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うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

敵は、己にある? 1

2025年04月16日 | 稲川淳子の怪談

gooブログサイトが終了するって。

あたしゃね、戦慄が走っちゃった。

ツーっと背筋がひやーっとしちゃったんだ。

あれ?なんだ?

ヤバいなぁ、こわいなぁ、やだなぁ。

引っ越しっつっても、あたしゃ機械が苦手で。

さて・・・これからどうなるのかなぁ。

そんな訳で、

お久しぶりです、稲川淳子です。

ちょっと長いので、2回に分けてお話ししましょうかね。

怖いですね~。

いえね、この話。

お化けってのは、全く出て来ないんですがね。

何が怖いんでしょうかねぇ。

 

 去年の暮れ、父の様子は一変した。

 いや一変したというよりも、むしろ遂に正体を現した。

 

 かずこは昔から、酒におぼれては、

「あの人に憑りつく因縁がどうしても取れんのや」

 と、酷く苦しそうに吐き出していた。

幼い私は、父の因縁より、

酒を飲んで立てなくなり うごめくように這うかずこの方がよほど不気味で恐ろしかった。

それどころか、実家では、日常的に、 照明はパカパカ点滅し、

玄関には、どこのどなたか知らない人が ただただ蹲っていたり、

 爽やかな春の日差しを浴びようとカーテンを開けても、

これまた別の どなたか知らない人が、窓の向こうにへばりついてじっとり見ていりして、

ぎょっとした。

 深夜には、意識もないまま眠るかずこの読経する声が響き、

家族全員、飛び起きた。

しかし、人間は、生育環境によって、何にでも慣れてしまう。

 受験中の姉は、寝ぼけ眼で

「もう、ほんと怒れちゃう!」

 と怒りながら起きてきて、こう続けた。

「勉強合間に仮眠取ろうとしてんのに、誰か知らんけど、

 私の腹に、どんどん乗ってくるじゃんね。

 しかも金縛り状態で逃げれんもんだから、 寝れやしないじゃん。

 いいかげんにしなさいよって怒鳴ったら退いたけどさ。

 もうほんっと、怒れちゃう!」

姉にとって、それは怖い思いをした怪談ではないのだ。

 とにかく、睡眠を邪魔されて怒れちゃう話なのである。

姉をこよなく尊敬していた私は、この発言を聞いて、更に姉にひれ伏したが、

さすがに、

「姉ちゃん、それは・・・怒る話じゃないから」

とささやかにツッコんだ。

 そんな怪奇現象に見舞われても慣れてしまう程、実家はまるでお化け屋敷だった。

どれもこれも、 母の霊媒体質のせいだと思っていた。

 

 霊媒体質のかずこの血を引く私はといえば、

 姉曰く「あんたはね、霊感が強いというより野生が強い!」らしく、

野生の勘で、何某かを感知してしまう事が時々あるのだが、

その時々が、やたらヤバい何某かだったりするから不運だ。

そして、もちろん、かずこのように読経して祓うことも出来ず、

 姉のように怒りのパワーで突っぱねる術もないまま、

野生児どころか、まだ武器も火も知らぬ猿よりの原人な私は、

丸腰で、やたらヤバい何某かと出くわして、命を縮める寸前に陥ったりしてきたから、 もはや不遇だ。

しかし、この不遇な人生を乗り越えられてきたのは、紛れもないラッキー運だった。

 ラッキーしかない人生だ!

我が人生、一片の実力無し!!

そして猿よりの原人は、父の中で密かにうごめく何某かも感知していた。

 

去年末から、突如、父は食べ物を口にしなくなり、そのくせ酒量は増え、

ろれつの回らぬ口からは、見苦しい虚栄と恨み節ばかりで、 とても聞いていられないものだった。

身綺麗にしていた几帳面な父が、髭も剃らず風呂にも入りたがらない。

口数は醜い言葉で溺れそうになるほど増していくのに、 体は動かなくなっていく。

「まるで、亡霊みたい・・・。」

認知症ですっかり過去を脱ぎ捨て、赤ん坊のように心がつんつるてんになったかずこさえ、

 「最近よ。ジジぃおかしいぞ。変な事ばっかり言う。」

 と、久しぶりに的を得た事を言った。

しかし、それを、鼻をほじりながら、めちゃくちゃ面白そうに言う辺り、

さすが、つんつるてんに生まれ変わっただけのことはある。

 昔のかずこなら、

「悪いもんが乗っとる。」

 と、悪いもんより恐ろしい顔して、寺に走るか読経の準備をするだろう。

私は、微かな期待を込めて、

「ねえ、父さんって、最近臭くない?」

と聞いてみた。

すると、かずこは

「ああ。これか?」

と言って、体温計を差し出した。

「あぁぁ、やっぱダメかぁ」

 つんつるてんになったかずこに、対処してもらうことは、もう無理だと諦めた。

 

