カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Devil's Cups by Gabriel Werlen, Marchand de Trucs & Mindbox

2024-08-16 20:53:00 | カップ&ボール以外

 久々のカップ&ボール以外のマジックの紹介です。「デビルズ・カップ」というタイトルのマジックでやはり「カップ」に惹かれて購入しました(笑)。まだ2人しか演じていませんが思ったより良い反応が得られたので紹介することにしました。

まずはPVです。


魅力的なPVですね…。しかし、購入された方は同意見だと思いますが、これはちょっと誤解を与えるのでは…というPVです。その点やはりGINさんはしっかりしています。誤解しないようにと但し書きがされています。

Devil's Cups (悪魔的ダイス探知) by Gabriel Werlen, Marchand de Trucs & Mindbox ※日本語解説書付き-マジックショップGIN

仕掛けのないダイスの位置や色を完全透視!!日本語解説を書きがら、何度も「おお〜、賢い。。。」と唸った作品です。手順は5つ解説されており、それぞれ使うカ...

マジックショップGIN

 

はい、観客が自由に混ぜるのは、演者の指示通りに混ぜた「後」なんですね。この点に全く触れずに販売しているお店は、少しどうかな…と思います。さらに完全にはわからない(手順もある)…。まあ、それでも十分不思議なのですが...

こちらの実演映像が解説書通りの演技です。この演技は解説されている5つの手順の中の1つで最後に解説されている「THE 4 DEVIL'S CUPS」という手順で、「DEVIL'S CUPS」の名前が唯一入っている本命手順だと思われます。


 付属するのは、4つの金属製カップと3色のダイス。それからビデオにも出ている円筒のケースです。あとは解説映像ですね。GINさんでは日本語訳を付けてますし、FUNMAGICさんでは日本語の補助原稿といくつかの手順に関する日本語字幕映像を付けてますので、ありがたいと思います。この手のマジックは全く音声無しでは理解は難しいので私のように英語が得意で無い方は日本語サービスのあるお店で購入されるのが無難だと思います。

 金属製カップは飾りもなく、こういうメンタルマジックには合ってると思いました。また大きさも小さめで4つ並べたり、観客が混ぜたりするのにもよい大きさだと思います。どこまで書いてよいか難しいところなのですが、このマジックはある原理とこのカップが必要です。ただし、3つのカップを使った手順ではカップの特徴は使いませんですので、家にあるカップを使って演じることができます。4つのカップを使った手順ではこのカップに仕込まれた特徴を使いますが、これも自分が用意した例えば紙コップ4つに対しても仕込むことで代用できます。個人的には割と応用が効くマジックだと思います。ただ、この手のマジックは評価が割れることも多いのであくまで個人的な意見だとご理解ください。

 ダイスは赤、青、白の3色で、メンタル・ダイスのダイスと同じ色です。ただし、サイズは少し小さく、すり替えには使えるか微妙ですが(多分大きさが違うことに気付く人はあまりいないと思います)、逆にこちら側としては、混ぜても区別が付きますので一緒に持ち運び、すぐに分けることができるのはありがたいです。

 ケースもコンパクトに持ち運びできるサイズで、他のマジック用小物を持ち運ぶのにも使えるかもしれない、いい感じのケースです。

 基本手順は3つのカップを使う手順です。私も今のところ解説されてる手順通りの演技をしていますが、ちょこっと最後に効果を付け加えて以下のような手順を演じてます。

1.3つのカップの上に1~3のダイスを乗せ、演者は後ろ向きになる。好きなカップの下に紙ボールを入れてもらう。演者の言うように動かし、最後にダイスを取り除いてもらう。演者は後ろ向きの状態から戻りどこに入っているかを当てる。

2.続いて、同じようにしてもらうが、演者の言うように動かしてもらったあと、次にどれを動かすかを観客自身が決めて動かす(宣言してもらう)。演者はどこに入ってるか当てる。

3.続いて、1.と同じような感じで動かしてもらうが、最後に混ざっているダイスを1~3に並べ直してもらう。演者はどこに入っているか当てる。さらに紙ボールを開けると上に乗っているダイスの数と一致する。

4.さらに難しくすると言って、もう一つカップを増やし4つにする。3色のダイスのうち1色を選んでもらう。使わないダイスの上に被せものをして見えなくして、好きな色のダイスを好きな数字を上にして、好きなカップの下に入れてもらう。上記動画のように混ぜてもらう。演者はダイス入れの箱とダイス1個だけ入る入れ物をもって振り返り、机に置いておく。どこに入っているかを当てる。1つだけダイスが入っている箱の蓋を開けると、同じ色のさいころが、しかも同じ数字が上に入っている。さらに、もう一つの箱を開け、使わなかった色のさいころを示す。観客に自分のさいころを見てもらうと、こちらも上の数字が一致している

