カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Hocus Pocus Junior by Unknown, Steve Burton

2024-03-09 08:42:00 | 本、DVD等
 Steve Burton Magicが1997に出版した「Hocus Pocus Junior」です。1638年、初版が発行された「Hocus Pocus Junior」をSteve Burton氏がカリフォルニア州にあるHenry Huntington Library(https://huntington.org/)の許可を得て「reproduce」したハードカバー65ページの本です。少し小さめの本です。
 完全に複製なのか、少し修正しているのか不明ですが、Jamy Ian Swiss氏のレビューでは「The publisher has painstakingly cleaned up the aged type」とあり、その作業は間違いなく大変な作業だっただろうと書いていますので、完全複製ではなく、整えながらの複製だったのかもしれません…

Hocus Pocus Junior

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 この本は限定発売ですが、ノーマルエディション(300部)とデラックスエディション(25部)の2種類があります。共に、最後のページに番号とSteve Burton氏のサインが直筆で書かれています。両エディション共に表紙には金の文字とカップが箔押しされています。デラックスエディションは箔押しに22kを使っており、触感も滑らかです(革なのでしょうか?)さらに函がついてます。また、小さな説明カードも付いていました。
こっちがデラックスエディションで、
こちらがノーマルエディションです
 この本にはいくつかのトリックが解説されているのですが、表紙にはカップの絵が使われています!原本では表紙はないらしいので、Steve Burton氏の思いなのでしょう。世界最古の本格カップ&ボール手順の解説が書かれている、というのに加えてこの表紙のデザインに惹かれてこの本を購入しました(;^ω^)
 発売当初の値段はノーマルエディションが60ドル、デラックスエディションが150ドルと上記Jamy Ian Swiss氏のレビューにあります。氏は苦労して作った割に60ドルという値段に対して良心的だと述べています。恐らく当時(1990年代)は「Hocus Pocus Junior」を今ほど簡単に読めず、約300部とはいえ、この貴重な文献を読めるようにしてくれたこの本は価値があったのだと思います。また、この本は「Hocus Pocus Junior」の複製だけでなく、最後の11ページにSteve Burton氏の「EXCURSUS」が書かれており「Hocus Pocus Junior」に関する多くの情報が含まれており、興味深い内容でした。例えば、「Hocus Pocus Junior」は本当にタイトルなのか?など…
 出版当時「Hocus Pocus Junior」を読むことは簡単ではなかったかもしれませんが、今では割とお安く電子版が手に入ります。例えばLybrary.comでは7ドルで読むことができます…他の多くの古い本もそうですが、良い時代になったものです(;^ω^)

Hocus Pocus Junior by unknown

This book includes detailed work on the "Cups and Balls," and the first version of the "Stack of Pence" (i.e., "Stack of Quarters")...

Lybrary.com

 
 とはいえ、この本の内容は古い英語なので、私の英語力では正直理解ができませんでした…。そもそも表紙の「IVNIOR(Juniorのこと)」とか「Difcovered(Discoverdのこと)」からして、もう読めない…。どうしたものかと思っていると、カップといえばこの人、Bill Palmer氏が自身のサイトで「Hocus Pocus Junior」のカップ&ボールのところだけを現代風英語に直した文章(しかも複数エディションを足したもの)を作成して、ダウンロードできるようにしてくれていました!これでようやく、翻訳機の力も借りながら世界最古と呼ばれるカップ&ボールの本格的な解説を読むことができました…
 Bill Palmer氏のこのドキュメントの最後の「How this book came to be」にはSteve Burton氏との話も出ており面白いです。1993年に二人でHarry Ransom Research Libraryに行ってはじめて「Hocus Pocus Junior」を見たことがきっかけでSteve Burton氏は本を出版するに至ったという感じのことが書かれています。また、第2版と第3版にはカップとボールに関する追加資料があったと書かれています。
 「Hocus Pocus Junior」とその内容について少し書かせて頂きます。「Hocus Pocus Junior」は世界ではじめてカップ&ボールの技術を教えた本であり、その後に続く手順(ルティーン)も恐らく印刷された最初の「実際の」カップ&ボールの手順であるといわれています。世界最古のマジック種明かし本と言われることが多い(もうそんなことは無いですか?)レジナルド・スコットが1584年に出した「妖術の開示」(The Discoverie of Witchcraft)が「観察者」の視点からマジックを述べているのに対し、「Hocus Pocus Junior」は実演できる「マジシャンの視点」からマジックを解説しているのです。そしてそのカップ&ボールの技法・手順は現代にも通じます。
 このように「Hocus Pocus Junior」は本当のマジック解説本であったため、かなりのベストセラーとなります。先に述べましたように、初版から、第2版、第3版と進むにつれカップ&ボールに関する追加資料があったのですが、初版から第3版までの期間はわずか4年です。さらに第13版が60年の間に出版され、「Hocus Pocus」という言葉が含まれる派生作品は200年以上に渡り継続的に出版され続けたそうです。相当影響力があった本だと言えますね…
 次に書かれているカップ&ボールに関してです。まずカップについてですが、「真鍮製で作られ、曲がったレーンプレートのカップ(←ここちょっと意味不明です)で、すべて同じ大きさのカップを3つ持たなければならない。これらのカップは全て同じ大きさでならなければならず、それぞれのカップのそこはカップの中に少し入っていなければならない。」と書かれています。
図を示します。

