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カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Master Cups and Balls by TCC

2023-12-22 03:12:00 | カップアンドボール

 TCCは毎年アニバーサリー商品をいくつかリリースしていますが、今年(2023年)の13周年アニバーサリー商品の1つに「Master Cups and Balls」カップがリリースされました。リリースされたばかりの期間は、お値打ち価格で買うことができて、このカップも通常価格が150ドルのところ、99ドルで販売されました。しかもさらにブラックフライデー用の20%引きクーポンが適用できかなりお得でした。

 2023年12月21日現在は、シルバーだけ、期間限定のお値打ち価格、129ドル(定価150ドル)で販売されています。商品ページを下記に示します。

TCC 13th Release | Master Cups and Balls

Special Sale until December 31st: Mirrored Silver set for $129 with Free Shipping Worldwide! --- TCC 13th Anniversary Works:  Master Cups and Balls Blending the ...

TCC Magic

 

 これまで、紹介してきましたようにTCCはカップ何度かカップをリリースしています。初めてリリースしたのは2018年(2017年かも)で「Artistic Cups and Balls」という商品名で発売されました。

Artistic Cups and Balls by TCC - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

高品質(のわりに低価格)をウリにしているTCCのカップです。2018年発売で現在は品切れのお店が多いです(簡単に検索しましたが見つけられませんでした)。カップは真鍮製で...

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 その1年後後、「ARTISTIC CUPS AND BALLS 2.0」としてバージョン2が発売されました。しかし、実はバージョン2にはさらに初期バージョンがあり、ショルダービードの形が異なることに後で気付いて驚いたこともありました(笑)

ARTISTIC CUPS AND BALLS 2.0 BY TCC - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

以前、ARTISTIC(ARTISAN)CUPSANDBALLSを紹介させて頂き、その時に「バージョンが上がってる…」と書かせて頂きました。とはいえ、大きな変更は無いし、そんなカップばっかり...

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 そして、今年、2023年、「Artistic Combo Cups and Balls Set」というコンボセットとそのカップに対応したソリッドカップ「Solid Cup」が、まず、KICKSTARTERで目標達成した後、正式な商品として販売されます。

Artistic Combo Cups and Balls Set + Solid Cup by TCC - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

TCCのコンボカップのセットとソリッドカップです。まだ正式に販売されているわけではなくKICKSTARTER(1620%達成)です。KICKSTARTERのページを示します。まずは、コンボカ...

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 とまあ、こんなに出しているTCCがまたなぜ1年も経たない間にカップをしかもアニバーサリー商品として、しかも限定で出すことにしたのでしょう??上記商品ページでは、

Limited to 1000 sets.

Public Sales for 600 Sets (International). Never manufactured once sold out.

と書かれており、1000セット作るが公的には600セットしか販売しない(残りはどうするのでしょうか??)ようですが、送られてきた商品に付いてきたカードには「Limit to 750 Sets only」とあり、いい加減だなぁという感じです(笑)。カップ&ボール用のカップで750セットといえば、個人的には、売り切れるのは結構かかりそうなイメージですが、そこは、TCCなので、売り切れてしまうのか…。今後注目したいです。

 今回のカップでは「Radiant Gold」と「 Mirrored Silver」の2色のカップがリリースされました。TCCでシルバーは初めてでした、個人的にゴールドよりシルバーの方が好きなので、シルバーを購入しました。シルバーといっても、もちろん銀ではなくCNCで作った真鍮のコアカップにクロムメッキを施し、鏡面仕上げにしているカップです。かなりきれいな鏡面です。ただし、きれいな鏡面は例えば、ボールをパームしながらカップを握ったときにそれが映ってしまったり、上向きのカップにボールをこっそり入れたとき、そのボールが映ってしまったりというリスクもあります(;^ω^)




 カップのサイズは内径約70mm、外径約80mm、高さ約73mm、テニスボールが入るギリギリのサイズです。重さ約260gとやはり重いです(;^ω^)。CNCなので音も良いと思います。付属するボールは赤いニットボールで1インチよりも少し大きな27mmです。

