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東奥日報社説 安倍よ、改憲をほざく前に お前の崩れた脳ミソをまず整理し国の方向性を示せ 

2017-05-04 | Weblog

安倍は憲法記念日の3日、東京五輪・パラリンピックが開催される20年を引き合いにだし、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」とほざいた。

理念充実へ建設的論議を

日本国憲法は1947年の施行から70年を迎えた。安倍晋三首相は在任中の憲法改正に強い意欲を示し、改憲に前向きな勢力が衆参両院で改憲発議に必要な議席を占める国会では、憲法審査会で議論が行われている。

現憲法は70年間、一言一句変わっていない。その間、社会の在り方や国際情勢が大きく変わったのは事実だ。しかし憲法が掲げる基本的な理念は古びているだろうか。

時代の変化に合わせて見直すとしても問われるのはその方向性だ。求められるのは憲法の基本理念を充実させ、より良きものへ磨き上げていく建設的な論議である。

憲法審査会での各党の議論で一致するのは国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原理は国民に定着しており、今後も堅持するという点だ。しかし、これらの理念は本当に守られていると言えるだろうか。

まず国民主権。2014年の前回衆院選の投票率は52%と戦後最低を記録した。今の国会は主権者の代表であると胸を張れるのか。安倍政権は15年末、憲法の規定に基づいて総議員の4分の1以上が要求した臨時国会の召集を拒否した。主権者の意思の無視ではないか。

基本的人権はどうか。3月に東京都内で81歳の妻を殺害して逮捕された84歳の夫は「認知症の介護に疲れた」と供述した。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は保障されているのか。そして今「内心の自由」を侵す恐れが指摘される「共謀罪」法案が国会で審議されている。

平和主義の揺らぎは言うまでもないだろう。「積極的平和主義」の名の下、安全保障関連法の制定で自衛隊の海外での武力行使に道が開かれた。

70年はただ憲法の文言を固守してきた歴史ではない。権利を訴える声や裁判闘争を積み重ね、憲法の内実は具体化していった。その一方でいまだ理念に達していない現実もあるということだ。

安倍首相は改憲派の集会で「理想の憲法の具体的な姿を国民に示す時だ」と強調した。もちろん70年前の憲法は完全無欠ではないだろう。しかし今、自民党など改憲勢力が検討課題に挙げる緊急事態条項の新設などに緊急性はあるのか。憲法審査会の議論は深まっておらず、国民の抵抗が少なそうなテーマを探す「改憲を目的とした改憲」の議論に陥っているのではないか。


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