カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Sterling Silver Cups (Mini Engraved)

2023-03-31 19:20:00 | ミニカップ(Mini Cups)
Sterling Silver Cups (Mini Engraved)

 銀製(スターリングシルバー)のミニカップです。10年以上前にSTEVENS MAGICさんで購入しました。私は当時はミニサイズでの演技は考えていなかったのでコレクション(飾り用)という感じで購入しました。現に今は飾ってますが、もちろん演技にも使えます。ワイルドと言うよりエレガントな感じの演技になると思います。 

 カタログにはメーカーなどの記載がなく、どこ()が作ったのかは不明です。私が持っているのはミニサイズの「Engraved」タイプですが、彫られていないタイプや、もう少し大きなレギュラーサイズも販売されていたような気がします。カタログによると75セットの限定品らしいのですが、どの範囲で75セット(この「Mini Engraved」で75セット?)なのかは不明です。このミニカップのサイズは高さ約5.5cm、口径約4.1cmです。重さが約50g。以前紹介しましたPaul Fox Mini Combo Cupsと高さはそれほど変わらないのですが、口径が小さくほっそりした形です。ゆえにファイナルロード用のボールとしては大きなものは入りません。ゴルフボールも入りませんでしたし、私が持っているボールでちょうどよいサイズはありませんでした。恐らく直径30mmくらいのボールが良い気がします。

 サイズ感的にはRINGS-N-THINGS MAGICJester Mini Cupsと似た感じだと思います。

Jester Mini Cups | Sterling Silver | Polished Finish

Rings-N-Things Magic

 

 ショルダービードとリムが14Kとカタログには書かれていたのですが、全く金に見えません…とれてしまったのでしょうか(^_^;)。スカート(ショルダービードとリムの間)には花の模倣が施されています。写真のようなおよそ直径が約15.5mmのゴム製ボールが付属していました。

 このカップ、既にSTEVENS MAGICさんでは、販売していませんが、なんとUGMさんで今でも販売しています(;^ω^)。昔は普通サイズも扱ってたように記憶していますが、現在はミニカップ(彫りありと無し)が販売されています。しかし、UGMさんの写真が良くないです(;^ω^)。ピントが合ってなくて、せっかくの彫り模様が全然わかりません(;^ω^)。もったいないです~。

純銀製カップ&ボール デラックス(ミニタイプ)

 デラックスタイプは型押しで花模様を浮き上がらせており、豪華にデザインされています。この高級感あふれる純銀製のカップで素晴らしい演技をしてください。 サイズ:高...

純銀製カップ&ボール デラックス(ミニタイプ)

 


 このカップに関しては、購入時の思い出が少しあるのでそれを書かせて頂きます。カップ自体とは関係ありません。このカップは当時$395で販売されており、私にとっては決して安い買い物ではありませんでした。シャーウッドがとても買えないので、これを買ったのかもしれません(笑)。少しでもお金を抑えようと発送はUSPSの追跡無しバージョンで購入しました(船便ではありません)。しかし、待っても待ってもカップが届きません結局1か月経っても届きませんでした。非常にショックでSTEVENSにメールを送っても、向こうは送ったというだけです。私も諦めきれず、仕方ないので思い切って、STEVENSさんに、「痛み分けってことで(意味不明)、私はもう半額出しますので新しいものを追跡番号ありで送ってもらえませんか?」と打診しました。向こうも赤字になってしまうかもですが、仕方なく(?)私のお願い通り200ドルで新しいカップを送ってくれました。私にとっては結局かなり高い買い物になり(レギュラーのEngravedカップが買えたかも)、しかも本当に届かないことがあるんだ!といういい勉強になったカップです(;^ω^)。最近のトラッキングシステムは結構細かい動きまで教えてくれるので安心ですよね。














The Koornwinder Kar by Dick Koornwinderと関連商品

2023-03-16 12:52:00 | カップ&ボール以外

 先日、AmanonさんのブログやTwitterで「魔法のミニカー」を使用した、カードを使わないマジック「セーフティドライブ」が紹介されていました。

Twitter


ブログ「Hey presto!

1コママジック その15

2018年から、twitterやInstagramに載せている、「動画ではなく写真で表現するマジック」の、まとめ第15回です。SNSでは流れていってしまうので、引き続きブログにまとめてお...

