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カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Solid Three Shell Game by Leo Smetsers

2025-03-31 00:01:00 | スリー・シェル・ゲーム

 オランダのマジシャン&クリエータであるLeo Smetsers氏のスリーシェルです。これまでいくつか氏の商品をブログで紹介しましたし、その他多くの商品をリリースしている氏ですが、氏の最も代表的な商品はこの形のスリーシェルだと思います。

この商品を紹介したページがありましたので引用します。

Solid Three Shell Game by Leo Smetsers

また、ページ内にある付属DVDのイントロ動画も別で示します。


どこで購入したか覚えていませんが、10年以上前(15年位前?)に購入しました。DVDのケースにある氏はトレードマークである眼鏡をかけておらず若いですね(笑)

 商品は、以下のものがセットになっています(DVDの裏に書かれている表現)。

- 3 open cups

- 3 massive cups

- 1 extra cup

- 3 velvet storage pouches

- DVD with instructions

「cups」と表現しているのが面白いですね。「open cups」はシェルのことで「massive cups」はシェルと同じ形をしたソリッドシェルです。「extra cup」はシェルの上からかぶせるためのポールフォックスタイプのミニカップです。ミニカップはCNC加工で作られており、ショルダービードは3本、そこそこの重みのあるカップです。このカップも気になりこの商品を買いました(笑)。

 DVDでは、基本ムーブと3つの通常シェルのみで行う手順、最後3つのシェルがソリッドシェルになる手順の解説がされています。手順の動画を見て頂けるとわかりますが、氏の手順はまっすぐシェルを前に出したり、後ろに引いたりという動きがありません。氏のスチール方法は通常のスチール方法と微妙にことなり、横(から手前)に動かすような感じで動かしスチール&ロードを行います。改めるときも横に振るような感じで改めを行います。全体的にあまりシェルを動かしません。

 観客がここに入っていると思うところにミニカップをかぶせてもらいます。これも一つのポイントで、観客が選んだカップをこれですねと動かすときに全体スチールが可能ですし、最後はこのカップからピーが出てきて、あれ?シェルの中では?とシェルを開けると全てソリッドになっているという手順です。さらに、最後にはこのカップからカップよりおおきなジャガイモが出てきます。氏の出し方は少し特徴があり、底を強くたたくとまったり落ちてくるという感じの出し方をしています。というわけで手順の最後はシェルがソリッドにはなるわ、大きなジャガイモは出てくるわで、一般的なスリーシェルよりもインパクトのあるエンディングだと思います。

 シェルは、パームしやすいようにコインと同じようなサイズ(直径約35mm)とし、ピーのスチール&ロードで上下に動きにくいように重みのある(重さ約42g)シェルとなっています(ちなみにソリッドシェルは約94g)。また、氏のカップでもそうですが、シリコンのリング(黒色)が掛けられており、滑り止めの役目を果たします。シェルは円形ですので、おちょこと同様向きはありません。ピーはスポンジのような素材でよく使われてるピー(パーフェクトピーなど)に比べるとかなり柔らかいです。テンヨーのピーの素材に近いです。

 このセット商品は今では販売されていませんが、これが販売されて数年後に Alakazam Magicからこのシェル(ステンレス製)が商品化されました。

Three Shell Game by Leo Smetsers

New in from our good friend Leo Smetsers from Holland comes his beautiful take on the 3 shell game. Leo has designed and crafted the most beautiful stainless-ste...

Penguin Magic

 

真鍮製も商品化されています。

Three Shell Game (Brass) by Leo Smetsers

New in from our good friend Leo Smetsers from Holland comes his beautiful take on the 3 shell game. Leo has designed and crafted the most beautiful stainless-ste...

Penguin Magic

 

このセットには、ソリッドシェルはついておらず、通常のシェルのみです。また、以前はポールフォックスタイプのミニカップがついていましたが、その役目を収納ケースに持たせており、かなり持ち運びが楽になったと思います。サイズもぴったりです。

 私はちょっと理解できていないのですが、なぜか、同じような商品が販売されています。

Bullet Three Shell Game by Leo Smetsers

When you watch Leo perform the 3 shell game it

Penguin Magic

 

ケースが違うだけでシェルは同じじゃないかな?と思いますが、少しお安いです。Alakazam Magicとの契約の関係でこのような形のものを別でだしたのか…ご存知の方コメント頂けると幸いです。

 さらに、ソリッドシェルも欲しいという方向けに、ソリッドシェルのみの販売もしています。

Solid 3 Shell Game

"The Solid Three Shell Game" by Leo Smetsers is a real hit!If you already own Leo Smetsers

 

ソリッドカップになる実演映像です。


 そして、10万円くらいする銀製のコレクター用シェルも販売してます。16セット限定だそうです。こだわりを感じますね!

Silver Three Shell Game

Leo Smesters is proud to present the most beautiful collectors version of his Three Shell Game that will ever be created. This set is been personally commissione...

