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博多 萬行寺の名物猫、とらが逝ってこの10月14日で2年になります。お寺さんの猫ですから、小さくとも立派な墓石の建ったお墓で眠っています。福岡に帰れば、必ず父母の眠るお墓へと参ります。来月のお盆には来れそうもないので、先日はお墓周りの草払いや枝落としをと考え境内に入りました。とらのお墓は、ちょっと分かり辛い所にありますが、横を通るときは、生きていた頃と同じく、「とらちゃん。」と声をかけます。
とらは、外飼いの猫でした。とらが弱り始めた頃、萬行寺の社務所には黒白の2匹の猫がやって来ました。社務所は冷暖房完備。まあ、優雅な猫たちです。社務所の顔見知りのおじさんとよく猫談義に花が咲きます。萬行寺は先代のご住職の頃から猫がずっといるお寺です。
いつものように境内を急ぐ私、駐車場の車の上にいつもは社務所にいる2匹を見つけました。黒白2匹が外にいる時は、社務所のおじさんの監視下です。ところが、その日は2匹だけ。 以前、この2匹は兄弟ではないと聞いた覚えがありますが、背格好といいよく似たおふたりです。カメラを向けていると。短い時間に、いろんなポーズを見せてくれました。 「まだ、あのおばさん、写真撮ってますよ。」とでも話してるのでしょうか、ひそひそ話までしてくれます。
墓地に入るとイチョウの大木には、大きなギンナンが実を付けています。 イチョウもモミジ同様、春夏秋と目を楽しませてくれます。
お墓の花入れの横の水落の穴にも、苔が戻ってきました。 こちらは苔の上に小さな葉っぱまで。 この小さな苔の緑は、実家のお墓の中で一番私が好きなものです。母の納骨の時、石屋のおじさんが気を効かせてこの苔をとってしまったときは、それはがっかりしたものでした。モスグリーン、苔の緑は深い静けさを運んでくれます。年末に枝を払って小さくした万両も花をつけてくれました。
お墓の帰り、車の上には2匹の猫の姿が見えません。社務所を覗いてもおじさんも猫もいません。今度行ったら、猫の名前と素性を聞いてみるつもりです。とらほどの貫禄や独特な雰囲気はありませんが、急にこの2匹が身近に感じられます。2匹のまだ若い頃の写真は、「萬行寺のとら その3」で検索すると出てきます。
とらは逝きましたが、黒白2匹の猫にあえる楽しみが一つ増えました。猫のいるお寺博多萬行寺です。