自分のレパートリを紹介する記事の3回目です。自分のレパートリを紹介して何のメリットがあるのか?という感じなのですが、、、やはり、「それいいよね」という共感が欲しいということでしょうか、、、自分でもよくわかっていないかもしれません(;^ω^)
今回は、これまでの私が行ってきたマジックの中で最も実演数が多い、しかも圧倒的に多いこのマジックの紹介です。はい、The Crazy Man's Handcuffsです!敢えてカタカナで書かないのは、このマジックのやり方を知りたくて検索した結果などであまり出て欲しくないと考えたからです。
このマジックについては、何と言ってもフレンチドロップさんのホームページに掲載されている石田氏のコラムが詳しいです。10年前の記事ですがもし、ご存知なかった方にはお勧めです。
コラム:マジックショップのフレンチドロップ。手品 用品(グッズ)の通販
私のこのマジックとの出会いは、マジックについて少し本格的にいろいろ知り始めた約25年くらい前です。それまで田舎に住んでいて、通販でマジック道具を少し購入する程度だったのですが都会に引っ越しして、実演するいわゆるディーラーさんの演技を見れるようになった頃でした。東京駅からすぐのところにトリックスのお店があり、頻度は少ないですが、そこでいろいろ見せてもらったり購入したりしていました。ある日、スピリット百瀬さんが新幹線に乗る前にちょこっと寄ったということで来ておられていくつかのカード技法などを見せて頂きました。その中にこのマジックがあったのではないかと記憶しています。かなり不思議でした。百瀬さんにはやり方は教えてもらいませんでしたが、当時のディーラーをされていた方に教えて頂いたか、アマ―師が解説してるビデオがあると教えて頂いたかだったと思います。
上記石田氏のコラムにありますように、このマジックの火付け役はマイケルアマ―師(とカッパーフィールド氏)で1989年に8ページの冊子を出しています。
Crazy Man
Effect: A rubber band is stretched between the index finger and thumb of the left hand, and a second rubber band, dangling from the right index finger ...
Penguin Magic
この冊子はさすがにあまり売ってないと思いますが、同内容はMagic of Michael Ammarという本にもあり、この本は例えばGINさんでe-bookが扱われていますので、興味のある方は読まれるのも良いと思います。何故「クレイジー」なのか(ダローが名付け親)とかもプレゼンテーションが書かれているのわかるかと思います。
【ダウンロード】Magic of Michael Ammar (e-Book)-マジックショップGIN
Description:This large 328-page book has become a classic of magic literature. Contemporary entertainers will find concise explanations of prized secrets fro...
マジックショップGIN
また、アマ―師の実演映像はマジェイアさんの記事では『"IMPROMPTU RUBBER BAND MAGIC"(大抵のショップから購入可能)』とありますが、今は検索しても出てきません。
http://plaza.harmonix.ne.jp/~k-miwa/magic/best/crazy.html
アマ―の映像は「Classic Renditions by Michael Ammar vol 2」というDVDの中にありますので、興味のある方は購入されると良いですが、他の巻は売ってるんですがVol2が意外と売られて無かったりします…このDVDではこのマジックの良さを強調するためだと思いますが、プールで「何かして」と言われて近くに合った輪ゴムを使って行うというシチュエーションです(笑)…
Classic Renditions by Michael Ammar vol 2 - Rlsmagic
Free Download
Rlsmagic
ちなみにmonthly Magic Lesson DVD のVoL62でも扱われていますので、ちゃんと学びたいという方にはお勧めです。同時収録の乾電池のマジックもとても良いです。
monthly Magic Lesson DVD VoL62 [monthly Magic Lesson Shoppers]
マジェイアさんも記事でも書かれてますし、mMLでゆうきとも師も仰ってますが、このマジックは今でも輪ゴムマジックのベストといえる良いマジックです。手軽で角度に強く、そして不思議…その一方で、素晴らしいマジック故に、今のご時世YouTubeなどでネタをばらしている人たちもいます。メルカリで販売している人もいます。ある意味誰でも簡単にやり方を知ることができるようになってしまいました。マジックしない人でも、誰かに見せてもらってとりあえずやり方知りたいという程度の感覚でも知れるようになりました。ちょっと残念ですね。ゆうきとも師もDVDで「種明かしのマジックにならないようにしてほしい」と言われてました。
実際、1か月ほど前に20代の若い人数人にこのマジックを見せる機会があったのですが、そのうちの1人(マジックが趣味というわけではない)が「申し訳ないけど俺これ知ってますよ!」みたいなことを言いました。他の人は初めて見るようでしたし、この発言をした本人も最後まで見てもらったらかなり驚いてくれたので問題は無いのですが、やはり多くの人がYouTubeなどでやり方を知っているのかもなぁと感じました。
