たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

庚申山の紅葉はちょいとばかり早かった

2014年10月13日 | 足尾の山
◎2014年10月12日(日)

かじか荘上駐車場(6:25)……一の鳥居(7:14)……庚申山荘(8:17)……天下見晴らし(8:43)……六林班峠道から離れる(10:23)……1762m標高点(11:09)……鋸山十一峰尾根(11:23)……庚申山(12:46)……銀峯(13:33)……六林班峠道(14:19)……庚申山荘(14:26)……一の鳥居(15:13)……駐車場(16:04)
※表示時刻は到着タイム

 3連休はちょっとばかりの遠出を予定していたが、土曜日は出勤になり、火曜休暇の一日送りにずらしはしたものの、台風19号の接近。遠出はキャンセルにした。月曜日は雨天確実。エアポケットになっちまった日曜日、どこに行こうかと迷った。とはいっても、対象エリアはそろそろ足尾の山でしかない。坐骨神経痛は相変わらずの痛みがある。5~6時間歩きがせいぜいだが、歩いているうちは痛みも薄れる。庚申山の紅葉でも見に行こうか。庚申山には登らずとも、天下見晴らし往復ならその程度のものだろう。ふと思いだした。庚申山界隈なら、かねての懸案事項が2つある。それをやったら5~6時間歩きでは済まない。だが、さっさとやってしまいたい。慌てて、いつものとある物を作った。彫って、焼いて、塗りのくりかえし。なんとか乾いて当日に間に合った。結果として、懸案を2つこなしたら、たかがこのルート、5~6時間どころか9時間半かかってしまった。腰から下の右脚をかばいながらの歩きだから、時間もたっぷりとかかったというところだろうか。

(庚申林道から。色づきはいまいちといったところか)


 かじか荘上の駐車場に着くと、車が3台あった。紅葉の時期なのに寂しいなと思いながらの出発。天気はどんよりしているが、間もなく晴れるだろう。さらに上に1台。早々に2人連れ2組を抜く。庚申林道、紅葉があまり目立っていない。山肌の色も淡い。早いのがパラパラ程度。陽が出ていないせいだろうし、上はきれいだろうとの確信はあった。
 一の鳥居を過ぎると、すぐに帽子の忘れ物が置かれていた。それも2個立て続け。帽子ごときは取りにもこないだろう。今年の春だったかなぁ、この先で帽子が落ちていて、持って下ったら、戻って来た女性がいた。その方の帽子ではあったが、見るからに高そうなお帽子で、これだったら、すぐにも引き帰すだろう。

(陽があたって賑わいだした)


 ここも紅葉はさほどではないが、陽が出てくると、たちまちのうちに周囲は色づきで賑やかになった。こうでなきゃ歩いていても楽しくないし、神経痛の痛みしか感じないところだろう。たまに色づきが群れたところもあり、しばし歩程も遅くなる。ただ、焼けかかっているのも目に入る。もしかして終わり、ということはないだろうな。
 下って来るオジサンに会った。この時間だから、庚申山荘にお泊りだろう。情報を仕入れる。オジサン「紅葉は早かったみたいだねぇ」。「昨日は皇海山に行かれました?」。「行くつもりで来たんだけど、行けなかった」。「小屋は混んでました?」。「そうでもないよ、2グループいた。今朝、皇海山に向かって行ったよ」。なるほど。

(庚申山荘の上の庚申山はちょっと淡いかも)


 だらだら歩きが続く。途中、猿田彦神社跡の手前、舟石新道入口でちょっとばかり迷った。紅葉が早いのではなぁ…。塔の峰にも懸案事項が1つある。庚申山で懸案事項を2つ処理していたら、塔の峰は無理。ここは庚申山を優先するとしよう。塔の峰課題は、今日はふっきろう。庚申山荘に到着。小屋の上に見えている庚申山。色づきはないというか、あるとしても濃いものではない。やはりオジサンの情報しかりだ。同時にがっかり。まぁいいか。今日は懸案事項処理が優先なのだから。

