この正月に、昨年12月に飛鳥新社から出版された『日本の独立』を読みました。著者は、植草一秀さんです。植草氏は、当時小泉竹中体制のもとですすめられたりそな銀行処理の闇を追及し過ぎたために、冤罪によって国家に嵌められたと言われています。たいへんな辛酸をなめられ、苦労されている政治経済学者の書かれた著書であるだけに、一本筋が通っておりかつ説得力もあります。是非、同書のご一読をお勧めします。
なお、同氏はブログ「植草一秀の『知られざる真実』」も主催されております。
同書の「あとがき」から一部転載ご紹介します
【・・・
ところが、鳩山首相は政権内部の対米隷属派議員の主張に押し切られ、辺野古への移設という、自民党案に回帰してしまった。メディアは、県内移設案提示を総批判しなければ辻褄が合わなかったが、批判の矛先を鳩山首相の迷走に振り向けた。
メディアは県内移設反対を支援したのではなく、単に政治的な理由で鳩山首相を攻撃しただけだったのだ。
後継の菅直人政権は、日米共同発表を守るところから政権を発足させた。日本国民の意思、沖縄県民の意思を踏みにじることを政権の出発点に据えた。メディアが日本国民の利益、日本国民の幸福に基礎を置くなら、批判の矛先を主権者無視の姿勢を示す菅直人政権に向けたはずだ。ところが、メディアは、一貫して菅直人政権全面擁護の姿勢を貫いた。
日本における対米隷属の力、言い換えれば、米国による日本支配の力は、想像を絶するほどに強い。政治家が損得を基準に行動するなら、間違いなく強い米国に隷従する道を選択するだろう。
現に小泉純一郎氏はその道を選択し、五年半にもおよぶ長期政権を維持した。菅直人氏は、小泉純一郎氏を師と見立て、米国に隷従する道を選んだのだと思われる。
これが日本政治の現実だとしたら、あまりにも悲しい現実である。彼らは愛国者ではなく売国者であると言わざるを得ない。
(中略)
他方、菅直人氏は財務省路線に乗って緊縮財政と消費税大増税・法人税減税実現を画策している。この一連の政策運営のなかから、菅政権が旧来の既得権益勢力の利害を代表している姿が誰の目にもはっきりと浮かび上がってきている。
現状を打破するには、国民が賢くならなければならない。まず重要なことは、汚染された情報を取り除き、真実の情報を獲得することだ。
冷戦終結をもたらした東欧諸国の内部崩壊は、情報の浸透が最大の原動力だった。西側の現実、西側の真実が冷戦の壁を貫通して東側に伝達された。この情報で東欧の人々が覚醒され、ベルリンの壁が取り払われたのである。
2001年の小泉政権の発足時、そして2005年の郵政民営化選挙の際、多くの国民が汚染された情報に洗脳された。小泉竹中政治は「B層」と彼らが名付けたIQが低い層をターゲットにするという、卑劣な情報操作を展開した。残念ながら、多くの国民がこの毒牙の餌食になってしまったのだ。・・・
(中略)
汚染された情報しか流さないマスメディアに対抗する、ネットからの真実の情報発信は、まだ、優勢を占める状況にはないが、確実にその影響力を増大させつつある。すべての国民が自分の目でものごとを見つめ、自分の頭でものを考えるようになるとき、日本は新しい時代を迎えるはずである。
西郷南州翁遺訓に「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」とあるが、この構えを持つ同志が結集して日本政治刷新の大業を成し得ることになるのだろう。・・・】
次に『日本の独立』の目次を次に掲げておきます。
まえがき
Ⅰ 六・二クーデーターの真実
第1章 信なくば立たず
第2章 対米隷属派による政権乗っ取り
第3章 日本の支配者は誰か
第4章 小泉竹中政治への回帰
Ⅱ 小泉竹中政治の大罪
第5章 日本経済の破壊
第6章 官僚利権の温存
第7章 政治権力と大資本の癒着
第8章 対米隷属政治
第9章 権力の濫用と官邸独裁
第10章 平成の黒い霧(1) 新生銀行上場認可
第11章 平成の黒い霧(2) りそな銀行の乗っ取り
第12章 平成の黒い霧(3) 郵政米営化・郵政私物化
第13章 平成の黒い霧(4) 「かんぽの宿」不正払い下げ未遂事件
第14章 平成の黒い霧(5) 日本振興銀行設立の闇
Ⅲ この国のかたち
第15章 大久保利通と官僚主権構造
第16章 米国による日本支配構造の系譜
第17章 対米隷属の父・吉田茂
第18章 CIAの対日工作
第19章 カネによる政治の支配
Ⅳ 菅直人政権の「逆コース」
第20章 政権交代に託された五つの課題
第21章 財政再建原理主義・市場原理主義の毒
第22章 「最大不幸社会」政策下の不幸放置
第23章 「抑止力」という名のプロパガンダ
第24章 官僚意識を変革する秘策
Ⅴ 主権者国民と悪徳ペンタゴンの死闘
第25章 小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究
