カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Brett Sherwood Midi Cups Nickel Plate Straight Set

2023-11-26 14:04:00 | ミニカップ(Mini Cups)

 今回紹介するのは「Sherwood Midi Cups」です。以前シャーウッドのカップとウォンドを紹介しました。

Brett Sherwood Cups & Wand - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

TheBrettSherwoodCupsです。個人的にはおそらく現在購入できるカップの中で最も美しいカップの一つだと思います。もちろん彫刻もきれいですが、形もとてもバランスが良く、...

goo blog

 

 この紹介したカップを私が購入したのは2008年ごろで、私にとっては一大決心だったわけですが(笑)、購入後はもうお世話になることもないだろうと、商品サイトのページにアクセスることはありませんでした。そして、何年か過ぎ、ページを久々に見たら、少し小さめのMidiサイズなるものが販売されているではありませんか!(従来のカップは「Classic Cups」として販売されていました)しかし、既に全て売り切れでした(T_T)。サイズも小ぶりで使いやすそうですし、もちろん形も素晴らしいカップです。欲しい!と思いながら、ちょこちょこサイトを見るのですが、再販される様子はありませんでした。

 時は経ち、去年(2022年)のはじめ、Brett Sherwood氏メールを投げて再販は無いのか聞いてみました。すると、「数カ月以内に再販するよ(Engravedは限定なのでしないけどね)」と返事が来ました!喜んで待っていたのですが、Classic Cupsの方はEngravedも含め再販されたものの(私の購入時より500ドルもお値段アップしてました(;^ω^))、Midiカップは結局販売されませんでした。

 まあ待つしか仕方ないかと思っていたら、今年(2023年)Airship MagicさんでこのMidiカップが中古で販売されたのを知って早速購入しました。Airship Magicさんでは今年、さまざまな貴重なものが販売されています。あのポールフォックスのツールまで販売してしまいました(;^ω^)。貴重なカップもいくつか販売していて、一品ものなので、迷っているうちに売れてしまったカップもいくつかありました。そこで、このカップが出たことを知ったときは迷わず急いで購入してようやく念願のSherwoodのMidi Cupsを手にすることができました。

 前置きが長くなりましたが、私が購入したのはNickel Plate Cupなので、ニッケルメッキのカップです。Airship Magicさんは商品紹介でこの「Nickel Plate」のことを「Nickel Chrome」と書いていたので、「これは『Nickel Plate』ですか?」と聞いたら、「the United State we call them NickelChrome」と返事がきました。ということはニッケルクロムメッキ(ニッケルメッキの上に最終メッキとしてクロムメッキを施す)なのでしょうか??ちょっと知識がなくて正直よくわかりません...どなたかご助言頂けると幸いです(;^ω^)。ニッケル(クロム)メッキなので、錆びることなく、お手入れをほとんどする必要がなく、きれいな状態が続きます。手に持った感じもいい感じです。

 Midiカップの商品ページを示します。

Brett Sherwood Midi Cups

 私がこのMidiカップを手にしたかったのは、もちろんSherwood Cupが素晴らしいということもあるのですが、その大きさに興味を持っていたからでした。これまで紹介してきたいわゆるミニカップに比べると少し大きく、扱いやすいサイズではないかと思ったからです。ミニカップの代表として、以前紹介させて頂いたRings-N-Things MagicのPaul Fox Miniと比較した写真をとってみました。

Paul Fox Cups (8):Paul Fox Mini Combo Cups | Copper | Polished Finish by Rings-N-Things Magic - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

新しいPaulFoxCupsを購入しましたので、PaulFoxCups(8)として紹介します。今回紹介するのはRings-N-ThingsMagicのPaulFoxMiniComboCups|Copper|PolishedFinishです。以前、P...

goo blog

 

 あとMidiに限りませんが、Sherwood Cupの特徴としてはトップの形が少し他のカップと異なります。カップはトップに向かって通常小さくなっていき、最後滑らかにトップのエッジへとつながるのですが、Sherwood Cupはトップに到達する直前に少し径が大きくなる感じの形をしています(すいません表現が悪くて)。Engraved Cupsはそこがデザイン的に変化があるところなので目立ちませんが、通常カップはその形の変化がわかりやすい気がします。ですので、EngravedでないSherwood Cupも見たらすぐにSherwood Cupだとわかります。


