カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

マウスレスカップ(ソリッドカップ)

2023-10-28 22:48:00 | カップアンドボール

今回紹介するのはマウスレスカップとGINさんでは表現されている、口のない(口が塞がっている)カップです。ただ、「Mouthless Cup」と検索しても出てこないことから、正式名称なのかどうかは不明です。これまで、何度かソリッドカップについて紹介してきているので今更感はありますが、せっかくですので紹介させていただきます。

 ソリッドカップはこのブログでは、高木先生の「ONE CUP ROUTIN」(冊子の表紙にはそう書いてありますが「ROUTINE」の間違いでしょうか??)で、はじめて紹介させていただき、そのあと、缶のタイプや、カップのタイプについていくつか紹介してきました。

SHIGEO TAKAGI'S ONE CUP ROUTIN (THE SOLID CUP) - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

高木重朗先生のソリッドカップです。ソリッドカップの名前の方が有名ですが、写真のように解説書にはワンカップルーティーンと書かれていますので、そのタイトルをはじめに...

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 金属製のソリッドカップは通常重いことが多く、Artistic Combo Cups and Balls SetSolid Cupなどは600g以上あります(笑)中は本当に金属の塊というものもあるかもしれませんが、RINGS-N-THINGS製は砂のようなモノが入っています。

Artistic Combo Cups and Balls Set + Solid Cup by TCC - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

TCCのコンボカップのセットとソリッドカップです。まだ正式に販売されているわけではなくKICKSTARTER(1620%達成)です。KICKSTARTERのページを示します。まずは、コンボカ...

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 今回紹介すのは、これらのタイプのソリッドカップとはちょっと違って通常の銅製のカップの口を銅板で覆ったカップです。ですので、中は空洞で普通のカップと重さがそれほど変わりません。また、通常のソリッドカップと違って口の部分が完全に平です。きれいに被せているため、口を下にして置いた状態で気付く人はいないと思います。まあ、リムの部分をみると、普通のカップは少し隙間があるのですが、それが無いため、不自然といえば不自然なのですが、気付く人はいないと思います。いたらすごいです(笑)

GINさんの商品ページを示します。

マウスレスカップ (GINオリジナル解説DVD付)-マジックショップGIN

ソリッドカップとはまた違う良さがあります高木重朗氏の有名な手順で、ソリッドカップを使った物があります。ソリッドカップとは金属や木の塊をカップの形に削り出...

マジックショップGIN

 

 多くの金属製ソリッドカップは対応するカップ&ボール用のカップがあり、そのソリッドカップバージョンという形で作成されるため、見た目が完全に同じ通常のカップがあるのですが、このマウスレスカップはそれがありません。GINさんでは「PFD 銅製チョップカップ」が近いとおすすめしています。ただし、HPに書かれているようにロットによってショルダービードの位置や形が違うため完全に同じではないとのことです。

 GINさんのところで購入すると、GINオリジナル解説DVDが付いてきます。しかもカップ好きの銀次郎さんの手順なので本格手順です。

 なかなか通常の重いソリッドカップでは、このようなワンカップルティーンを行うのはしんどいのかなと思っていたのですが、DPグループのソリッドカップ(金色だけ??)にも上口龍生氏の解説DVDが付くようです。

DP ソリッド(マウスレス)カップ(金)DVD付-セオマジックネットショップ

「私は長年、カップアンドボールの研究をしてきました。ある時、1個だけのカップを使った演技を見る機会があり、最後はお決まりの大きなボールの出現でした。流石に著...

セオマジックネットショップ

 

上口龍生氏の実演動画です。


 さて、私は以前、このカップを持っていたのですが、RINGS-N-THINGS製のソリッドカップを使うようになって使わなくなり、手放していました。ところが縁あって、恐らく同じカップと思われるフレンチドロップさんで販売しているカップを入手しました。さらに、セットで売っているチョップカップも購入しました。

スーパー・カッパー・チョップ・カップ

美しい銅製のチョップカップ!