 

いつもいいマジック創られるよなぁと見てましたら、「このマジックには、テンヨーの「魔法のミニカー」を使用しています。すでに製造中止になっていますが」と書かれており、「あれ?そうだっけ?(世の中に全然ついていけてない)」とググってみると確かにだいぶ前に生産終了したのか「売り切れ」「在庫なし」でした。国内での購入は難しそうマジックショップでは逆輸入バージョンが売られてたりする。まだ海外のお店には残っていますが、製造を中止したなら、そのうち入手困難になるに違いない。というわけで、カップ&ボール以外は久々ですが、オリジナルの「The Koornwinder Kar」を中心に紹介させて頂くことにしました。何回か演じた事はありますが、レパートリーと言えるほどは演じていません、やはり上手く止まらなかったりした経験で頻度が減ったのかもしれません😅

 私がこのマジックを知ったのは、恐らく多くの方がそうだと思いますがタマリッツ氏のビデオでした。20年以上前ですね。A-1 Multimedia だったかL&Lだったか。もちろん現在も入手可能で、Lessons in Magicという3枚組のDVDVol.2に収録されています。マジックのタイトルは「El Cochecito」です。スペイン語で「玩具の自動車」即ちミニカーという意味だと思います。例えばフレンチドロップさんで購入できます。

レッスン・イン・マジック

スペインの天才・タマリッツのすべてがここに。

マジックショップ フレンチドロップ

 

また、このマジック単体の映像も販売されており、例えばストリートマジシャンさんでダウンロード販売をしています。

El Cochecito video DOWNLOAD (Excerpt of Lessons in Magic Volume 2) by Juan Tamariz

この商品ページでも見れますが、演技の映像を示します。


8分を超える実演ですが、見ていてとても不思議で、とても楽しく、是非やって見たくなるマジックではないでしょうか?まあタマリッツ氏のキャラクターが際立っているのでこれをそのまま行うのは無理というものですが(;^ω^)

 このマジックはタマリッツ氏お気に入りのマジックで多くのテレビ番組で実演してるそうです。また、氏の著書 Sonataでも実演するのが好きなカードマジック8つに含まれています(私の持っているSonataでは、p270)。さらに、氏の集大成とも言われる「The Magic Rainbow」でも3章で出てくるそうです(この本は持っていません)。

The Magic Rainbow | Magicana

 と、これだけタマリッツ氏に気に入られているこのミニカーを作ったのは、オランダのマジシャンで1970年のFISMのカード部門3位を受賞しているDick Koornwinder氏です。Dick氏は1971年、オランダで行われたコンベンションにおいてこの「車」で発明部門の賞を受賞しています。これが、この車、「Koornwinder Kar」の始まりです。友人だったFred Kaps氏の紹介で「Koornwinder Kar」はKen Brooke氏が販売権を得て商品化されます。しかし製造権はDick氏が持ち続けたため、氏が作った車以外は模倣品となります。赤い木でできた車で本当に玩具としてありそうな車です。仕掛けがあるように見えません。赤という色もいいですね。黒や緑のマットとも合いますし、ブルーバックのカードとも合いますね。

Dick氏の実演映像です。何故か日本語の訳が入っていますので、日本で放送されたテレビ番組か何かでしょうかタマリッツ氏の手順と比較してみるのも良いと思います。

タマリッツ氏とのいい感じの写真もあります。

https://www.instagram.com/p/la-7ezvrji/

ちなみに、この赤い車を使ったカード当て、日本の有名マジシャンもテレビ番組で実演されてました。そうです。前田知洋氏ですね。実は私はこの映像を見ていないのですが知人からテレビ映像のキャプチャ画像を1枚頂きました。恐らく「Koornwinder Kar」だと思います。

 Ken Brooke氏が販売されていたと思われるこの車ですが、一時期販売されて無かったのではないかと思われます。(恐らく)2004年にHocus Pocusが「Original Koornwinder Kar」として、発売を開始しています。価格は約150ドルという高額でした。車はDick氏が11台作成し、正規品として番号を付けました。といっても、車体に番号があるのではなく(どうせなら焼き印を入れればよかったのにと個人的には思います)、付属するKen Brooke氏が書いた解説冊子に番号が振られています。また入れ物の巾着にも同じ番号の紙が巻いてあります。

 私が持ってる冊子の番号のページの写真です。car numberの上にメッセージとDick氏のサインと思われるものが書いてあります。そこには車のとてもかわいいイラストもあり、これが特別なものか多くの冊子に書いたのは不明です。





 さて、このマジックはテレビなどの影響もあり、とても(マジシャンにとって)人気商品となり、模倣品が販売されるようになりました。それらが本当に法的に問題あるかと言えばちょっと専門ではないのでわかりませんが、実際いくつかのバージョンが販売されていました。私も普通にマジックショップで販売されていたのでいくつか購入しました。


