宇宙人の独り言

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これから50年、世界はトルコを中心に回る

2012年06月24日 | 日記
『これから50年、世界はトルコを中心に回る』 プレジデント社 佐々木良昭 著


日本を飛び立ったトルコ航空機は中央アジア、黒海を通過して、いったんイスタンブール南部に広がるマルマラ海に抜ける。

コバルトブルーの海上でUターンすると、波打ち際に並んでいる豪邸が目に入る。日本円に換算すると5億、10億の豪邸群。白が基調の瀟洒な建物。緑の樹木に囲まれたプール。海沿いにはクルーザー用のデッキ。スルタンの末裔やトルコ財閥の一族が居住する超高級住宅地だ。トルコは台風の心配がなく、また、マルマラ海は水位の変化が少ないため、海風が涼しいこの一帯はイスタンブールでも最も快適な住環境なのである。

やがてアタチュルク国際空港の滑走路が見えてくる。

周囲に広がる住宅の屋根は地中海独特の素焼きの瓦。コンドミニアムの壁面は白。そこに街路樹の緑が溶け込む。茶色、白、緑のコントラストは息をのむほどに美しい。「地中海世界に来たなあ」と実感する瞬間だ。

機能的な作りの空港のイミグレーションに並ぶ。

そこには中央アジア、ヨーロッパ、ロシア、アラブ諸国からの大勢の訪問者の列。黒いチャドル(注・イスラム圏の女性コードの一つ)の女性の後にはタンクトップにショートパンツのヨーロピアン。その後には褐色の肌のアジア系女性。イタリアンスーツのビジネスマンの姿も目につく。

西から来た旅人にとっては、ここはアジアへの玄関口。東からの旅人にしてみれば、ヨーロッパへの出発地点。西と東の文明が交錯する場所。まさに国際都市・イスタンブールである。……


以上は、本書の「はじめに」の冒頭部分からの引用です。
この文章を読んで、どんな印象をもたれるでしょうか。
まず、イスタンブールの町並みの美しさが瞼に浮かぶようです。
なんとなく、トルコという国が国際性に富んで活気に溢れ、経済成長中の豊かな国という印象ですね。

そうです。トルコは、人口7400万人。29歳以下の若年層が総人口の約半分を占める若い国であるということです。

本書の著者の佐々木良昭氏は現在、日本財団上席研究員であり、中東情勢の解説およびアラブ・イスラム圏研究の第一人者です。その佐々木氏はこう述べています。

――有能な労働力、自由な投資環境、整備されたインフラストラクチャ、EUとの関税同盟、そして大規模な国内市場。これらがあいまって、2017年までのGDPは推定6・7%と、OECD加盟国の中でも急速な経済成長が期待されている。疲弊する西欧国家群を尻目に、この国は上昇気流に乗っているのだ。
 ゛アラブの春゛という春の嵐が吹きすさぶ中東にあって、なぜこの国だけは例外的に急激な経済発展を見せるのか?
 なぜ、世界の投資家たちの視線がこの国に注がれているのか?
 本書では、その理由を解き明かしていきたい。――

昨秋の国連総会でアメリカのオバマ大統領は、野田総理との30分に対して、なぜトルコのエルドアン首相とは1時間半も会談したのか?

なぜ今、アメリカ・ロシア・EUがこぞってトルコにすり寄ろうとしているのか?

中東に民主化運動が吹き荒れる中、なぜトルコだけが安定成長を続けられるのか?

世界の投資家たちの視線が、なぜこの国に注がれているのか?

なぜ、近年飛躍的にトルコの国際社会での存在感と発言力が高まっているのか?

中東のリーダー゛モダンイスラム国家゛トルコがわかれば、これからの新たな世界地図が見える!


トルコ国といえば、日本との歴史上の深い関わりについて触れないわけにはいかない。これについては、5月13日の本ブログに「本当の情報は流れない――エルトゥールル号遭難事件」としてご紹介しました。そちらを参考にしてください。

2011年3月11日、日本は東日本大震災に見舞われました。その時、いち早く日本支援の行動をとったのは、トルコのマスコミと慈善団体「キムセヨクム」のメンバーだったといいます。
翌12日には、日本へ向けイスタンブールを飛び立っています。そして、9人編成のチームは、大震災翌々日の日曜日の午前10時には、どのレスキュー・チームよりも早く成田空港に到着したという。

著者の佐々木氏は、3月18日にこのキムセヨクムのメンバーと夕食をともにしたときに、トルコの大男たちは涙ぐみながら、仙台や石巻で目にした惨状を語ってくれたといいます。そして彼らは、被災地における日本人の礼儀正さ、冷静さ、秩序正しさをさかんに賞賛していたそうです。

世界の民俗学者の中には、「日本人とトルコ人は同族だ」という認識を持つ者もいるようです。本書から引用しますと、――6世紀の中央アジアに突厥という遊牧国家があった。一時はササン朝ペルシャと共闘して一大帝国を築いていたのだが、583年に内紛により「東突厥」と「西突厥」とに分裂し、唐の攻撃によって東突厥は600年代に、同じく西突厥は700年代に滅びている。滅亡後、突厥の民の一部は西に向かってオスマン帝国の民となり、また一部は東に向かって日本に渡り、日本民族に溶け込んだとされている。もしそうであれば、オスマンの末裔であるトルコ人と日本人は「突厥」という同じ根っ子をもっていることになる。――

いずれにせよ、トルコと日本は昔から深い絆で結ばれていたような気がします。もっと日本人は国を上げてトルコ民族のことを理解すべきではないでしょうか。

本書の構成は、次のようになっています。

序章 いま、なぜ世界がトルコに注目しているのか?
【理由その1】 トルコ大躍進のかげに3人のカリスマあり
【理由その2】 トルコには精神的支柱となる人物がいる
【理由その3】 トルコは開かれた国際国家である
【理由その4】 トルコに投資すれば利益と喜びがついてくる
【理由その5】 トルコが中東の地図をぬり変える
【理由その6】 トルコはアメリカに対して優位である
【理由その7】 トルコ国民はきわめて親日的である
終章【理由その8】 疲弊した日本がトルコに学ぶこと
おわりに

以上


これから50年、世界はトルコを中心に回る ― トルコ大躍進7つの理由
佐々木 良昭
プレジデント社

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