 はい、4.はデビル・カップだけではなくメンタル・ダイスを使っています(笑)。ちょっと「くどい」かなと思いますので、これから演じていきながら、贅肉をとっていこうかなと思います。

 正直なところ、この手のマジックは、演者の指示に従って動かすので「わかるように動かすんでしょ」と思ってしまい、不思議度合いが下がるというか、不思議でも少し冷めてしまうと思ってました(今でも思ってます(笑))。でも、実際演じてみると、不思議がってもらえました(笑)。まだ2人しか演じていませんが、両者から「1.」でダイスを乗せて混ぜてもらった後「どう混ぜたかわかるじゃん!」と言われて、最後にダイスを取り除いてもらうと「じゃあわからないかも」となりました。そして、「2.」で自分自身でどう混ぜるか決めるので、さらに不可能性が上がったように感じて、「3.」では予言になっているので、そちらに驚きが行きます。最後「4.」で最後好きに混ぜているのになぜわかる?でも、やはり最初の演者の指示がなんかあるんだよね…と思われても、色と数字が当たるところは完全に手掛かりがないので驚く、という感じでした。



 このようにコップなどで、隠して、混ぜてもらい、どこに入っているのか当てるというマジックはかなり古くから恐らくたくさんあると思います。私がこの手のマジックをはじめて知ったのは、松田道弘氏のクロースアップ・マジック事典(素晴らしい本です)に乗っていた「コーヒーカップを使った当てもの」でした。紙コップなどを使って即席でもできますので、キャンプやパーティーなどで紙コップとペーパナプキンなどを使ってできるところがいいところだと思います。ですが、やはり演者の指示どおり動かすというところが気になります(;^ω^)。

クロースアップ・マジック事典 - 株式会社 東京堂出版 限りなく広がる知識の世界 ―創業135年―

クロースアップ・マジックとは,タバコ・コップ・輪ゴムなどのありふれた材料を使って観客の目の前で行う奇術。本書は優れたト… 松田道弘 著

 




 完全に自由に混ぜることができるにはやはり、ギミックが必要で、有名なのは、テンヨーのラッキー・ラビットでは無いでしょうか。1999年の作品で、今は製造されていません。カタログには100年前からある方法だがこの商品は改めが可能という表現が使われているので、かなり昔からあるマジック(原理)なんですね。昔持ってましたが手放してしまいました…。いい説明サイトを見つけることができませんでしたが、動画は見つけることができましたので示します。



 ジャンルとして近いように思えるマジックとして、2003年のテンヨーのプラスワンキャンペーンのマジック「闇夜のポーカーチップ」があります(全然違うと言われそう(;^ω^))。3つのチップを演者の指示に従い、ただしある程度自由度を持って動かします。演者は後ろ手で受け取ったチップを受け取り、そのチップが何かだけでなく、観客の右手と左手のチップも当ててしまいます。さらに書かれている絵に沿った演出もある、名作です。ただ、少しストレスなところがあるんですよね(笑)。そこで、私が気に入っているのが、東京ディズニーランドで購入したピンバッチバージョンです。有名な「Hey presto!」でも取り上げられていましたのでページを示します。

闇夜のポーカーチップ

今回は、2003年のプラスワンキャンペーンのマジック「闇夜のポーカーチップ」を紹介します。考案は鈴木徹氏。(現象)キャンドル、マッチ、マッチ箱のイラストが描かれた3枚...

 

このディズニーランドバージョンはピンバッチに仕掛けがあり、どれをもったか後ろ手でもわかるようになっています。それを体験した時すご~いと思いました。Tokyo Deisneylandのロゴも入ってますし、仕掛けなさそうでいいです!ただ、ピンバッチの針のところが邪魔なので、とってしまおうか迷ってます。そういえば、以前トリックスさんだったかな。3色のコアラのキーホルダーで同様のマジックがありました。どんな原理だったか忘れてしまいましたが(^◇^;)



 なんて書いていたら、今年(2024)のプラスワンキャンペーンのスペシャルマジックはMENTAL CATSだそうで、これも演者が後ろを向いている間に選んだ猫を当てるマジックだそうな…。今3枚のウサギを送って到着を待っている段階です。届くのが楽しみです(^_^)。

これも、JPMAGICさんの「Hey presto!」で紹介されていたので、引用させて頂きます。

MENTAL CATS メンタルキャッツ スペシャルマジック2024

今年も「プラスワンキャンペーン」のスペシャルマジックが届きました。これは、テンヨ...

