カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「2010年10月」。

2010-11-03 08:07:32 | Weblog
水。

水のないプールの底を撫でてゆく生まれたばかりの秋のてのひら

題詠blog2010:086~095。

始まりはほんの些細な水たまりだったのかもしれないね 海も

麗しい人へと贈るコスモスの風の丘にはやさしい揺らぎ

あてどない未来あなたに褒められる人差し指にマニュキアを塗る

気がつけば泡の世界の片隅に金魚のように暮らしています

昨日まで普通の街にゆっくりと恐怖の種が発芽してゆく

旅先が現れてくれるような旅をドラえもんなら叶えてくれる

痛烈なファールボールは何時までもファールボールに違いなかった

ゆきさきは何処なのですか願わくは全部森へと帰ればいいのに

漠然とした未来のような塊を川の底から掬い取るのだ

黒々と漂うものの寂しさを照らしてあげる懐中電灯

うたのわ。

紅い紅い意識をひとつ鞍に乗せ泣いていました跳ね馬の背

十時十分三十秒一日を二回だけ丁寧に三等分に切り分ける

繊細な歌を信じたアナログのレコード針はすり減ってゆく

ひかりある兎のぬいぐるみを抱いて月へと向うしずかな夜だ

画一にティッシュを配る僕たちのティッシュ配りが増え過ぎている

ミントガムみたいな切符にぎりしめ何処へゆこうか銀色列車

救済が在るとして巻き上げるカルボナーラに天のフォークを

妖精があらわれて卵料理をえいえんのいのちに変えてゆく

探しています惑星が水の星だった頃のありふれた魚の記憶

フラスコに時間旅行の真似をして理科教室の秋のゆうぐれ

液晶のパネルのなかの友達は嘘つきだけど優しいでしょう

透明な螺旋をひとつ上りゆく意味が空から下りてくるまで

もう忘れることがすべての湖に月のあかりをわけてください

間違えた黒鍵だらけのピアニカに明日の息を吹き込みましょう

あしたには風の吹く街飛ばされてやさしい空にあえたらいいな

音があるリズムがある揺れがあるそこで言葉は敵わなかった

ねえそこのコーヒーカップ二年前から使われなくてとてもごめんね

あしたがあるのあしたがあるのあしたには優しい夢をみせてください

疲労する僕たちの街の暗がりに浮動小数点を見かけたようだ

名前のない電車に乗って改札を抜ければ街は秋色でした

永遠の秋の音なら夕暮れを過ぎてゆくのに気がつきません

目の前に森が出来たら図書館を建ててあげようあなたのために

流れてゆく雲にあわせて流れてゆく僕という重さのないもの

それならばスカイツリーの高みまで昇れるひとの空に近いね

彗星の軌道のうしろ尾を掴みついてゆくならしあわせがいい

ゆつくりと出迎える君あるように薔薇の門柱いとおしく庭師

明滅のイルミネーション届くなら泣き顔の君よろしければ笑顔

思い切り補助輪なしのダッシュしてきっと貴方が支えてくれる

鎌倉の海の記憶は潮風の鳩サブレーが塩味だった

それはそれは秋の夜を研ぎ澄ます明朝体のような三日月

流星の東の空の憧れにこの子は何処にゆくでしょうか

つかのまのひかりのような日常を拾いあつめるまちがいだろう

いまさらっていう感じで僕は蝉の抜け殻なんかを見つけてしまう

秋の音はMP3変換に取り込まれ微かiPodはブルーなのです

しにたいという程ではないが手段なら僕の未来にありふれている