父の変化と同時に、私の右鼻に、悪臭が突き刺さるようになっていた。

 何の匂いかと問われても、例えようのない、酷い臭いが鼻をかすめる。

 野生児は、野生の勘で匂いを慎重に辿る。

「この匂いは、父さんからだ。」

我が野生の勘は、 さらに、

「うほっ、うほー!うっふぉーーーー!!」

と伝えてきた。

猿よりの原人だから、こうなる。

 訳すと、酷い恨みを持った悪臭を放つ魂の匂いだ。

 しかも、それが父から放たれている。

「うっほ、うほうほ」(訳:これは、かなりヤバめのやつだ)

戦慄が走った。

 

 だからといって、今更知らん振りはできない。

知らず知らずのうちに、とっくに、深く関わってしまっている。

 その証拠に、悪臭は父が居なくとも、常に漂うようになってきている。

右だ。

私の右側にぴったりと存在を感じる。

悪霊が憑りついた父の生霊。そんな感じだろう。

「私、死ぬかもしれん。 おじさん、一応、必要な連絡先教えておく。」

 私は、男にかずこのケアマネージャーの電話番号や 姉の携帯電話など、

いくつかの番号を書いた紙を渡した。

「またまたぁ。淳子ちゃんったらぁ。」

男は、この類の告白を、私から過去にも一度聞かされているが、

その際も、 私が普通に生きてたから呑気に受け止めている。

 がしかし、その時も死を匂わせる程、悍ましい何某かのせいで、

 苦しみもがき、フラフラのペラペラになった頃、 最強霊媒師と偶然会えたことで救われている。

この時も、一片の実力なくラッキーで生き延びた。

けれど、男は知らぬが仏。

いつだって微笑みを絶やさぬ地蔵のようだ。

 この地蔵は、私がフラフラのペラペラになっても、気付きもせず、 

飯時だって微動だにせず座り続ける。

 皿の一枚どころか、己の箸さえ取りに来ない。

その地蔵の前に、そそっと食事を並べていると、

本当に地蔵にお供えしている気分になるが、だからといって なんのご利益もない、この地蔵には。

 ムカつくだけだ。

ああ、悪口が止まらない。

 どうしよう・・・。

 

父は、桜がチラホラ咲き始めた頃、ますます衰弱していた。

病院で様々な検査を受けても、目立った病変は見当たらない。

 主治医は首を傾げるばかりで、アドバイスとしては、

「ん~、90歳にしては血液検査も良いんですよ。

うん、すごくいいんですよ。

 だぁ~かぁ~らねぇ、お父さん?

 頑張ってぇ、ご飯食べてぇ、ちょっと運動しましょう~?

お酒は呑んでいいです、呑めるんだもんね。 ほどほどね~。」

 と言うしかなかった。

 診察室まで歩くのもやっとな父は、

それなのに、昼夜問わず酒を呑みつづけ、昼夜問わず 人の悪口を並べ立てていた。

元気な若者でも、こんな暮らしをしたらくたびれるだろうに、

父の勢いは凄まじくなっていく。

 見た目も何もかも、父の面影が消えてしまった。

そして、濁ったビー玉みたいな眼のまま、

「お前を恨みに恨み抜いて死んでやる。」

と、吐いた。

これが、朝晩通い世話を続ける私に対しての言葉だ。

私は瞬間的に、顔が熱くなった。

「どうして私が恨まれるの?いい加減にしてよ。もう、あんたなんか・・・」

 寸での所で言葉を飲みこみ、玄関まで走り、実家を出るなり

「死ねっ」 と呟いた。

 

ここにも、うごめく何某かがぁぁぁ

うねっこ

 

うねうね

 

実にうごめいていますねぇ。

こわいですねぇ。

こわいなぁ。

 

ずっと、真顔でってのが、怖いなぁ。


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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (solo_pin)
2025-04-16 07:55:53
おはようございます

ねー、投稿できなくても
せめて残してほしいですよね
なんなの、消えるって
おかぱちゃんのブログも残してほしい~
うんちゃんとか、うめさんとか
子猫たちの記事も
そして大変だろうにオモロおかしく書いてくれる
ご両親の記事も、残してほしい~
悩ましいですよね
たぶん、引っ越しはそんな大変じゃないかもと思います
無理ならポンちゃんママさんに来て貰って
やってもらったらいいよ、うん

猫って真顔よねー
そこがまた可愛いのよねー(*´▽`*)
返信する
Unknown (ひいな)
2025-04-16 20:32:22
こんばんは。
サ終、悩ましいですよね。
引っ越し先はアメブロなら有名人も
やっているし、なくなる事もなさそうだな、
と当たりをつけています。

お父様、思い描いていたような老後じゃ
ないのでしょうか。な~んか上手くいかない!
って感じなのかもですね。
だからって呪詛の言葉を吐いて、楽になれる
わけでもないのに。
老人鬱とはまた異なるんでしょうか。