 上記Sherwood Midi Cupsのサイトの一番下に、Classic CupとMidi Cupのサイズが含まれたわかりやすい断面図があります。カップのサイズとしては、口径約54mm、高さ約57mmですが、扱うボールで表現した方がサイズ感がわかりやすいと思うので、ボールのサイズを書きますと、Midi Cupに対応したボールは小ボールが15/16インチ(23.81mm)、大ボールが2インチ(50.5mm)です。このボールサイズは通常サイズのカップで使うボールに近いサイズだと思います。特に小ボールは私は通常7/8インチくらいのボールを使っているので、それより大きいくらいです(;^ω^)。つまり、いわゆる「ミニ」という感じではなく、存在感はあるもののコンパクトで扱いやすいという貴重なサイズかと思います。まあ、カップとボールを完全にセットで作っているので、全く無駄がない、ジャストフィットのボールが使えますからね(;^ω^)。ちなみに重さや約80gでしっかりした重量感があります。

 ボールはカップについていませんでしたから、Sherwood氏のお店で購入しました。最近私は銀カップには青色が合うという感覚を(勝手に)持っているので青系のボールを注文しましたのですが、実は写真にあるボールは注文したボールではありません(;^ω^)。Brett Sherwood氏が「注文してくれたボールは今品切れなので、最も近い色のボールを送るよ。の色も素敵だろ?」という感じで事前の断りなく違う色のボールを送ってくれました。日本のお店では考えられませんが、確かにいい色なので、そのまま受け取りました(笑)。

 今回、このカップを紹介するのに、せっかくなのでBrett Sherwoodが表紙になっている、2011年の Linking Ring Magic Magazineを一緒に撮影しました。この雑誌では氏の歴史(大型客船でステージマジックなどもするマジシャンだったなど)や、Sherwood Cupが2年間の開発期間のち、2003年に出来上がったこと、カップの模様がバーノンのカップにインスピレーションを受けたことなどからバーノン・エステートを得ることを申し出て得られたこと、I.B.M.のトロフィーとしてのカップを作ったことなどが書かれています。また、カップ&ボールの本をリリースすると書かれているのですが、出てませんよね…。出てるなら見てみたいです…


 というわけで、今年入手したカップの中で最もうれしかったカップの一つである「Brett Sherwood Midi Cups」の紹介でした。













林王子監修!Straight Leather Chop Cup by ストレートマジックショップ

2023-11-12 23:41:00 | チョップカップ(chop cup)

 今回は、先日リリースされました、ストレートマジックさんのレザーチョップカップを紹介します。タイトルのように「ウリ」は「林王子監修!」というところではないでしょうか。既にストレートマジックさんはレザーチョップカップをリリースしており、ちょうど1年ほど前(20221030日)に紹介させていただきました。

Straight Leather Chop Cup by Straight Magic Shop - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

最近多くの革製品をリリースされているストレートマジックショップさんがオリジナルチョップカップの販売を開始しました。私がいろいろ説明するより、多数の動画を含む熱い...

goo blog

 

 以前リリースされたカップはクロースアップ向けで、コンパクトなことがウリですが、他にも最適インナーカップやそれに合った蓋が販売されていることなどが非常に特徴的です。

 一方、今回リリースされたのは、それとは対照的に、パーラーなどでも演じることができるやや大型のカップです。以前のカップと比較するとよくわかると思います。王子さんが金属製のカップを使ってらっしゃるので、ストレートさんがカップを作ってると伺ったとき「ストレートさん、ついに金属カップまで手を伸ばした?」と思いましたが、レザーでした(笑)。このカップはレザーカップにしては珍しく、テニスボールを入れることができます。革製カップは金属製カップと違って、曲線のカップを作ることが難しいため、カップの口径はボールが大きくなるとより背が高くなってしまうのですが、背が高くなり過ぎないいように、トップの径を少し大きめにし、全体を設計されていると思います。

 そもそも、このカップがリリースされたのは、ストレートマジックさんで行っている数々のレクチャーコンテンツの中の1つである、「林王子のクラシックマジック・エッセンス」で林王子さんがチョップカップのレクチャーをされ、それが非常によかったからだそうです。本カップおよび、別売りのバッグを最大限に利用されるには、林王子さんのレクチャーをご覧になることをお勧めします。私もこのレクチャーを見させて頂きましたが、とても素晴らしい手順だと思います。チョップカップの1手順にこれだけ時間をかけての解説コンテンツも珍しいですし、お値段も高くありませんので、個人的には非常におすすめのコンテンツです。