おlカップについては図を見ると今の紙コップのような形に見えます。現在の紙コップより少し傾斜が大きい感じでしょうか。「カップの底が中に少し入っていなければならない」のは手順において、さかさまにしたカップの底にボールを置くからかと思いました。そうでないと転げ落ちてしまいますよね。興味深いのはショルダーが無いことです。確かに古いカップ&ボールの演者を描いた絵や版画で使われているカップも昔はショルダーがありませんでした。いつからかステップのショルダーが作られ、現在ではショルダービードが主流となりました。ここに書かれている手順でもカップをスタックし、カップとカップで作られる空間いわゆる屋根裏部屋にボールを置きますので、カップは底までぴったり重なるような形ではダメなんですよね。でも、ショルダーが無いですので、ちょっと上から強く抑えてしまうと、抜けなくなるなんておとが起こりそうですよね(;^ω^)
 次に、ボールについては、「ナツメグほどの大きさのコルク製のボールを〇個用意しなければならない」(※〇としておきました(;^_^A))と書かれています。ボールはニットボールではありませんが、現在のニットボールの芯としてよく使われているコルクだったようです。テンヨーのカップの非常に初期なバージョンではコルクボールだったようですので、意外と最近まで純粋なコルクボールも使われていたのかもしれません。
 最後に手順ですが、大きく4つの現象で、体に入れたり、空中に投げ上げたり、カップに向けて投げ入れたりすることでボールが消えて、カップから出てくるというものです。1個ずつそれぞれのカップから現れるバージョンと、1つのカップに集まって現れるバージョンがあり、それが、テーブルに置いたカップの下か、積み上げたカップの底かの2バージョンあるため、計4つの現象となります。面白いなと思ったのは、カップを積み上げるので悟空の玉のように貫通現象なのかと思いきや、集まるという現象だということです。また、ウォンドを使わないのか、とも思いました。もっと古いカップ&ボールが描かれている絵や版画では多くのマジシャンがウォンドを持っています。しかし、この解説ではウォンドを使っていません。消すときには体を使ったり(口や耳に入れる)、投げ上げたりします。これはなぜなのか…、当時ウォンドを使うのは主流じゃなかったのでしょうか…少し気になります。
 と、ここまで来てよくある展開になります(;^ω^)。
 苦労してカップ&ボールの部分だけなんとか読んだのですが、日本語の訳があるではありませんか(T_T)。はい、ご存じの方も多いと思いますが、「誰得 奇術研究」の記念すべき第1号ですね。2023年3月18日発行です...。この中で「現代訳ホーカス・ポーカス・ジュニア①」という章があり、そこで「ホーカス・ポーカス・ジュニアとは」から始まり、カップ&ボールの解説手順が日本語に訳されています...。非常に読みやすい...(T_T)。ホーカス・ポーカス・ジュニアのカップ&ボールに関する記載に興味のある方には是非お勧めします。

誰得奇術研究1:冊子版

商品の説明 独自の視点でマジックと向き合う新プロジェクト、始動!面白いなと思ったマジックやデックに関する話を少しずつ書き溜めていきます。 ★こちらは冊子版になります...