 

 多分、同様のマジックはいっぱいあると思うのですが、これは傑作!!というのがあれば教えて頂ければと思いますm(_ _)m。だいぶデビルズ・カップから離れてしまいました(笑)


Poor Man's Cups & Balls(プアマンズ・カップ&ボール)

2024-04-14 13:42:00 | カップ&ボール以外

ブログの分類を「カップ&ボール」にしていいのか、迷う作品、「Poor Man's Cups & Balls」の紹介です(笑)。いわゆるパケットトリックです。「貧乏人の(ための)カップ&ボール」というタイトルで、高いカップを買わなくてもできるカップ&ボールということなのでしょう…。この「プアマンズ・カップ&ボール」というタイトルは、このパケットトリックが発売される以前に、ゆうきとも氏のカップ&ボールの1つの手順の名前として使われています。こちらも紙コップを使ったカップ&ボールということで、高いカップを買わなくてもできるという意味で付けられたと思われます(ゆうきとものクロースアップ・マジックp230~)。

 さて、このパケットトリックの手順の動画を示します。

まず、メーカーが作成したPV(手順)です。



次に、フレンチさんが作成したPV(手順)です。



両手順とも、現象は同じで1つのボールカードをカップカードの間に挟むけど通り抜けてしまうという現象を数回行い、次は3つのボールをまとめて貫通させ、最後には、なぜこんなことができるかというとこの子たちのせいです、といってウサギとボール(のカード)がそれぞれのカップカードの下から出てくるというものです。個人的にはフレンチさんの手順の方が滑らかで怪しい動きが無いように思えますがいかがでしょう。

 エンディングに出すカードは、ウサギカードのほかに、レモン、オレンジ、ライムというバージョンも用意されていて、どちらでも演技できるようになってます。

 やく10年前にリリースされた商品で、今では売っているお店はおそらく無いと思いますが、商品ページは残っているお店がありましたので、示します

マジックファンタジアさん

Poor Man's Cups & Balls/解説DVD付き-マジックショップ マジックファンタジア

古典マジック「カップ&ボール」をカードマジックでやったら・・・なんともマニアックなコンセプトのマジックです。しかし、実によく出来た素晴らしい手順になっています...

マジックショップ マジックファンタジア

 

GINさん

Poor Man's Cups & Balls-マジックショップGIN

カップを買えない人のために(?)タイトルが「貧乏な人のためのカップ&ボール」ということですが、要はパケットを使って演じるカップ&ボール現象です。まったりとした現...

マジックショップGIN

 

 このマジックが出た当時、私はあまり興味が持てず、購入していませんでしたが、カップ&ボールを集めているうちに持っておきたいと思い、オークションで定価の数倍で購入しました(初めから買っておけばよかった…)。

 私が購入したのはフレンチさんから発売された商品のようで、日本語訳の冊子もついていました。そしてその最後には、上記で示しました手順フレンチドロップオリジナル手順の解説ビデオ用URLが書いていたので、喜んでアクセスしましたがフラッシュでの映像で、今はサポートされていないめ、見ることはできませんでした(T_T)。地道に分析していけば何とかなりそうですが…

 最後に、このカードマジックは「カップ&ボール」である必要があったのだろうか?と思うところもます。多くの方が同じように思ったのではないでしょうか(笑)。また、これはカップ&ボールを知ってる人と知らない人のどっちの方がウケるんだろう?とも思ったりします。でも、カップ&ボールをパケットトリックにしようと考えた人はやはりカップ&ボールが好きだったんだろうなぁと想像します。描かれているカップもレトロなカップでいいですよね(笑)








指輪の消失用ギミックたち(紐と指輪のマジックも少し含めて)

2023-12-10 19:16:00 | カップ&ボール以外

 前回、Joe Givan氏のGumball Machineを紹介記事を書いた時に、引き続いて、このマジックで使えそうな指輪消失の方法(ギミック)について、少し書いていたのですが、文字数制限のため付け加えることができませんでした。メインにするほどのネタでも無いかとも思ったのですが、もったいないので、今回は私が持っている範囲ですので、全然網羅できていませんが指輪消失ギミック(+α)を紹介させて頂きます。

 ガムボールマシンのマジックでは、観客に指輪を借りてそれを消す必要があります。Joe Givan氏は前回の実演映像のように、特に道具は使っておらずスライトで行っていますが、なかなかスムーズに行うことは難しいと思います。さらに、消しただけではだめで、それをカプセルに入れる必要もあるので、手に持てる状態にしなければなりません。やはり、私のようなスライトに自信の無い人間としては補助道具が欲しくなります。

 というわけで、いくつか商品を紹介したいと思います。

1.ハンカチ: 最も定番な気がします。リングを消すため(というと少し表現がおかしい?)のハンカチです。観客にハンカチの上からリングを持っていてもらいますが、手を話すとリングが消えてしまうというものです。作り方などが入門書などで書かれていたりして、自分で作成することもできますが、商品を1つ紹介します。「AnyRing」というハンカチで、異なる太さの指輪に対応しているところが特長です。


Any Ring ハンカチ-マジックショップGIN

このギミックは、観客から指輪を借りて消す際に使用するもので、古くからあるハンカチの中に指輪を入れ、ハンカチ越しに観客に摘んでおいてもらった指輪が一瞬で消えるとい...

