memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

ピーター・ブルック 能を語る。

2013-11-07 05:47:07 | LIFE
英国の演出家、ピーター・ブルック88歳。
去年から10カ国をまわった最新作「ザ・スーツ」の日本公演を前に、朝日新聞のインタビュー。

2013年11月6日(水)文化面より。

簡素なセットを想像力で補って、多面的に用いる・・・舞台上の数脚の椅子と衣装ハンガーの金属枠、
その金属枠が、場面に応じて窓となり、バス停になる。
こうしたブルック流の「簡素化」について。

意図したスタイルではないそう。

「舞台に多くを詰め込んでも、たいていは不要だとわかる。
簡素化は長い消去プロセスの結果で、出発点や方式ではありません。
何もない空間は経験の産物なのです。
役者も同じで、アイデアや野心でいっぱいだと内部に余白がなくなる。」とか。

歌舞伎や能に学ぶことは多いという。
「縁者たちは修道士に近い。
彼らの稽古を見ましたが、それは自らを静寂にすることであり、
興奮したスペースを閉じること。
それを徐々に開いていくと、
正しい所作や音が現れる。」

「人だけで作れることは多い」とも語る。

あまたを担うことになる俳優を選ぶ決め手は「ハート(情)とアート(芸)のバランス」らしい。

キャリア70年の回想じみたものを期待して、転機となった作品を問うてみた。

「私は過去に生きたことがない。
終わったことは気にかけません。」

柔らかく短い答が返ってきた。

* 「ザ・スーツ」の日本公演は6~17日。東京渋谷のパルコ劇場にて。


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