(天下見晴らしに行く途中で)

(天下見晴らしから。庚申山。左に銀峯)

(南の1500m峰)

(塔の峰)

(袈裟丸山)


 六林班峠道に入る。ここにも大きな岩はあるが、名前も由縁の案内板はない。物語もなかったのだろう。間もなく「天下見晴らし」にさしかかる。紅葉の具合が分かっていてもせっかくだからと寄り道をする。陽が出ているのにもったいない。塔の峰はおろか、袈裟丸山もすっきりと見えるだろう。
 真っ赤なモミジが陽に輝いている。南側斜面の紅葉は色あせた感じ。天下見晴らしに到着。やはりここはいい。360度の展望だ。庚申山の色づきは淡い。手前のコブみたいなピークが銀峯。見方によっては、庚申山の美観を損ねるような存在だが、今日はあそこを下る予定でいる。左奥に鋸山が覗き、右手にはなだらかな塔の峰。近々に行って、今回見送りの、山名板のメンテに行ってこないと。あるいは山名板も新調しようか。最近、派手な山名板が登場したらしい。新調するなら大きめのにするか。西側にはゴツゴツした感じの袈裟丸連峰。ここから見る袈裟丸は奥深い。小法師尾根の先は法師岳か。南側には丸く尖った1500mピーク。相変わらず不気味な感じ。実際はそうでもなかったが…。少しのんびりした。

(六林班峠道)

(鋸山がちらっと)

(この時期でなかったら殺風景で退屈なところだろう)


 六林班峠道に戻る。この道は嫌いだが、懸案その1をこなすにはここを歩くしかない。その懸案とは、六林班峠道と北の鋸山十一峰尾根(庚申山~鋸山ルート。以下、便宜的に鋸山尾根とする)の間の尾根を歩くこと。両者をつなげる顕著な尾根といったら、地形図を見る限りは六林班峠道の半分過ぎあたりにある1611m標高点から北上し1762m標高点を経由する尾根しかない。こんな尾根に着目するのはだれもいまいし、気になったところで歩いてみたいと思う奇特な方はいないだろう。その尾根の末端からということにこだわれば、庚申川を遡行して、三才沢が派生するところから取り付けばいいのだろうが、そんな技量は自分にはさらさらない。庚申川では水泳もしなきゃならないようだ。ここは、そんな時期ではないことを理由に、1611mからということでごまかすことにする。
 相変わらずの悪路が続く。傾いだ道で、バランス感覚がおかしくなる。ササが覆いかぶさり、ところどころ不明瞭だ。倒木が横たわったりすると、その先で迷う。これを2回程繰り返す。そして、ササの下になって見えない倒木の枝。右ヒザをしこたまぶつけること2回。泣きたくなる。たまにササが消え、平坦で明瞭なハイキング道になっているところもある。そんなところで休んでは、この峠道に足を向けたことを後悔する。やめちゃおうか。この沿線の紅葉もさっぱりだ。このまま戻って懸案その2のみにしておいてもいい。だが、すでに半分来ているし、戻るのもしんどいだろう。鋸山も樹間越しにチラチラと見えてくるから始末が悪い。あきらめきれなくなった。
 そんな気持ちをわかってくれたのか、紅葉が次第に派手になってきた。まあ、がんばろう。

(三才沢。上を見ると、緩斜面をそのまま登れそうだった。1808m駒掛山に出るようだ)

(見飽きない。この辺は少し焼けている)


