続・続 悪因縁洗い出し現象

長い厳しい行である、

洗い出しを受けている間、

私は本当に苦しい思いをしたわけです。

その間、

もう耐えるしかなかったわけですが、

もう生きているのがやっとという状態でした。

そうして、病気でも怪我でも、

元に戻るまでに時間がかかるように、

皮膚にできた瘡蓋（かさぶた）が、

ポロリと落ちてゆくまでの間、

私は萎縮してしまった自分の心を、

なんとかして開放したい思いで、

市内のライブハウスに、飛び入りで

歌いに出かけていったのです。

その効果は絶大で、

一挙に私の心は本来の自由さを取り戻したのでした。

ああ、やって良かった！という思いで、

私は救われたのです。

癒しの効果を十分に得られて、

生き返った気持ちで自分自身を振り返って見た。

そうすると、

自分の心から悪しき心＝抑圧意識が取れているのが分かりました。

怒りの心が消えているのです。

家内から嫌みを言われても、あまり真に受ける気持ちが湧いてこないんです。

自分が平静でいられることを、喜ばしく感じるとと同時に、確かに変わったと感じたのです。

その変わった気分で見ると、自分の体験した洗い出しが、

煩悩を解消し、カルマを解消していることを実感した。

そうすると、

煩悩は悪しきカルマから生じているように思えた。

“一切諸法は自性清浄なるが故に、我もまた自性清浄なり”

と言われますが、

抑圧意識も悪いカルマも煩悩も、ある意味、一体であるように感じたのです。

体験してみると、

言葉で説明されていることが、

具体的体験のあとでは、少し違うのが感じられたのです。

今回のと言って良いのか、

洗い出しの特徴は、

前生に於いて為した行為の「報」が、

今生に於いて出てくる、

と説明すると良いかと思います。

少なくとも、

今回の経験では、それが分かったわけです。

ですから、

因縁の洗い出しは、とにかく理不尽だと。

それが正直なところですね。

前生に為した行為の結果、

前生で報いとして、責任を問われるのではなく、

次の生に於いて問われるわけですから、

これを理解するのは難しいと思います。

前生が分かって初めて、

今起きたことの理由が分かるわけですから。

これは大変なことです。

　そういう意味で、

仏道修行を進めていく上で、買えられない体験をしたように思ったわけです。

そうして、

私はシダゴンであることを確信したのです。

そして、

もう一度、やり直しだなと思ったんです。

私たちは、この上ない素晴らしい仏法にご縁をいただいたことを、

ありがたく感謝申し上げ、

必ず仏果を成就することをお誓いしなければと、

改めて思ったしだいですね。

　　　　　　　　　　　　　合掌