Holland Tricks

 

Leo氏はいろいろなシェルやピーも販売しています。ちょっと前に発売されたピーはかなり弾力性のあるピーです。

LS Peas

The perfect peas for the Three Shell Game. After many prototypes, Leo Smetsers has cracked the code with "LS Peas". They have the perfect...

 


ちなみにLeo氏の商品はマジックオフレコさんで多く扱っていますので、日本のお店で購入したい場合、検討されると良いかと思います。











Ricky Jay(リッキー・ジェイ)

2025-03-10 15:38:00 | マジシャン別

 今回はアメリカのプロマジシャン、リッキー・ジェイ(Ricky Jay)氏の紹介です。氏はアメリカで最も知識が豊富で熟練したマジシャンの一人とされていました(2018年72歳で亡くなっています)。数多くのテレビや映画に出演しており(ジェームズ・ボンド映画『007トゥモロー・ネバー・ダイ』など)、また、設立したコンサル会社では、マジックに関する専門知識と発明の両方を提供してします(フォレスト・ガンプなど)。さらに11冊の本を執筆しており、歴史家で収集家、、、とまあいろいろあり、本格的に紹介すると本1冊になりそうなマジシャンです(;^ω^)。マジシャンとしては、カード投げの名手とされ、一時期はギネスにものりました。

 彼の劇場での伝説的なショーとして「リッキー・ジェイと52人のアシスタント(Ricky Jay & His 52 Assistants )」というのがあり、その演技のフィナーレとして演じられているのがカップ&ボールの手順なのです。ショーのより多くの演目が見れる映像もYoutubeにありますが、カップ&ボールの部分の映像を示します。



51万回再生されてますね(;^ω^)

 カップ&ボールに関するサイトを見ていると、「誰の手順が好きですか?」みたいな話が出てきます。その中で結構な数で「Ricky Jay氏の手順が好きです!」という人がいます。実は私はそれで氏を知り(;^ω^)、氏のこの手順を見て、「なるほど、確かに素晴らしい」と思いました。カップ&ボールの手順もですが、それ以上に台本と演出がカップ&ボール好き、特に歴史に興味のある人にはたまらないのだと思います(笑)

 詳細ではありませんが、話している内容について述べます。

 まず、自分は信じないがと言いつつ、古代エジプトのベニ・ハッサン王のお墓に書かれた絵の話をし、ギリシャ・ローマ人のカップ&ボールの記述のこと、15世紀のオルムの「惑星の絵」にカップとボールを使っているマジシャンが描かれていることを話し、この数百年、いや数千年にわたって継続的に行われてきたこの古典マジックの自分のバージョンをしますといいます。

 レジナルド・スコットの「妖術の開示」で英語で初めてカップ&ボールについて述べられたと言い、当時のカップ&ボールで使われたのものの一つとして「ろうそく立て」があることに対応させ、テーブルにあるろうそく立てとボールを示します。次に、東洋では、陶器のボウルでプレイされましたと陶器を示し、西ヨーロッパでは、ブリキのような安価な金属のカップを使いましたとクラシックな形のカップを示します(カップの貫通もここでします)。

 今晩は理由は明かしませんが、お気に入りの銅で紡いだカップを使いますといって手順に入ります。手順ではカップ&ボールのマジックではなく、ギャンブラーの手順だと言って「スリー・シェル・ゲーム」の現象を行います。ここで、英国の競馬場では「シンブル・リギング」と言われていたとか、ハスラーの言葉では「ザ・ナッツ」と呼ばれていたなど、歴史的なことを言います。

 ギャンブラーではなく手品師はこれを少し違ったやり方で行います、といって魔法の棒を使って手に握ったボールを消します。カップ&ボールは伝統的に3つのカップと3つのボールを使って行われていました。17世紀のベストセラー『ホーカス・ポーカス・ジュニア』から、実際の手順を紹介しますと話します。

 ここからカップ&ボールの現象を起こしながら関連させてマジシャンの話をします。まず登場するのは、ニュールンベルクの小人、マティアス・バッチンガー(Matthias Buchinger)です。身長が70cmちょっとで、両足がなく、指のある手も無い彼が見事なカップ&ボールを行ったと言うマジシャンです。次に出てくるのは19世紀初頭に登場したボスコ(Bartolomeo Bosco)です。ボスコは「近代奇術の父」と称されるロベール・ウーダンも認めるカップ&ボールの腕前でした。それだけでなく、インパクトのある演出も加わり、高い評価を受けました。ボスコのお墓にはカップ&ボールの絵が刻まれています。ボスコの名は奇術師の代名詞となり偽物のボスコも現れていたようです。リッキー・ジェイ氏はここで、ボスコの演出について紹介しています。続いて登場するのがコナス(Conus)です。リッキー・ジェイ氏はコナスがこのように説明した..として、嘘の解説のシーケンスを行います。私はそんなことをしませんと言って、どこに戻るかというと、、、と言ってろうそく台の下、お椀の下、ブリキのカップの下からボールが出ます。

 ちなみにConusはそれまでカップ&ボールの演者がよく使っていた「Gibecire」(腰に巻いていろいろそこから取り出せる大きなポーチ)の代わりに、テーブルに付けた秘密のポケットを使ったそうです。