 デザインは、どう変わったのでしょう?せっかくなので、これまでのカップと共に並べて写真を撮ってみました。

左から古い順です。微妙にカップ高さやショルダービードの位置や形・間隔などが違うことがわかります。微妙ですが...(笑)。今回のMaster
Cupは背は低い部類で、ver2.0の後半モデルとほぼ同じ形であることがわかります。少し違う点としては、サイドの面とトップの面の境界線がver2.0はシャープであるのに対して、Master Cupは少し緩やかなエッジです。



 このMaster Cupは少し背が低くラインもきれいですので、個人的にはシルバー色のカップが好みで、「重いカップが好きな方」には、形、作り、値段、すべての面からおすすめのカップです。正直、チョップやソリッドカップを使わず、通常のカップ&ボールの手順しかされないのであれば、250ドルするTCCのコンボカップより、150ドルしない、このマスターカップの方がおすすめです(あくまで個人的な意見です)。これを99ドル(の80%)で買えたのはラッキーだったと思います。といいつつ、私にとっては重いんですけどね(;^ω^)

 最後に、この商品HPの下にあるレビューで「Tom F.」という人が5つ星の評価をしているのですが、これ、葉巻からいっても、トム・フランク氏ですよね(あ、Tom Frankって書いてある)(笑)トム・フランク氏が5つ星つけているのでやはり良いカップなのではないでしょうか(笑)


マウスレスカップ(ソリッドカップ)

2023-10-28 22:48:00 | カップアンドボール

今回紹介するのはマウスレスカップとGINさんでは表現されている、口のない(口が塞がっている)カップです。ただ、「Mouthless Cup」と検索しても出てこないことから、正式名称なのかどうかは不明です。これまで、何度かソリッドカップについて紹介してきているので今更感はありますが、せっかくですので紹介させていただきます。

 ソリッドカップはこのブログでは、高木先生の「ONE CUP ROUTIN」(冊子の表紙にはそう書いてありますが「ROUTINE」の間違いでしょうか??)で、はじめて紹介させていただき、そのあと、缶のタイプや、カップのタイプについていくつか紹介してきました。

SHIGEO TAKAGI'S ONE CUP ROUTIN (THE SOLID CUP) - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

高木重朗先生のソリッドカップです。ソリッドカップの名前の方が有名ですが、写真のように解説書にはワンカップルーティーンと書かれていますので、そのタイトルをはじめに...

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 金属製のソリッドカップは通常重いことが多く、Artistic Combo Cups and Balls SetSolid Cupなどは600g以上あります(笑)中は本当に金属の塊というものもあるかもしれませんが、RINGS-N-THINGS製は砂のようなモノが入っています。

Artistic Combo Cups and Balls Set + Solid Cup by TCC - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

TCCのコンボカップのセットとソリッドカップです。まだ正式に販売されているわけではなくKICKSTARTER(1620%達成)です。KICKSTARTERのページを示します。まずは、コンボカ...

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 今回紹介すのは、これらのタイプのソリッドカップとはちょっと違って通常の銅製のカップの口を銅板で覆ったカップです。ですので、中は空洞で普通のカップと重さがそれほど変わりません。また、通常のソリッドカップと違って口の部分が完全に平です。きれいに被せているため、口を下にして置いた状態で気付く人はいないと思います。まあ、リムの部分をみると、普通のカップは少し隙間があるのですが、それが無いため、不自然といえば不自然なのですが、気付く人はいないと思います。いたらすごいです(笑)

GINさんの商品ページを示します。

マウスレスカップ (GINオリジナル解説DVD付)-マジックショップGIN

ソリッドカップとはまた違う良さがあります高木重朗氏の有名な手順で、ソリッドカップを使った物があります。ソリッドカップとは金属や木の塊をカップの形に削り出...

マジックショップGIN

 

 多くの金属製ソリッドカップは対応するカップ&ボール用のカップがあり、そのソリッドカップバージョンという形で作成されるため、見た目が完全に同じ通常のカップがあるのですが、このマウスレスカップはそれがありません。GINさんでは「PFD 銅製チョップカップ」が近いとおすすめしています。ただし、HPに書かれているようにロットによってショルダービードの位置や形が違うため完全に同じではないとのことです。

 GINさんのところで購入すると、GINオリジナル解説DVDが付いてきます。しかもカップ好きの銀次郎さんの手順なので本格手順です。

 なかなか通常の重いソリッドカップでは、このようなワンカップルティーンを行うのはしんどいのかなと思っていたのですが、DPグループのソリッドカップ(金色だけ??)にも上口龍生氏の解説DVDが付くようです。

DP ソリッド(マウスレス)カップ(金)DVD付-セオマジックネットショップ

「私は長年、カップアンドボールの研究をしてきました。ある時、1個だけのカップを使った演技を見る機会があり、最後はお決まりの大きなボールの出現でした。流石に著...

