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知事「国家の非常事態」 安倍’東京は福島と違う IOC投票委員’だったら東電にプレゼンさせろ 更新9/8

2013-09-08 | Weblog

2020年五輪 東京が開催都市に決定

NHK 9/8 5時30分
2020年五輪 東京が開催都市に決定

2020年のオリンピックとパラリンピックの開催都市が東京に決まり、1964年以来56年ぶりの大会が開かれることになりました。

2020年のオリンピックとパラリンピックの開催都市を決めるIOC=国際オリンピック委員会の総会は7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれました。

総会では開催都市に立候補していた▽トルコのイスタンブール▽東京▽スペインのマドリードの3都市が順番にプレゼンテーションをして最後のアピールをした後、94人のIOC委員による投票が行われました。

その結果、1回目の投票でイスタンブールとマドリードが同数で並び、再投票の結果、マドリードが落選しました。

最終投票は東京とイスタンブールを候補に行われ、その結果、東京が過半数を集めて開催都市に選ばれました。

東京は今回の招致レースで先進都市による安全で確実な大会の開催と東日本大震災で学んだスポーツの力を素晴らしさを世界に広げたいと訴え、IOC委員の支持を集めました。

この結果、1964年の大会以来56年ぶりに東京で2回目となるオリンピックとパラリンピックの招致に成功しました。


20年五輪 IOC総会プレゼン 首相の発言要旨

毎日新聞 9/8

【ブエノスアイレス】国際オリンピック委員会(IOC)総会での安倍晋三首相の発言要旨は次の通り。

【演説】

東京は世界で最も安全な都市の一つだ。それは今でも、2020年でも一緒だ。懸念を持つ人もいるだろうが、東京電力福島第1原発について私は皆さんに約束する。状況はコントロールされている。決して東京にダメージを与えない。オリンピックが安全に行われることを保証する。財政的にも整っている。

開催地に東京を選べばオリンピックムーブメントに新たな強い息吹を吹き込むことになる。IOCと力を合わせ、世界をよりよい場所にしていこうと思っている。

【質疑】

(汚染水問題は)結論から言って全く問題ない。事実を見てほしい。汚染水による影響は福島第1原発の港湾内の0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている。

近海でモニタリングしているが、数値は最大でも世界保健機関(WHO)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ。日本の食品や水の安全基準は世界で最も厳しい。健康問題については、今までも現在も将来も全く問題ないと約束する。

さらに完全に問題のないものにするため抜本解決に向けたプログラムを決定し、着手している。日本の首相として(子どもたちの)安全と未来に責任を持っている。日本に来るアスリートにも責任を持っている。その責任を完全に果たす。


東京招致へ「全力尽くす」 安倍首相、プレゼン前に決意

時事通信 9/7

【ブエノスアイレス時事】安倍晋三首相は7日午前(日本時間同日夜)、ブエノスアイレスで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席、2020年夏季五輪開催地を決める最終プレゼンテーションに臨む。

これに先立ち、首相は宿泊先のホテルで記者団に「オールジャパン、気持ちを一つにして何とかといい結果を出したい。全力を尽くす」と述べ、東京招致実現への決意を示した。

首相はプレゼンについて「初めての経験だけども、相当練習したので成果を出したい」と力強く語った。

首相IOCで汚染水対応説明へ

NHK 9/6
首相IOCで汚染水対応説明へ
 
菅官房長官は午前の会見で、2020年のオリンピックとパラリンピックの東京招致について、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題への懸念を払拭(ふっしょく)するため、安倍総理大臣みずから、IOC・国際オリンピック委員会の総会で政府の汚染水対策を説明するという見通しを示しました。

会見で菅官房長官は、2020年のオリンピックとパラリンピックの開催都市を決めるIOC総会について「多くの国民の皆さんが東京招致に懸命に取り組んできた。開催都市を決定する日が刻一刻と近づいてきたが、安倍総理大臣のプレゼンテーションの内容を最終的に調整している段階だ」と述べました。

そのうえで菅官房長官は「汚染水問題については、IOC総会の場できちんと説明するだろう」と述べ、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題への懸念を払拭(ふっしょく)するため、安倍総理大臣みずからIOC総会で政府の汚染水対策を説明するという見通しを示しました。


 参考

朝日:汚染水漏れは敗因になるのか

【編集委員・稲垣康介】

アルゼンチンブエノスアイレスで日が暮れようとしていた4日午後6時すぎ、私はヒルトンホテルのロビーにいた。

高円宮妃久子さまが到着し、2020年五輪招致をめざす東京の招致委幹部たちも勢ぞろい。一見なごやかなムードにも映る。

しかし、一人ひとりをつかまえると、東京招致委の午前中の記者会見での「失態」が、暗い影を投げかけていた。

「disastrous(破滅的な)!」

記者会見が終わった直後、知り合いのAFP通信記者が私に投げかけた感想は辛辣(しんらつ)だった。私の思いも同じだった。「ひどすぎる」

前夜の動きから振り返ってみる。

東京の招致委幹部は3日夜、支持を取りつけているアフリカの国際オリンピック委員会(IOC)委員に怒られたという。

「せっかく応援しているのに、ホテルの部屋でテレビを見たらがっかりだ。イスタンブールは招致委員会の記者会見、マドリードはバルセロナで活躍するサッカー・アルゼンチン代表のメッシがマドリード支持を訴える話題が報じられている。だが、日本は福島の原発の汚染水漏れのニュース。話にならない」