第26章 前近代の警察・検察・裁判所制度
第27章 菅直人と小沢一郎の全面戦争
第28章 政界再編と日本のルネサンス
あとがき
以上
なお、同氏はブログ「植草一秀の『知られざる真実』」も主催されております。
同書の「あとがき」から一部転載ご紹介します
【・・・
ところが、鳩山首相は政権内部の対米隷属派議員の主張に押し切られ、辺野古への移設という、自民党案に回帰してしまった。メディアは、県内移設案提示を総批判しなければ辻褄が合わなかったが、批判の矛先を鳩山首相の迷走に振り向けた。
メディアは県内移設反対を支援したのではなく、単に政治的な理由で鳩山首相を攻撃しただけだったのだ。
後継の菅直人政権は、日米共同発表を守るところから政権を発足させた。日本国民の意思、沖縄県民の意思を踏みにじることを政権の出発点に据えた。メディアが日本国民の利益、日本国民の幸福に基礎を置くなら、批判の矛先を主権者無視の姿勢を示す菅直人政権に向けたはずだ。ところが、メディアは、一貫して菅直人政権全面擁護の姿勢を貫いた。
日本における対米隷属の力、言い換えれば、米国による日本支配の力は、想像を絶するほどに強い。政治家が損得を基準に行動するなら、間違いなく強い米国に隷従する道を選択するだろう。
現に小泉純一郎氏はその道を選択し、五年半にもおよぶ長期政権を維持した。菅直人氏は、小泉純一郎氏を師と見立て、米国に隷従する道を選んだのだと思われる。
これが日本政治の現実だとしたら、あまりにも悲しい現実である。彼らは愛国者ではなく売国者であると言わざるを得ない。
(中略)
他方、菅直人氏は財務省路線に乗って緊縮財政と消費税大増税・法人税減税実現を画策している。この一連の政策運営のなかから、菅政権が旧来の既得権益勢力の利害を代表している姿が誰の目にもはっきりと浮かび上がってきている。
現状を打破するには、国民が賢くならなければならない。まず重要なことは、汚染された情報を取り除き、真実の情報を獲得することだ。
冷戦終結をもたらした東欧諸国の内部崩壊は、情報の浸透が最大の原動力だった。西側の現実、西側の真実が冷戦の壁を貫通して東側に伝達された。この情報で東欧の人々が覚醒され、ベルリンの壁が取り払われたのである。
2001年の小泉政権の発足時、そして2005年の郵政民営化選挙の際、多くの国民が汚染された情報に洗脳された。小泉竹中政治は「B層」と彼らが名付けたIQが低い層をターゲットにするという、卑劣な情報操作を展開した。残念ながら、多くの国民がこの毒牙の餌食になってしまったのだ。・・・
(中略)
汚染された情報しか流さないマスメディアに対抗する、ネットからの真実の情報発信は、まだ、優勢を占める状況にはないが、確実にその影響力を増大させつつある。すべての国民が自分の目でものごとを見つめ、自分の頭でものを考えるようになるとき、日本は新しい時代を迎えるはずである。
西郷南州翁遺訓に「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」とあるが、この構えを持つ同志が結集して日本政治刷新の大業を成し得ることになるのだろう。・・・】
次に『日本の独立』の目次を次に掲げておきます。
まえがき
Ⅰ 六・二クーデーターの真実
第1章 信なくば立たず
第2章 対米隷属派による政権乗っ取り
第3章 日本の支配者は誰か
第4章 小泉竹中政治への回帰
Ⅱ 小泉竹中政治の大罪
第5章 日本経済の破壊
第6章 官僚利権の温存
第7章 政治権力と大資本の癒着
第8章 対米隷属政治
第9章 権力の濫用と官邸独裁
第10章 平成の黒い霧(1) 新生銀行上場認可
第11章 平成の黒い霧(2) りそな銀行の乗っ取り
第12章 平成の黒い霧(3) 郵政米営化・郵政私物化
第13章 平成の黒い霧(4) 「かんぽの宿」不正払い下げ未遂事件
第14章 平成の黒い霧(5) 日本振興銀行設立の闇
Ⅲ この国のかたち
第15章 大久保利通と官僚主権構造
第16章 米国による日本支配構造の系譜
第17章 対米隷属の父・吉田茂
第18章 CIAの対日工作
第19章 カネによる政治の支配
Ⅳ 菅直人政権の「逆コース」
第20章 政権交代に託された五つの課題
第21章 財政再建原理主義・市場原理主義の毒
第22章 「最大不幸社会」政策下の不幸放置
第23章 「抑止力」という名のプロパガンダ
第24章 官僚意識を変革する秘策
Ⅴ 主権者国民と悪徳ペンタゴンの死闘
第25章 小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究
第26章 前近代の警察・検察・裁判所制度
第27章 菅直人と小沢一郎の全面戦争
第28章 政界再編と日本のルネサンス
あとがき
以上
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