楽がどれひとつとして耳に鳴って来ないのが残念!
アニメ化や映画化されなくてもいいから,せめて文中に出て来る曲が収録されたCD集を出して欲しいなと本当に思います。
3巻目に収録されている『船に乗れ!』のスピンオフ短編「再会」の中に「音楽教育を一時期、専門的に受け,後にその教育を放棄して,まったく違う道へ進む,というのは,探せばざらにある話だろう。 高校球児でしたとか,陸上で国体に出ましたとかいうのと、はたで聞けば同じようなものに違いない。私にとっても,それで都合がいい。」の文章があって、主人公サトルはなぜやめたかの質問に答えるために、やめた理由の辛い想い出を思い出したくないといったことを書いています。
この一文を読んだとき、高校球児だった人も陸上選手だった人も,中にはサトルと同じ様に、辛く思い出したくもない想いを経験した後,プロの道を断念した人が居るのかもしれない、いや居るだろう…と思いました…。
それでふとね、今自分が曲がりなりにも絵や絵に携わることでなんとか暮らしていけている幸運を思いましたね…。
もっともサトルが目指したものほどハードルの高いものを望んだわけでは無いから、なりたいと望んだイラストレーターのひとりになれたのだとは思いますが、だとしてもやはり絵が好きで勉強して来ても,大人になって絵を描き続けて居ない人もいるわけですからね。
強くなりたいものがあって,それにたいして死ぬ思いで努力し邁進して来たのに断念せざるを得ない想いをした人も居る。
志が低いとはいえ(笑)就きたい職業に就けている今、このお仕事をもっと大切にしていかないとな…と改めて思うのでした。
そうそう、それでね、私このお仕事に就けたお陰で、10年くらい前に著者の藤谷氏に会ってるんですよ! 下北沢にある藤谷氏の書店「フィクショネス」を取材させていただいた時に名刺交換させていただけているのでした。
先日下北沢に行った時にお店に行ったのですが残念ながらお休み。 日を改めてまた訪れたいと思います。
昨年参加した母校の40周年記念パーティで,初めて言葉を交わした先輩に勧められて読み始めた「船に乗れ!」…不思議なご縁を感じる小説です…。
公的支えやこの歳になってまだ両親に助けてもらったりと,正確に言えば好きなことをしながら生活出来るというレベルにはいけていませんが^^;なんとかこれているレベルでも、やはり幸せなんだと思います。
好きなことが仕事になって,描いたものがどなたかの役に立てるなら,本当にありがたいことです。
そのお言葉を励みに,心豊かにして,精進するのみです。
いつもありがとうございます…。
羨ましい限りですが、やっぱりその裏にはご苦労されている面も。
でも、その支えは、携わりたい道で進んでいるから。
そして広がりも支えに。
私なんか、好きな道に進んでいたら、きっと今はのたれ死んでいた(笑)でしょう。
今の仕事があるから好きなことが出来ているかもしれません。
これからもず~っと絵に関わった仕事をされると思いますが、皆さんに夢を与えてくださいね。