六枚目のコイン

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前世からの記憶とカルマの解消法(7)

2019年01月24日 18時51分23秒 | 未来
おっと、ここで「因縁」についての説明をしておかなければいけませんね。
少し戻ります。
前にも申しましたが、
後期大乗仏教の華と言われる密教ですが、
その修行法について少しお話をしておきたいと思います。

密教は、大乗仏教の最後に展開した仏教です。
成仏するためにどういう方法を採ったのか?
もちろん、
密教は仏教でありますから、お釈迦様の説かれた「成仏」を目的としています。

では、「成仏」とは何か?をあきらかにしないと、
一体何のことかわからなくなるので、
その点から説明したいと思います。

お釈迦様は人間という存在をどう見たのか?
というと、「四門出遊」でも分かるように、
釋迦は人間を「苦」の存在だと規定しました。
人生は苦しみに充ちていると。人間の存在自体が「苦」であると考えた。

なぜか?世の中には、様々な人間がいる。
高い地位の人、身分の低い人、金持ちの人、貧しい人、家庭に恵まれた人、そうでない人。
頭の良い人、そうでない人、美人の人、不美人な人。
いろいろの生まれた最初から、様々な境遇の人がいる。

それはどこから来たのか?と聞かれて、
それは業の違いによると。
業の違いによるとは、人が前世において為したところの行為である。
その結果、
様々なカルマが生じて、現在の生まれと境遇に住んでいるというのである。
                    
業によって貴人なのであり、業によって貧しいのである。
業によって気高いのであり、業によって卑しいのである。
業によって美人なのであり、業によって悪人なのである。
業によって殺人者なのであり、業によって被害者と成るのである。

            (以下、『スッタ・二パータ』を参考)

密教では、業によって生じたこれらの「苦しみ」を分類して、
運命上の星として編成する。
そして、
その苦しみを生じる運命上の星をつぶす修行法に入るのである。
修行者は各自に応じた課行・開業を授かり、
悪業消滅の行に入るのである。

確かに、密教占星術によって人の運命を見ると、
ことごとくその星の通りに人生が進んでいくのが分かる。
この占星術に通じると、その人の先が読めるのだ。
その先、
どんな縁を得て、どういう人生を歩んで、どういう病気を患って、
そういう死に方をするのか。
その縁談はどういう結果を招くか。

その運命の星が行く手を暗示する。
それ故に、
不幸な苦しみの人生を辿らせることになる星を消滅させる修行に入るのだ。

結果、前世からのカルマを断つことが、解脱への道につながるのであります。

(凖胝如来を本尊とする《大白身凖胝尊千座行》という行法があります。
これなどは代表的な悪い運命の星を消していく行法です)

         参考:『人間改造の原理と方法』より  


          
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