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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「士多」香港

2017年01月06日 | 香港

晴れ、18度、88%

 香港では地名、人名に英語表記と漢字表記があります。漢字には意味がありますから例えばペニュンシュラならそのまま意味をとって半島。ところが漢字の音を取る場合もあります。要するに当て字です。英語のストアー、音をとって「士多」となるわけです。「士多」はお店やさんです。間口一軒ほどの小さなお菓子やタバコ、日常品を売っている店を指します。

 この「士多」コンビニのおかげでどんどん店が無くなってきました。家賃の高騰もあってか繁華街では見かけなくなりました。先日主人とそごうなどがある香港の繁華街の一つトンロー湾を歩いていて、「士多」を見つけました。小さなビルが高層に変わりつつあるトンロー湾の一角、5階建ての古いビルの路面です。表は果物屋、路地に沿って日常品が売られています。屋号は「新天然鮮果士多」鮮果は果物です。

  ソフトドリンクやビール。 クリームスープの缶詰やランチョンミートの缶詰、スープの素などがズラリ。その下は、 アイスクリームです。 袋菓子なども狭い場所ですから、ぶら下がっています。店の中側にはお酒、乾電池なども見られます。上のガラス戸の中には、葉巻まで収まっています。

 こういう「士多」の店番のお姉さんもおばあさんも決してニッコリなんかしません。無愛想極まりないのですが、近くの子供や顔見知りがやってくると相好を崩します。普通のお客には、「今日は釣り銭で1ドル玉がないから、持ってたら1ドル玉で払ってくれ。」などと臆せず言います。要するに直裁的な人たちです。

 この「士多」の並びには私学の小学校があります。学校の退け時ともなれば、子供たちがいっぱいの店です。この「士多」私が香港に来た時にはもうありました。古い店です。

 店の奥には昼ごはんでしょうか、煮炊きした匂いが残っています。雨の降り続く季節には、カビ臭いのもこういった店の特徴です。遅かれ早かれこのビルの建て替えとなれば姿を消します。路地の暗がりにポッと明かりの灯る「士多」を見ると、懐かしさが胸に広がります。


「維他奶」香港 

2017年01月05日 | 香港

曇り、19度、85%

 香港は寒くても10度を切ることがほとんどありません。そうは言っても暖かいのに慣れている者にとっては10度にでもなると寒く感じます。寒くなるのを待ち遠しく思う飲み物、暖かな「維他奶」です。

 豆乳がごく当たり前に飲まれていることに驚いたのは、香港来た当初です。パックに入ったお安い豆乳、上海料理の庶民的な店の前の豆乳の大きな樽。今では豆乳の質も向上して、無糖、有機の大豆、黒大豆、種類も増えました。昔からあるのは「維他奶」。豆乳の匂いもしないちょっと甘めの豆乳です。種類は2種類、プレーンなものと麦芽入り。長方形の紙パックに入っています。夏はお店やさんの冷蔵庫でギンギン冷えたのを飲みます。

 香港で初めて冬、「士多」と呼ばれる何でも屋さんの店の奥にお湯に浸かった飲み物が置かれます。中を覗くと、「維他奶」の瓶入りです。瓶入りを見たのも初めて、お湯から出して暖かな「維他奶」をもらいました。栓を抜いてもらい、長い長いストローで飲みます。冷たい「維他奶」と違ってほのかに豆乳が香ります。心なしか豆乳も濃いように思えます。以来、寒くなると「士多」に飛び込んではこの「維他奶」を探します。

 「士多」ストアーの意味です。街の「士多」は姿を消しました。どこに行ってもセブンイレブンがあります。そのセブンイレブンの隅っこに、やっぱり冬になると出て来るのがこの「維他奶」を温める入れ物です。 中にはいつまでも変わらないスマートなボディーの瓶が並んでいます。もちろん2種類、プレーンと麦芽入りです。

 最近はパック入りの「維他奶」も暖かな缶コーヒーの横に並んでいますが、この瓶入りを探します。3月も半ばを過ぎると暖かくなる香港です。毎年、気が付くとこの瓶入り暖か「維他奶」の姿はなくなっています。そして、寒くなると必ずどこかに姿を見せます。

