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映画『ラストマイル』

2024年08月25日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

「ラストマイル」とは、
物流サービスで使われる用語で、
荷物を顧客に届ける
配達員の最後の区間、を意味する。
                                        Amazonを彷彿させる、
世界規模のショッピングサイト
関東センターのセンター長に、
舟渡エレナが新たに赴任して来る。
迎えるのは、関東センターのチームマネージャー、梨本孔(こう)。
時は11月のイベント、ブラックフライデー前夜。
配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。
当初、新発売のスマホに原因があると思われたが、
事件が続発すると、関連性のない商品が爆発していた。
共通しているのは、
関東センターを通じて発送された商品であること。
しかも、巧妙に犯罪予告がされており、
爆弾の数は12個あるという。
犯人の意図は何か、
どうやって爆発物の入った商品をセンターに持ち込んだのか。
捜査が進むにつれて、
配送物の特定や追跡でラインを止めざるを得ない事態となり、
物流が止ってしまう・・・

日本の経済を支える要素の一つに物流があり、
そこに潜む闇に切り込んだ点で、大変現代的な作品だ。
医療品の配送が止ると、
手術さえ出来なく、患者に死に至らしめるなど、
深刻な事態が現出する。

夜に注文した商品が翌日午後には届く、という驚くべき仕組みに
どんなシステムで運用されているか興味があったが、
その一部を垣間見せてくれる。


社員スタッフは数人で、
実際の作業は、
何千人もの派遣社員によってなされているなど、
ちょっと驚きだった。

加えて、下請け流通業者の問題や
末端の配達員の問題など、
奥行は深い。
なにしろ、配達員の収入は荷物1個につき150円、
不在で持ち帰れば、全く金にならないのだ。
一日200個配達して、休みなく働き、
突然死した配達員の話など出て来る。
「すべてはお客様のために」という企業理念のまやかし
アメリカ本社との確執を含め、
巨大流通業者の問題に切り込んだ志を買いたい

捜査が進むうち、数年前のセンター内での落下事故で
植物人間になった社員の存在が浮き彫りになり、
犯人像も現れて来るのだが、
どうもこの犯人の動機も行動も納得できない。
だって、落下した本人はまだ死んでいないのだから。

テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の
監督・塚原あゆ子と脚本家・野木亜紀子が再タッグ。
「アンナチュラル」「MIU404」の出演者が多数出て来るが、
それほど深刻に絡むわけではない。
両ドラマを観ていない人に不親切な展開。

舟渡エレナには満島ひかり、好演。


梨本には岡田将生


事件に巻き込まれる関係者で阿部サダヲとディーン・フジオカらが出演。

それにしても、セリフが聞き取りにくいのは、何とかならないか。

物流の基本姿勢は、
「より早く、より安く、より多く」
のようだが、
もう少しスローでもいいのではないかと思うのは私だけだろうか。

5段階評価の「4」

拡大上映中。

 


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