腰を痛めてから、歩きが主流の生活になって十五年。
自転車にも乗れなくなってしまい、当時はずいぶんと落ち込んだものだ。
しかし、そのお陰で歩くのがちっとも苦にならなくなった。
だから、山に登ろうって気にもなれたのだと思う。
さて今回は。。。
耳成山、畝傍山に続き、大和三山の残す一つ天香具山へ向かった。
三山の中では二番目の標高だが、なだらかな丘の印象だ。
選んだ最短ルートは、階段・・・最後まで。
三山の中で、唯一登るって表現が合うかもしれない。
でも、面白味に欠け、つまんない。
などと贅沢をいうと罰が当たるよね~神聖な山だもの。
頂上から、畝傍山がポッカリ見えたのは嬉しかったけどね。
別ルートで南側へ下る。
天照大神の岩戸隠れが伝わる地で、巨石を祀った天岩戸神社があった。
三山を制覇したからには、原点に戻らなければ。
思えば、明日香との出合いは甘樫丘だった。
最後に上がったのが昨春の桜時季だから、かれこれ十か月ぶりのこと。
すっかり慣れた足取りで、心身ともに軽やかだ。
寒空に、裸木の枝が込み入った迷路を画く。
昔、昔、もっと昔、ここにはどんな空があったのだろうか。
まだ人の気配もなかったろう頃に。
頂上から望む畝傍山、耳成山、香具山。
自分の足で確かめた大和三山を、ひときわ身近に感じた。
甘樫丘は心の原点。
歩を止め、口を閉ざす。
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