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2.ラトルボックスこれも定番のような気がしますが、ちょっと古いかもしれません。振ったら「カラカラ」と音が鳴るため、まだ箱に入っていると錯覚(?)を与えることができます。私が持っているのはもう20年以上前に購入したViking製のものでHeanchen's Rattle Boxという商品です。木製のラトルボックスで飾りなどの派手さはありませんが。きれいな箱で、スティールもしやすいつくりですし、演者が音を出したり消したりするタイミングをコントロールできる点も特長です。

3.Ring Grinder by Dave Powellこれは、商品そのものです。Rattle Boxにもなっていて、振るとカラカラ鳴ります。上記普通の(?)ラトルボックスと大きく異なるところは、商品名に「グラインダー」と書かれているように、ボックスにクランク(crank)がついていて、回すことができるのですが、回すとバキバキと金属が砕かれるような音がします。演出的には、「指輪の洗浄ボックス」だと言って、指輪を借りて、はこの中に入れ、振って「カラカラ」という音を確認したのち、クランクを観客に回してもらうと、とんでもない音がします。前を開けると、粉々になった金属や曲がった指輪が出てきます。マジシャンはそれを消し、不可能と思われる場所から観客の指輪を出します。

Ring Grinder by Dave Powell

 前回のガムボールマシンのブログ記事をアップしたところ、国語屋稼業さんに「マジックバー・インティキちゃんねる」でガムボールマシンの実演があると教えて頂きました。

ガチャガチャマジック。指輪がサインカードがガチャガチャから出てくる! 【マジック・手品】


 ここで、指輪を消すのにインティキマジシャンてるした氏が使っているのがこのRing Grinderです。この手のマジックは観客とマジシャンのキャラクターを選ぶので、私にはちょっと厳しいのですが、こういう商品で、ウケをとりながらマジックができるといいなぁと思います(;^ω^)。私はGINさんでだいぶ昔に買いました。もちろん既に販売しておらず、ページもありません。私のボックスは、なんと表現すれば良いのかわからないのですが、上の板が少し奇形(?)でGINさんで少し貴重だと通常とは別で販売されていたバージョンです。上記のHPにあるように当時Dave Powell氏は魅力的な木製のマジック商品をいくつか出していました。

4.指輪ケーズ(Ring Box): Ring Boxタイプも指輪を消す道具として定番な気がします。リングボックスに指輪を入れますが、スチールできる機構になっているというものです。私が所有しているのは2つで、1つはTom Yurasits氏の商品です。20年以上前に販売されたと思いますが、まだ扱っているお店や動画があったので、URLを示します。

https://daytonamagic.com/shop/close-up-magic/ring-box/


 もう1つは逆に非常に凝った作りのもので、SansMindsの「Vanishing Ring Box」です。賛否両論ありますが、究極の形の一つだと思います。

Vanishing Ring Box (DVD & Gimmick) -日本語補足付--【マジックショップ】 FUN MAGIC - 手品奇術現象 -

サンズマインズの人気現象「バニシング・リング」が長い品切れを経て戻ってきました !セルフワーキングな機構を秘めたリングボックス現象「バニシング・リング」が数量限...

【マジックショップ】 FUN MAGIC - 手品奇術現象 -

 

また「Boxing Ring Undefeated」という商品があります。これは、消す道具というより、一連のマジックになっていて、リングボックスに入れてさらに袋に入れた指輪が紐に現れ、紐を使ったマジックが行われた後、袋から指輪ケースを出し開くとやはり、そこには指輪があるというマジックですが、ここでは上記同様(少し違いますが)のギミック指輪ボックスが付属しています。

Boxing Ring Undefeated-マジックショップGIN


ちなみに指輪をリボンに通し、(仕掛けのない)リングボックスにリボンがかかったままで差し込み、スチールする方法も有名だと思いいます。フレッド・カップス氏がRing on Glassを演じている映像で使われているのもそうだと思います。というか、これからやり方を探したような...どこかで解説を見た(読んだ)のですが、覚えていません(;^ω^)