 何とか、三才沢と思しき沢に着いた。水が流れている。これまでいくつか沢を渡ったが、いずれも水流はないかチョロチョロであった。大休止。今日はタバコの本数が多いようだ。山荘からここまで3本も吸ってしまった。地図を眺める。六林班峠道をこれ以上歩きたくないといった気持ちがあって、1611m標高点のある予定尾根の手前に尾根の出っ張り部に出会うところがあり、そこから本尾根に南東側から入って予定尾根に合流という手も使えるのじゃないかと躊躇する。だが、これでは予定のお手軽ルート以上に短絡過ぎやしないか。そもそも予定ルートが短絡なのだから。ここまで来たら、予定どおりにしよう。
 ようやくモミジの色づきも良くなった。空は青いままだ。ロープを伝って、ヒザを打ち付ける。軽い悲鳴。相変わらずのササヤブ道。斜め道はそのまま。右に尾根のせり出しを見る。ここはこらえた。例のショートカット尾根だ。素通りする。やがて、左からの尾根が合流。これまで左・南側は落ちた感じだったが、ここで広がりが出てきた。ここが目的尾根だ。いやぁ、ここまで長かった。

(取り付き尾根の向かい側。このちょい先に1611m標高点ピークがあるようだ。行く気分的な余裕はないが行って来ればよかった)

(では行きましょうか)

(背丈のヤブが続いた)

(右に庚申山)

(1762m標高点付近)


 未踏尾根に踏み出す。当初は軽いササヤブだった。シカ道もついていて、これは意外に楽かなと思ったが、すぐに背丈のヤブになった。さっぱりと前に進まない。右手に庚申山が樹の間から見え出す。正面に岩。こういうところは岩に向かった方がヤブもおとなしいはず。軽い岩場を乗り越える。ようやくヤブも膝下になったが、その先、何だか、普通のそこいらの尾根になってしまった。灌木が続いて見晴らしはない。薄暗い。地形図では読み取れない細い尾根で、右下にはザレた沢があったりする。ちょっとした下りにかかるとヤブはまた背丈。登り詰めて1762m標高点付近。いつもながらのヤレヤレだ。ちょっとした平地はあるが、一瞬、ここにテント張れるかなと思えど、こんなところにテントを設置する人はいまい。ケルンはない。なくて当たり前。近くに大きな石はない。

(ふたたび鋸山。展望の良い尾根とばかりに思っていたのだが)


 ここまで来れば、鋸山尾根の合流までは時間もあまりかからず、なだらかのはずだが、実際もそうではあるものの、期待していた風景の中の歩きではなかった。実は、六林班峠道と鋸山尾根の間の尾根歩きを懸案事項にしたのにはわけがある。銀峯に登った際、その西側の斜面がいい雰囲気だった。ちょうど、中倉山の南側斜面の雰囲気のようで、これがずっと続いていると思っていた、脳裏に浮かぶ光景は、ミズナラやダケカンバが点在して気持ち良さげな緩斜面の風景だった。あわよくば紅葉もきれいだろう。実際はまったく違っていた。灌木尾根があくまでも続いていた。勝手な想像で歩いただけの話ではあったが、かなりがっかりした。

(1762mからはあっけなく鋸山尾根に出た)

(ちょっと先に行って鋸山)

(南西方面は雲海が広がっていた)


 これまた深くなったササヤブをかきわけて鋸山尾根に出た。目の前に踏み跡がしっかりした道があった。まぁ、自分の期待はともかく、懸案その1はこれで達成。二度と歩くことはあるまい。こちら側斜面、どこを歩いても同じことかとは思う。
 気を取り直して鋸山方面にちょっと歩く。ここは何十年も前に一回だけ歩いたことはある。記憶はとんとない。ここまで、鋸山のすっきりした姿を見ないままでいた。先に行けば見られるのではないかと思ったが、先に行っても、どうしても木立ちの間からになってしまう。鋸山まで行くことを考慮していないわけではなかったが、前に見えるピーク(蔵王岳か熊野岳だろうか)がとてつもない壁に見えるのでそそくさと退却。正直のところ、鋸山の写真を撮ってはいたが、後で見ると、どうも手前のピークらしかった。ここから先のピーク、いずれも兄弟のような感じに見える。

(足尾のお館様)

(庚申山)

(こんなところもあるが、ほとんどが深いヤブ)

(雲海の上に富士山が見えた)