東京にとって名誉挽回(ばんかい)のチャンスが4日、ブエノスアイレスでの初の公式記者会見だった。想定問答集で用意すべきテーマは一つで良かった。

「東京電力福島第一原発の汚染水漏れの不安をどう振り払うか」

IOC委員は、この問題をどれほど気にしているのか。3日夕、ヒルトンホテルのロビーで何人かに聞いた。最も的を射ていたと感じたのは、副会長セルミャン・ウン(シンガポール)の助言だった。「東京が票を伸ばすのに一番効果があるのは、あなたたち記者が汚染漏れについて尋ねないことだ。委員の脳裏に刻まれるから」

一方で、日本政府の対応には手厳しかった。

「安倍首相が最終プレゼンに参加するなら、きちんと原発問題について触れるべきだ。質問が出たら答える、という形ではなく、先取りして、震災後2年以上たち、なぜ今のような状態にあるかを説明すべきだ」

4日の記者会見。質疑応答で出た質問は六つ。汚染水漏れについてが四つを占めた。

招致委理事長の竹田恒和は「何も心配することはなく、安全だ」と繰り返した。満足いく回答が得られない記者から似た質問が続く。「IOC委員の投票への影響は?」と角度を変えた質問を投げかけられても竹田は自らの主張を繰り返した。

最初は英語で答えていたが、4度目の質問で日本語に切り替えた。でも、残念ながら中身に変化はなかった。

「さきほど申し上げましたように水、食料、全く問題なく、3500万人の市民が首都圏に住んでいます。放射能の問題は全くない。これまで一人の問題もない。ロンドン、パリ、ニューヨークとほぼ同じレベル。福島とは、ほぼ250キロ離れている」

私が最も違和感を覚えたのは、ここだ。福島から250キロ離れているから大丈夫だと言うけれど、「東京だけ安全ならそれでいい」と受け取られかねない。福島に暮らす人々が、避難を余儀なくされた人々が、この発言を聞いてどう感じるだろう。

実は、こうした発言は初めてではない。招致委専務理事の水野正人が海外メディアのインタビューに「東京は福島と違う」といった趣旨の答えをしたことがある。

容赦なく畳みかけてくる外国メディアの攻勢を真正面から受け止めたことで傷口を広げた面もある。何ごとも誠実に対応しようとする日本人の美徳なのだが、取材対象の弱みを逃さず突いてくる外国人記者には、格好の標的となってしまった。

私の脳裏に、白髪交じりの長髪がトレードマークの、小柄な英国人の顔が浮かんだ。

 マイク・リー。2012年大会のロンドン招致、16年大会のリオデジャネイロ招致、22年サッカーW杯ではカタールを招致成功に導いた腕利きのPR戦略アドバイザーだ。彼が記者会見を半ば強引に切り回し、危機を救ってきた場面を幾度も目撃してきた。

4年前のIOCコペンハーゲン総会のリオデジャネイロには「犯罪率の高さ」「公共交通網の未整備」などの弱点があったが、英語が不得意なルラ大統領に答えさせるのではなく、自らデータを示し、その後の質問を遮ったりもした。記者からすれば迷惑な存在だが、英語が母国語ではない国の立候補都市には心強い防波堤になる。

ただ、ネックなのは法外とも言える契約金。4年前に取材したとき、「私は1日5000ドル(約50万円)以下では契約しない」とリーが語っていたのを耳にした記者がいて、評判になったのを覚えている。

実は、リーとの契約を東京の招致委が検討していた時期があった。5月末、ロシア・サンクトペテルブルクで開かれたスポーツ国際会議でリーと接触を持ち、さほど割高ではないオファーを受けていた。

しかし、強引な手法を押しつけるリーがチームに加わることで不協和音が生まれる恐れがあり、「真摯(しんし)なイメージを貫いてきた東京にそぐわない」などの理由で契約に至らなかった。

4日、竹田の記者会見での失態を知った東京招致委幹部はリーとの契約に至らなかったことを悔やんだ。

今回の招致レースで立候補3都市は、スポーツとは直接関係がない外的要因に苦慮している。東京は汚染水漏れ、イスタンブールは隣国シリアを巡る国際情勢、マドリードは経済危機と失業率の高さ。

イスタンブール招致委は3日の記者会見でシリア情勢を聞かれ、ハサン・アラト会長が「それはグローバルな問題で、トルコだけが抱える問題ではない」とかわした。

4日、マドリード招致委の記者会見では欧州屈指の失業率の高さへの懸念が出たが、「経済は回復基調にある」と主張。東京に比べ傷口は広がらなかった。

投票日まで、あと2日。招致レースは最後まで何が起こるかわからない。

06年冬季五輪の開催都市を決めた1999年ソウル総会では、本命視されたシオン(スイス)が投票日前夜に盛大な「祝勝会」を開いたことが広まり、トリノ(イタリア)が勝った。

「IOC委員はプライドが高い。勝手に勝った気でいるな、という反感を買った」。当時、IOC理事だった猪谷千春の証言だ。

12年五輪招致でロンドンが勝ったときは、決定翌日にロンドンで同時爆破テロが起きた。「テロが決定の前だったら違った結果になった可能性もある」。当時、IOC委員だった岡野俊一郎は語っていた。

「安心・安全・確実」を旗印に掲げてきた東京が、皮肉にも汚染水漏れという「国家的な自責点」で安全・安心にひびが入ったことは、どう響くだろうか。〈敬称略〉