マジックショップ フレンチドロップ

 

 フレンチさんでは「スーパー・カッパー・チョップ・カップ」というチョップカップのタイトルの商品名の中に、ソリッドカップという名前で、このマウスレスカップが販売されているため、商品検索で「ソリッドカップ」と入れても「該当する商品はありません」となってしまうのがもったいないですね。以前再入荷していたのですが、20231028日現在、再びチョップカップもマウスレスカップも売り切れとなっています。 ちなみに、このチョップカップ吸着力はかなりゆるく、良いです(笑)。机にたたきつける必要がありません。手の上にポンと置くだけでリリースできます。

 フレンチさんのメーリングリストに書かれているように、このチョップカップとソリッド・カップはやはり同じ形ではなく、個別で仕入れている別物だそうです。色合いを合わせるために磨きぬいておられるそうです(笑)。確かに並べると違います。ショルダービードの形は似ていますが、微妙にカップの高さが違い、それに伴い形も微妙に異なります。商品HPではなかなか上手い見せ方をされており、ディスプレイとしてもきれいですし、直接並べて比較していません。チョップカップの方がわずかに背が低く、トップの面積が広いです。しかし、この違いのため、すり替えで気づかれるということは、(あくまで私の予想ですが)おそらくないと思います。典型的にはチョップカップをやった後、ソリッドカップにすり替えると良い反応を頂けると思います。以前紹介させていただきましたように私も実際TommyさんのCBSワンカップるーてぃんのエンディングとして、このカップをよく使っていた時期がありました。

【My Repertoire】CBSワンカップるーてぃん by Tommy - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

トミーさんのCBSコインとワンカップを使ったルティーンを解説しているDVDです。私は3つのカップを使ったカップ&ボールを実演するのが難しい場合、この手順を実演させて頂く...

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 また、このフレンチさんの2つのカップは形は完全に一緒ではありませんが、ソリッドカップの上にチョップカップがスタックできます。ですので2つのカップの持ち運びが楽です。以前持っていたものはスタックができず、持ち運びにスペースを必要としてました(;^ω^)

 スタックはできるのですが、これは、ショルダービードできれいにスタックできているわけではないので、ボールを入れた状態できれいにスタックはできません(T_T)。以前少し書かせていただきましたが、私はチョップカップとソリッドカップの2カップルティーンが好きです(人にはまだほとんど見せていませんが...)。この手順をやるためにはボールを乗せた状態で綺麗にスタックできる2つのカップが必要なので、このペアでは残念ながらできません...

2021 favorite + 1年を通して - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

今年もわずかとなりました。ただ、この記事を書き終わるころには年を越している気がします…年内にアップできるか(笑)2021年もいろいろ面白いカップが販売されました。カッ...

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でも、単品で使ってよし、チョップカップのエンディングとして使って良しの便利なカップです!




















マイケル・アマ―(Michael Ammar)氏とのやり取り

2023-10-21 20:14:00 | 日記
 珍しく日記です。本当はこれまで2回行った「マチネ」について日記で書きたいと思いつつ、時が過ぎてしまいました(;^ω^)。それは、また書くとして、先日、マイケル・アマ―氏と少しメールでやりとりをしたので、そのことを日記としてブログに書きたいと思います。
 事の発端は、ブログで3色のペーパーナプキンを使った手順を紹介したことでした。

Tri-Color Cups and Balls by Rachel Colombini - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

今回は、レイチェル・コロンビーニ(RachelColombini)(アルド・コロンビーニ(AldoColombini)の奥さん)が発表した、3色の紙ボールを使ったカップ&ボールの手順「Tri-Co...

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この記事のアップをX(旧ツイッター)で公開すると、ゆうきとも師や五太子さんからコメントを頂きました。五太子さんのコメントはアルドコロンビーニ氏の3色ボールを使った手順の紹介でした。私はだいぶ昔にA1マルチメディアのコロンビーニのビデオで彼の有名なアクロバティックなカップ&ボールの手順を見ていましたが、この3色のは記憶にない...そこで、ちょこっと調べてみたら、どうやら、昔のビデオにあるが、その後でDVDとしてのコンテンツでは(恐らく)無いとのこと。そうかぁと思っていると、なんとマイケル・アマ―氏のお店にそのビデオがあるではないですか!早速「購入しよう!」となり、でもビデオ1本で頼むのももったいないなぁと思い、TCCのウォンドとゴム製レモンを追加し発注処理をしました。ちなみに何故今更TCCウォンドをと思う方もいらっしゃるかもしれませんが(そんな人いないって?)、アマ―氏のお店で扱っているウォンドはTCCの初期のウォンドでチップにTCCと入っているバージョンなんです!今これが残っているお店は(多分)ほとんどないと思い、注文しました。

 注文後、自動の確認メールが来たのですが、一向に処理が進まない...(T_T)。約10日が過ぎ、その間メールを投げたけど返事もない。これはPayPalの払い戻し処理をしなくてはいけないなぁと思っているとアマ―氏から返事がありました!