 では、本日の歩きも後半。庚申山に向かうとする。しっかりした踏み跡は続くが、忽然と消えたり、胸高のササヤブの中の道になったりする。数十年前はもっとしっかりした道になっていたかと思うが。不動沢ルートがメインになって、このコースも次第に廃れていく。むしろ、歩いているハイカーがいるのが不思議なくらいだ。
 南側の展望が覗いた。雲海になっていた。目を凝らすと、雲上に富士山。袈裟丸山の一角も雲の上に浮かんでいる。なかなか幻想的な光景だ。これも台風接近の影響だろうか。
 黄赤のマークと案内プレートを頼りに歩いた。ところどころで道を失ってヤブ歩きにはなるが、尾根伝いに歩けばやがては復帰する。だが、山歩きが間もない方にはしんどい稜線歩きかもしれない。これまで、庚申山の展望地で、ここを途中で戻って来た方数人に会ったが、これは仕方あるまい。むしろ、こだわりクラシカルで、ここを歩いて皇海山に向かおうとする意気込みに敬意を表したい。沼田からの不動沢コース、一度歩いたことはあるが、歩きながらの皇海山がまったく見えず、あっ気なく皇海山に着いてしまう。百名山カウントの方には手っ取り早いルートだろう。

(皇海山と鋸山)


 駒掛山(1808m標高点)に着く。庚申山も正面に見えてくる。一旦下って鞍部。この辺になると、皇海山から日光連山がすっきりと見え出す。庚申山の展望地に着いて、混んでいながらも、この満願の景色を一人占めしたかったら、展望地からちょっと下った岩場に来ればいい。袈裟丸はおろか、富士山も見える。自分も次はそうしよう。

(庚申山展望地)

(山肌の紅葉はこれが限界なのだろうか)


 庚申山の展望地にはだれもいなかった。意外であった。庚申山の紅葉はまだ早いと知っている方が多いのだろう。ゆっくりとする。松木川側の斜面の色づきはいいが、まだ賑わいの程ではない。この付近、今年は不作なのだろうか。タバコを吸って、時間も食事タイムだしと、オニギリを出そうとしたら、2人連れがやって来た。失礼ながらちょっとうるさくなった。どうせお腹が空いているわけでもない。腰を上げる。では次の課題のある銀峯に向かうとするか。

(登山道から外れると、すぐにこうなった)

(だが、紅葉は見るところが結構あった)


 正式な山頂から登山道を離れて尾根伝いに下る。ここを下りに使うのは初めてだ。相変わらずの倒木だらけで、尾根筋もはっきりしない急斜面。見通しが悪く、コンパスをあてがったものの、緩い斜面に足を向け、間違った方向に行ってしまった。その先、岩が見え出し、一気に急になっているようだ。元に戻る。この時、鈴の音を聞いたのか、黒い小振りの物体がさっと動いて逃げて行った。あれは確実にクマだろう。

(灌木帯から解放されて下る。ここも急斜面)

(銀峯。後ろの天下の見晴らしと1500mピークはガスがかかり始めた)

(鞍部から)

(1762m経由尾根もこんな感じかと錯覚していた)


 元に戻って、目を凝らすと、尾根が先に続き、その先に銀峯が見えていた。何ということはない。標石が続いている。確かにこれだ。この標石、以前、登った際、鞍部から目にしていた。だが、急斜面は続く。立木につかまりながらの下りになる。はらはらしながら銀峯との鞍部に着いた。ここの風景はいい。これをそのまま1762m経由尾根に持っていこうとしたこと自体に無理があったみたい。

(間もなく銀峯山頂)

(銀峯山頂)

(山名板をアップで)