おかっぱさん一家は霊媒体質!?
悪霊って臭いがするっていいますものね。
お祓いに行くとかどうでしょう。
猫が護り猫になる事ってあるらしいですよ。
友人の実家の裏がお墓だったらしいのですが、
彼女も家族も問題無く過ごしてきて、
20年生きた雌猫が亡くなった途端に、
父親が癌になったんです。
視える人曰く、猫が霊障を防いでいたんですって。
おかっぱさんも、あやさんあたりに護られて
いそうですよね。
あとうめさんや、うんちゃんなんかにも。
返信する
Unknown (ポンまま)
2025-04-16 21:43:14
マジかー(j o j)
父さんに、そんな変化が!?
ひいなさんも書かれてるけど
それって老人鬱みたいだよね。
けど病院ではそんな話出てないっぽい(ToT)
かずえさんがよく言ってたわ~。
死霊より生霊の方が一番怖いって。
なんてことすんのよぉ!父さん!!!
そんな恩知らずみたいなことしたら
結局それはみ~んな自分に返って来るのにさ。
だけどおかっぱさんはこれまでだって
生き抜いてきたんだもの。
今回もラッキーがやってくるに決まってる!
何ならその父さんの生霊を凹ませるほどの
生霊を送ってやろうかしらん。
あたしのそれ、タチ悪そうだもんね。
もうね、solo_pinさんが仰ってる通り
ブログについてはあたしが何とかする~。
だからもう少し待ってておくれ~。
詳細が決まったらLineで詳しくね♪
ねこさんが真顔じゃなかったら
もっと怖いってばぁ!笑
返信する
solo_pinさんへ (おかっぱ)
2025-04-17 06:08:38
solo_pinさん、おはようございます。
こういうサイトでも、無くなるってことが
あるんですね?!
なんだか、まだピンと来ないんですが、
記事が全て消えてしまうとなると、ちょっと寂しいような気もします。
そう言ってもらえると、ほんと書いてきた甲斐があるぅ。
solo_pinさんの記事が消えちゃうのも勿体ない。
solo_pinさんは、ちゃんと残せる方法を
いろいろ出来ると思うので、その際は、
私らも拝見できるようにして頂くと、嬉しいです!
うん、私も真っ先に、ポンままさんが頭に浮かんだ。
ままんなら、なんとかできんじゃね?って。
どこまでも、他力本願、超ラッキーを目指す!(バチ当たる?笑)。

真顔で、変な事してる猫って、
どうしてあんなに、可愛いのでしょうね(笑)。
とにかく、今後をどうしていくか、
まずそれを考えたいです。
返信する
ひいなさんへ (おかっぱ)
2025-04-17 06:18:21
ひいなさん、おはようございます。
アメブロにっとお考えの方、多いみたいですね。
そういえば、昔、私もアメブロでちょっとだけ書いてたこと、ある。
今後を考えると、長く続いてほしいサイトにしたいですもんね。
とにかく、お引越しが決まったら、
ぜひぜひ、教えてくださいませー!

ご心配頂き、ありがとうございます。
これを書いていられる感じには、今改善できております。
そうそう、お祓いも、こすげー絶大のを、ここは詳細が言えないのですが、
やってもらいました。
鬱もあるんだと思うんです。
認知症も、多少入って来ていると思う。
そういった現実的な問題と、霊障が絡み合っているのだと思います。
ただ現実的な問題だけなら、こうも私が可笑しくなっていないと
思ったんですよね。
霊感で、ではなく、野生アンテナがビンビン震えて、
もうなんか、おかしかったんですよね。
現実と見えぬ世界、さて何が怖いのか、
次回はその辺りを書きたいと思います。
そうそう、私、今回も猫らに救われたなって思いました。
正気を保てたのは、間違いなく猫らのおかげですもん。
猫は大事にしておくもんですね。
返信する
ポンちゃんままさんへ (おかっぱ)
2025-04-17 06:27:31
ままん、おはようございます。
心強い!!ありがとうございます。
今は、逆に変にいじったりしたらあかんのよね?
編集の何も触らず大人しく、吉報を待ちます!!
とりあえず私は、どうしていくか、今後の方針を
考えておきます。
ブログを続けるのか、続けるなら内容はどんなコンセプトか、
とか、考えんとかんもんね。
父さんは、鬱も認知症も、現実的にはあるんだと思います。
ただ、主治医は「その病理が見当たらない」んですよね。
症状的に、当てはまらない部分も多くて、
そこが霊障が絡んでいる証拠なのじゃないかと思います。
なによりも、あたしの野生アンテナがぶっ壊れるくらい
震えていたんです。
だからといって、なんでもかんでも、霊のせいではないと思うんですよね。
少なくとも、私はそう思う。
現実の問題が強調され吹き出しているだけ。
その辺りも、次に書きたいと思います!
稲川淳子の考察も含めて(やってる場合か笑)。
うふふふ、ままんの生霊なら、
大概の悪、地獄に送り返せそう!!
確かに、ヘラヘラしてるおたま、
更に怖いですよね~(爆)
返信する
Unknown (桜吹雪)
2025-04-17 17:20:06
こんにちは~

おかっぱさんの今回の記事
ざっと読んでみましたが
でも待って・・・
やっぱり
もう一度時間のある時に改めて
じっくり読んでみたいと思っています!
返信する
桜吹雪さんへ (おかっぱ)
2025-04-18 06:29:11
桜吹雪さん、おはようございます。
長い記事ですもんね。すみませんです。
2も更新いたしましたので、
お時間のある時にでも、読んでやってくださいませ~。
ありがとうございます。
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