プレイフェア

 
ちなみに、ホーカス・ポーカス・ジュニア関係は3号、5号、9号では「現代訳ホーカス・ポーカス・ジュニア②、③、④」として、ホーカス・ポーカス・ジュニアに書かれているいくつかのトリックの訳があり、5号では「『Hocvs Pocvs Ivinor』初版本と著者名の秘密」が書かれています。興味のある方はご覧頂ければと思います。
 私の調べれる範囲など非常に狭い範囲なのですが、いろいろ面白かったです。書けなかったこともたくさんあるのでまたどこかで触れられればと思います。










Tri-Color Cups and Balls by Rachel Colombini

2023-09-30 16:44:00 | 本、DVD等

 今回は、レイチェル・コロンビーニ(Rachel Colombini)(アルド・コロンビーニ(Aldo Colombini)の奥さん)が発表した、3色の紙ボールを使ったカップ&ボールの手順「Tri-Color Cups and Balls」を紹介します。

 まずは、実演映像です。2013年にアップされてますので、原案はもっと前でDVDとして販売されたのはこのくらいの時期だと思います。


 私はかなり前にi-magicさんでDVDを購入しました。既に家になかったので、再度購入しようと思いましたが、i-magicさんで売り切れになっていないものの、実際は購入できませんでした。もし購入したいと思っている方はご注意ください。

TRI-COLOR CUPS & BALLS DVD by Leslie, de Courcy, Colombini-マジックショップ I-MAGIC

論理の結晶!紙玉を使って行う カップ&ボール の素晴らしいルーティンをご紹介いたしましょう。このルーティンは、数年前に Leo Leslie 氏が発表している“テクニカラー ...

マジックショップ I-MAGIC

 

 DVDでの販売はおそらくもうされていないかと思いますが、映像はLybrary.comで購入できます。

Tri-Color Cups and Balls by Rachel Colombini

An unbelievable routine using tissue paper rolled into balls. The routine is basically Leo Leslie’s “Technicolor Cups and Balls” published many years ago by Supr...

Lybrary.com

 

 現象としては、ビデオの通りなのですが、3色の薄い紙を丸めてボールを作ります。その玉たちがカップを貫通したり、ポケットから戻ったりします。最後は3色中2色のボールをハンカチで決して、カップに戻って来てると思いきやボールは一つです、でも、、、。エンディングもビデオがあるので書けばいいのですが(;^ω^)、ビデオを見る前に本文を読まれる方もいるかもしれないので書かないでおきます(笑)

 この商品は検索するとペンギンマジックなど、いくつかの検索結果が出てきます。不思議なことに上記Lybrary.comでの説明文も含め、このルティーンはLeo Leslie氏が既に発表している「テクニカラー カップ&ボール(“Technicolor Cups and Balls”)」がもとになっています。」とあるのです。しかし、私はこの「Technicolor Cups and Balls」という作品が見つけられませんでした。見つかるのは「Triple Colour Cups and Balls(トリプルカラー カップ&ボール)」という作品でして多分、この作品のことを言っているのではないかと思っていますが何かご存知の方いらっしゃいましたら、コメントよろしくお願いします。

Triple Colour Cups and Balls」もLybrary.com5ドルで購入できます。

Triple Colour Cups and Balls by Leo Leslie

From the Foreword When the manuscript arrived from Denmark, Edwin asked me to look through it and give him an opinion. I was intrigued when I read it; whilst the...