 雑木の尾根をくぐって1681m標高点ピークに到着。足尾のRRさん設置の第3ケルンがまだ生きていた。そういえば、途中で自分が築いたケルン、あれはどうなったのだろう。急斜面で目にすることはなかったから、自然に戻ったのだろう。
 ではと、ザックから、準備していた用具用材一式を取り出す。懸案その2は銀峯の山名板取り付けであった。この山名板彫りには苦労した。「峯」ではなく「峰」の字だったら、スムーズにいったかもしれない。腕前はまだ素人に毛が生えた程度のものだから、「峯」の縁はギザギザだらけだ。遠目で見れば、すんなりにはなっている。この山名板、だれか目にする方はいるだろうか。次は、結局、自分だけだったりして。
 今日は、庚申山界隈の懸案事項を2つ片づけた。結果はともかく、満足して下るとする。が、そうたやすく問屋は卸さないといった状態にはまってしまった。以前登った際にとったルートを下ろうとしたら、先で行き詰った。急斜面過ぎてとてもじゃないが下れない。岩場の通過が難関というか無理。足がガクガク震えた。山頂に戻る。今度は岩場の反対側を下ってみた。同じ。ストーンと落ちている。また山頂戻り。これ、どうすりゃいいんだ。また庚申山に戻りかよ。ここまで来て勘弁願いたい。

(下りにかかるが、2回程山頂に戻ることになった。それも必死の登りだった)

(ここを下るしかあるまい)


 途方に暮れた。庚申山までのこのルート、上り使用で登った際にはせいぜい急だな程度のものだったが、下り使用となるととんでもないことがわかった。そういえば、さっきの庚申山からの下り、こんなに急だったかなと思ったものだ。それは銀峯からの下にもあてはまるということだ。最悪、庚申山との鞍部に出て、あの緩斜面を六林班峠道に戻るしかないが距離はかなり長くなる。ただ、それも地形図を見ての話だ。実際はどうだかわからない。周囲を見回した。山頂からちょっと戻ると、沢の地形が見えている。ササヤブの窪みが続いている。あそこならまだマシだろうし、あそこから岩場を回り込めるのではないか。

(ようやく落ち着いて)

(六林班峠道に出られた)


 下る。こことて斜面は急だ。周囲はササの海。ササをむしりながらの下りとなった。ここは倒木も隠れている。慎重に過ぎるほどに下って岩場を巻いたあたりに着いた。岩場を見上げる。どうみても、下からなら歩けそうだし、実際に登ってもいる。それはともかく、もう安心だろう。大きく回り込み、小尾根のようなところに乗って下った。ほどなく六林班峠道に出会った。全身、汗でぐっしょりになっていた。冷や汗というのも、こんなに大量にかくものなんだなと感心してしまった。

(この関門を通過すれば庚申山荘)

(道中の滝)


 すぐに庚申山荘に着いた。だれもいない。明日は確実に雨だし、泊まる人もいまい。もう2時半だ。一服して下る。2人連れを抜く。山頂にいた方々とは違う。ご一緒の女性、どこかでお会いした記憶があるが、どこだったろうか。思い出せない。下からお若い方が上がってきた。この時間帯、山荘泊まりだろうが、明日、雨の中を皇海山にでも行くのだろうか。もう難関はない。ぶらぶらと下る。先日、仁田元沢からの帰路、ここを歩いたが、ハイトスさん、みー猫さんのなんと早い歩きだったことか。あんな歩きはしたくはないなぁ。今朝方、一の鳥居のそばにあった男用の帽子はなくなっていた。

(林道歩き)


 林道に出る。ゆっくり歩きの2人連れを抜く。ようやく舗装道になった。ここで石に腰かけてまた一服。今日は山中で都合10本は吸ったろうか。吸い過ぎだ。そんなことを考えていたら、庚申川寄りのガードレールの間から人が上がって来た。びっくりした。キノコ採りに来たそうで、収穫はゼロで帰るところだそうだ。川まで下りて、斜面を探し回ったらしい。手には鋤のようなものを持っていた。しばらく話をした。その方、お若い方で、キノコ採りだから、地元の方かと思ったが、埼玉からいらしたそうだ。今年はキノコの当たり年らしいので来たのだがとおっしゃっていた。おもしろい話を聞いた。足尾のとある山のハイキングコース、そこを歩いて、注意深く松の木の根本をほじくれば、たまにマツタケが顔を出すそうだ。具体的にどの山かとは聞いたが、ここでは伏せておこう。だが、そんな話はキノコ採りには縁がなさそうな相手だから話したのであろうし、採れてもたいしたものではあるまい。普通は仲間内でも秘密にするものだ。

