養家の前には小川が流れていた
夏には蛍がわんさか乱舞、網戸にとまり、暗くして開けておけば平気で部屋の中まで^^
それに崖のような斜めの土地に建てられていた家は1階なのに
二階のようなたたずまいを思わせ、下を流れている川を見下ろせば
どこかの宿に来ているような感覚であった
母はその小流れでよく洗い物をしていた
私が養母を思い出すとき
なぜか、その川で洗い物をする母の背ナから始まる
画像は昨夕方、なばなの里の、紫陽花、菖蒲園の中の小流れである
私はこの場所が好きで、まずここに立って遠い昔になってしまった全てのことを思うのである
菖蒲を見れば母の着物を思い出す
紫陽花を見れば実母のことを思い出だす
昔、実父が花瓶に見立てた青竹にピンクの紫陽花を無造作に一本投げ入れてこう言った
「母ちゃんは、紫陽花が好きやった」
畑にはこんもりとした紫陽花が雨に揺れていた
小流れ、菖蒲、紫陽花
この時期のなばなはどれをとっても
私の心の故郷なのです