 元旦、早朝から一人山に上がりました。降りてすぐ、セブンイレブンに飛び込んでこの瓶入り「維他奶」を飲みました。

 寒い時期、香港に見えたらセブンイレブンの隅っこを探してください。ぬるいお湯に浸かった「維他奶」の瓶入りが見つかるはずです。

 


ペニュンシュラホテル 香港

2017年01月04日 | 香港

曇り、19度、81%

 この20年ほどの間に香港はホテルがたくさん建ちました。先日の新聞では大小のホテルの数は約以前の倍近くにまでなったと伝えています。中国からの観光客を受け入れる為もあります。5つ星のホテルから小さなホテルまで様々です。でも、香港のホテルといえばやはり、ペニュンシュラホテルが筆頭だと思います。九龍サイド、ビクトリア湾沿いに建つ古いこのホテルの写真は、第1次世界大戦のはじめイギリス統治下に置かれた当時の瀟洒な佇まいを見せています。第2次大戦中日本占領下の頃は「東亜ホテル」と名付けられたそうです。この香港の移り変わりをじっと見つめてきたホテルです。

 ランドマーク的な存在のペニュンシュラホテル、よく人と待ち合わせに使います。暮れの30日、ひょんな事でペニュンシュラホテルに足を運びました。ペニュンシュラホテルの裏のビルのレストランに食事に行くつもりでした。予約の時間まで1時間以上あります。この私、「お腹が空いた。」を連呼しています。お客様とご一緒の時はぐっと堪えているのですが、流石に主人と二人だとわがままのいい放題。あわよくば予約なしでホテル内のどこかのレストランに入れるかもしれないと、主人が機転を利かせてくれました。

 香港、今年はクリスマスから引き続きお正月、この月末には旧正月を迎えます。一番華やかな時期がぐっと凝縮された形です。人出も多いこの時期、九龍サイドまで出向いたのは久しぶりです。正面玄関の車付きで車を降りて入ると、落ち着いた華やかさが出迎えてくれました。私の背丈の3倍もあるようなクリスマスツリー、このホテルばかりはいつ来ても背筋がしゃんと伸びるような気がします。30年前は日本人の観光客がいっぱいでした。バブルの時期です。ここ最近は中国人が多くいましたが、この日はなぜか中国語が耳に飛び込んで来ませんでした。 お腹が空いて、写真なんか撮っている場合ではないと思っている私です。

 コーヒーハウスは私の背中側、2階にレストランがあります。正面階段を上るのもこのホテルならではです。上がってすぐの「ベランダ」の前にはクッキーハウスのゲレンデが出来ていました。この「ベランダ」のビュッフェでもいい、と言い出すほどお腹がペコペコ。結局すぐに座れる席は4つのレストランともなく、ペニュンシュラホテル、滞在15分ほどで出ました。

 香港の歴史、小説、何を読んでも必ず登場するペニュンシュラホテル。戦前は、コーヒーハウスの海側の席は誰の席と決まっていたそうです。その常連客が来ると注文も聞かずにいつものお茶が運ばれて来たのだとか。なんにも無かった漁村のこの香港に建てられたホテルです。歴史の重みを感じながら、どのホテルよりも好きなホテルだと思います。


地上393mからの香港の夜景

2016年12月31日 | 香港

曇り、17度、80%

 この30年香港に新しいビルが建つたびに一番高いビルの名前が更新されました。香港島のセントラル一帯はそういった高層ビルばかりですが、中国と地続きの西九龍にICCができたのは6年ほど前でした。現在ICCは世界で7番目に高いビルだそうです。最上階は100階、そこはビクトリア湾が360度遠望できる展望台「SKY100」です。100階までは高速エレベーターで60秒、ぐっと近くに見ていたセントラルの高層ビル群も対岸の九龍、しかも高層からの景色はいつもと違うものでした。

  セントラルの中心部、昔のスターフェリー乗り場横の埋め立て地には大きな遊園地ができています。 真下を見下ろすと、オーシャンターミナルのドックが見えます。何もかもが小さくて迫力には欠けます。ちょうど日没後すぐに着いたので、 香港島の太平山の山際には夕日の照り返りが残っていました。右に見える赤い尖塔のビルの向こうにはモモさんが寝ている我が家があります。 ワンチャイ、トンロー湾を眺めた様子です。そしてその向こう、 トンロー湾から北角へと香港島の東側が見渡せます。