 以前、林王子さんのX(旧ツイッター)でチョップカップの実演映像の一部がアップされており、非常に観客にウケている映像でした。私もぜひこのフル映像を見たいと思っていたのですが、ストリートマジックさんのレクチャーでは、まさにこの実演映像をもとに解説を行って頂けましたので、非常に楽しめました。

https://x.com/ouji8848/status/1663496042892124162?s=53&t=gm3b-WQUFzQvX_dMYqFkSA

 この動画は全体手順の一部であり、観客が両手で持ったカップの中にボールが飛び込むという、チョップカップの中で最もインパクトがある現象の1つが演じられているシーンです。これは、以前紹介させて頂いたMICHAEL O'BRIEN氏の「Stroling Chop Cup」いう手順で有名になった技法です。かなり観客にウケているようすがわかりますが、ここだけでなく、王子さんの手順は各フェーズで観客を盛り上げています。

 手順自体は、あるマジシャンの手順がベースであり、そこに先の現象(+α?)を加えて構成されてます。ですので、マジシャンが見たら、技法的には新しいものは無いことがわかります。しかし、観客がそこでどのようにマジックを見ているのか?どうなれば観客は盛り上がるのか?が細かく計算されており、従って観客とのやり取りが抜群に素晴らしいのす。同じ手順をベースにしていても、淡々と行った場合と比べて大きな差が生まれることがわかります。王子さんがショーのトリで使うことがあるそうなので、その威力は実証済みなのでしょう。

 すいません、カップの紹介なのに、王子さんの手順の紹介が長くなってしまいました。続いてカップについてです。

 口径は約74mmm、トップの直径は約62mm、高さ約87mmです。中はクロースアップタイプと異なりサラサラというかツルツルという感じの素材で(専門用語使えずすいません...)テニスボールを出し入れしやすい素材を選ばれたのではないかと勝手に思っています。

 カップ(とボール)に関しては以下のような特長があります。

①専用ボールがあり、吸着力が調整されている。

ゆるい吸着力なので、たたきつける必要はありません。先に述べた観客が手に持った状態でボールがカップに入り込む現象もやりやすいと思います。また専用ボールも大きめなので見やすいと思います。私はレッドを購入しました。

②カップにギミックが複数組み込まれている。

チョップボールをカップに入れたときに反応しないときがありますよね。それを防ぐためにカップの方に複数のギミックが組み込まれ、ラフに入れてもどれかに反応するように作られています。このカップは特に底の面積が広いので、このような機能が有効に働くと思います。

③テニスボールに合わせたカップの大きさ。

このカップはテニスボールがぴったり入ります。さらに、良いのが本当にぴったりサイズに作っているということです。従ってテニスボールを入れた状態で上からつかんだ時、カップの湾曲なく、ボールごとホールドできます。一度無いことを示してからの出現が可能です。

さらに、今回、革製のポーチも同時リリースされています。これは王子さんの手順で、王子さんがジャケットやズボンのポケットではなく、このようなポーチ(王子さんのは布製だったと思います)を使っているからそれに合わせてストレートさんが作られたと思われます。マチがしっかりあるので、カップやテニスボールがしっかり入ります。また、中がサテン生地でスムーズに取り出しできますし、小ボール用の取り外し可能なホルダーまでついています。王子さんのように、堂々と見せて使う手順にももちろん使えますし、普通にあまり見せない取り出し用ポーチとして利用してもいいと思います。


 ということで、今回はストレートさんからリリースされた「林王子監修!Straight Leather Chop Cup」を紹介させて頂きました。クロースアップよりちょっと多めの人に(離れた場所から見る人がいる場合に)おすすめのカップとなります。いろいろ書きましたが、王子さんの手順自体はオーソドックスな技法を使う手順でありますので、特殊なカップを必要としません。ですので、「王子モデルのカップ!」と言っても王子さんの手順以外で使えないかということそれは全くありません(笑)ほとんどのオーソドックスなチョップカップの手順で使えると思います。

 そういった意味で、王子さん監修!とされてますが、王子さんがこのカップを監修するあにあたり、どのようなことを要求されたのか?、また、試作品に対してダメ出しとかしてたとしたらどのような点にこだわってさらたのか?を知りたいですね(笑)


おっと!カップの商品ページを貼り付けるのを忘れておりました!動画を使った特長の説明やもあります。いつも通り、豊富なカラーバリエーションもありますので、レザーカップ好きの方は是非ご覧ください

王子チョップカップ│ストレートマジックショップ

もの作り系マジックショップの 真骨頂! 当ショップは中の人が工学部出身のクラフトマンです 現場目線の極めて尖ったセンスでもの作りします。 また、独自の企画商品、仕入...

ストレートマジックショップ