(駐車場に到着。長かった。皇海山往復をしたわけでもないのにえらい疲労感)


 彼と別れて、再び林道を歩く。次第に薄暗くなりかけていく。そしてゴール。駐車場には自分の車を含めて4台。うち1台は今着いた様子で、ここで夜を過ごすのだろうか。この時間だ。ヘッデン点けても庚申山荘まで行けるのに。かつて、大晦日の夕方、高木に誘われて雪の中を庚申山荘に向かい、夜の7時半に着いたことがある。そんなことをやるのはバカとしか言いようがないが。
 やはり連休だ。国道122号線の流れは悪く、大間々では、50号線を越えるのにえらい時間がかかった。時間も遅かったので、着替えも風呂もなしでそのまま帰ったが、例の冷や汗をたっぷりとかいたままの状態だったので、寒くなり、ヒーターをつける始末であった。とたんに、車内にケモノじみた臭いが充満した。
 今日は懸案事項を2つ片づけ、すっきりとまではいかないが、それなりの満足感のある山歩きだった。惜しむらくは庚申山の紅葉か。天下見晴らしから全山の色づきをみたかった。来週か月末だろうな。


コメント (20)    この記事についてブログを書く
« 改めて荷鞍山 | トップ | 「ふるさとの滝に向かいて言... »

20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (でん)
2014-10-13 20:39:33
少しばかり紅葉には早かったですね。
しかしながら紅葉も兼ねての任務遂行、ご苦労様でした。
実際のところ紅葉よりも任務のほうがメインだったような(笑)

コメントいただいた雲海だったというのはここからの景色だったのですね。
雲海の向こうに見える富士山が見事です。
返信する
またも思いもよらない尾根を (ななころび)
2014-10-13 21:20:52
こんばんは。
今回の登りで使用された未知尾根も、今まで考えもしなかった尾根です。よく思いつきますね。

銀峯からの下りでもの難渋、登ったところが降れないなんて事があるのですね。勉強になりました。
そんな時の嫌な焦燥感。山頂に戻るのが一番の安全策だけど、なんとかそのまま先に進んで事を済ませたいような時の心の迷い、よく経験するのでよくわかります。
返信する
でんさん (たそがれオヤジ)
2014-10-13 21:30:13
でんさん、こんばんは。
早速のコメント、いつもながらありがとうございます。
1000m標高下の雲海の正体はこれでした。
これまで、足尾の山をずっと歩いていますが、もしかして雲海というのは、これが初めてだったかもしれません。
足尾、日光の山と雲海の組み合わせ、せいぜい男体山と日光白根が似合うといったところでしょうね。
富士山はカメラ次第ですよ。意識して撮ったわけではなく、光の関係でこうなったというところです。当人は何も調整もしていませんよ。
任務ですか。確かに、任務ぽくなってはいますね。山名板のメンテと同様で。
あまり任務をつくり過ぎると、どうもここだけになってしまいそうですね。
返信する
幻想的 (K女)
2014-10-13 21:38:56
雲海越しの富士山は幻想的でいいですね

