その日突然、店頭から消えてしまった、このチョコレート。
病気予防に効果があると、テレビ番組で取り上げたのが原因らしかった。
私なんか、もっとずうっと前からマイブームだったというのに。
チョコレートは、その甘さが結構クセになる。
疲れた時などは、特に欲してしまう。
甘さが魅力のチョコレートなのに、カカオ含有量72%ともなれば苦いものと決めつけていた。
しかし、友達から食べやすいと勧められ、口にすると思いのほか美味しい。
それに、たくさん食べなくても満足できる。
今や、普通のチョコレートは甘すぎると感じるくらいだ。
とは言うものの、普通のだって目につくところにあれば、つい手が出てしまうんだけどね。
しばらくは、入荷待ち。
母が、今日のバレンタインのために買ってくれていたおかげで手元にある1箱。
大事に食べなきゃ。
思い返せば、昨年のバレンタインデーは、甘いチョコに囲まれていた。
うわぁ~、奈良みやげ。
それも、天平庵のお菓子だぁ。
3度ばかし、店内で頂いたことがあった。
あれから、2年半ほどの間ずっと気になっていたのが、朝焼きみかさ「大和三山」だ。
娘は、それをしっかりと覚えていてくれた。
さすがは看板商品。
食感といい、甘さ加減といい、非の打ち所がない。
とっても、私好み。
夕食後の甘~ぃひと時に、ほっこり。
お茶のアイスクリームとロールケーキの看板に誘われて、「お茶農家の店 茶のみやぐら」に寄った。
朝宮茶を製造販売する店舗で、アイスクリームを頂くことができる。
アイスクリームは、抹茶、煎茶、ほうじ茶、ミルクの4種類。
ミルクは候補から外すとして、あとの3種はどうしても味比べしてみたい。
それならば、淡白なほうじ茶から、煎茶、抹茶の順に試すのがよい、と助言してくださった。
ほうじ茶は淡白とは言えど、しっかりとした風味がある。
煎茶は、すっきりとした苦みと香りが際立った初めての味わい。
濃厚な抹茶はまろやかさがあり、貫禄の一品。
お茶屋さんならではの、こだわりのアイスクリーム。
中でも煎茶に心奪われる。
選べる器はカップかコーン。
コーンに大型スプーンで円錐形に盛られたアイスクリームは、食べ応え十分。
食べ比べに興じ、写真を失念してしまった。
アイスクリームの横のショーケースが気になる。
太巻きロールケーキが2本。
ここで、煎茶か抹茶の選択を迫られるのだが、珍しさゆえに「煎茶オトナロール」を購入した。
煎茶の味濃いスポンジで、黒豆入り生クリームがふんわりと巻かれている。
渋みと微甘味のバランスが絶妙。
コーヒー、紅茶、日本茶、どの組み合わせでも良し。
それにしても、忘れられないのは煎茶アイスクリーム。
三田屋でランチと洒落こんだ後のこと。
ここまで来たからには、ぜひとも寄りたい店があった。
テレビ番組で紹介されたスイーツが、頭から離れない。
それは、お菓子屋豆畑の『チーズのお山』
時間も時間なだけに、まだ残っているか懸念された。
陳列の一番左端に、チーズのお山を発見。
やったぁ~それも最後のひとつだよ。
何はともあれ、それをゲットし、後はゆっくりと順番に商品をチェックする。
その間、引きも切らず客の出入りがあり、常連なのか品選びも慣れた様子だ。
直径18cm、高さ10cmものまあるいお山。
切り分ける時のナイフは、半ば引力任せで沈むような軽い手応え。
その驚きに加え、当てがったフォークがシュワッと音を立てて吸い込まれ、誰もが感動を露わにする。
ひと口含めば、細やかな泡の結晶のような儚さで溶けゆく。
フォークは、皿と口をリズミカルに往復し、食べ出したら止まらない。
同じくテレビで紹介された人気商品、『芋っきー』と『黒っきー』も勧められ購入した。
店にとって嬉しい客となった私。
美味しくて、食べるのに夢中になり、それらの写真を撮り忘れてしまった。