・モデル・カー

 UGMさんで購入しました。車体が透明なタイプです。クリスタル・カーと呼ばれることもあります。UGMさんの解説書には「UGMがスペインのセレクトシオネス・マヒカスとの契約に基づいて」と書かれているので、ある意味きっちりしてそうですが、Dick氏無許可品です。私は自分が実演するときはこの車を使っています。それは、透明だからではなく、この車がもっともタイヤの幅が広く摩擦力が大きいため「ピタッ」と止まるからです。(ちなみに、透明であることがさらに不思議を作っているとか、イヤ逆に良くない、と言ったディスカッションがネットではされてました)。会社名からして下記の商品だと思います

Morlas Car (Crystal Car) by Selecciones Magicas, Morlas

さらに、この商品のコピー品として下記のものもあります。先のはホイールが白でしたが、こちらは金ですね。

Crystal Car Buggy by Mak Magic

リアルマジシャンRYOTAさんがテレビでこれらと同じ商品かは不明ですが、これらのように透明な車を使ってマジックをされてました。



Cesaral Lego Car by Cesar Alonso (Cesaral Magic)

 Hank Leeのお店で購入しました。レゴのタイプです。アイディアとしては非常に良いと思いました。人(人形)を乗せることが出来るのでいろいろなストーリーが作れそうですし、上側の作りを変えれば、様々な種類の車、いや、車だけでなく、電車や飛行機なども作れるため、これまたいろいろなストーリーのマジックできると思いました(行きたい国の国旗カードの上で止まるとか)。さらに、ギミック部分と同じ(もしくは似た)ノーギミックのタイヤに付け替えればプレゼントもできてしまう。ただ、ちょっとMorlas Carに比べると止まりが悪いです

 マジックカフェに書かれていた内容で信憑性に乏しいので話半分だと思いながら書きますが、そこでは、Dick氏もレゴバージョンを考えていたが広めたくなく、リリースしなかったとのことです。で、先に他から商品化されてショックだったとかまた、作ったレゴバージョンをタマリッツ氏の娘にプレゼントしていたとも書かれていました(間違っていたらご指摘ください)。ちゃんとDick氏に許可をもらって高精度のものを作ったらいいのにと個人的には思ったりします。

ペンギンマジックでは販売が止まってますが作成元のCesaral Magicでは購入できそうに見えます(本当にできるかは不明)

Cesaral Lego Car by Cesar Alonso (Cesaral Magic)

A card is freely chosen from a shuffled deck of cards-no forces. The spectator`s selection is shuffled back into the deck and all the cards are then spread face-...

Penguin Magic

 



Car Buggy by Mak Magic

 タネンで販売されていたようにに記憶しています。購入しましたが作りが良くなかったため今は手元にありません。値段が安かったのでこれを購入した人も多かったと思われます。無許可バージョンです。

Car Buggy by Mak Magic


New Koornwinder Kar(魔法のミニカー) by Tenyo

 テンヨーがWorld Greatest Magicシリーズとして2007年、Dick氏の許可を正式に得て製造・販売を始めたギミックの車です。日本では「魔法のミニカー」という商品名ですが海外では「New Koornwinder Kar」という名前で販売されています。赤にしたのはやはりDick氏のオリジナルを意識したのでしょうか...。そして、テンヨー独自の機能として、これまで難しかった手渡しできる機能を搭載しました(まあオリジナルでも大丈夫だと思うんですけどね)。さらにこの機能を実装することでメモリー機能も追加されました。素晴らしい機能なのですが、これら新機能についてはその操作性や操作時の音なども含め賛否両論あります。また、プラスチックという素材や止まり具合に関してもいろいろ意見があります。テンヨー・イズム(TENYO-ISM)では、カードの上や横を走らないこの車を使ったマジックが解説されていました(まあ、通常の使い方の方がいい気がしますが(;^ω^))。

I-MAGICさん販売されていたこの車とカーニバル・アサシンデックを組み合わせた手順もあったので撮影しました😊




最後にこのテンヨーの車の海外版PVがあるのですが、秘密の動きしてるんですかね?その持ち方では無理な気がするのですが本当に止まってる??とか思ってしまいました(笑)

https://youtu.be/hprMuas4_f4


THE MK SIGNATURE WANDS/THE MK STREET WANDS by Michael Kaminskas

2023-03-10 23:29:00 | Wands(ウォンド)

 以前、Michael Kaminskas氏の「M.K. Professional Cups」を紹介させて頂きました。

M.K. Professional Cups by Michael Kaminskas - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

MichaelKaminskas氏のオリジナルカップです。20年ほど前に100こ限定で発売され、私もそのころに購入しました。今回ブログにアップするために検索したところ、氏のページを見...

goo blog

 

