memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

「迷宮としての世界~マニエリスム美術」

2014-12-09 03:16:02 | BOOK
2014年12月7日 書評欄「思いだす本忘れない本」コーナーで。

JAZZ喫茶に行く時にアクセサリーのように持ち歩いた、との記述に、ある年代の 知的に背伸びすることにダンディズムを感じる姿勢、という今や失われつつある美徳・・・に再会したような共感を覚えました^^

随筆家坂崎重盛さん(42年生まれ。『ぼくのおかしなおかしなステッキ生活』(求龍堂))のおすすめ。

グスタフ・ルネ・ホッケ「迷宮としての世界 マニエリスム美術」種村季弘・矢川澄子訳、岩波文庫 上・1231円、下・1015円


面白いので全文転載。

 青春の季節には、キツネがピョンと跳び上がり化けるように、まったく別の人間にクルッと反転してしまうことがあるようです。
 東京下町生まれのせいか、中・高校生のころから落語、端唄、俗曲、あるいは浮世絵の情趣にのめり込んでいたのが、大学に入る頃には一転、音楽はジャズ、ビジュアルはダダ、シュールレアリズムにうつつをぬかすことに。
 そして当時、日本に上陸したモダンジャズを聴かせる喫茶店を求めて東京中を巡り歩くこととなる。その挙句、一学年25人しかいない学科(造園学科)で、コンボを結成してしまうのだから、軽薄にも念がいっている。
 手にする本も、それまで撫でるように慈しんできた東京懐古の安藤鶴夫、木村荘八、正岡容(いるる)といった傾向から一変、コリン・ウィルソン、ジョルジュ・バタイユ、ガストン・パシュラ―ルという洋物系に。そんな時期に、真打ち登場!という感じで出会ったのが、このグスタフ・ルネ・ホッケ著の『迷宮としての世界』でした。
 ドイツの文化史家によって60年ほど前に書かれたマニエリスム美術の先駆的著作。版元は美術出版社。
 まず、その造本に魅了された。平背、ハードカバー。タイトル金箔押し、函入り。しかも、函は下部中央部分が切り抜かれ、本表紙の図柄が見える、という凝った装丁。
 持っているだけで晴れがましい気持ちになった。ジャズ喫茶に行く時など、アクセサリーとして持ち歩いた。そのため函は傷み、本も珈琲などで汚れたがその実、本文はほとんど読めずにいた。ただひたすら異様にして綺想な図版の数々に喜び親しんだのでした。
 いま手元にあるのは二代目、古書店で美本を見つけ買い足した。
ところが―この『迷宮としての世界』が岩波文庫に。本文・図版の組みにも配慮があり、読みやすい。
 ついに読めなかった愛読書、この本を読了してしまう予感が・・・。

状元楼自由が丘店の海鮮つゆそば

2014-12-04 06:55:47 | グルメ
女優の高橋ひとみさんのお気に入り。
「おんなのイケ麺」記事としては2014年9月2日掲載分です。

透明なスープで塩味である、というお気に入りの汁そばの条件を満たした美味しいスープがお気に入りのポイントだとか。
野菜のブイヨンに鶏ガラなどを煮込んだ白湯スープを少し加えるそう。ぷりぷりの海老やイカ、野菜もふんだんに入っていて具が多いのもポイントとおっしゃるのにとても惹かれます。
路地裏に立つお店の雰囲気もフランス租界の邸宅風でとてもすてきなんですよ、と記事のしめにありますが、自由が丘に行ったら是非訪れたいと思いました。

目黒区自由が丘1-29-17
03-3718-8833
11:30~15:30(L.O.)17:00~22:00(L.O.)