 ちょっと話がそれるかもしれませんが、ガムボールマシンに使うコインの出し方として、指輪ケースに入っているという演出も良いと思います。指輪が消えるというマジックを行い、初めから机の上に置いてあった指輪ケースを指さし、観客は「まさかそこから?」と思うが実は、コインが入っていて、ガムボールマシン登場という流れです。これでも十分ですが、「空」のリングボックスケースを観客に渡して、蓋を締めてもらいます。その状態で上記のように、リングボックスを開けてもらうとコインが入っているというとさらに不思議度合いがあがるという気もします。そんな演出を実現するリングケースとして、先日KickstarterでTCCがローンチした商品があります。このボックスを使えば上記現象が実現できるのでは無いかと思います。

https://www.kickstarter.com/projects/magicianpresents/the-magic-ring-box-by-tcc-magic

5.フラッシュペーパー: 前田知洋さんが昔テレビでガムボールマシンを使った演技をされてた時は、借りた指輪を紙にくるんで燃やして消してしまうということをされてました。怪しげな道具を使わず、しかもフラシュペーパーでインパクトのある消し方でいいなぁと思った記憶があります。ライターをポケットに取りに行く必要性があるのもよいですよね。

 このように指輪を消す道具はいろいろありますが、指輪を使ったマジックといえば、紐(細めのロープ)と指輪のマジックが一つのジャンルを作っていると思います。このマジックのエンディングには指輪が消えて、別の場所から出てくるとかマジシャンの指にあるとかいろいろありますが、それをガムボールマシンに変えるのもいいかと思います。ちょっと古めのリストになるかもしれませんが、私が紐と指輪のマジックを練習するのに見てたDVDのリストを示します。ちょっと古く、他にもいいコンテンツはたくさんあると思いますが、ご参考まで…

 Collateral by Diamond Jim Tyler

http://magicfan.shop21.makeshop.jp/shopdetail/013000000075/

 Gregory Wilson's Ring Leader

https://www.penguinmagic.com/p/469

 指輪deひも生活 by Kuroda

https://www.seomagic-jp.com/shopdetail/000000003331/

 The New Relentless Ring And String by Bob Miller and DJ Ehlert

https://www.penguinmagic.com/p/15385

 Finger Ring Magic -World Greatest-

https://www.gin-magic.com/shopdetail/022011000004/


Gumball Machine by Joe Givan

2023-12-06 21:35:00 | カップ&ボール以外

珍しくカップ&ボール以外の商品紹介です。数回演じていますが、レパートリというほどではありませんので、【My Repertoire】とはしませんでした(;^ω^)

 今回紹介させていただくのは...「ガムボール・マシン」です!!

 サインされたカードが財布から出現するとか、レモンの中から出現するなど、不可能な場所から出現するというマジックは数多くあると思います。指輪に関しても、キーケース(キーホルダー)から出現したり、マジシャンのネックレスにぶら下がってたりなどいろいろあります。このガムボールマシンもその1種です。基本的な現象は観客から指輪を借りますが、その指輪が消えてしまいます。マジシャンはガチャガチャを示し、「代わりにこのガチャガチャの指輪を差し上げます」とコインを観客に渡します。観客がガチャを回すとなんと観客の指輪が出てきます。

 この演出の良いところは、やはり「ガチャガチャ」特有の「わくわく感」があるということではないでしょうか。誰もが小さいときに体験した、何が出るんだろう?(もしくは、あれが出て欲しい!)といった思いを込めてコインを入れ、「ガチャ」というあの特有の音と共に出てくるカプセル…急いでそれを開けて喜びまたは悲しむ…。回すだけで楽しく、また、出てくるときのドキドキ、その体験がマジックにおける出現現象を最大限に「観客が楽しめる」演出にしているのではないかと思います。

 さらに、「指輪が消えてしまったので、代わりにこのガチャの指輪を差し上げます」と安っぽい指輪がたくさん入ったガチャを出すというストーリー(演出)も個人的には好きです。ただ、なぜわざわざ消した指輪をそこから出すのか?というところは演出によってはややつながりが悪いかもしれません。消えてしまったので、申し訳なく、代わりに…という方がつながりが良いかもしれません。

 このマジックをどのくらいの方がご存じなのか分かりませんが(若い方は知らないのかな?)、私にとっては憧れのマジックの一つでした。20年前くらいのマジックブームの際に前田知洋さんもテレビで実演されてましたし、確か何故かタモリさんもこのマジックをテレビでされてました(笑)。当時、コレクターズワークショップがこの商品を販売しており、日本ではUGMさんで正規にそれを取り扱われていたのですが、まあ、高い!我々趣味でマジックを楽しむだけのサラリーマンにはなかなか手がでない価格でした(;^ω^)

ちなみにJPMAGICさんの「Hey presto!」でも、2016年の記事でガチャマジックが取り上げられており、上記商品の実際のカタログやJPMAGICさんのオリジナルマジックなど非常に面白い内容になっておりますので、紹介させて頂きます。

ガチャガチャマジック

今回はガチャガチャ(ガチャポン)の話、でも今まで紹介したような景品の話でなく、マシン本体の方です。先月も書いた気がしますが、このガチャガチャって立派な日本文化で...