 裏に回ると九龍サイドの山やどこまでも続く車のライトばかりです。観光客はやはりビクトリア湾側に陣取っています。あまり高いので華やかなイルミネーションが寂しく見えるほどです。地上に降りて車の中から見る景色は車の騒音、香港人の声の大きさとともにぐっと身近に輝いていました。

 この30年香港も変わりました。ビクトリア湾を行き来する船の明かり、水際に建つビルのイルミネーションが海面を彩るこの景色と共に生活してきた時間は、私にとって人生の半分の時間です。大切に心に留めておかなくてはと思います。


香港 ビクトリア湾の掃除屋さん

2016年12月04日 | 香港

曇り、21度、86%

 香港は10月ごろから12月半ばまでが非常に過ごしやすい天候でした。日本の秋晴れに似ています。空は高くなり気温もグッと下がり、なんと言っても湿度が低くなります。家を出た途端の空気の匂いが秋を知らせてくれます。ところが気候が少しづつ変わってきました。10月に入っても大型の台風がやってきます。今年の10月の平均気温は観測史上最高だったそうで暑い日も続きます。

 12年前のことです。そうです、モモさんが我が家にやってきた年のこと、今は亡くなった母に言いました。「モモはどんな時でもお外でトイレをするから助かるわ。」母が言います。「雨の日もお外でするならいいわね。」ここでハタと言葉が止まりました。なぜならモモさんが来た9月21日から12月の末まであの年は雨が降りませんでした。雨の日にモモさんがお外に出るかもわかりませんでした。毎日気持ちのいい天気でした。香港の秋です。

 先週は2日ほどそんな香港の秋が戻って来ました。この風の匂い、この空の色、急にスターフェリーに乗りたくなります。用事などありません。短い船旅ですが、ゆっくりした気持ちでこの船に乗れるのもあとわずかです。 ひと頃このビクトリア湾の水質が問題になりました。水質もですがペットボトルなどがプカプカしていることもあります。香港の観光客はみなさんこのスターフェリーに乗りますから、ゴミはいけません。もう20年ほど前、面白いごみ取りの船を見ました。小型のショベルカーを船に仕立てたごみ取り船です。大型船の波に煽られながら、うまく平衡をとってゴミを集めている様は可愛いという表現がぴったりでした。

 先日久しぶりにごみ取りの船を見ました。昔ながらの香港の屋形船、海上生活者はこの船で寝起き、炊事もします。今でもトンロー湾の台風シェルターにはこの屋形船が数隻見られます。船頭に立つおじさんは客家の竹の帽子を被って、手には網を持っています。この小船が波に揺られて高層ビルを背景にしているところは、香港そのものです。

 年が明けると湿度の高いジメジメした気候がやってきます。 こんな空と海を見られるのもあと何日でしょう。

 

 


香港のショッピングモールのクリスマス飾り

2016年12月03日 | 香港

曇り、29度、81%

 香港、こんなに狭いのに大型のショッピングモールが数あります。世界の有名ブランドがずらりと並びレストラン、映画館も併設、人は多く娯楽は少なく家は狭い香港ですから、土曜日曜ともなれば人がどっと繰り出します。クリスマスシーズンが近づくとビクトリア湾を囲むビルのイルミネーションも一段と華やかさを増しますが、それぞれのモールが競ってクリスマスの飾り付けをします。

 我が家から一番近い古くからの「ランドマーク」の飾りつけは例年定評です。見出し写真です。数年前にこの吹き抜けの空間の天井がガラス張りになって以来、明るくなりました。

 同じセントラルに新しくできた「IFCモール」、 今年はなんだかパッとしませんが、ビルが新しいので明るく見えます。

 ビクトリア湾を渡ると、オーシャンターミナルの大型ショッピングモールがあります。ここはスターフェリーの乗り場からモールの入り口にかけて外にも飾り付けがされます。 どの飾り付けでも記念写真を撮る人でいっぱいですが、このオーシャンターミナルのところは中国からの観光客が目立ちます。記念撮影をするのはなぜか決まって東洋人です。

 この3つに加えて、金鐘の「パシフックプレイス」、トンロー湾の「時代廣場」が有名です。この数年、中国との境の街にも大型モールができています。どのモールにも大きな飾り付けです。

