曇、21度、70％
春咲く薔薇は枝にたわわです。冬の間じっと蓄えていたものを弾き出すような勢いを持って咲きます。花一つ一つは大きく、香りあるものは強く匂います。薔薇の見頃はひと月続き、夏を迎える頃には花を落としてしまいます。四季咲きなどと呼ばれる品種は真夏にもたまに花を咲かせます。春に比べると小さな、匂いの薄い見た目も劣る薔薇です。暑さを超えて凌ぎやすい秋になると、また数は少ないながら大きな薔薇を咲かせます。
花色一色になる春の薔薇とは違います。そこここに一つまた一つ、春咲に比べると一回り小さいながら真夏の薔薇よりはるかに美しさを取り戻しています。
春には10センチ以上の花をつけた「アウグスタルイーゼ 」ドイツ人女性の名前を持つ薔薇です。秋咲はやや小ぶりです。それでも存在感十分な「アウグスタルイーゼ 」です。花弁の色はピンクからオレンジに変化します。春咲ほどではないもののフルーティーな香りを強く発します。
薔薇は洋名も和名も素敵なものが多く、人名もよく使われます。薔薇好きな人は品種や花付きにこだわる方が多いと聞きます。まだ薔薇と付き合い始めて3年の私はそんなこだわりはありません。ただ、育てやすく出来れば香りが良いものが庭にあって欲しいと思います。
この春、「アウグスタルイーゼ 」が花開いた時驚きました。「こんなに大咲の薔薇があるなんて！」風に吹かれてもびくともせずに咲き誇るこの薔薇の姿に改めて薔薇の花を美しいと感じました。開き切るとはらりと花びらを落とします。
冬に入っても数は少ないながら花をつける品種もあります。そしてまた巡って来る春です。ゲーテの文通相手だったという女性「アウグスタルイーゼ 」の名前を持つこの薔薇も来春にはまた一回り大きな香り高い花をつけてくれることでしょう。秋の薔薇を楽しむ夕べです。
