チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

飛んで行った「ガロ」たち

2015年07月22日 | 旅行

雨,24度、97%  雷注意報、大雨注意報

 ユーラシア大陸の西の果てポルトガルまで旅したのは5月のはじめことでした。2度目のポルトガル,しかも,香港に長く住む私にとっては、お隣マカオがポルトガル領であったこともあり身近な国に感じます。身近なはずのポルトガルですが,飛行機に乗っても20時間近くもかかります。意外に遠かった。

 自由な時間のない旅でしたが,石造りの町を久しぶりに訪れたことは,東洋とは違う様々のことを身に感じるいい機会でした。世界中知らない所ばかり、世界中知らないことばかり、そんな思いがこの年齢になって反ってワクワク感に変わります。

 旅立つ前から,絶対に買いたいものがありました。今までの旅でもこれとこれは絶対に買うと思っていても,それは旅先のこと,思わずお店が閉まっていたり、時間の都合で行けないことも屢々でした。だから,絶対に買いたい物リストは作らないことにしています。でも,これならどうにか手に入ると目星を付けたのが,ボルトガルの国民的マスコット「ガロ」です。雄鶏の形をしたフィギュアです。

 「ガロ」を初めて知ったのは,お隣マカオでのことです。香港よりやや遅れて中国に返還したマカオでは,返還前はこのニワトリのマークや置物がお土産屋さんに並んでいました。当時のことを思い出すと,ブルーばかりだってように思います。でも、「ガロ」は我が家にやって来ませんでした。ポルトガル本土に旅した時にも,ずらりと並んだ「ガロ」を求めないまま戻って来ています。それなのに,今回は,「ガロ」を連れ帰ることを行く前から決めていたのです。そう,空港かお土産物屋さんに行けば必ず手に入るとの心算もありました。

 旅行をしても殆どお土産物屋さんで品物を買いません。ちょいと覗く程度です。その私が,今回はびっくりする主人を横目に,お土産物屋さんに入ります。日も暮れかかった観光客も少なくなった時間です。アフリカ系のお店のお兄さん,大喜びで迎えてくれました。いえいえ,あちらのお勧めには絶対乗りません。目指すは「ガロ」。目の前にずらりと並んでいます。探す必要もありません。色違いを束ねて,私の買い物は終わり。

 旅から戻って,ゆっくりする間もなく日本に戻りました。「ガロ」たちは家の本棚でお留守番。ポルトガルから戻って人心地付いたのは,一月半ほど後のことです。「ガロ」たちも大西洋の見えるポルトガルから南シナ海の香港までの長旅の疲れを癒した頃です。さてと,一つまた一つと友人の元に向けて送り出しました。全部一遍に送り出すのは寂しかったので,一つずつです。北は北海道,南はニュージーランド。最後に送り出したニュージーランドの「ガロ」が着いたと連絡がありました。

 リスボンの下町,石畳の坂の途中のお土産屋で求めた「ガロ」たちも今では居場所を見つけたようです。4センチほどのやや持ち重りのする「ガロ」です。焼き物ではありません。お土産物屋の店先に並んでいた頃は,毎晩ファドを聞いていた「ガロ」たちです。それぞれ,今はどんな歌声を聴いているのかな。「ガロ」がいなくなった本棚を眺めます。

 自分のために買った「ガロ」ではありません。小さな「ガロ」に小さな思いを運んでもらいました。「ガロ」がいなくなったなあと思っていると、 あっ、いました。

コメント
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