 今年もパネトーネのブームが続いています。 パネトーネはクリスマスだけのお菓子ではありません。お祝いのお菓子ですから、この香港、クリスマスに始まり旧正月までの間、パネトーネが売られます。 これは最近の流行りです。

 香港の街が一段と華やかになってきました。さてこの冬は大変です。クリスマスが終わってすぐにお正月、そしてそれからひと月しないうちに旧正月を迎えます。つまりこの飾り付け、すぐにお正月用、旧正月用に変わるわけです。観光都市ですから当たり前ですが、いやはや慌ただしい街です。

 最後に私の最近のお気に入りのオーナメントを、 商業ビルばかりか普通のマンションもクリスマスの飾りをします。モモさんと夕方の散歩で通るマンションの入り口のオーナメントです。白い球は雪だるまの顔になっています。暗くなると大理石の塀に映ってなんとも可愛い。香港も日暮れが早くなりました。

 

 


夜明け前のスーパームーン 香港

2016年11月15日 | 香港
晴れ、22度、94%

昨晩からWi-Fiが繋がらないので、携帯からポストしています。

スーパームーンと騒がれていた昨晩、香港は薄曇りでした。いつものように私の寝室のカーテンは半分しか締めません。早朝、目が醒めると空の色が澄んだ群青色です。月が何処かで照らしていることを感じます。何時もは持たない携帯を持って走りに出ました。

暫くはどこに月がいるのかわかりません。香港島の太平山に見え隠れする月を見つけたのは、走り始めて20分。 普段の数倍の明るさを放っています。ボウエンロードに入ると、高い木々の間から見え隠れする月です。神々しいまでの月明かりと共に走ります。走っている間にも月の位置は少しづつ変わります。Uターンした辺りから、月の色がやや黄味を帯びてきました。日が昇るにはまだ2時間近くもあります。帰りは、ずっと私の正面、空高くに月はいました。

気温がもっと下がると、冴え冴えと見えるのにと残念です。夜明け前の月と走ることができるのは、幸せ以外のなにものでもありません。

香港のドッグウォーク

2016年11月14日 | 香港

曇、24度、80%

 少し暑くなったものの秋らしい爽やかな昨日の香港でした。モモさんをクレートに入れて車に乗せる練習にピークに向かいました。ピークに向かうには上り下りもありますが、カーブが多い道です、右揺れ左揺れ慣れてもらわないと困ります。観光客も多いのでしょうか、行きの上りは午前中にもかかわらず渋滞です。

 車を降りてびっくり、人が多いばかりか犬もたくさんです。ドッグウォークに遭遇してしまいました。香港は涼しくなり始める今頃から年明けの3月ごろまでは、犬を連れて歩くドッグウォークの催しがあちこちであります。ただ犬連れで歩くのですが、放棄された犬たちの保護団体、介護犬育成の団体への寄付金を集める目的もあります。 みなさんブルーのTシャツを着てピークまで車の通らないオールドピーク道を上り下りします。お巡りさんまでが出て交通整理をするほどの人と犬の数です。

  若いパグさんも数匹見かけました。オールドピーク道は木々に覆われていますから、涼しく歩けますが急な坂道です。フレンチブルを乗せた素敵なカートも見かけました。 モモさん、犬たちがいっぱいなので大喜び、その犬たちの行列にまるで自分も歩いて上って来ましたというお顔で加わります。 不思議なことにこれだけたくさんの犬たちがいると喧嘩もありません。飼い主と一緒に整然と歩いて下りて行きました。主人が200匹はいそうだな、と呟きます。

 お昼ご飯をテラスでいただいていると、離れた席のプードルちゃんがご挨拶にやって来ました。モモさん、プードルちゃんよりご飯です。 見向きもせずに、テーブルの上を見上げています。しばらく犬たちがいなくなったピークでゆっくり時間を過ごします。

 さて、クレートに入り車に揺られるとモモさん落ち着かなくしていましたが、次第に慣れて来て横になっていました。今から3ヶ月、徐々にモモさんに慣れてもらわなくてはなりません。たくさんのお友達に会えて、たくさん揺られて午後はモモさんばかりか主人も私もお昼寝しました。


