マドンナのナイショ話

あなたに話したいあれこれ

安全というものさし

2005年06月20日 | 私の想い
asahishinbun050620

昨日、JR宝塚線(福知山線)が再開した。
55日ぶりの運転だ。
死者107人、負傷者550人を出す
前代未聞の大惨事となった脱線事故。
この事故をきっかけに
JR西日本は安全の基準の甘さを浮き彫りにした。

日本中で一日どれくらいの人が電車に乗るだろう。
安全だと信じて疑わなかった神話が崩れた。
そして事故はいつ起こっても不思議でないのだと
そんなことを本当に考えるようになった。

週に2~3度JR阪和線を利用する。
電車の1両目に乗ると、降りる時都合がいい。
改札口に近いのだ。
けれどあの事故以来、1両目と2両目を避けている。

運転経験の浅い運転士が何百人という人の命を預かって
レールの上を走る。
マニアルとプレッシャーに心制して運転していた。
たくさんのことが明るみに出ると乗客の不安はつのる。
私の命はこの運転士に委ねられているのだと。
「おいおい!しっかりしてくれよ」と声をかけたくなる。

JR宝塚線は乗客の安全を守るために制限速度を落とした。
たくさんの犠牲者の上にやっと改善された。
速度より安全が重視だよと声を大にして言いたい。

陸の安全が問題になっているさなか
先週は日本航空の機体の前脚タイヤが外れた。
このボーイング767型機は
着陸時に機体が大きな衝撃を受けていたという。
身を投げ出されるほどの衝撃だと乗客は話していた。

そして翌々日には全日空機が離陸後まもなく操縦室に煙が発生。
急遽、大阪空港へ緊急着陸している。
その3日前にも全日空は高度計のトラブルが発覚したばかり。

他にも乗務前12時間を過ぎても機長らが飲酒。(ANA)
客室乗務員が配膳用カートや機内食用トレーを
しまいきれずに着陸。(JAL)
航空法で乗務が禁止された病気を隠した機長が3年間乗務。(JAL)
こんなトラブルが過去にあった。

日航ジャンボ機墜落事故から20年。
「空の安全」が揺らいでいる。

空も陸も安全でないとすれば、私たちは何によって輸送されるのか。
5分、10分早く着かなくてもいい。
安全にさえ輸送してもらえればいい。
機長も運転士も生身の人間だ。
過酷なプレッシャーに耐えられるはずがない。
私たちは神様じゃないこと、私たちは人間であること
いつも謙虚な気持ちで受け止めたい。

「安全のものさし」を見直す時がきている。
命の重さ、命の尊さを今一度考えるべきだと思う。

JR宝塚線の事故からもうすぐ2ヶ月。
電車は開通したけれど、遺族の心の傷はいつまでも癒えない。





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