Lybrary.com

 

 i-magicさんの商品タイトルが「by Leslie, de Courcy, Colombini」となっているのは、この「Triple Colour Cups and Balls」が Leo Leslie氏が考案し、この冊子を Ken de Courcy氏が書いたからだと思います。

 確かに、「Tri-Color Cups and Balls」は「Triple Colour Cups and Balls」の手順の一部が使われており、「もと」となっていることはわかりますが、ハンカチ使ったりエンディングなどが違いますので、やはり違った作品というイメージを受けると思います。

 この手順の良いのは、まず、技術的に容易であることです。フェイクトスやファイナルロードを必要としません。ボールを消す方法にも×××ハンカチーフを使っています。ある意味新鮮です(笑)。また、エンディングが(論理的で)素敵だという意見も多いです。上手く、紙(と人間の適当さ)の性質を使っており、大きなものをロードをせずにエンディングとして「締め」の現象を実現しています。難しい技法を使っておりませんので、マジックをあまりしたことが無い、大人の方や、お子さんでも(ちゃんと練習さえすれば)出来そうな気がします。

 少し気になる所としては、1個貫通し、2個貫通し、3個ポッケに持って行ったのに3つとも戻ってる、と個数を上げて来たのに次に緑だけ残して2つを移動させる、としようとする事でした。魔法度下げてる?と少し違和感を感じました。いっそ3つを目の前で消して移動させようとしたけど緑しか戻ってない!失敗した〜と思わせといて...とかのが良いのかなと思うのですが、これだとおそらく急にテクニックが必要になったりしそうですね(^^;)

 あと、演技ではしっかりとした金属カップを使っていますが、個人的には少し「ゴツイかな」と感じました。紙コップとかでもいいのかなと思いますが、完全に重なってしまう紙コップはまずいので、適切な紙コップを探す必要はあると思います(^_^;)

 3色のボールを使う事のメリットは見た目に綺麗だというのと「まずは黄色いボールがコップを通り抜けます」というように説明しやすいとかですかね?でも、かなりマジシャンが出来ることを制限する事になりますのでうまく不思議にまとめ上げるのは難しい(やりがいがある?)チャレンジですよね。

 3色カラーのボールを使った手順は、いくつか他にもあると思います。歴史的にもさかのぼればいろいろあるかもしれませんが、現段階で私は知識がほとんどありませんので、もし何か知り得たら追加する形にしたいと思います(;^ω^)。私が知っているカラーボールを使う他の手順として、David Devlin氏のDevlin Cups and Ballsを紹介します。実演映像です。


 落ち着きのある「Tri-Color Cups and Balls」とは対照的に騒がしいいやいや、スピード感のある手順です。賛否両論です(笑)。いつか紹介するアルドコロンビーニ―の手順でもジャグリング的動きは入り、そもそもマジックの現象を追いかけるのにしんどいのですが、さらに、こちらの動画はカップを投げた後、スポッっと上手く入らなく、手で直しながら入れているので、見てて気になります(笑)。ただ、コメントは絶賛されており、ジャグリング的要素をカップ&ボールに求める人も多くいるのかなと感じました。個人的に、それも良いとは思うのですが、ジャグリングの「凄い(上手)~」というのとマジックの「不思議~」というのを、完全に分けてちゃんと伝える、「間」や「見せ方」をもう少し盛り込んでもらえると私のようなにぶい人間でも見やすいかなぁと思います(偉そうですいません)。

 この手順もLybrary.comでお値打ち価格で購入できますので、興味をお持ちになった方は是非!

Devlin Cups and Balls by David Devlin

This is not an ordinary Cups & Balls routine. In this routine the balls are three different colors. The cups are ordinary, yet many magicians will suspect a ...

Lybrary.com

 












monthly Magic Lesson DVD VoL216 ~mML創刊18周年記念特別企画 お坊さんマジシャン五太子氏を迎えて!~

2023-09-10 13:59:00 | 本、DVD等

 20239月上旬現在、最新号のmonthly Magic Lesson DVD VoL216は、18周年記念号として、五太子さんをゲストに迎えています。記念号のゲストとしては最年少だそうです!その若さでこのコンテンツのゲストに選ばれることがすごい!!今回はこのDVDの紹介です。

monthly Magic Lesson DVD VoL216 [monthly Magic Lesson Shoppers

 実はわたくし、先日の大阪マチネで五太子さんの生演技を初めて拝見することが出来ました。このDVDでは、その時演じられていた手順もいくつか入っていて、この前見たやつだ~と思いながらDVDを拝見しました。