セオマジックネットショップ

 

上口龍生氏の実演動画です。


 さて、私は以前、このカップを持っていたのですが、RINGS-N-THINGS製のソリッドカップを使うようになって使わなくなり、手放していました。ところが縁あって、恐らく同じカップと思われるフレンチドロップさんで販売しているカップを入手しました。さらに、セットで売っているチョップカップも購入しました。

スーパー・カッパー・チョップ・カップ

美しい銅製のチョップカップ!

マジックショップ フレンチドロップ

 

 フレンチさんでは「スーパー・カッパー・チョップ・カップ」というチョップカップのタイトルの商品名の中に、ソリッドカップという名前で、このマウスレスカップが販売されているため、商品検索で「ソリッドカップ」と入れても「該当する商品はありません」となってしまうのがもったいないですね。以前再入荷していたのですが、20231028日現在、再びチョップカップもマウスレスカップも売り切れとなっています。 ちなみに、このチョップカップ吸着力はかなりゆるく、良いです(笑)。机にたたきつける必要がありません。手の上にポンと置くだけでリリースできます。

 フレンチさんのメーリングリストに書かれているように、このチョップカップとソリッド・カップはやはり同じ形ではなく、個別で仕入れている別物だそうです。色合いを合わせるために磨きぬいておられるそうです(笑)。確かに並べると違います。ショルダービードの形は似ていますが、微妙にカップの高さが違い、それに伴い形も微妙に異なります。商品HPではなかなか上手い見せ方をされており、ディスプレイとしてもきれいですし、直接並べて比較していません。チョップカップの方がわずかに背が低く、トップの面積が広いです。しかし、この違いのため、すり替えで気づかれるということは、(あくまで私の予想ですが)おそらくないと思います。典型的にはチョップカップをやった後、ソリッドカップにすり替えると良い反応を頂けると思います。以前紹介させていただきましたように私も実際TommyさんのCBSワンカップるーてぃんのエンディングとして、このカップをよく使っていた時期がありました。

【My Repertoire】CBSワンカップるーてぃん by Tommy - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

トミーさんのCBSコインとワンカップを使ったルティーンを解説しているDVDです。私は3つのカップを使ったカップ&ボールを実演するのが難しい場合、この手順を実演させて頂く...

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 また、このフレンチさんの2つのカップは形は完全に一緒ではありませんが、ソリッドカップの上にチョップカップがスタックできます。ですので2つのカップの持ち運びが楽です。以前持っていたものはスタックができず、持ち運びにスペースを必要としてました(;^ω^)

 スタックはできるのですが、これは、ショルダービードできれいにスタックできているわけではないので、ボールを入れた状態できれいにスタックはできません(T_T)。以前少し書かせていただきましたが、私はチョップカップとソリッドカップの2カップルティーンが好きです(人にはまだほとんど見せていませんが...)。この手順をやるためにはボールを乗せた状態で綺麗にスタックできる2つのカップが必要なので、このペアでは残念ながらできません...

2021 favorite + 1年を通して - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

今年もわずかとなりました。ただ、この記事を書き終わるころには年を越している気がします…年内にアップできるか(笑)2021年もいろいろ面白いカップが販売されました。カッ...

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でも、単品で使ってよし、チョップカップのエンディングとして使って良しの便利なカップです!




















3色のカップセット

2023-10-08 07:10:00 | カップアンドボール

 前回は、3色の紙ボールを使った手順である「Tri-Color Cups and Balls」を紹介しました。今回はボールではなくカップが3色である商品を紹介させて頂きます。

 プラスチックのカップでは、よく3色のカップを見かけます。以前紹介させて頂いた富士奇術研究所のカップもそうですし、

富士奇術研究所の「カップ アンド ボール」 - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

富士奇術研究所のカップ&ボールです。以前オークションで購入したもので、私が実際の販売時に購入したものではありません。従ってこのカップがいつ頃販売されていたものか...

