雨、雷、26度、79%
私のふるさとの博多(福岡)では、お雑煮の出しはアゴとブリでとります。残念なことに両親とも博多の生まれ育ちではないのでこれが本物の味というのは知りません。それでもアゴとブリでとっただしのすまし汁のお雑煮にかしわ(鶏肉)が入ればこれぞ博多のお雑煮です。
出世魚と呼ばれるハマチは大きさによって呼び名が変わります。世界中で捕れる魚ではないらしく、日本の九州沿岸、南限はハワイの辺だそうで、ここ香港では魚屋に並ぶ魚ではありません。冬場の脂の乗り切ったブリの美味しさは格別です。お魚のお煮付けがあまり好きではないので、専ら塩焼きでしか食べません。分厚く切ったブリをじっくり火を通して、ホロリと身が口の中で崩れると、「あー、幸せ。」と感じます。
大きさで呼び名が代わるブリ、最近では養殖物はハマチ、天然物をブリとも呼ぶそうです。50、60センチの小ぶりな物は日本から香港に運ばれて来ています。日系のデパートやスーパーでは切り身で売られています。ところがその切り身たるやブリジャブにするには厚すぎる、焼いたり煮たりするのは薄すぎる物で、いくら食べても食べた気がしません。日本に帰るとブリが食べたいが始まります。
ここ数ヶ月、正真正銘のブリ(80センチ以上)がちょっと高級なシティースーパーで売られるようになりました。当初は大きいのが一匹、魚売り場のど真ん中に氷の上にのっていましたが、最近ではど真ん中に切り身で売られています。その切り身の厚いこと。日本的な塩焼きではなくグリル用の切り身です。
昨日は、鰻を買いに出かけました。ところが何処を探しても鰻の白焼きも蒲焼きも見つかりません。お店の人に尋ねると、サーモンの横にあると教えてくれます。あるのはスモーク鰻だけです。そこで、鰻は諦めて魚売り場のブリの切り身を買うことにしました。
これは宇和島で養殖されているハマチだそうです。 売り場横の小型テレビでは青い空の下宇和島でハマチが養殖されている様子が写し出されています。主人などはこのために日本酒をカゴに入れました。
この二枚のほかにハラミを一枚買い求めました。三枚をスキレットでじっくりと火を入れます。やはりこの時期ですから養殖といっても脂の乗りは今ひとつですが、旨味は十分です。ハラミも思ったよりさっぱりと臭みがありません。量も充分。満足、満足。モモさんもたんと食べました。こんなおいしいハマチを日本から離れた香港で食べれるとは、冷蔵技術、輸送技術の発達のおかげです。
こんな贅沢なお買い物、私のお財布では出来ません。たまの主人と一緒の買い物は、思いもかけず美味しいものを頂けます。これもおかげです。