芋クリームをホワイトチョコレートで、黒大豆餡をチョコレートでそれぞれコーティングし、クッキーでサンドした半生菓子は、日持ちするし手土産には最適だけど。。。
ちょっと遠いんだよねぇ。
週2回のウォーキング復路でポン菓子屋さんに出くわした。
いつものコースだが、初めての事。
幼き頃の記憶がスルスルと解けた。
ポォーン!!と弾ける音が聞こえると、町内がざわめき出す。
米と砂糖を準備する母の横で、私はソワソワと落ち着かない。
年に何度も、ポン菓子製造機を乗せたリヤカーが表にとまった。
材料の米と砂糖を持参し、それに見合った手間賃を払うと、その場でポン菓子を作ってくれる。
菓子の種類が今のように豊富とはいえない頃だから、作り立てのポン菓子は喜ばれた。
子供にとっては、作業の工程がおもしろくて目が離せない。
大砲みたいな大きい筒の中で何が起きているのか見当もつかないし、マジックを見ているようだった。
リヤカーは車に変わったけれど、機具や作業は同じだ。
米ポンは珍しくもないが、黒豆ポンに惹かれた。
袋詰めして並べてある。
勧められ試食をすると、サクサク香ばしくて美味。
1袋買って、「黒豆ポンの炊き込みご飯」のレシピをいただいた。
絶品らしいから挑戦してみよう。
ところが、後を引く美味しさに手が止まらなくなり、気が付けば時遅し。
でも大丈夫やわぁ。
レシピに連絡先が載っているもんね。
大きな饅頭の写真が美味しそうな看板広告。
前を通るたび、とっても気になる「はいチーズ」。
買い物ついでに店先をのぞいた。
実物を手にした途端、手応えのない軽さにウッと声を詰まらせ、次の瞬間には小っちゃ~と喉元まで出かけた言葉を飲みこむ。
馬鹿でかい写真から勝手に作り上げたイメージは頑強で、値段との不釣り合いが気持ちを一歩後退させた。
でも、食べてみたさが二歩しゃしゃり出て。。。
そんな訳で、箱入りを勧められたがバラで人数分購入した。
有料の箱など不要だもの。
見た目はありきたり。
割り口からのぞく真っ白餡。
アーモンドがたっぷりはいったクッキー風味の生地で、
クリームチーズを包み込んで焼き上げた新感覚和菓子です。
この説明に偽りはなかった。
ひと口で、もろにチーズを実感する。
濃厚でボリュームもあり、見ると食すとでは大違い。
また、邪魔しない程度の甘味が好ましい。
美味しいねぇ、と食べきれるサイズは、満足度が持続する程よい大きさだと気付いた。
==和菓子の仲間==
職場で、「きなこだんご」をいただいた。
同僚の差し入れだが、今まで知らずに損をしてたって思うほどに美味しい。
どこに売っているのかしら。
近鉄奈良駅、と声をそろえて返ってきた。
知らないのは私だけ?
暫くして、奈良へ出向く機会を得た。
近鉄奈良駅の改札を出ると、その構内にある「たまうさぎ」の店舗へ直行する。
営業時間を確認するためだった。
完売と同時に閉店とのこと。
帰りがけまで残っていますように。。。
その祈りが届いたのか、きなこだんごは夕方まで私を待っていてくれた。
さあ、我が家まで道連れだ。
うさぎの尻尾みたいな「きなこだんご」。
小振りで、ひと口サイズの五個一串。
単にきなこをまぶしただんごのイメージで食べれば仰天する。
きなこ球に小さなだんごが隠されたような作りゆえ。
分厚い大量きなこは、終始一貫して香ばしい。
明日は硬くなるので本日中にお召し上がりください、と注意されたが全く心配はないかも。
案の定、軟らかなうちに、すぐさま誰ものお腹に納まった。
次なるリクエストに応えられるのはいつかな。。。
「クロワッサンたい焼き」って、なに?
スーパーの一角で見つけたのぼりに吸い寄せられた。
1つずつ袋をかぶっている。
中身が見えない分、想像がどんどん膨らむ。
買って帰り、ジャァ~ン!!
