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安倍の八百長選挙 公か、不公か、は俺が決めること

2014-11-30 | Weblog
自民党の“公平”圧力に『朝生』が屈服!じゃあ安倍首相の単独出演は公平なのか
 
2014.11.29 リテラ
早速、効果が現れたということだろうか。先日、本サイトが取り上げた自民党による各テレビ局への「報道の公平を求める」通達の事実はその後、共同通信、朝日新聞や毎日新聞などでも報道され、識者の間で「報道への圧力」という批判の声があがるなど、大きな問題になった。
 
 ところが、その直後、テレビ朝日の『朝まで生テレビ!』が解散総選挙をテーマにした放映で、出演の決まっていた荻上チキ、小島慶子ら評論家、文化人を「公平性を担保できない」としてドタキャンしていたことが発覚したのである。
 
 荻上がラジオ『Session-22』(TBSラジオ他)で説明したところによると、テレビ朝日から連絡があったのは放映前日の27日。「当初は質問する文化人がいて、各党の代表が答えるスタンスだった。それだと公平性を担保できない、番組側と局との間で方針が違ったとの事で政治家のみの出演になったと連絡を受けた」という。
 
 これはどう考えても、くだんの自民党の圧力が原因だろう。ただし、これはネットの一部が指摘している、自民党が荻上をおろすよう働きかけたという話ではない。自民党がやったのは、先日、紹介した〈選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い〉という通達のみ。だが、テレビ朝日にとってはそれだけで十分だった。
「この通達のすぐ後に、報道局長から番組側に荻上らを出演させないように圧力がかかったようです」(テレビ朝日関係者)
 
 テレビ朝日上層部が神経をとがらせていたのは、自民党からの通達文にあった以下のクダリだった。
〈ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期していただきたいこと
〉〈テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと〉
「荻上や小島のようなゲストでは、これに抵触する可能性があるということでしょう。ただ、荻上らだけをキャンセルするわけにはいかないので、ゲストを一切抜きにして、政治家だけにしたということでしょう。現場は相当、抵抗したのですが、時間切れ。結局、上層部に押し切られて、政治家と司会の田原総一朗、局のコメンテーターだけの出演になった」(同)
 
 当日、28日の『朝まで生テレビ!』はわざとなのか、冒頭ベルで時間を測りながら、各党の代表者が政見放送のようにひとり1分ずつしゃべっていた。しかし、テレビ朝日は本当に政党の主張だけを等分に流すことが公平だと思っているのか。むしろ、政党の代表者以外のゲスト出演者が排除されたことで、どの政党にも賛同できない人の主張や、どの政党も無視している政策を知る機会が完全に奪われてしまった。これのほうがはるかに不公平ではないか。
 
実は先日の自民党の圧力を伝える記事で、本サイトは、テレビ各局はこの通達に完全に屈服するだろうと断言したうえで、「選挙で自民党が勝つのは確実。テレビの監督権をもつ総務相には高市早苗の続投が有力ですからね。選挙期間中にヘタな動きをしたら、後々どんな嫌がらせをされるかわからない。各局とも上層部はそんな恐怖でいっぱいでしょうから」という民放関係者の声を掲載していたが、まさにその危惧が現実になったかたちだ。
 
 しかし、こうした展開をみて、つくづく情けなくなるのは、この通達で「普通に公平、公正中立を要望しているだけじゃないか、どこが問題なのか」と自民党を擁護していた人たちのリテラシーの低さだ。
 
 彼らは、政権与党が「公平中立」を要求する意味をまったくわかっていないらしい。政権与党は普段から野党に比べて圧倒的に膨大な量の情報を流すことができる。選挙期間中も同様で、テレビ番組では、大量の議席をもっている与党や巨大野党の主張が報道の中心になる。「公平に」というのは本来、少数野党が自分たちの主張も放送するよう要求する際の言葉なのだ。
 
 ところが、今回は与党がその言葉を使ったのである。もともと放送量が圧倒的に大きい政権与党が「公平にしろ」というのは、政権への評価と批判を五分五分にしろ、ということに他ならない。衆院選は政権信任の選挙であり、現政権の問題点を指摘するのは当然の話。ところが、安倍政権=自民党はそれをやるな、というのだ。7割以上の国民がアベノミクスの効果はないという状態でも、街の声を紹介するときはアベノミクスに効果があったという声となかったという声を五分五分で出せ、といってきたのである。
 
 普通に考えれば、あり得ない話だが、しかし、政権与党は放送法によって各テレビ局の許認可権を握っている。その力関係を考えれば、こういう展開になるのは当然だろう。
 
 そもそも公職選挙法には、公示前だろうが公示後だろうが、メディアが政党や候補者を公平に扱わなければならないなどという規定はどこにもない。テレビの選挙報道に関しては、第151条の3に「この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(略)は、日本放送協会又は基幹放送事業者が行なう選挙に関する報道又は評論について放送法の規定に従い放送番組を編集する自由を妨げるものではない。ただし、虚偽の事項を放送し又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。」という規定があるだけだ(新聞、雑誌もほぼ同じ)。
 
 こういうと、放送法第4条の2に「政治的に公平であること」という規定があるじゃないか、というかもしれない。しかしだとしたら、これにもっとも違反しているのは、安倍首相のテレビ単独出演だろう。
 
 解散発表当日、安倍首相が『ニュースウオッチ9』(NHK)を皮切りに、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)、『NEWS23』(TBS系)に立て続けに単独出演し、『報道ステーション』(テレビ朝日系)だけは出演しなかったことが話題になったが、安倍首相はこれまでも、頻繁にテレビに単独出演を果たしてきた。安倍首相は一国の首相であるが、同時に自由民主党総裁でもある。特定の党の総裁だけが長時間にわたって露出するというのは、著しい政治的不公平ではないのか。
 