 

 私は、90年代後半に、マジックを始めたのですが、あまり情報を持っておらず、このマジックのオリジナルは知りませんでした。そのような中、テレビやマジックショップで扱ってるこの商品をいいなぁ~と思っていました。そのような中、麦谷さんの「クラシック・マジック入門事典」を手にします。2005年ごろです。

クラシック・マジック入門事典 - 株式会社 東京堂出版 限りなく広がる知識の世界 ―創業133年―

原案が発表されてから50年以上も経つクラシックなマジックの中から優れた作品を厳選し,本来の原案を紹介しつつ,基本的なエ… 麦谷 眞里 著

 

この中に「ガムボールマシン」の章があり、ガムボールマシンの歴史や麦谷さんの自作ガムボールマシンを使った手順の解説などがされているではありませんか!そこでこのマジックの歴史などを知りました。

 このガムボールマシンを使ったマジックのオリジナルはJoe Givan氏で、氏はこのガムボールマシンを使った演技で1988年、オランダのハーグ(デン・ハーグ)で開催されたFISMのクロースアップ部門で1位を受賞しています。ちなみにこのFISMはナポレオンさんがグランドイリュージョン部門第3位を受賞された年ですね。なお、Joe Givan氏はその前の年のIBM大会でもガムボールの演技でゴールド・カップを受賞しています。

 本の中で麦谷さんは実演を見たことがないと書かれていますが、今は良い時代ですね(笑)The Best of Magicというテレビ番組での演技がありましたので示します。解説書にあるFISMアクトとは少し異なりますが、流れ的には同じ感じです。


 詳しくは、「クラシック・マジック入門事典」を読んで頂ければと思いますが、このガムボールマシンに関してはいろいろあったようです。Joe Givan氏の許可なく、コレクターズワークショップが商品を出したので、Joe Givan氏が怒り、コレクターズワークショップからの販売を止めると共に、1995年にオリジナル商品として、自身がプロデュースしたガムボールマシンを200台限定で発売しました。恐らく彼がFISMで使ったものを同じものだと思われます。その200台には裏にシリアル番号が書かれています。また、氏の署名入り証明書も付いていたようですが、私が入手したセットには、証明書は付いていませんでした(T_T)。解説冊子には上記歴史的経緯やFISMアクトの解説などが書かれています。






クロースアップでの演技用なので少し小さめのガムボールマシンです。透明な部分はガラスのようで、大きさの割に少し重たいですし、もし落としたら割れてしまいそうです(;^ω^)。セットできるカプセルは1つでコインは25セントを想定していると思いますが、100円玉でもできます。ガチャは完全に回せず、90度くらい回したところで、それ以上回さないようにと注意書きされており、コインもそれを逆方向に回して取り出すという使い方です。FSIMアクトでは、最後マシン自体を消しますが、もちろんそれができるような作りになっています。レトロな感じのデザインで個人的には好きな形です。恐らくですが現在でも日本のお店で販売されているフォード製の9インチのガムボールマシンを改造して作ったのだと思います。

 実は、私はこのオリジナルのガムボールマシンを最近入手しました。その前から持っていたのが次に紹介するJoe Givan氏の2代目ガムボールマシンです。これは麦谷さんの上記本が出た後の2008年ごろ販売されました。当時の広告画像です。


この広告より、Joe Givan氏が最も強調しているのは他社の高いマシンとは違うぞ!というところに見えますね(;^ω^)。「IMPROVED」というところも強調されつつ、商品名としては「Ring in Gumball Machine」という事ですね。私はHank Leeで購入しました。この商品は先のような限定発売ではありませんが、あまり多くは出回ってなったのかもしれません。一部のお店で少量扱われていたのではないでしょうか。Magic Cafe で良いコメントが書き込まれています。

The Magic Cafe Forums - Joe Givan's Ring in Gumball

この2代目はJoe Givan氏がいろいろ、オリジナルの気になるところを改良し作ったもので、解説DVDが付属しており、細かな解説がされています。改良された点を挙げてみます。

・大きさを大きくし、本当に街中にあるガチャのように見える(迫力もある)