I just returned from France last night, and I hope to ship your things today!

One problem is that I don't have any more VHS products at all - I'm not exactly sure how it is still on the website!  

 フランスに行っていたので対応が遅れたとのことでした、さらに、コロンビーニ氏のビデオはもう既に無い、なんでサイトにあったんだろう的な返事でした。コロンビーニ氏のビデオが欲しくて今回発注したのにまあ、でも古いビデオなので、無いかもしれないと思っていたので、仕方がないなと思いました。でも、せっかくアマ―氏が直接メールで返事をくれたので、これを逃してはちょっともったいないと思い、ビデオの件はわかったので代わりに何か適当なものを入れといてくださいといいつつ、以前から聞きたかった2つの質問を投げました。

Q1.あなたの使っているポールフォックスカップはいつ頃、どのようにして入手したのですか?

Q2.あなたの手順ではカップを横に置きます(トミーワンダー氏もそうですが)。個人的にはカップを横に置くというのは不自然な気がするのですが、この点についてお考えがあれば教えてほしいです。

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I purchased my Paul Fox Cups directly from Danny Dew in 1984.  As I understand it, Danny was given all of the original materials directly from Paul Fox himself.  

As for placing the cups to one side, I do agree there can be a stability issue if the table is not perfectly flat, or if the table doesn't have an edge for the cups to sit against.  I wrestled with the issue of placing the cups on their side or just mouth down, over to the side.  Ultimately, I felt like setting them down sideways did more to imply the cups were empty and out of play than simply putting them to one side mouth down.  I think when they are just mouth down, an audience would consider them potentially still in play, waiting for some surprise appearance of something from them.  And.... since that actually is what's going to happen, I want to do everything I can to make that seem less likely... 

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Q1に関しては、やはりDanny Dewから購入してたんですね。出始めの70年台よりはちょっと遅れた感じですね。以前紹介したようにスティーブンスの氏のビデオではPaul Foxを使ってないですからね。

Q2に関しては、不安定であることには同意するが、横に置いたときに観客からの意識をより外せる、中には何も入っていないと思わせるという狙いがあったとのことです。再度に置いたカップから最後のモノが出てくる気配をなるべく消したかったとのことでした。なるほど...。直接氏から聞けてよかったです!!

 回答を頂いたお礼を書いたメールに、「私はカップ&ボールのブログを書いており、あなたのカップも紹介しています。日本語ですが良ければ観てください」と書きました。ちなみにURLを示したのは下記のページです。

The Michael Ammar Cups from Encore Magic - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

MichaelAmmar氏のCupです。EncoreMagicのChrisReesman氏作成です。2006年500セット限定で発売されました。私がカップ&ボールに魅力を感じたのがアマー氏のカップ&ボールの...

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すると、そのあと下記のメールが届きました。

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Hey there, I'm just back from visiting your blog!  I am amazed - I have never seen anyone who has those cups, with all the documentation!  Less than 40 sets were ever made, and I don't even have a set for myself!

Plus the deck from my 50th birthday party!?  Well.... at least I kept 1 of those for myself!  Not long ago someone asked me if those were actually from me, with the silhouette cut by Dai Vernon, because it was selling for $500 online!  I had to confess that yes, that's the deck we printed, and SO FEW PEOPLE have one!

Wow - very impressive my friend!

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Ammar/Encoreカップについて、証明書付きで持ってる人を見たことがなく、氏自身このカップを持っていないとのことでした。自分がリリースしたカップを残しておかないんですかね(;^ω^)。さらに40セット以下と書いてあります。確か広告には500セットって書いてあったんですけどね、いや証明書にも「31/500」って書いてありますし...。どういうことなんでしょう??

アマ―50周年のデックはさらに驚きだったようで、500ドルでオンラインで売られていたとのことです。ちょっと大げさな感じもしますが持ってる人はかなり少なそうです(笑)。

 今回、直接メールのやり取りができましたので、日記として残しておこうと思いブログに書きました。最後に10年以上前(?)に日本にレクチャーに来てくれた時(フレンチさん主催)に一緒に撮影してもらった写真もアップしておきます(氏の了承は得ました)。このとき、フレンチさんの企画で、マイケルの個人レッスンを受けれるというものがありました(確か200ドルくらいだったような)。非常に迷い、英語力の問題もあり、当時あきらめましたが、行っとけばよかったと今は後悔しています。ちなみに、みなさんなら何をレッスンしてもらいますか?私はやっぱり、ウォンドスピンを使ったバニッシュですね。また、日本に来てくれることを楽しみにしています!