 このDVDではゆうきとも師の素晴らしいカードマジックをはじめ五太子さんのカードマジック、スポンジマジックなども収録されていますが、このブログはカップ&ボールをメインに紹介させて頂きます。

 このDVDで行われているカップ&ボールの手順は、1つの紙コップを使った手順と、2つの銅製カップを使った手順です。紙コップの手順はこのDVDで解説されており、銅製カップの手順は実演のみです。

 紙コップの手順はこれまでも解説動画がでてまして、SAMBOUというコンテンツの中で解説されています。今回このDVDで解説されているスポンジボールの手順もこのSAMBOUの中に入っていますが、少し演出というか表現というかが変わってます。マチネで拝見したとき、変えることで面白くなっているなぁ(現に観客もうけている)と思いました。

SAMBOU (DVD) by五太子(セオマジックさん)

SAMBOU (DVD) by五太子-セオマジックネットショップ

初見の方も多いかと思いますが、マニアの間で名を馳せる若手有望マジシャンであり、本物のお坊さんでもあるマジシャン五太子(ごたいし)氏のレクチャーDVD!マジック好き...

セオマジックネットショップ

 

 これまでのカップ&ボールではできなかった現象を見事に実現しています。ちなみに大阪マチネでは、この元となった(?)、氏を有名にした1つである「神コップ」の手順を見せて頂きました。観客がボールの貫通を体感できる良い手順です。最後の大きなボール(?)も観客の手の上に落ちてくるのでインパクトがあるのですが、私は自分の手順では観客の手のひらとコップにわりと距離をとり、落下してくるところが見えるように演出しているのですが、五太子さんの場合カップが手に乗った状態で落ちてきます。私は、ちょっと上から落ちてくる方がズシっとする感覚を観客が感じれますし、周りで見ている人も何が起こったかわかりやすいと思ってそうしています。しかし、五太子さんのように見えない状態で大きなボールが落ちてくると、周りの観客からしたら何が起こったか見えないので、「えっ、本当に落ちてきたの?」となります。そしてカップを開けると、「本当だ~」となるし、手に落ちた時、その観客が反応するので、周りの人がそれを見て楽しむということもあるのかもしれないと、改めてどちらがいいんだろうと考えました。まあ、そう思った時は両方やってみるしかないですね(笑)

 次は、銅製2カップの手順です。これは実演のみで解説はありませんが、フレンチドロップさんで販売されているコンテンツに解説があります。手順を修得したいと思われる方はご購入されると良いかと思います。カップ&ボール好きの方にはお勧めです(良すぎてあんまり勧めたくないという気持ちもありますが(笑))。

ツー・カップス・ルーティン BY五太子

ツー・カップス・ルーティン BY五太子 【ダウンロード動画】

五太子によるツー・カップス・ルーティン

マジックショップ フレンチドロップ

 

 マジシャンも不思議な(さっきの紙コップも十分マジシャンも不思議だと思いますが)テクニカルな要素も含む手順です。ほぼ、この手順なのですが、今回のmML DVDで出てきた手順は1フェース増えてましたね(笑)、このコンテンツをお持ちの方、皆さん気が付きましたか?チャーリーミラームーブを使ったフェーズは恐らく元の手順では無かったと思います(違ってたら突っ込んでください)。その辺も含めて楽しめました!

 五太子さんはカップ&ボールの魅力を現在最も伝えているマジシャンの1人ですよね!応援してます!頑張ってください!そして、また驚く手順を創作して欲しいです(笑)

 さて、ちなみにDVDでは実演のみだった、ゆうきとも師も絶賛のパケットトリック「ナンダパンダ」は例えばこちらで購入できます。

ナンダパンダ

【ダジャレパケット!】ナンダパンダ(1.1バージョン)by五太子~なんだかんだですべてが変わる!~ [monthly Magic Lesson Shoppers]

 と、いろんなお店で五太子さんの商品を紹介しましたが、ご本人のお店「GOTAISHIYA」ではすべて販売されています(笑)。実演映像が見れるのもとても親切だと思います。

GOTAISHIYA

GOTAISHIYA powered by BASE

お坊さんマジシャン五太子(ごたいし)のマジック等販売ページです。

GOTAISHIYA powered by BASE

 