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 テンヨーのプラスチック製のカップも3色です(写真は「悟空の玉」のカップと「8つの手品」に入っているカップ)。


ちなみに、以前紹介させて頂いた、mML18115周年記念号)で、いけちん氏はテンヨーのプラスチックカップのような3色のカップを使った手順をされてました。

mML181(15周年記念号)みました。 - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

15年以上続く驚異のマジック教材mMLの181を見ましたので、紹介させて頂きます。私のブログでは今のところ、カップ&ボール(Cups&Balls)中心にというところに(自分で...

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 このようにプラスチックカップでは、3色は割と多いのですが、一般的な金属カップでは金属の色そのものであることが多く、3色に塗装したカップは少ないと思います。もちろん、プラスチックに比べて金属は着色しにくいというのもあるかもしれませんが、その他にも理由があるのでしょうか?そもそも、3つのカップの色が異なることが、どのようなメリットを生むでしょうか?調べてみると面白そうです。

 現在も入手可能(かもしれない)商品として、2つほど紹介します。

1. Technicolor Cups & Color Changing Balls 

Technicolor Cups & Color Changing Balls-マジックショップ マジックファンタジア

赤、青、黄の3色のカップを使ったカップ&ボールです。カップが3色のため、観客がどのカップであるかを確実に追うことができます。より、現象がわかりやすくにな...

マジックショップ マジックファンタジア

 

2. 3色 カップ&ボール(アルミ製)

3色 カップ&ボール(アルミ製)-マジックショップ マジックファンタジア

テーブルに伏せた3個のカップの中で、ニットボールが出たり、消えたり、飛び移ったり、カップを貫通したり…そして、最後は各々のカップいっぱいのフルーツや特大のボール...

マジックショップ マジックファンタジア

 

私は以前両方ともマジックファンタジアさんから購入しておりますが、現在は共に品切れのようです(;^ω^)

 1つ目の商品の実演動画を見つけました。


 このカップセットには白色の小ボール4つに加え、3色の小ボール3つと3色の1つの大ボールが付属しています。上記演技のようにカップと揃った色が出てくるとやはりきれいですね。最後の3色大ボールもいいと思います。せっかく大ボールが入りそうなカップですので、カップの色に合った3色の大ボールを出して、さらに最後に1つの3色大ボールを出すのもいいのではないかと思います。

 2つ目の商品には、通常の赤いニットボールしか付属しておらず、手順書にも同じ色のカップとボールの手順が解説されています。あくまで「きれいなカップ」という位置づけで販売されているのですね。もったいない

 どちらのカップにしても、鮮やかな「青」「赤」「黄色」なので、ニットボールより、ストレートマジックショップさんで扱ってるような少し光沢のあるモンキーフィストの方が合っているかなと思います。

カップアンドボール用ボール│ストレートマジックショップ

業界最安値のデック、レクチャーを主軸にしたマジック道具の総合ショップ。 マジックを演じる楽しみをお届けします。

ストレートマジックショップ

 


【ばら売り】ファイナルロード用ボール(直径50㎜)│ストレートマジックショップ

業界最安値のデック、レクチャーを主軸にしたマジック道具の総合ショップ。 マジックを演じる楽しみをお届けします。

ストレートマジックショップ

 

 両カップともきれいですが、気になる点としては、恐らくアルミカップに塗装していると思わるので、使っているうちに剥げていくのでは無いかという点と、非常に軽いので、強度が大丈夫かなと思ってしまう点です。最近カップの重量は増えているような気がするので、さらに軽く感じてしまいました(;^ω^)。思い切って、子供の「ままごと」に使うような北欧の木製風カラフルカップなど作ってみるのも面白いかと思いました。また、下記の用なホーローマグカップを使ってもいいかもしれませんね。

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 複数の色のカップを使った手順もおそらくいろいろあると思いますが、例えば、先日X(旧ツイッター)で、ゆうきとも師にコメント頂きました、Milton Kortの手順があります。これは「KORT IS NOW IN SESSION」に記載されている「Chrimo Cups and Balls」だと思います。


 ゆうきとも師ご自身も色付き紙コップと紙玉の手順をいくつか発表されてます。それについては、またまとめて、いつかご紹介したいと思います。

 ときどき、気分を変えて、カラフルなカップ&ボールをしてみるのもいいですね♪




















Charlie Miller Cups by Chicago Magic Inc.