なお、氏がコロンビーニのビデオの代わりに入れてくれたのは以前紹介した、The Cups and Lemonでした。表紙にサインしてくれているのはいいのですが、ペンの色がわかりにくい…(;^ω^)

The Cups and Lemon by MICHAEL AMMAR - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

前回のthecompletecups&ballsの時に入れようかと思ったのですが長くなりますし、少し話がズレるので別で紹介することにしました。今回紹介するのは続いてMICHAELAMMARの...

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アレックス・エルムズレイ(Alex Elmsley)

2023-10-15 11:05:00 | マジシャン別

 久々のマジシャン紹介です。今回はもしかしたら最も知名度の高いマジシャンかもしれない、アレックス・エルムズレイです。「エルムズレイカウント」が有名すぎるので、バーノンより名前を知っている人も多いかもしれません(笑)。アレックス・エルムズレイはイギリスのアマチュアマジシャンで、ケンブリッジ大学で物理や数学を学んだ後、パテント・エージェントや、コンピューター技師を本職としました。1929年に生まれ、2006年に亡くなっています。76歳でした。

 彼は非常にたくさんの作品を発表しており、代表的なものとしては「Point of Departure」「Between Your Palms」「Diamond Cut Diamond」あたりでしょうか。「いやいや、エルムズレイといえば××だろう!」と仰る方もいらっしゃるかと思います。それほど、多くの名作を創作しているマジシャンです。しかし、先に述べたように彼はアマチュアマジシャンであり、彼はずっとマジックをやっていたわけではありません。ある時からあっさりマジックと距離を置いてコンピュータ関係の仕事につきます。彼を書いた本では大きな理由は2つあり、その1つは「誰にも言わなかったことだが」と前置きがありますが、アメリカで出会ったクロースアップマジックの巨人たちが、誰もその芸でまともな生計を立てているようには見えなかったという衝撃的なことを知ったからだそうです。なかなか興味深い理由です。

 1997年に日本にもレクチャーで来ており、マジェイアさんが参加して、記事とされています。

Alex Elmsley Lecture

 カップ&ボールの話に移ります。やはりエルムズレイというとカードマジックのイメージが強いですが(実際そうですが)、カップ&ボールの手順も発表しています。その歴史は古く、「Low Cunning」と題する彼の初レクチャーですでに取り扱われていました。レクチャーノート(1959)は挿絵も無い4枚ほどの冊子でしたが、後にMagic Incが挿絵を追加し1967年に再発行しました。今でもMagic Incのサイトで購入することができます。

Low Cunning by Alex Elmsley Lecture Notes -Book

Lecture notes on Alex Elmsleys 1956 Lecture Low Cunning Contents: 1. Thimble change 2. Ring on silk 3. Dictionary test 4. Cigarette move 5. Production cigarette ...

Magic Inc.

 

カップ&ボールの手順は、この冊子の最後に、箇条書きでシンプルに書かれています。

 より詳細には、1991年に他の何人かのマジシャンの協力のもと、ステファン・ミンチが数年がかりで書き上げた「Collected Works of Alex Elmsley vol.1 (1991)に記載されています。本の解説の最後に「September 21, 1957」とありますので、先のレクチャーの少し前にできた手順なのかもしれません。

The Collected Works of Alex Elmsley — Volume 1 (Stephen Minch)

 

この本はもう発行していませんが、中古ならわりと容易に入手できます。とはいえ、海外から購入すると円安と送料のダブルパンチで、かなり高くなってしまいますが。一度日本の古本屋さんでも売られていて、びっくりした記憶があります。LLがよくやってた、デラックスバージョンもあり、こちらはやはり高値で海外のオークションなどで見ることがあります。

 最後に、ビデオです。Alex Elmsley Tahoe Sessions Setという4巻セットのVol.4の最後、つまり「トリ」でカップ&ボールの演技・解説があります。1997年の映像作品のようで、1997年といえば先程紹介したマジェイアさんのページで日本にレクチャーに来られた年ですね。元気に見えますが、その約10年後に亡くなっているので、元気なうちに映像化できてよかったと思います。

 4巻のDVDですが、単体では、例えば、マンスリー・マジック・レッスン・ショッパーズさんで購入できます。

【これにて完結!】アレックス・エルムズレイのマジック第4巻(Alex Elmsley Tahoe Sessions- #4)~最後まで傑作たっぷり!~ [monthly Magic Lesson Shoppers]

 ペンギンマジックでも購入できます。ペンギンマジックは日本への送料無料なので助かりますよね。商品ページのこのDVDに対する評価のところに書いているコメントがいいですね!