 最後はマックス・マリーニ(Max Malini)が出てきます。マリーニは3つのグラスを新聞紙で包み、ワインボトルのコルクを3つに切ってアスパラなどの茎でウォンドを作りカップ&ボールを演じたといって、ファイナルロードを示します。

 リッキー・ジェイ氏が、使っているカップはコンボカップで、その特徴がうまく使われていると手順だと思います。

 ちなみに、ここで出てきたマジシャン、Matthias BuchingerとBartolomeo Boscoについては、DeAGOSTINIのThe Magic No.5とNo.28で紹介されていますので、興味のある人はご参照ください。The Magicでマジックの歴史に関するコーナーが好きでした。もっといろいろ書いてほしかったです(T_T)

 Ricky Jay氏はMatthias Buchingerのことが好きで、彼に関するモノを集めたり、本に書いたりしています。氏の最後の著書は彼に関しての本です(だと思います)。

The World Wide Website of Ricky Jay


 Ricky Jay氏とは関係ありませんが、氏が演技と共に行ったようなカップ&ボールの歴史をコンパクト(9分)にまとめた動画がありましたので紹介します。カップ&ボール好きの方には気に入ってもらえると思います。

The Real Secrets of Cups and Balls | History of the Cups and Balls



 私もカップ&ボールの歴史を話しながら行う手順に憧れます(;^ω^)。自分もやってみたいですが、私の演技力やトーク力では聞いてる人が苦痛になるのでは?と思ってしまいます(;^ω^)。スクリーンの前で行い、話に合わせて登場人物や関連写真が表示されるような演出をやってみたいです。でもスクリーンを見て演技を見逃してしまうとかあるのでタイミングが難しそうですね。


 これまでこのブログで書いた関連記事のリンクも示しておきます。


Hocus Pocus Junior by Unknown, Steve Burton - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

SteveBurtonMagicが1997に出版した「HocusPocusJunior」です。1638年、初版が発行された「HocusPocusJunior」をSteveBurton氏がカリフォルニア州にあるHenryHuntingtonLibra...

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バケト3世(Baqet III)の第15墳墓の壁画について - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

カップ&ボールの演技では、「今から行うマジックは最も古くから演じられているもので…」みたいな話をしながら始める方も多いのではないかと思います。さらに「古代エジプト...

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Cups and balls worker: FISM

2025-03-02 20:18:00 | カップアンドボール

 カップ&ボールをしている人の置物(フィギュア)です。以前、Johnny Ace Palmer氏について紹介記事を書いた際、kerokero氏がXでポストされていたフィギュアについても紹介しました。このフィギュアが入手できたので、改めて紹介します。

 このフィギュアは台の上でテーブルを使い、カップ&ボールを演じている演者とそばに座っている犬が形作られています。テーブルには布がかぶせられているようにも見えますが、側面には「fism '88」と第17回FISM(1988年ハーグ)のロゴのようなものが表現されています。私は「fism」は読めるのですが「'88」はkerokero氏が書かれているのでそうかな、と思う程度で読み取るのは結構難しいです(;^ω^)

 大きさはおよそ下の台の横幅が7cm、奥行き4.7cm、高さ13cmくらいで、重さが約223gです。樹脂でできている用ですが金属風の雰囲気があります。

 マジックをしているのは1988年のFISMということで、ひげも生えてますしJohnny Ace Palmer氏ではないかというコメントを頂きました。もし、当時のことをご存知の方がいらっしゃいましたら、コメント頂けると幸いです。Johnny Ace Palmer氏だとすると、グランプリをとってからこの置物が作られたということになり、それだと、FSIM期間中に販売できるのだろうか?という気もします(;^ω^)

 ポーズは、現代のカップ&ボールの手順ではあまり見ないカップの持ち方、示し方であり、少し気になります(;^ω^)。一つのカップに大きなボールが乗っています。ウォンドもテーブルにおかれています。犬もいますしやはりストリートなんでしょう。

 もし、自分がカップ&ボールを演じているフィギュアを作るなら、どんなポーズにするか少し考えてみるのも楽しいかもしれません。でも、同じカップ&ボールでもマジシャンごとに印象的なポーズがあるような気もしますね(;^ω^)

 

 せっかくなので関連URLを示します。

以前、紹介したJohnny Ace Palmer氏

Johnny Ace Palmer(ジョニー・エース・パーマー) - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

マジシャンの紹介として、これまで自分がとても影響を受けたマジシャンを紹介しまして、次はトミー・ワンダー氏あたりと考えておりましたが、思い入れのあるマジシャンの記...

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kerokero氏が紹介されてるXのポスト

前回のJohnny Ace Palmer氏の紹介の時に紹介していない氏のカップ&ボール演技動画



以前紹介したカップ&ボールをストリートで演じているフィギュア


“The Street Performer” Fine English Pewter Limited Edition Figurine - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

前回BrianWatson氏のWatsonCupsを紹介したので、カップではありませんが、氏がプロデュースしたフィギアを紹介します。カップとボールを実演している昔のストリートパフォー...

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