晴れ、28度、87%
この暑い最中、ポトフを作るはめになりました。私が、1997年頃買って忘れていた、93年のドンペリ。この、香港の気候の中、箱に入れたままなのですから、いい保存状態ではありません。それを見つけた家人、もう、きっと飲めないよと言って、冷蔵庫に入れました。そして、また2ヶ月が過ぎました。いよいよ、二人して覚悟を決めて開ける事に。コルクの上にかかっているワイヤーからしてさびています。なんだか、ひどいシャンパンを見るのが忍びなく、台所でそっとしている私でした。
家人呼びます、行ってみると、飲んでごらん。気泡はぷつぷつたってます。でも、香りはしません。恐る恐る口に運びました。甘みもなく何とも表しようのない味です。やはり、だめになっていました。もちろん、代わりの飲み物は用意してありました。私、残ったお酒、ビール、だめになっていたワインなど捨てずに料理に使います。このシャンパン、ドンペリも料理に使う事にしました。食事の間中、家人と何を作るか相談です。何せドンペリ、しかも一本まるまるあります。ニジマスのポッシェがいいと家人。ニジマス最近見かけませんし、ポッシェとなると使う量は知れています。さけがいいとか、結局、この夏の盛りにポトフを作る事にしました。
有り合わせの野菜とチキンをお鍋に入れて、どぼどぼドンペリを注ぎます。プシュプシュ泡がたって何やら複雑な気持ちです。後は、ルクルゼのお鍋にお任せの簡単料理。ところが、アルコールを飛ばすため蓋はせずに煮始めると、なんとまー、台所中がいい香りです。いい香りとアルコールで、台所に立っているだけで胸がいっぱいになりました。この暖かさと、蒸気を利用してついでにパンも発酵させましょう。
2時間ほど小さな火で煮ました。後はお夕飯まで置いておくと、いい具合に味が馴染みます。
まだ半瓶ほど残っています。このまま置けばビネガーになるかしらとか、考えています。ドンペリビネガー。気泡があるので、早く使い切らなくてはいけません。