モモさんの夜のお出かけ

2016年11月03日 | 香港

曇り、20度、71%

 香港もすっかり涼しくなってきました。コンクリートだらけの香港です。夏場は鼻ペシャのモモさんにとっては過酷な時期です。出張から帰ってきた主人が珍しくピークでゆっくり夕飯をと言います。ピーク、香港島の太平山の山頂です。観光客も多いのですが、土曜日曜は地元の人も多くてゆっくりできません。モモさんも連れて行きます。

 ピークでご飯をいただくお店はたくさんありますが、夕飯の時は決まって「THE PEAK LOOKOUT」です。モモさんがまだ一歳になる前に初めてお外で夕飯を取ったのもこの「THE PEAK LOOKOUT」です。  南シナ海を見渡すこの建物は、政府の古蹟建造物に指定されています。19世紀、このピークに住むイギリス人のための人力車の停車場でした。犬連れのお客は外のテラスでご飯をいただきます。

 料理はコンチネンタルな多国籍料理、 スターターはシーフードプラッター。香港は一年中生牡蠣が食べられます。それでもやはり涼しくなってからの生牡蠣の方が美味しいと思います。マッスル、ハマグリ、エビにカニ、生牡蠣です。お次は、マンゴがアクセントのチキンサラダです。この後、フィッシュ&チップスをいただいたのですが、モモさんにあげるのに急いでいましたから、写真を撮り忘れています。大きなたらが2切れ、フリッター状にからりと揚げられていました。モモさんばくばく食べてくれます。蠟燭の明かりでワインを飲みながらのご飯は、週日なのにゆったりした気分にしてくれます。ふと気づくと、 お皿の上にはバニアンツリーの葉っぱが一枚。

 あいにくお顔が黒いモモさんの写真は真っ黒けです。翌日、夜遊びのお疲れで  1日このようにお休みでした。

 

 


銀行通帳

2016年10月17日 | 香港

曇り、26度、76%

 私が銀行通帳を持たなくなって既に15年は経っています。ちょうどペーパーレスという言葉がで始めた頃です。その代わりに一月分まとめて自分の出し入れがはっきりわかるお知らせが毎月郵便で届きます。普通預金、定期預金、当座預金、クレジットカードのバランスが一枚の紙に収められています。お金を下ろしたい時はカードとサイン。もちろんATMの機械でもできます。この「通帳なし」は皆んなではありません。希望する人は通帳を発行してくれます。

 3ヶ月ほど前、この毎月送られてくるステイトメントに一月10ドル、約130円ほどの料金がかかるようになるとお知らせが入っていました。130円でももったいない。どうすれば課金されないかというと、e-Bankingの口座を作ればいいのだそうです。e-Banking,口座は持っていますが、使ったことがありません。日本への送金も普通の出し入れも、カード一つ持って銀行に出かけます。印鑑不要ですから身軽です。

 毎月送られてきていたステイトメントだって紙にプリントされています。ペーパーレスなんていっても、やっぱり紙を使ってるじゃないと思っていました。このe-Bankingの利用でいよいよほんとのペーパーレシです。この2ヶ月、PCで自分の口座を開けると全てのお金の動きがわかります。あらかじめ振込先を口座に指定しておくと、ネットを通して振込もできます。私はしませんが、金(きん)を買うことも、証券の売買もできるそうです。要するに、こうしてPCの前に座って銀行のお金を動かすことができます。なんだか不安です。

 この銀行口座に直結しているクレジットカードはどんな少ない額でも、どこの国にいようが私が支払いに使ったほぼ2分後には、メッセージでいくら使いましたね、お知らせが携帯に入ってきます。なんだか誰かに私のお金の使い道を見られているような気がします。

 香港中から通帳が消えたわけではありません。主人は相変わらず通帳をずっと使っています。確かに銀行で長いこと列に並ばなくて良くなりました。家に居ながらにして買い物ができて、支払いもできて便利です。便利ですがお金を手渡して物を買うあの実際感の欠如は不安にさせられます。ますます、紙幣硬貨を使う機会が減ってくると思います。大きな買い物をするので銀行でお金をおろして、お財布に詰めてお店に向かったのはほんの20年前のことです。安心感、買ったという実感がありました。カードなんかで支払うと、時にはその金額すら忘れています。

 私の銀行、歩いて10分ほど、銀行のビルが今座っているこの部屋から見えています。