 ※逆にオリジナル用に本体を消すことはできません…。また、持ち運びはオリジナルより大変。

・透明部分を従来のガラス製からプラスチックに変えたので衝撃に強い、軽い

 ※大きさが大きくなっているのでもちろん総重量はこちらの方が重いです

・ガチャを行うとき完全に回しきることができる。コインは内部に溜まるため、毎回取り出す必要はなく、いい時に一気にコインを取り出せばよい。

・連続して、2回ガチャができる。1回目外すことができるので、例えば演者が回して確かにおもちゃの指輪が出てくることを示してもいいし、1回目は何か違うものを入れておいてもよい。

・専用の布が付属し、掛けた状態でロードができ、布を取り去るとロード口が塞がる。







という感じで、Joe Givan氏的にもかなりバージョンアップした2代目ですが、解説書は初代とは表紙が微妙に異なり、Steven Bargatze氏のFORWARDが付きますが、解説書の内容はオリジナルと同じです。恐らく、DVDで映像を使って説明をしているので、冊子の方は、それほど必要ないと思ったのでしょう。

 この商品をHank Leeから購入した時、Hank Leeのせいでは無いかもですが、輸送状態が悪く、段ボールの中に水が少し入った(であろう)状態で商品が届きました。このため、解説書は波打ち、表紙の赤い紙の色が落ち、DVDの紙ケースや解説書の中の紙、Joe Givan氏のサインが書かれた紙に移っています(T_T)。まあ、解説書も読めますし、DVDも見れましたのでまあ仕方がないですが、海外からの荷物はときどきこういうのありますよね(;^ω^)



 以上、私が持っているJoe Givan氏の2台のGumball Machineの紹介でした。個人的にはそれぞれ良いところがあり、どちらの方がよい!ということは言えませんが、2代目の改善点を含ませた、初代くらいの大きさのGumball Machineがあるといいなぁと思います。クロースアップで扱いやすく、それなりにレトロな形でおしゃれなものが販売されると嬉しいですね(^○^)

 せっかくなのでガムボールマシンの写真と一緒にJoe Givan氏が表紙となっているLinking Ring誌(Volume 77 Number 6 June1997)を撮影しました。1997年なので表紙の写真に写っている200台限定のガムボールマシン(写真のものは本人のオリジナルでしょうが…)が売り出されたちょっと後くらいですね。雑誌の中ではJoe Givan氏 に関する4ページ程度の記事がありますがあまり、ガムボールマシンのことは書かれていませんでした(T_T)。







Card To Mint Box 「mINt」「Mint Box」「Toibox Card To Box System」

2023-05-21 10:24:00 | カップ&ボール以外

 Card To Boxが続きましたが、手持ちのものを全て紹介したので、今回で一旦終了します。

 どんなボックスにカードが移動させるのか?なるべく「マジック用の特別な感じがしない身近にあるボックス」で「適当なサイズのもの」としたとき、「ミントボックス」がその候補になりますよね。今回はミントボックスにカードが移動するという商品をまとめて3つ紹介します。

mINt by Steve Rowe and Big Blind Media

まずは、PVを示します。


 Steve Rowe氏の作品です。このPV2015年に公開されているので、恐らくそのあたりの商品化と思います。以前紹介したクラリティボックスのちょっと後になります。透明なケースから出てくるところなどは、またその基本的な原理はクラリティボックスやミステリー・ボックスと同じです。ただ、いくつかの改善ポイントがあると思います。まず、みんなが持ってそうな一般的なミントボックスを使っているということです。マジックのための怪しい箱、唐突な箱ではないところはやはり改善点といってもいいと思います。次にカードを透明のボックスに入れるという過程を含められる点です。マジシャンが選んだ、もしくは他の観客が選んだカードを四つ折りにして、ミントボックスの箱に入れておく、ということは、クラリティボックスではできません。最後にミントボックスなのでミントが入っていることが自然で、カードと共にミントをケースから出すことでよりリアリティが高まるという前回書かせて頂いたジェイミー・イアン・スイスの手法を自然に用いることが出来るという点です。

 以上の事から、かなり良い作品だと思います。問題点を挙げるとすると、折りたたんだカードをギミックとスイッチしミントケースに入れ、見栄えをよくするという工程が必要で、少しストレスではあると思います。ギミックの動作は私自身あまりやっていないのでわかりませんが、あくまで原理的の話で言うとクラリティボックスの方が問題を起こす可能性は低いと思います。日本のお店で購入できます!

【ミントの箱に!】ミント(mINt by Steve Rowe and Big Blind Media)~ユニークなミステリー・ボックス!~ [monthly Magic Lesson Shoppers]




Mint Box by Daniel Garcia

 Daniel Garcia氏のギミック付き缶製ミントボックスを使ったCard To Mint Boxです。2018年リリースかなと思われます。まずはPVです(ちょっと長いです...