Alex Elmsley Tahoe Sessions #4 - DVD

Alex Elmsley is unquestionably one of close-up magic

Penguin Magic

 

 そうそう、これらのDVDでなくてもカップ&ボールの傑作選「World's Greatest Magic」の「CUPS and BALLS」のVol.1にエルムズレイの手順も収録されています。カップ&ボール好きの方はこちらを購入してご覧になるのも良いかと思います。

【MMSダウンロード】Cups and Balls Vol.1〜3 (World's Greatest Magic) - マジックショップ MAJION

1万円以上のご注文で送料無料!初心者から玄人までお楽しみいただけるマジックショップMAJION。 世界中のマジックグッズの中から専門家がセレクトしたアイテムの販売から、...

マジックショップ MAJION

 

 残念ながら、エルムズレイがカップ&ボールを演じている映像をYoutubeなどで見つけることができませんでした。そこで、文章で簡単に現象を紹介します。特徴的な現象も書いてますので、もし、DVDなどを買うつもりで、先入観なしで演技動画をみたい!という方は読み飛ばしてください。


---手順・現象--------------------

5段のフェーズで構成されています。

First Phase1つのカップを使って、手に握ったボールがカップへと移動します。

Second Phase2つのカップを使いますが、片方のカップは1.と同じように手からカップにボールを移動させ、もう片方のカップは伏せた状態で上に手を置きボールを手に入れると貫通してカップの中に入ります。

Third Phase:今度は手を使わずに貫通させるといって、1つのカップを伏せた状態でその上にボールを置き、上から別のカップをかぶせると貫通して下のカップから出てきます。さらに、カップも貫通すると言って、口を上にしたカップに上からカップをかぶせ、貫通したカップを下で受け止めます。貫通に使ってない置いていたカップを持ち上げると3つのボールが出てきます。

Fourth Phase3つのカップを並べ、両端のカップにボールを1つずつ入れますが、おまじないをかけると、真ん中のカップに移動します(真ん中の伏せたカップから3つのボールが出現)。

Fifth Phase3つのカップを重ねて傾けると塩が出てきます。長い間塩が落ちるのを待ち、出終わったら、それらを集めて再度カップに塩を注ぎますが、なんと3つのカップにいっぱいの塩が出てきます。

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 やはり、一般的なカップ&ボールが最後、大きなボールやフルーツなどを出現させるところを全く違うアプローチをとっているのがエルムズレイらしい感じがします。「練習はバス・ルームでするといい」といったコメントをしているところが面白かったです。解説やインタビューでどうやってこのカップ&ボールの手順が出来上がったのか話してほしかったです...本でも意外とあっさり書いていますし

 そうそう、本では、使うのは普通のニットボールと書かれていますが、ビデオではスポンジボールを使っています。どこかのタイミングで変わったのでしょうね。この手順では使う技法から確かにスポンジボールを使った方が良い気がします。話はちょっとそれますが、カップ&ボールのボールってスポンジボールとニットボールを使う場合で(つまり柔らかいボールと硬いボールを使う場合で)観客が持つイメージや不思議度合いって変わるんでしょうかね??スポンジボールを使った方がいろいろできそうな感じもするのですが、何かスポンジボールを使うことに抵抗を感じなくもないんですよね(;^ω^)。でもジョニー・ポール氏の手順やフレッド・カップス氏の手順など、スポンジボールを使う手順もあり、一度手順を組み立ててみたいなぁとは思います

 このエルムズレイの手順をまねて実演するか?と言われると、手軽さの観点で難しいかもしれません。しかし、氏の手順は技法や構成に関して、少し凝り固まったカップ&ボールの頭をほぐしてくれるかもしれません。カップ&ボール好きの方にはオススメです。






3色のカップセット

2023-10-08 07:10:00 | カップアンドボール

 前回は、3色の紙ボールを使った手順である「Tri-Color Cups and Balls」を紹介しました。今回はボールではなくカップが3色である商品を紹介させて頂きます。

 プラスチックのカップでは、よく3色のカップを見かけます。以前紹介させて頂いた富士奇術研究所のカップもそうですし、

富士奇術研究所の「カップ アンド ボール」 - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

富士奇術研究所のカップ&ボールです。以前オークションで購入したもので、私が実際の販売時に購入したものではありません。従ってこのカップがいつ頃販売されていたものか...