姿を見せたのは、まさしくたい焼きだ。
大きさも定番たい焼きと変わらない。
たいの形をした餡入りクロワッサンじゃない、と言ってしまえばそれまでだが。
何はともあれ、ひと口食めば。。。
まんべんなくシロップがかかり、カリカリの新食感。
餡はあっさりとして、シロップとの兼ね合いが程よく美味しい。
もうチョット餡が多いといいのに。
う~ん、やっぱりパンだねぇ。
クロワッサン生地をたい型で焼きました~以外の何物でもないという商品だ。
1匹240円也は高価か否か。
四条通を歩くと、南座の向えに和菓子屋があり、白あんと赤あんの団子ピラミッドが目につく。
だが、いつも買う気がないから素通り。
店名すら知らなかった。
ある日、店先で立ち止まりゆっくり店内を見回す。
「祇園の月本舗 福栄堂」という店の、ピラミッドをなす団子が看板商品「祇園の月」と知る。
自分ではあえて買わないわよ~こしあんは余り好まないので。
でも、買って下さるとなれば話は別で、ありがたく頂戴した。
一見、苦手な赤福餅のミニ版って雰囲気がしなくもない。
まずは家人に毒見をさせてから。。。
美味しいんだ、赤福とは全く違うんだ~ならば平気よね。
うん、美味しい。
とても上品な甘さのあんで歯切れの良い餅をくるんでいる。
食べやすいひと口サイズなのもいい。
福井県勝山銘菓といえば、はや川の『羽二重くるみ』。
出合いは随分とさかのぼる。
情報源は忘れてしまったが、JR福井駅がまだ旧駅舎の頃に、その2階の店で買い求めた。
次は、勝山に帰省する知り合いに頼んで買ってきてもらった。
そこまで執着する理由は、食べた者にしかわからないよね。
それから時は過ぎ。。。
越前大仏前の勝山本店に立ち寄ることができた。
目当ては、羽二重餅に自家製の甘く煮詰めた和くるみを練り込み、シュー生地でサンドした『羽二重くるみ』だ。
入れ代わり立ち代わり訪れる客は、「〇〇と羽二重くるみ」「羽二重くるみと〇〇」と判で押したように告げる。
はや川の看板商品だけあって、飛ぶように売れゆく。
感心して眺めていたら、あとからの客にどんどん追い越されてしまった。
切れ端のおまけ付きだぁ~。
さっそく頬張って・・・うぅ~ん、美味い、この味だよ~。
家では、ちょっとばかし上等の煎茶を入れ、ゆっくりと味わった。
再び、天平庵の喫茶コーナーを利用させていただいた。
何かしら、この牛乳缶を模した陶器の中身は。。。
親切な見本が用意され、一目瞭然の3層仕立てプリン。
その名も「天平の酪」と、いにしえっぽさが漂う。
『 シルクロードを渡り、乳の文化がいち早く伝わった奈良で珍重された「酪」。天平庵では、良質の牛乳を新鮮な卵、生クリームなどの厳選素材と絶妙のバランスで混ぜ合わせ、じっくり湯せん焼きにしました。どこにもないなめらかな食感をもつ「天平の酪」。お口の中でとろ~りとろける食感をお楽しみ下さい。』
なるほどと思わせる説明がある。
また、食べ心地も「とろ~りとろける食感・・・」に偽りはない。
デリケートな卵と牛乳をそのまま詰め込んだような、まさに「酪」の味わいと究極のなめらかさ。
それをより引き立てる控えめの甘味。
ここまで上品なプリンを知ってしまうと、あとに続くものがなくて。。。
まさにミッキーマウスを逆さにしたような天平庵のロゴマーク。
実のところは・・・。
『天平庵のロゴマークは、大和三山(香具山・畝傍山・耳成山)をモチーフにデザインしました。
大和三山は自然が創り出した偶然でしょうか、畝傍山を頂点に見事なまでの間隔をなし、三角形のきれいな位置関係を保っています。その様子をロゴマークに表現してみました。』
だってさ。
失礼いたしました。
愛着ある大和三山と分かってしまえば、それに見えてくるから不思議だ。
ますます贔屓店になりそう。
って、まだ休憩のみの客だけれど。
スーパーで買った焼きプリンの賞味期限が迫っている。
冷蔵庫の扉を開けるたび、今は見なかったことに。。。