私の手順について少し紹介します。と、その前に導入です。輪ゴムは18号か19号がよいのですが、日本の一般的な輪ゴムは16号なので、少し小さいです。一般的なCrazy Man's Handcuffsの手順を行うだけならそれで十分なのですが、私はすこし付け加えた手順をしているので、大きいものを使っています。25年前はこのサイズが無く、アマ―師のお店から取り寄せたりしてましたが、今は多くのマジックショップで大き目の輪ゴムを扱っているので入手が楽になりました。
私はいつもカバンに入れて持ち運んでいるのですが、輪ゴムだけを裸で取り出すよりも、もう少しお洒落に出したいと思い、写真にありますようなTCC製の革製輪ゴムホルダーを使っています。何色かの輪ゴムをかけ、さらにこれをジャストサイズ(とういかこの商品が入っていた)封筒に入れています。TCCを面白い商品(ユーザ視点の商品)を作るメーカーだと気にし始めたのはこの商品を買ってからでした。いい商品だと思いますが、現在は販売されていません。これをポケットなどから取り出し、「お好みの色はどれですか?」と選んでもらうところから始めます。「なるほど、その色ですねということは…」と色から性格占いみたいなことを言うこともあります(テキトーです(;^ω^))
手順です。手順は…マイケルアマ―師のそのままって感じです(笑)まず、普通に見せて、わかりやすいように後ろから見せて、指を出してもらって観客の指に輪ゴムをかけ、行います。私は「どちらが利き手ですか?」と聞いてそちらから抜くような演出をすることが多いです。普通にウケることが多いです。
ここで、終わった感を出して、オフビートを発生させます。その間に次のシーケンスの準備をします。「もう一度、見せましょう」と言って両手の輪ゴムを引っ張ります。その後、右手の輪ゴムを引っ張った状態から戻しつつ、左手の輪ゴムのところで輪ゴムを指先に持ちこすり付けます。コネコネする感じです…すると、輪ゴムが完全に消えてしまいます!ここで、かなり驚かれます…「どこ、どこ?」「飛んでった??」みたいな声が出る中、右手の人差し指を立てて「よく見てください」と指先を見てもらいます。ゆっくり、ゆっくり指先を動かし、私の耳に運んでいくと、私の耳に輪ゴムがかかっているのに観客が気づきます!ここで、さらに驚かれます!悲鳴が出ることもあります(笑)。終わりに「特別にこの輪ゴム500円でお売りしますよ」と、くだらないギャグをいうこともあります(;^ω^)
この1つの輪ゴムを消すという手順は、私はダン・ハーラン氏の初期のビデオ(VHS)で見ました。今それがどのビデオでどのタイトルなのかを調べる元気がありません…ですが、氏のビデオを見たとき、これは面白い!と思い、アマ―師の手順につなげて演じるようになりました(このマジックについても上記石田氏のコラムにあります)。そして、10年ほど演じていたところ、Yuji村上氏のHeavy Rotationとう冊子で、このCrazy Man's Handcuffsから片方の輪ゴムを消すという手順が解説されていました(これが既に今から10年前…)。氏のハンドリングは消した後、もう一度出現さないのですが、なんと、観客がコネコネして消すという、素晴らしい演出でした。観客が自ら消える感覚を得るのでこの上ない魔法感があると思います。私は何度かやったことはありますが、ちょっと観客のコントロールも必要ですし、安全な自分で消す方法を行う方が多いです。氏のブログにありますので紹介します。
『「Heavy Rotation」ライナーノーツ 前編』
今日は、最新作品集「Heavy Rotation」で解説した発表作品のお話を、掲載順で個別に書かせていただきます。1.Shooting Aces 以前「R.…
マジシャン Yuji村上のブログ
以上が私が最も演じている、Crazy Man's Handcuffsの紹介でした。自分の持っている輪ゴムを使ってもいいですし、「ちょっと輪ゴム貸してもらえますか?」とお店やオフィスでお借りするときもあります。特に準備がいらないので、とても重宝します。手順としても、数段あり、最後は強烈なインパクトを与えることが出来ます。
ビジュアルな輪ゴムマジックはたくさんあるのですが、予めある状態にしておかなくてはならないものは、やはり導入が自然に行うのが難しかったり、その後、複数段のマジックができない場合もあります。手首にたくさん輪ゴムがある状態からのマジックもありますが、いい年齢のオヤジである私にとっては手首に輪ゴムがあるのは「変」で、実用としては厳しいです。
上記演出以外としては、スターゲイザーとCrazy Man's Handcuffsをつなげて行うこともあります。スターゲイザーは単体で十分すぎるほどのマジックではありますが…
http://plaza.harmonix.ne.jp/~k-miwa/magic/soldtrick/stargazer.html
ビジュアル的なもので個人的に好きなのはメルティリンクです。貫通がとてもきれいで、お土産につながった輪ゴムをプレゼントできるのもよいですね。付属の輪ゴムもいいです。
メルティ・リンク(新輪ゴムの貫通)|サイキック,貫通やメンタルマジックグッズ通販のマジックショップ|フェザータッチ
でもやはり、Crazy Man's Handcuffs+消すという手順を今でも最も多く演じています。これからもやり続けると思います…これを超える即席マジックに生きているうちに出会えることを期待してますが…