memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

読みたい世界史

2012-10-31 12:10:58 | BOOK
10月27日土曜日の朝日新聞、秋の読書特集で、気になった記事が・・・。

西洋史家・樺山紘一さんのおすすめの7冊、がなかなかのラインナっプ。
選んだ理由も含めて、是非読みたいと思えるものが色々と紹介されていたので、覚書、です。

ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」が読まれていることを踏まえて、
世界史全体を俯瞰するなら、とおすすめするのがこれ。

1)ウィリアム・H・マクニ―ル「世界史」上・下 (中公文庫・各\1400)

個別の歴史事象についての知見や判断力が非常に優れた方。書物や資料を読み込み、それを表現する筆の技術など
歴史家に必要な資質を十分に体現されている。
歴史的に熟成されてきた言語文化という「腐葉土」の上に成り立ち、歴史書としての風格がある。

冷戦構造が崩れた今、新たなる視点で・・・というテーマでは、これらを。

■杉山正明 「遊牧民から見た世界史」(日経ビジネス文庫\1000)モンゴル史家による視点。

■羽田正 「新しい世界史へ」(岩波新書 ¥798) イスラム研究

2) ジョゼフ・ニーダム「中国の科学と文明」全11巻(新思索社・各\9991 7,8巻は品切、9巻以降は未刊)

大著であり、古い点もあるが、最近になって、中国人も英語で読むようになったという再評価されている本。

最近のブームでは、

■高校教科書「もういちど読む山川世界史」(山川出版社・\1575)

受験という課題があるので、ギリギリまで絞った出がらしのような本(笑)。
とはいえ、社会人にも読めるこういう本が必要だったのは事実。

日本史では・・・

3)網野善彦「増補 無縁・公界・楽」(平凡社ライブラリー・\1223)

注目の「網野善彦現象」。私たちの気持ちの奥底にあれほど届く言葉を発した歴史家は稀、と評価。
「無縁・公界(くがい)・楽(らく)」の根本にあるアジ―ル(避難所)論は妥当かという議論はあるが、
資料に基づいて説得しつづける、歴史家としての清廉潔白さが強い衝撃力を持つ。


常識ではあるが、古典として読むべきは、次の4冊。

4)エドワ―ド・ギボン「新約 ローマ帝国衰亡史 普及版」上・下(PHO研究所・各\998)

5)ブルクハルト「イタリア・ルネサンスの文化」Ⅰ・Ⅱ(中公クラシックス・Ⅰ=¥1470、Ⅱ=¥1418)

6)マルク・ブロック「封建社会」(岩波書店・\10290)

最後に、挙げたのが、忘れられがちな自然災害にスポットを当てた、

7)北原糸子・松浦律子・木村玲欧 編 「日本歴史災害事典」(吉川弘文館・¥15750)

これは、歴史家としての自戒をこめて、とのこと。


個人的には、
①④⑤はすぐにでも読みたい、と思いましたが、それ以外のものも図書館などで、少しずつ取り寄せてみようかと。
なかなか、真の古典とでもいうべき世界史通説は選びづらいので、大変ためになる指針をあげていただいた、記事でした。