人生、消去法
世捨て人のつぶやき




世事に疎く、実際的な事柄に掛けては(自慢ではないが)まったく鈍なこの私であるが
いわゆるアルファブロガーと呼ばれるような人のブログをいくつか読んでいる。
その中のひとつがR30氏のブログ(参照)である。

ここで紹介されている渡辺千賀さんのブログもいちおうRSSフィードはとって、目は通すようにしているが
今回紹介したいのは、R30氏の記事にあるリンク先の岡島エツコ先生のエントリである。

いかにも、才気煥発というか渡辺千賀さんの友人であるだけのことはあるなとは、ま、いちおう言っておく。

で、問題はその中身だ。
梅田望夫氏をはじめ、こういう「頭のいい」人たちの議論にまま見られることなのだが、
(誤解を避けるために言っておくと、梅田氏のほうが"断然"上質なのだけれども)
どうも、自分たちより頭の悪い、言い換えれば「(高度な仕事が)できない人」に対して
まったくと言っていいほど、想像力を働かせていないように私には思われる。

ここで語られる内容と言えば
自分のような「できる」人間がその力を発揮して
どんどん充実した人生を送ろうというものだ。

別にこれ自体は非難されるようなことではないし
取り立てて騒ぎ立てるようなことでもない。
しかし、「世界」はあなたたちだけで成り立っているのではないのだ。
おそらく、この(ある種の)問いに対して
彼女(彼)らは「そんなことは分かっている」と答えるだろう。
そして、それは別段嘘だというわけでもないだろう。
しかし、その「別段、嘘ではない」という仕方において
とても重い過ちを犯しているのではないか?

つまりこうだ。
自分たちより頭の悪い人たちの存在を十分承知していながら、
そのことを思考の枠外へと追いやり、
そしてまさにその「追いやってしまっている」ことへの感受性が
決定的に欠如しているというその事態こそが
問題の本質ではないのか、ということだ。
ややこしいが「分かっているのに、分かろうとしていないこと」ともいえる。

これもある種の格差なのかな、と思ってみるが
詰まるところどうなのか自分でもよくわからない。
しかし、すくなくともこの岡島エツコ先生のエントリを見る限り、そこに垣間見られる手前味噌な理屈や都合のいい展開については、申し訳ないがダメ出しさせて頂くほかない。
梅田氏なら、こんな下劣な書き方は決してしてはいなかっただろうし。

裏を返せば、いまの日本というかこれまでの日本は
そういう有能な人たちを抑圧し、虐げることで
ある種の「国の形」を保持してきたのだとすれば(あくまでも「すれば」の話だが)
ま、不幸なことではあったのかもしれんな、とは思う。

うん。ま、そんなところか・・・

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コメント
 
 
 
Unknown (できない人)
2006-12-14 10:10:21
「できる人」向けの言説なので、そもそも「できない人」を考慮する必要は無いと思われます。
無関係な人達なわけですから。

「できない人」には「できない人」向けの言説がたくさんありますよ。
 
 
 
Unknown (ハナ毛)
2006-12-14 21:15:06
 今がよければそれで良し、な思考ですよ。根源は。
 人生破滅型なんだよね。んだから、そういうの見てどーたら言うよりは、自分は自分で徹底守備に回ったほうが得策だと思いますけど。

 まあ少なくとも私ら一代に於いて勝ち負けの差は圧倒的に付くでしょうけど、次代次々代を考慮すると、生き残ってる連中はごく僅かですよ。

 金持ちも貧乏人も三代続きませんから。放っとけ、って感じです。茶化して遊べば、それで良し。
 
 
 
Unknown (ハナ毛)
2006-12-14 21:19:08
 彼ら彼女らも、そこ(人生破滅型)に行き着くまでのアレコレあってのことでしょうから。しょーがないんじゃないですか?

 仕事して金集めて金回してまた仕事して。
 そういうサイクルが好きで好きでしょうがないんだから、だったら一生やってろって感じです。

 やるだけやったら綺麗さっぱり大往生、が望ましいですな。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2007-01-18 23:22:04
私が思うに…


自分たちより頭の良い人たちの存在を十分承知していながら、
そのことを思考の枠外へと追いやり、
そしてまさにその「追いやってしまっている」ことへの自覚が
決定的に欠如しているというその事態こそが
頭のいい人たちとそうでない人たちの間の「格差」という問題の本質ではないのか、ということだ。


と、本文を踏襲して書き換えてみたが、それにしても読みにくい言い回しだ。
 
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