これは、いちゃもんでいっているわけではない。実際、安倍が首相になる以前は総理大臣がテレビの単独出演をすることは原則、御法度とされていたのだ。
 
「総理の影響力や偏向報道の批判が起きることを考えて、以前は総理大臣は共同会見しかしないというのが不文律になっていた。ところが、第一次安倍政権が発足すると、安倍首相はテレビ局や新聞、週刊誌などにをもちかけて、どんどん単独出演をやり始めたんです。2007年の参院選前にも日本テレビ、テレビ東京の報道番組などに単独出演した。これは明らかに放送法違反ですよ」(全国紙・政治部記者)
 
 そしてきわめつけは、『笑っていいとも』(フジ系)のテレフォンショッキングへの出演である。報道番組で政策を主張するなら、単独出演でも、キャスターなりが批判や反論ができるから、まだ公平性は担保できる可能性がある。しかし、バラエティはそういうチェックを受けることなく、好イメージだけを広めることができる。それこそ、安倍首相の大好きな「印象操作」であり、そんなものに、最高権力者、特定政党の代表をさせるフジテレビは、明らかに放送法違反だろう。
 
 そして、開いた口がふさがらないのが、安倍政権=自民党のご都合主義だ。自分たちの利益になるときは自ら偏向報道を仕掛けているくせに、都合が悪くなると偏向だと大声で批判を始める──。こんなことを許していたら、日本に「報道の自由」なんてなくなってしまうのではないか、と空恐ろしくなるが、そんな恐怖を抱いているのは少数派なのだろうか。ネットをのぞくと、今も「公平を要求して何が悪いの?」と言葉を額面通りにしか受け止めない人たちの声があふれている。
 
関連記事:
2014年11月29日毎日新聞
<テレ朝>「朝生」で評論家の荻上チキ氏出演中止
◇衆院選討論 局側の意向、「中立、公平性の担保」理由に
テレビ朝日系の討論番組「朝まで生テレビ!」(29日未明放送)で、出演する予定だった評論家の荻上(おぎうえ)チキさんら政治家以外のパネリストが、局側の意向で出演を取りやめていたことが28日、わかった。各党の議員と文化人らで衆院選について討論する予定だったが、「中立、公平性の担保」を理由に、荻上さんらが出演を断られたという。

荻上さんによると、21日に出演を依頼されたが、27日になってテレビ朝日の番組スタッフから電話があり、各党議員と荻上さんらゲスト数人という出演者の構成について「ゲストの質問が特定の党に偏る可能性などがある」との理由で、議員のみの出演に変えると伝えられた。番組スタッフからは「局の方針と(人選した)番組制作側の方針が一致しなかった」と説明されたという。ほかに、タレントの小島慶子さんの出演も取りやめになった。

荻上さんはテレビ朝日の判断について「残念だ。他のゲストが最近のネット上の話題などを質問することで、司会者1人の番組とは違った視点が生まれるメリットもあったはず。議員だけを招けば公平になるとは思わない」と苦言を呈した。

衆院選を巡っては、自民党がゲスト出演者の選定など、選挙期間中の報道の公平性を求める文書を解散前日の20日付でNHKと在京民放局に渡している。【
 
2014年11月27日毎日新聞 
「衆院選:自民 テレビ局の選挙報道で細かく公平性要請」
自民党がNHKと在京民放テレビ局に対し、選挙報道の公平中立などを求める要望書を渡していたことが27日分かった。街頭インタビューの集め方など、番組の構成について細かに注意を求める内容は異例。編集権への介入に当たると懸念の声もあがっている。
 
要望書は、解散前日の20日付。萩生田光一・自民党筆頭副幹事長、福井照・報道局長の両衆院議員の連名。それによると、出演者の発言回数や時間▽ゲスト出演者の選定▽テーマ選び▽街頭インタビューや資料映像の使い方−−の4項目について「公平中立、公正」を要望する内容になっている。街頭インタビューをめぐっては今月18日、TBSの報道番組に出演した安倍晋三首相が、アベノミクスへの市民の厳しい意見が相次いだ映像が流れた後、「これ全然、声が反映されてません。おかしいじゃありませんか」と不快感を示していた。
 
また要望書では、「過去にはあるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、大きな社会問題になった事例も現実にあった」とも記し、1993年の総選挙報道が国会の証人喚問に発展したテレビ朝日の「椿問題」とみられる事例をあげ、各局の報道姿勢をけん制している。
 
この日の定例記者会見で、テレビ東京の高橋雄一社長は「これをもらったから改めて何かに気をつけろというものとは受け止めていない」と述べた。NHK以外の各民放は文書が届いたことを認め、公平中立な報道を心がけるとしている。
 
こうした要望は、選挙のたびに各政党が行っているが、公示前は珍しい。ある民放幹部は「ここまで細かい指示を受けた記憶はない」と話し、また別の民放幹部は「朝日新聞バッシングなどメディア批判が高まる中、萎縮効果はある」と語った。
 
毎日新聞の取材に対し自民党は「報道の自由を尊重するという点は何ら変わりない。当然ながら公正な報道を行っていただけるものと理解している」と文書でコメントした。
 
◇服部孝章・立教大教授(メディア法)の話
放送法の文言をひいて「公平中立」を求めているが、実態はテレビ局への恫愒(どうかつ)だ。しかも、以前のテレビ局の報道を「偏向報道」と批判している。アベノミクスに批判的な識者を出演させないよう予防線を張っているともとれ、焦りも感じる。政権担当者は批判されるのが当たり前なのに、自分たちの都合のよい報道を求めるのは危険な行為だ。