 このカップは第3世代まで作られており、素材によっては現在でも確か購入できるカップです。氏はカップだけでなく、チョップカップやウォンド、ボールやファイナルロード用のゴム製フルーツなども販売しています。しかし、ほとんどが売り切れなんですけどね今回紹介するのはそのMichael Kaminskas氏がプロデュースして販売しているウォンド2本です。とってもいいウォンドです。

THE MK SIGNATURE WANDSAB - SS - AFRICAN BLACKWOOD

 1本目は「THE MK SIGNATURE WANDS」です。一般的なチップ(TIPS)とシャフト(SHAFT)で構成されており、その間にスターリングシルバー(シルバー925)が挟まれています。

MK Professional Wands

MK Professional WandsThe perfect wand for the discriminating professional conjuror

mkprofessionalcups

 

 チップとシャフトのバリエーションが数種類ありますが、私が持っているのは、AFRICAN BLACKWOODのチップでAFRICAN BLACKWOODのシャフトのウォンドです(笑)。一般的にはチップは黒っぽいAFRICAN BLACKWOODでシャフトは茶色系の木を用いたウォンドがコントラストがあり、きれいな気もするのですが(実際カッコいいです)、最近、個人的には黒っぽいウォンドを魅力的に感じてまして、故にチップとシャフトが共にAFRICAN BLACKWOODのウォンドを購入しました。もちろん、同じAFRICAN BLACKWOODといってもチップとシャフトの色は異なり、チップの方がより黒っぽいです。

 ウォンドは30年以上の経験を持つ熟練の職人が重さのバランスも含め11本手作業で仕上げ、4回のラッカーコーティングしていますので、バランスが良く、とてもきれいに仕上がっています。ワンポイントですが、シルバーが入っているので、金属カップなどとも合うと思います。

 長さは全体の長さが13.25inch33.66cm)、チップの長さが2.00inch5.08cm)で重さは木によって異なりますが私のウォンドは56.7gです。このウォンドの特徴的なところは長さが通常のウォンドより「少し短い」ことです。この微妙な短さが使い易いのです!加えて適度な重さと重量バランス、とても良いです。個人的にはあと2mm3mmくらい直径が短い(つまり細い)方が好みです。また、チップが木製なのでカップを傷つけることもありません。

 このように素材、デザイン、長さ、重さ、バランスなどから、私が現在持っているウォンドの中では「実際に使う」という観点で最も気に入ってるウォンドです(他の観点では他のウォンドの方が良いものも多くあります)

 何人かの推薦コメントがHPにありますが、Michael Vincent氏は写真付きで紹介されています。下記に氏の推薦文を引用します。

"My wand by Michael Kaminskas is a thing of beauty.  it compliments my props for John Ramsay's Coins and Cylinder perfectly.  A classy and distinguished tool for the discerning professional.  I'm very happy to own this and grateful to Michael for making his elegant props available" 

- Michael Vincent








THE MK STREET WANDSAFRICAN BLACKWOOD STREET WAND

 2本目は「THE MK STREET WANDS」です。先の「THE MK SIGNATURE WANDS」とは異なりチップとシャフトに分かれておらず、1種類の高級な木材で作られています。茶色系としてCocoboloを使ったウォンドと、黒系としてAfrican Blackwoodを使ったウォンドがあります。私はAfrican Blackwoodを所有しています。(100% Lignum Vitae Street Wandという別素材のウォンドも販売されてましたが、再販されるか不明ですね)

MK Professional Wands

MK Professional WandsThe perfect wand for the discriminating professional conjuror

mkprofessionalcups

 

 シンプルなデザインなので「エレガント」というよりは「シンプル」「パワフル」というイメージのストリートに合うウォンドとしてそのような名前が付いていると思います。なのでキラキラしたカップではなく、少しくすんだ色のカップが合うと思い写真を撮影しました。とはいうものの、とてもきれいにできていますので、きれいな金属カップに対して用いるのも全然問題ないと思います。

 長さは「THE MK STREET WANDS」と同じで、一般的なウォンドよりやや短く非常に使い易いです。私の場合、「THE MK STREET WANDS」のチップとシャフトが両方がAfrican Blackwoodなので、重さを測ったら重さは56.4gとあまり変わりませんでした。

 この「THE MK STREET WANDS」は単に固く丈夫な木材を使って1本に作ったというのだけではなく、細かいところまで気を使っており、例えば、ウォンドの先に丸みを持たせることでカジュアルな外観にするだけでなく、誤って落としたりしたときにウォンドの先が欠けるのを防いでいます。とはいうものの、どれだけストリートマジシャンのようにバンバンこれでカップを叩いても大丈夫なのか?についてはやってないので私としては保証はできません。そもそも、高いウォンドなのでやってみる勇気もありません(;^ω^)