2023-09-17 11:52:00 | カップアンドボール

昨年(2022年)の年末、Tom Frank氏のPhoenix Cups and Ballsを紹介しました。

Phoenix Cups and Balls by Tom Frank - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

2000年にTomFrank氏がリリースしたPhoenixCupsandBallsです。カップとボールとウォンド、そして証明書が専用ケースに入ったセットでした。銅合金(COPPER-ALLOY)のカップセ...

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このとき、いわゆるロス・バートラム(Ross Bertram)タイプのカップの変遷(?)について書きました。今回は、この記事中で紹介させて頂いた、Phoenix Cupsの基となったカップである、Chicago Magic Inc.製のいわゆるCharlie Miller Cupsと呼ばれているカップを紹介します。しかし、実は私はよく経緯がわかっておらず、チャーリー・ミラーがこのカップを作るようChicago Magic Inc.に持ちかけたのか、逆にChicago Magic Inc.が作ったロス・バートラムのそっくりカップをチャーリー・ミラーが絶賛して使うようになったのでそう呼ばれたのか...(もし、ご存知の方いらっしゃいましたら教えて欲しいです)。そもそも当時正式に「Charlie Miller Cups」という名前で売られていたのか

 まあ、しかし、このカップが「Charlie Miller Cups」として、一般的に認知されているのは間違いないので、そのように紹介させて頂きます。Charlie MillerRoss Bertramの重く、しっかりしたカップを気に入り「It's a man's cup!」と言っていたようです。ちなみに、なぜRoss Bertramのカップがそんなに頑丈だったのかというと、ファイナルロードでヒヨコを出しており、そのヒヨコが動いてカップが勝手に動かないように重いカップだったという話もあります。

 チャーリー・ミラー(Charlie Miller)がどのような人だったかは、いつものマジェイアさんのサイトを引用させて頂きます。カップ&ボールでは、チャーリー・ミラームーブが有名ですが、特にカップ&ボールが氏の象徴的マジックというのではなく、カードのエキスパートです。「セカンドディール」の名人で、特に有名な代表作は「ダンバリー・デリュージョン」です。その他、マイザーズ・ミラクル、ライス・ボールなどが有名です。

マジシャン紹介:Charlie Miller

 カップについての説明です。カップの口径は約72mm、高さは約74mmで、高さはポールフォックスと近いですが口径はだいぶ大きいです。リムの隙間も大きいです。カップの大きさの割に、使えるボールは7/8インチと小さめです。これは、ショルダービードが低いため、カップを重ねたときの空間が小さいからです。この形を引き継いだPhoenix Cupsはこの問題を楕円のボールを使う事で解決しています。

 ファイナルロードが可能な玉の大きさとしては、テニスボールは入ることができず、少し小さなラクロスのボールがピッタリ入ります。カップのサドルの上にこのボールを置くと、かなり大きく見えます。ただ、ラクロスのボールはゴム製なので、少し引っかかるため、ロードするときや、ロードした後マットやテーブルに置くときには少し注意が必要です。でも、銅の色に真っ白なボールもいいですね(笑)

 重さは約160g3つで約480g1ポンド(約454g)を超えます。多くのCharlie Miller Cupの説明では「重い銅製」という表現が使われており、「重さ」がウリのようです。確かに、通常のスピニング加工の銅製カップより少し重いかもしれませんが、最近CNC加工のカップが多いせいか、全然重く感じません…TCCのコンボカップなんて1つで350g超えますからね(;^ω^)

 Phoenix Cupと並べて写真をとりましたが、殆ど同じ形をしています。Charlie Miller Cupということで、eBayで購入していますが、Phoenix Cupじゃないだろうなと思ったりして...。どなたか、明確な違いが分かるポイントを知ってる方は是非教えてください。

 次に手順に関してです。チャーリー・ミラーの手順については、意外と演技をしている動画や解説を得るのが難しいのですが、映像としては、Stevens Magic EmporiumGMVLGreater Magic Video Library)シリーズ、Volume 29Charlie Miller & Johnny Thompsonで、ルティーンを解説しています。

Charlie Miller & Johnny Thompson, Volume 29 GMVL (DVD)

Imagine a fun-filled hour spent with two legendary magicians. Time passes quickly as they demonstrate new inventions, recreate time-honored classics and share st...

