チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

人と歩く

2014年07月29日 | 日々のこと

晴れ、26度、82%

 人と歩いてどこかに行った、そんな記憶が他の方と比べたら少ないかもしれません。兄弟がいないので、一緒に歩いた記憶で一番多いのは母とです。レンゲ畑の向こうに夕日が沈むの見ながら歩いた、春の夕暮れ。夏の暑い中を、いやいや歩いた京都の御所脇の道、白壁と白い玉砂利がどこまでも続いているようで、ほんとに辟易した覚えがあります。

 学校も遠くでしたから電車やバスに乗りました。近くの友達と歩いての登下校の記憶もありません。その上、歩くのが速いときています。私みたいな人と歩く方も大変でしょう。時間的に一緒に長く歩いたのは、それはもちろん37年一緒の主人です。山歩きの好きな人ですから、お供に私が付いて行きます。暑くても、寒くてもよく山に入ったものです。寒いのはいいのですが、暑い夏の山歩きは過酷です。主人のポトポト落ちる汗を見ながら付いて歩きました。

 主人、母と同じくらい一緒に、いえ、手をつないだことを考えるともっと密接に一緒に歩いたのは、一人息子です。歩きはじめて、小学校に入る頃までは、手をつないでどこへも一緒でした。考えると母親としては、一番幸せなときだったかもしれません。

 思い立ったら、一人でスタスタ歩いて行きたいところに行く。まだ、歩けるしっかりした足があるうちに歩いておこうと思います。身勝手にみえるかもしれません。一人で歩いていると、人と一緒のときとは違って、道端の小さな花や塀の上の猫や脇道や見落としそうなものまでが、目に飛び込んできてくれます。何処からともなく吹いて来る風の匂いを、一人なら立ち止まって胸一杯吸い込むことも出来ます。どこまでも抜けるような空の色に見惚れて、ああ、きれい、と声を上げてもお構いなしです。

 こんな私ですが、ここ数年は、亡くなった母と歩くとき、今では義母と一緒に歩くとき、普段の何倍もゆっくりと付き添います。少しもどかしくもありますが、ゆっくりペースに母たちの足の動きを見たり、小さな話を聞きながら歩くのも、楽しみになって来ました。いつかは、私もこのスローなペースになるのだなと、実感します。そして、人と一緒に歩くということは、相手を思いやることだと、恥ずかしいことながら、この歳で気が付きました。

コメント
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