早すぎた紅葉と言っていますが、この位の時も山が色づき始めで綺麗と思っていました。台風の雨音が聞こえて来ているからなのかも。
1ヵ月の間に、山の色が変わって、あっという間に白い物が出て来るような気配ですね。
RRさんの第三ケルン、所々にあるマーキングみたいなものでしょうか。
返信する
ななころびさん (たそがれオヤジ)
2014-10-13 21:42:25
ななころびさん、こんばんは。
この尾根、銀峯に行った後で地図を眺めて、こんな尾根もあるんだなぁと思い、実行しただけのことですが、コメントコーナーで、RRさんにも意外だったらしく、その後行かれたようです。
でも、私と同様に、二度目はないんじゃないでしょうかね。
ヒマつぶしにしては辿り着くまでは時間がかかるところです。それに見合った満足感はありませんでした。
地形図を眺めていると、一人旅行をしている感じでなかなかおもしろいものです。特に、地形図と違った起伏になったら、正直のところ裏切られた感じにもなって、それはそれでおもしろい。
上り下りの感覚の違い、これは結構、経験していますよ。下りはどうしても、感覚が鈍くなるところがありますから。
今回の下り、無理して沢状を下りましたけど、鞍部に戻って、のんびりと紅葉を眺めながら六林班峠道に下った方がよかったかもしれません。
返信する
K女さん (たそがれオヤジ)
2014-10-13 21:53:54
K女さん、こんばんは。
富士山遠望の画像、人気のようで。
アップで撮ったのもありますが、それではわざとらしくて、ここでは控えました。まぁ、カメラが賢く撮ってくれたようです。
自分にとっては、夕暮れ時の風景で、さらに左の枝が邪魔で、あまり満足でもないのですが。
RRさんのケルン、第3というのは、尾根末端から続くケルンの連続のことで、K女さんには恐縮ですが、できますれば、本年5月17日に歩いた記事をご参照いただければありがたいのですが。
紅葉は、こうやって写真を見直すと、満足のようです。つい、槍ヶ岳の思いがいまだに強いようです。
返信する
Unknown (きりんこ)
2014-10-13 22:23:07
こんばんは。
これ日曜日ですよね。実は私も同じ日に一の鳥居の先の懸案事項を片付け、ついでに銀峯も考えていたのですが、紅葉にはまだ早そうだし、天気も曇ってそうなのでまたにしようとなってしまいました。しかし、まさか足尾の山も雲の上だったのですね、行っておけばよかったな~。近いうち(できれば落葉松の黄葉が綺麗なときに)必ず山名板見に行きますよ。
返信する
庚申山 (HIDEJI)
2014-10-13 23:05:59
たそがれさん、こんばんは。
そしてお疲れ様でした。
以前、庚申山を経由せずに鋸山十一峰に向かわれるとおっしゃっていたコースはこれですね。なるほどと納得致しました。記事を拝見してあの六林班峠道の悪夢を思い出しました(^_^;)
あの峠道から鋸山の尾根を結ぶ藪の尾根道の酷さは、何となく想像出来ますが、拝見しながら手に汗を握る想いでした。私では立ち入れないルートです。
ところで足尾の紅葉はしばらく続きそうでしょうか。
返信する
坐骨神経痛なのに・・・ (瀑泉)
2014-10-13 23:33:13
9時間半のお歩きとは,恐れ入りました(笑)。
それにしても,たそがれオヤジさんらしいというか,また面白いところを歩こうと考えられたようで,こうした発想などとても自分には真似できそうにありませんヨ。
ところで庚申山の紅葉,はやり早かったですか。
実は,11日に大日尾根のショートカットから社山を歩いてきたのですが,全くと言って良いほどダメでしたネ。
ツツジ類は18号で落ちたか,残っていても焼けてるし。その他は5・6分といった感じで,何だかナァ~という状態でした。
銀峯の表示板,心配せずとも,皆さん見に行かれるでしょう。まぁ,かく言う自分も,おそらくは塔ノ峰の方が先になるとは思いますが,見に行こうと思っています。
返信する
日付を見直した・・ (みー猫)
2014-10-14 00:22:24
というのは、足尾のお天気がこんなに良かったのに・・・ということなんですね!=自分やでんさんの日曜日の低山が雲下だったということ(がくっ)・・・土曜日のハイトスさんとノラさんとの歩き話では、きっと足尾だろうというのはあたりでしたが、取り付けも目的でしたか。長丁場お疲れ様でした。今回の台風でダメージが無いと良いのですが・・・・前回は陽が沈む、早く下れという指令とてっきり思っとりましたが違いましたか。ちょっとムリしてましたけど。
返信する

コメントを投稿

足尾の山」カテゴリの最新記事