Stevens Magic Emporium

 

このときの解説映像は、Greater Magic Video Libraryの中からカップ&ボールだけを集めた「Cups And Balls – Teach-In Series」にも収録されています。

Cups And Balls - Teach-In Series (DVD) - Greater Magic Video Library

FROM THE GREATER MAGIC VIDEO LIBRARY (GMVL)! Our biggest seller to date from the Greater Magic Video Library. Charlie Miller—Johnny Paul—Mike Rogers—Michael Amma...

Stevens Magic Emporium

 

ボールをカップの上から押し込んだり、ボールを2つに分裂させる現象が含まれたりと、バーノンの手順と大きく異なります。私の勝手な予想ですが、ここで解説されている手順が、氏の代表的な唯一の手順ではない気がします(最後大きなものも出てきませんし)。氏はインディアンカップや中国の湯呑を使ったカップの手順もしていましたし、いろいろ手順をしてたのではないかと

 最後に、写真に写っている冊子は、1967年発行のCharie Miller Lecture Notesです(2ドルと書かれています(;^ω^))。カップと同じChicago Magic Inc.が発行しています。ここにCupsBllsという項目がありますが、2ページだけで、ここでは、氏の手順の解説ではなく、カップ&ボールの注意点や工夫点などが述べられています。とはいえ、さすがに重要なポイントを押さえています。記述の中で自分の手順で最も人気があるのは中国茶のカップと紙幣を丸めて作ったボールを使うカップ&ボールだと述べています。最後はレモン、塩入れ、本物の卵を出したそうです。現役時代の映像が見たいところです...
























The Immortal Sowing Beans by Bacon Magic

2023-09-08 23:30:00 | カップアンドボール

 前回、インドのカップ&ボールであるTCCの木製インディアンカップを紹介しましたが、今回は中国のカップ&ボールのセットの紹介です。Bacon Magic2023年にリリースした中国の伝統的なカップ&ボールのセット、「The Immortal Sowing Beans(不老不死の豆蒔き(仙人栽豆))」です。

 ヒンズーカップは割と多くの商品がリリースされており、マジシャンが自分のレパートリとして演じているのを見たことがあるのに対して、中国のカップ&ボール用のカップであるとか、マジシャンのオリジナル手順というのは見たことがありません。お詳しい方もいらっしゃるとは思いますが、私のように一般的にショップからマジック用品を購入してマジックを行っている人にとっては珍しいのではないでしょうか。これは日本のお椀と玉にも言えて、日本のお椀と玉用のセットや解説があまりない(北見師のものがありましたが、一般的ではなかったと思います)のと似ているのかもしれません。

 今回、この商品を通じて、これらを知ることができてよかったと思います。ただ、私の知識不足でこの商品で解説されているものがどのくらい中国の古典として一般的であるか、現代風に改良されているかなどはちょっとわかりません。もし、このブログをご覧になった方で文献やビデオなどお勧めがございましたら紹介頂けると幸いです。

 商品のメインの構成は、お椀4つと、玉、ウォンドです。その他に敷くタオルや玉を入れるケース、ギミックの付いたハンカチーフやその他現象を起こすためのギミックがあります。カップは陶器ですが、模様は、描かれたもではなく、恐らく印刷はシールのようなものを貼って熱か何か加えるとか模様付けしていると思われます。1周回って重なっているところがありますので。とはいえ、凝ったセットだと思います。インストラクションは約45分の映像でしっかり解説されてますが、前回のヒンズーカップ同様、中国語音声に英語字幕なので、英語の字幕を追いながら現象を追うのがちょっと大変です。解説では、基本的な手順をいくつかと、技法をいくつか、エンディング用の現象の実現方法が解説されています。