4 Minutes of Fame by Michael Ammar

2023-08-26 19:43:00 | 本、DVD等

 2年ほど前、Straight Playing Cardsさん主催のレクチャーマラソン最終日にマイケル・アマ―氏がレクチャーを行い、その時にはじめに行ったカップ&ボールについてブログに書きました。

マイケル・アマ―氏のレクチャーを受講しました - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

StraightPlayingCards主催のレクチャーマラソン最終日としてMichaelAmmar氏のレクチャーに参加しました。様々なマジックをレクチャー頂けましたが、ここでは、カップ&ボー...

goo blog

 


 そのとき「しかも、おそらく氏にとっても最近考えた手順だと思われる、観客にカップ&ボールをしてもらう手順です。」と書きましたが、これが大きな間違いであったことをお詫びするとともに、その手順について今回紹介させて頂きます。

 この4 Minutes of Fameという作品の商品カバー(?)である観客が手を上げている絵はだいぶ前からアマ―氏のオフィシャルサイトや広告で見たことがあったのですが、カップ&ボールの手順だとは思っておらずスルーしておりました(;^ω^)。「Spectator Cups and Balls」と書いてあって、CUPS & BALLSのジャンルにあるのに(;^ω^)

Spectator Cups and Balls (Download)

 


 というわけで、改めて紹介させて頂きます。2012年に初版を出しているのでもう10年以上前の作品ですね。失礼しましたm(_ _)m。事の始めはDick Williamsという方がアマ―氏のカップ&ボールの本、Complete Cups and Ballsを読み、自分のルティーンを作り上げ、アマ―氏に送った事でした。それはこれまでの観客が単にマジシャンをアシストするというものではなく、観客がパフォーマーになりきるというコンセプトでした。アマ―氏はこれに惚れて、このコンセプトで自分の手順を作りたいとDick Williams氏に伝え、長い時間かけて少しずつ組み立てた手順のようです。観客が主役ということで「4 Minutes of Fame」というタイトルなんですね。

実演映像です。


また、アマ―氏がこの手順について簡単に紹介している動画です。賛否ありますが、Bill Palmerが最初にコメントして褒めているのでやはり凄いのでしょう。


 どうでしょうか観客がとてもいい表情してますよね(笑)。アマ―氏としては、あくまで主役は演じている観客なので、極力マジシャンはカップを触らないように考えたようです。アマ―氏ほど多くの知識を持っているといろいろ盛り込みたくなりそうな気もしますが流石です。そしてファイナルロードも重ねてから出すという手順を行う事で、マジシャンがロードしてからの時間を稼ぐとと共に、観客が最後にカップを操作して出すということを実現しています。2つ以上の大ボールの負荷は、無理やり感が出てしまうということで、トミー・ワンダー氏の袋を用い、最初と最後を繋いで、きれいにまとまります。そのために出すときも袋から出すところをさりげなく強調してます。個人的には大ボールのロードの仕方が参考になりました。

 この商品は、先のアマ―氏のサイトにありますようにpdfのダウンロードですが、動画のリンクが6つほど付いてまして、写真も入っているので非常にわかりやすいです。ここまで動画使うなら動画コンテンツにすればよかったのでは?と思うほどです。最後にボーナスムーブとして、ボールがスタックされたカップを改めながらボールをスチールして、最後は元通りに入れるという動作が解説されています。演技には使われていませんが、これはあくまでこの手順がマジシャンがカップをあまり触らない方が良いという考えで作られているためで、氏は改めをしたいのを「我慢した」と書いてます(笑)。

 今回、この手順を購入するに至ったのは、Lybrary.comを見てて、カップ&ボールでこの冊子が1位になっていたからです。あれ?これってカップの手順だっけ?と思ってダウンロードして見たところ、なんとこの前のレクチャーでの手順じゃないかとなったわけです(笑)。10年以上前のこの冊子が1位になっているのは、今Lybrary.com5ドルほど安くなっているからだと思います(約10ドル)。たった10ドルでこの手順を手に入れられるのなら個人的にはお得だと思います。

4 Minutes of Fame by Michael Ammar

This is an introductory offer. It will soon go to $14.95 A unique twist on the Cups and Balls that puts the spectator center stage! 4 Minutes of Fame is a very s...