 2018年というと透明ボックスがいろいろ出ているときであり、そこに勝てるのか?と思いましたが、良い反応と悪い反応とあったように思います。現在は、販売しているお店を見つけることが出来ませんでしたので、決定版にはなれなかったイメージはあります。Penguin Magic のページを示します。コメントがあるので、参考になると思います。結構厳しい意見が多いですね(;^ω^)

Mint Box by Daniel Garcia

The most highly anticipated magic trick of the year is here!A device that creates MIRACLES, built into a mini tin of Altoid mints. You will NEVER leave home wi...

Penguin Magic

 

国内ではmMLShoppersさんで扱っていました。mMLShoppersさんって、他のお店に比べてカードインボックス商品が結構充実している気がします

【さらに実用的に!】ミントボックス(MINT BOX) by Daniel Garcia ~ダニエル・ガルシア版の進化したミステリーボックス!~ [monthly Magic Lesson Shoppers]

 ケースの大きさ、厚さ、作りから言って、ミステリーボックスのような作りでのギミックはできません。そこであのタイプに比べると、やや特殊な機構が使われています。なかなか面白い機構です。どうやってこの方法に辿り着いたのかある時この動きを偶然見つけて、これ使えるんじゃない?と思って作ったのではないかと勝手に思っています。

 取り出す(?)には、単に傾けるだけではなく、ワンアクション必要となります。また割と繊細なギミックなので、乱暴に扱うと使えなくなってしまう可能性があります。ですので、箱を開けたら注意書きが入っています。インストラクションビデオを見てからギミックは触らないとまずいと思います。

 この商品の良いところは、やはりミント缶という、どこに持ち運んでいてもおかしくない一般的な小さなボックスにカード が消えるギミックを仕込んだという事、またDaniel Garcia氏の詳しいインストラクションビデオがあるところだと思います。いろいろな使い方を解説してくれています。



Toibox Card To Box System by Jonathan Kamm

 最後は、ミント缶を使った究極的なCard To BoxであるJonathan Kamm氏のToiBoxです。

Toibox Card To Box System by Jonathan Kamm (Instant Download)

"Jon

Penguin Magic

 

上記商品ページにもありますが、PVです。


また、フルパフォーマンスの動画もありましたので示します。


 私は数年前にペンギンマジックからお勧めの商品として紹介されて、かなり高評価でしかも、お安かったので購入しました。ペンギンマジックで何週か連続1位をとっていた商品です。ダウンロード商品であることからもわかりますように、ギミックがありません(;^ω^)。通常のミント缶を使って、特別なギミック無しで行います。普通の缶を使っているので、改めも問題ないです。まあ、最後は缶いっぱいのミントが出てくるので、改めの必要もないかもしれません。

 上記パフォーマンスの動画を見たら、マジックをされる方でしたら、細かいムーブの完全再現はさておき、おおよそやり方の予測は付くのではないでしょうか。そしてそれは間違っていない気がします。ですので、マジシャンを騙すものではない気がしますが、マジックを普段見ない方にとっては、とても不思議でインパクトのあるマジックだと思います。準備も簡単ですし、手順もサカートリック的で盛り上がりますし、最後のクライマックスまでありますし、、、上手く作られた手順だと思います。すこし、気になるところを言うと、2回目のカードの移動が、流れ的には行った方がスムーズなのですが、不思議度合いとしては上がるのか?というところです。2回同じ現象を行う事でアンビシャスカードのように不思議度合いが上がるのでしょうか??。実践していないのでちょっとわかりませんが(;^ω^)

 ミント缶はアメリカでは定番のALTOIDS(アルトイズ)のミント缶、スモールを使っています。これは上記Daniel Garcia氏のギミックミント缶でも使われているものですが、なかなか日本の普通のお店では売っていません。通販で9個や12個まとめて買うのであれば売っています。私は近くで購入できるミント缶としてフライングタイガーとスターバックスのミント缶を購入しました。ちょっとフライングタイガーの缶は大きいですね。スターバックスは日本でもかなり知名度が高いし、お洒落なので個人的には気に入っています。ALTOIDSは上記ガルシアのギミック缶です。



ちなみにこの商品、下記のサイトによると2006年冊子と缶のセット(?)で販売されていたようです。タイトルが「Toibox」だけですね。ペンギンマジックでは「Toibox Card To Box System」。ペンギンマジックが扱ったのはレビューから見て2016年頃かと思われます。オリジナルの発表からこれはいい!ということで映像化し、販売を始めたのかもしれません

ToiBox by Johnathan Kamm, KAMMAGIC Productions

 以前ミント缶でカードインボックスの手順を行ったのですが、予め入れるカードの向きを間違えてしまい、缶を開けたら別のカードのインデックスが見えてしまった!という失敗をしました(;^ω^)