2人の現職が一つのいすを争った参院選福島選挙区は、野党統一候補の民進現職が勝利、自民は県内で初の改選議席ゼロとなった。
「新しい政治の可能性示す」福島県内、野党共闘に手応え
福島民友 10日に投開票が行われた参院選福島選挙区では、民進党現職で元経済産業副大臣の増子輝彦氏(68)が初の野党統一候補として支持層を固め3選を果たした。
民進、共産、社民3党の統一候補として戦った増子輝彦さんの福島市の選挙事務所では、野党共闘を支援した県九条の会や県内の大学教授らでつくる市民団体「安全保障関連法の廃止を求めるふくしま県市民連合」の関係者らが現職閣僚に勝った喜びを分かち合った。
市民連合をはじめとする共闘の支持者は選挙期間中、草の根運動で増子さんへの支援の輪を広げた。また、県内の若者でつくる団体は選挙への関心を高めようと多くの有権者に「投票に行こう」と呼び掛けた。
同連合共同代表の真木実彦さんは「野党共闘はこれで終わりではなく、新しい政治の可能性を示した」と共闘の意義と手応えを語った。事務所には共産党県委員長の久保田仁さん、社民党県連代表の小川右善さんも駆け付けた。
【データで見る参院選】政党別得票率 『共闘』効果で民進50.5%
県内の政党別得票率は、福島選挙区で初の野党統一候補が誕生し、候補者が前回の6人から3人に半減したため、共産、社民両党と共闘した民進党が50.5%で最多、自民党が47.2%で続き、諸派の政治団体「幸福実現党」が2.3%となった。
比例代表の得票率では、自民が33.8%でトップに立ったが、2013(平成25)年の前回参院選より2.5ポイント減。しかし14年の衆院選比例東北ブロックに比べ3.6ポイント上昇した。
旧民主、旧維新両党の合流で3月に結党し、県内最初の国政選挙となった民進は28.3%。前回参院選は民主20.2%、日本維新の会(当時)は7.1%だったが、両党合計より1.0ポイント増えた。3位が公明党の11.0%で、前回比1.8ポイント減。福島選挙区への候補者擁立を見送った共産は前回比1.6ポイント増の10.5%、荒井広幸氏(田村市)が代表を務める新党改革は5.2%。おおさか維新の会3.4%、社民3.2%で続いた。
得票数では、自民が前回比6249票減の29万8848票で、民進は25万194票。公明は9万6862票で前回より1万853票減らしたが、共産は前回比1万7479票増の9万2374票、社民は同204票増の2万8670票と、それぞれ伸ばした。
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