Lybrary.com

 


 正直なところ賛否両論あると思います。非常に魅力的なコンセプトと手順ですが、自分のカップ&ボールの手順を持っている人がそれをやめてこっちをするかというと、どうかな?という気もします。アマ―氏はレクチャーでこれをやった後に、自分の手順を行うことも提案していますが、やはり長くなってしまいますよねまた観客を選ぶ手順でもあると思います。アマ―氏も言ってますが、指示通りに動いてくれない可能性がある子供などは対象にしない方がいいかもしれません。とはいうものの、新たな可能性を持つ、価値のある手順だと思います。恐らくやってみたら想像以上にウケたりするのではないかなと

 日本語でこの手順のレクチャーを見たい方はStraight Magic Shopさんでこの手順を含むレクチャーコンテンツが購入できます。

レクチャーマラソン2021秋│ストレートマジックショップ

年間50本のオンラインレクチャーを実施する当店による、安価で沢山のマジックを学べるレクチャーアーカイブ!

ストレートマジックショップ

 



【My Repertoire】CBSワンカップるーてぃん by Tommy

2023-05-27 22:27:00 | 本、DVD等

 トミーさんのCBSコインとワンカップを使ったルティーンを解説しているDVDです。私は3つのカップを使ったカップ&ボールを実演するのが難しい場合、この手順を実演させて頂くことが多いです。

 まずはPVを示します。


 私はマジックムーブメント時代購入させて頂きましたが、現在の モテまじっく倶楽部でも販売しています。商品ページは以下に示します。

CBSワンカップるーてぃん★激熱★-モテまじっく倶楽部

毎度おなじみTOMMYの十八番。鉄板ルーティンがついに登場!!CBSワンカップるーてぃん♪ ★超実践向け★全てが凝縮されていて、ホップやカウンターショーで大活躍!!!...

モテまじっく倶楽部

 


 CBSSCB)コイン(シルバー・カッパー・ブレス)はそれ自体非常にパワフルで、有名なマジシャンの多くの手順も存在します。これをカップと合わせて手順を作成したトミーさんは凄いと思いました。

 現象については、上記映像を見て頂ければ十分わかると思います。難しい技法は特に必要とせず、観客とのやり取りを含め、不思議でインパクトもある個人的にはお勧めの手順です。カップは特にカップ&ボール用のカップである必要は無く、マグカップなどでもできます。入れようと思えば手順の途中でCoin Under Watchも入れることもできる手順となっています。

 上記実演映像にもある上からジャンボコインが降ってくるパートは私は練習不足のせいか、上手くできず(どうしても動きが硬くなってしまう(;^ω^))入れていませんが、抜きでも十分にウケます。持ち運びに余裕があるときは私はソリッドカップとすり替えてエンディングに使っています。

 はやふみさんのレパートリーズ4の写真を撮ったとき、パッケージとほぼ一緒の実物を並べる事をやってみました。今回も可能な限り揃えてみました(笑)。


 トミーさんが使っているのは以前、紹介したOwen製のステンレスカップです。トップまで太い形状で、大きなものを入れることが出来るのが特徴です。

The Owen Stainless Steel Cups - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

久々にカップに戻ります。今回のカップは100年以上続く老舗であるOwenMagicSupremeのステンレス製カップ(StainlessSteelCups)です。購入して何年も経ちますが曇ることなく...

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 それに、ジョンソン製のSCBコインとマジックランド製の和同開珎、蝶ネクタイ付きヒヨコの玩具にジャガイモを一緒に撮影してみました。このゼンマイを巻くと動くヒヨコの玩具ってちょっと大きくて使えるカップを選ぶと思います。トミーさんのはOwen製だと思うのですが、真っ直ぐ立ったままだと、少しカップが浮いてしまいます(笑)。向きを工夫すると何とか入るのですが、多分カップを開けたら歩きはじめることはできないかと



 まあそんなことはさておき、商品ページににある「超実践ネタ」というのは、本当だと思いますし、私の数少ないレパートリーとして紹介させて頂きました。