空飛ぶ自由人・2

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映画『チャーリー』

2024年07月06日 23時00分00秒 | 映画関係

〔映画紹介]

南インドで暮らす男ダルマは、
職場でも自宅の近所でも偏屈者と言われ、
酒とタバコとチャップリンの映画だけを楽しみに生きる
孤独な日々を過ごしていた。
そんな彼の家に、
悪徳ブリーダーの劣悪な環境から逃げ出してきた
ラブラドール・レトリーバーが住み着くようになる。
犬嫌いのダルマは何度も追い払おうとするが、
いつしか心を通わせ、犬にチャーリーと名付けて家族になる。
しかし、チャーリーが血管肉腫で余命わずかであることが判明。
ダルマは雪が好きなチャーリーに
本物の雪景色を見せるため、
サイドカーにチャーリーを乗せてヒマラヤを目指す旅に出る・・・。

南インドからヒマラヤを目指しての旅。
大旅行である。
途中で金が尽き、
サイドカーを売って、
旅芸人の一座の車に便乗したり、
犬を抱えてバスに乗ったりして、北を目指す。
しかし、渋滞に巻き込まれた時、
チャーリーの命は尽きようとしていた。

普段、病気で人が死ぬ映画は極力観ないようにしているのだが、
途中で、いけね、これ、犬が病気で死ぬ映画だ、
と気づいた。
時既に遅し。
哀しい結末を見続けることになる。

とにかく、犬が名演技
里親に引き取られる時、
ダルマのことを振り返り、振り返りしつつ連れて行かれる様。
犬好きなら、落涙ものだろう。
哀しそうな演技、嬉しそうな演技。


↑のように、手がモノを言う。
アカデミー賞に「主演女犬賞」があったら、受賞確実。
猫ではそうはいかない。

ただ、長い
インド映画の宿命だが、長い。
途中休憩が入るが、日本では続けて上映。
いくつか不要な挿話があるが、仕方ないのか。
特に、犬の競技会の話は不要だし、作為が目立つ。
とにかく、詰め込み過ぎ。

ラストのくだりも、あのは何だ。
雪が降っただけでも奇跡なので、
小屋のわずかな吹き溜まりでチャーリーと遊ぶようには出来なかったか。
死期が近いのに、雪の中を走り回るとは。
これも、ダルマの幻影の中での出来事には出来なかったのか。
あそこは、立ち上がることの出来ないチャーリーと
黙って雪をみつめるダルマにし、
リアルにしたら、泣けただろう。
そして、最後の命をふり絞って子どもを生むようには
できなかったのだろうか。
初長編監督キランラージ・Kの若さ故の勇み足

ただ、要所要所に出て来るが泣けた。
歌でつなぐのは、日本でいえば浪花節か。

大国インドには言語の問題がつきまとうが、
「サンダルウッド」と呼ばれるカンナダ語映画として
歴代5位の興行収入を記録したという。
カンナダ語映画界の人気スターである
ラクシット・シェッティが主演・プロデューサーを務めた。             
とにかく犬との愛情交歓だけで1本の映画を作った、
その気力に賛辞を送る。


5段階評価の「3.5」

新宿ピカデリー他で上映中。

 



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