音楽の喜び フルートとともに

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ディーリアスのカッコウ

2022-05-23 21:12:11 | 近代
雛桔梗草(ヒナキキョウソウ)がたくさん里山のあぜ道に咲いていました。
野の草は小さいのでよく見ないとわかりません。

フィールドワークに余念のない生物オタクたち。
今年初めてのコクワガタを捕まえ、観察して帰しました。

フレデリック ディーリアス(1862-1934年)
イングランド ブラッドフォード生まれ、フランス共和国グレ=シュル=ロワン没

は1912年「春初めてのカッコウの声を聞いて」を書いています。

ディーリアスはオランダ系の血を引くドイツの裕福な商人の家に生まれます。父は一旗上げるためにイギリスに移り住みました。

4男10女の次男として生まれ、一度は経営を学ぶために、アメリカフロリダ州のオレンジ栽培のプランテーションに送られますが、黒人音楽を学び、2年で帰国。

フロリダのプランテーション

1888年にライプツィヒ音楽院で学び、ここで終生彼を支えるエドゥアルド グリーグ(1843-1907年)

に出会い、熱心に作曲を勧められます。

1907年パリで出会ったヘレーナ ゾフィー エミリー ローゼン 
通称イェルカ ドイツの画家と結婚し、彼女の実家のあるフランス グレ=シュル=ロワンに移住、終生そこに、住みます。

イェルカの描いたディーリアス

この頃から彼女の受け継いだ遺産がディーリアスを支えました。

二人の間には子どもはなく、イェルカは度々女性関係に悩まされます。

また彼はこの頃梅毒に感染。 
1918年頃から視力を失い、手足の麻痺に陥ったディーリアスを、献身的に介助し、最後には彼女自身大腸癌を患いながら介助し、1935年、彼を看取ります。


「春初めてのカッコウの声を聞いて」は、
「小オーケストラのための2つの小品」のうちの一曲です。
もう一曲は「川面の夏の夜」。

イェルカとの結婚生活の初期の作曲。

オーボエやクラリネットによるカッコウの鳴き声に誘われて、
テーマのノルウェー民謡「オーラの谷にて」が演奏されます。