 PVです。ご覧ください。


 カップの茶碗はどんな形でもいいのかというとそうではなく、技法に適した形があり、今回はその形を満たした茶碗となってます。探せば適したものはあるような気はしますがちょっと大変かもしれません。ボールは一般的なカップ&ボールで使うものよりだいぶ小さい(3シェルの豆よりは少し大きい)ゴム製のボールです。スーパーボールのような触感でしょうか。大きさが小さいので、フェイクトスの仕方がちょっと違いますよね。また突き刺すようにして消すウォンドの使い方も特徴的です。ウォンドを持ってる掌を少し見せることでよりクリーンに見えます。茶碗を置くときも日本のお椀と玉やベンソン・ボウルのような置き方ではなく、ポイっと投げる感じで置くんですね。この置き方も怪しさが少し薄くなると思います。

 写真では3つ並べて撮影していますが、この解説で出てくる手順は全て2つのカップを使っています。フレンチドロップさんの石田氏のコラムで中国のカップ&ボールはカップが2つと書いてあったように記憶しているので、中国のカップ&ボールは多くは2カップなのでしょう。現象は通常のカップ&ボールと同様、手に持ったボールが消えてカップ(お椀)の中に移動するとか、お椀からお椀へ移動するなどです。陶器茶碗を使っているので縦に積んでの現象は無いです。ぶつけると割れそうですし(;^ω^)。ヒンズーカップも縦の貫通はないですね。一般的なカップ&ボールは縦の移動現象、その他、様々な現象を起こしやすいカップの形や素材になっているのだなぁと改めて感じました。

 クライマックスに関しては現代の(西洋的?)カップ&ボールの多くが大きなものを出すのに対して、ここでは、PVにありますように、大量の小豆や金魚が出てきます。なかなかインパクトのあるエンディングです。コーヒー豆を最後に大量に出すエンディングなどもありますが、その手法とは異なります。私はかなり不思議に見えましたが、PVをみて皆さんがどうでしたでしょうか?特に金魚の方はPVで加工や見えないようにしておらず、そのままなのですが、少なくとは私は「ん??」となりました(何回も見ればわかるかもですが(笑))。

 この商品ですが、なかなか入手できません。私も23カ月待ちました。出始めたころから普通に現在もどのお店でも売り切れとなっています。ペンギンマジックでは「This product has been discontinued.」となってますし、以前この商品を扱っていたVANISHING INC.の商品ページも無くなっていますので、製造終了なのかもしれません。私はまだ触った程度ですが、実際に実演するギミック等で問題があるのかもしれません…(;^ω^)

The Immortal Sowing Beans by Bacon Magic

The magic of clay balls spread from the Song Dynasty to the present, after thousands of years of polishing by many craftsmen, it has become today

Penguin Magic

 

 日本のお店でもいくつかありますが、ほぼ売り切れで、マギカさんだけ「在庫あり」となっています。ただ、他のお店の状況からして少し怪しいので、欲しい方は一度問い合わせをされると良いと思います。誠実にご対応頂けると思います。

中国古典「不老不死の豆蒔き(仙人栽豆)」/ The Immortal Sowing Beans by Bacon Magic

【取り寄せ品(目安1-2週間)】 前入金を購入条件とし,代金引換はお受けしません。 ●銀行振込の場合,注文後,弊社からの在庫連絡を待ってご入金下さい。 (メーカー完売す...

MAGICA-マギカ-

 

 いろんな国で独自のカップ&ボールがあるのは興味深いですよね。カップの形や数なども違いますし。それらが、独自で発生して進化をしていったのか、1つのところで発生したのが伝わっていく過程でその土地土地にあったものになっていったのか。ヒンズーカップでもチョップカップはありますし、このカップセットにもギミックがあります。これらは100年前は使われていなかったでしょう。それを考えると独自のスタンスを保ちながら現代風に進化しているんでしょうね。

 結局練習まで至らない可能性が高いのですが、いろんな国のカップをさらっと不思議にできるようになりたいなぁ~と思いました。

実は、茶碗は4つあって1つがギミック、3つがノーマルなのですが、私が購入したセットは3つがギミックで1つがノーマルとなってました(;^ω^)。気が付いたのが(そもそも箱から出したのが)遅かった(1週間以上経っていた)ため、対応頂ける可能性は低いかも知らないのですが、現在問い合わせ中です。対応頂けることを願って(;^ω^)....

<2023年10月1日追記>

 ノーマル茶碗2つを無料で送って頂きました!1週間以上経っていたのに対応頂いたメーカーと販売店に感謝です!ありがとうございました!