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 テンヨーのプラスチック製のカップも3色です(写真は「悟空の玉」のカップと「8つの手品」に入っているカップ)。


ちなみに、以前紹介させて頂いた、mML18115周年記念号)で、いけちん氏はテンヨーのプラスチックカップのような3色のカップを使った手順をされてました。

mML181(15周年記念号)みました。 - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

15年以上続く驚異のマジック教材mMLの181を見ましたので、紹介させて頂きます。私のブログでは今のところ、カップ&ボール(Cups&Balls)中心にというところに(自分で...

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 このようにプラスチックカップでは、3色は割と多いのですが、一般的な金属カップでは金属の色そのものであることが多く、3色に塗装したカップは少ないと思います。もちろん、プラスチックに比べて金属は着色しにくいというのもあるかもしれませんが、その他にも理由があるのでしょうか?そもそも、3つのカップの色が異なることが、どのようなメリットを生むでしょうか?調べてみると面白そうです。

 現在も入手可能(かもしれない)商品として、2つほど紹介します。

1. Technicolor Cups & Color Changing Balls 

Technicolor Cups & Color Changing Balls-マジックショップ マジックファンタジア

赤、青、黄の3色のカップを使ったカップ&ボールです。カップが3色のため、観客がどのカップであるかを確実に追うことができます。より、現象がわかりやすくにな...

マジックショップ マジックファンタジア

 

2. 3色 カップ&ボール(アルミ製)

3色 カップ&ボール(アルミ製)-マジックショップ マジックファンタジア

テーブルに伏せた3個のカップの中で、ニットボールが出たり、消えたり、飛び移ったり、カップを貫通したり…そして、最後は各々のカップいっぱいのフルーツや特大のボール...

マジックショップ マジックファンタジア

 

私は以前両方ともマジックファンタジアさんから購入しておりますが、現在は共に品切れのようです(;^ω^)

 1つ目の商品の実演動画を見つけました。


 このカップセットには白色の小ボール4つに加え、3色の小ボール3つと3色の1つの大ボールが付属しています。上記演技のようにカップと揃った色が出てくるとやはりきれいですね。最後の3色大ボールもいいと思います。せっかく大ボールが入りそうなカップですので、カップの色に合った3色の大ボールを出して、さらに最後に1つの3色大ボールを出すのもいいのではないかと思います。

 2つ目の商品には、通常の赤いニットボールしか付属しておらず、手順書にも同じ色のカップとボールの手順が解説されています。あくまで「きれいなカップ」という位置づけで販売されているのですね。もったいない

 どちらのカップにしても、鮮やかな「青」「赤」「黄色」なので、ニットボールより、ストレートマジックショップさんで扱ってるような少し光沢のあるモンキーフィストの方が合っているかなと思います。

カップアンドボール用ボール│ストレートマジックショップ

業界最安値のデック、レクチャーを主軸にしたマジック道具の総合ショップ。 マジックを演じる楽しみをお届けします。

ストレートマジックショップ

 


【ばら売り】ファイナルロード用ボール(直径50㎜)│ストレートマジックショップ

業界最安値のデック、レクチャーを主軸にしたマジック道具の総合ショップ。 マジックを演じる楽しみをお届けします。

ストレートマジックショップ

 

 両カップともきれいですが、気になる点としては、恐らくアルミカップに塗装していると思わるので、使っているうちに剥げていくのでは無いかという点と、非常に軽いので、強度が大丈夫かなと思ってしまう点です。最近カップの重量は増えているような気がするので、さらに軽く感じてしまいました(;^ω^)。思い切って、子供の「ままごと」に使うような北欧の木製風カラフルカップなど作ってみるのも面白いかと思いました。また、下記の用なホーローマグカップを使ってもいいかもしれませんね。

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 複数の色のカップを使った手順もおそらくいろいろあると思いますが、例えば、先日X(旧ツイッター)で、ゆうきとも師にコメント頂きました、Milton Kortの手順があります。これは「KORT IS NOW IN SESSION」に記載されている「Chrimo Cups and Balls」だと思います。


 ゆうきとも師ご自身も色付き紙コップと紙玉の手順をいくつか発表されてます。それについては、またまとめて、いつかご紹介したいと思います。

 ときどき、気分を変えて、カラフルなカップ&ボールをしてみるのもいいですね♪