YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

タコメーター回路解析と改造

2020年12月16日 | YB125SP電装系

 先月タコメーターを修理した時に宿題にしていた事を
実行してみたよ。
YB125SPの実装部品の回路解析と針の動きを改善する改
造なのだ。
分解から改造まで概要を書いてみるけれど電気・電子・
機械の作業に詳しいか経験が豊富な人以外には再現性が
難しい内容だと思う。

 メーターアッシーはここまで分解する。

埃が入らないように室内で行い、指紋など油脂がつかな
いように手を洗って新品の作業手袋をはめると良いだろう。

 針を外す手順。

可動コイルを指で動かし針が1000回転を指す位置にペン
で印を書いておく事。
これをやっておかないと、針を戻す時に位置が不明にな
って表示が大きくずれてしまうのだ。

 針を抜く。

表示板を厚紙で養生してからフォークでテコの原理を使い
真っ直ぐ抜く。
運が良ければフォークを使わなくても指で抜ける。
針を外したらねじ止めされた表示板を外す。

 これがタコメーターの部品構成だ。

広角可動コイル型メーターという構想だとの事で、針の
移動速度は磁気的・物理的な制限を受けて大きく変える
事ができないのだ。
とりあえず各部品の定数を読み取る作業を進めたよ。

 陰で見えない部品は外して読み取る。

コンデンサーを外したらダイオードが見えたけれど、表
示が読めなかったのでダイオードまで外して読んだ。
7.5V 1Wのツェナーダイオードだった。

 謎の部品。

セラミックコンデンサーで無いしサーミスターでも無い。
表示の記号をWEB検索したらPTCタイプのポリスイッチ
だった。

 やっとの事でYB125SPのタコメーターの回路図が描けた。

これが分かれば電気的な故障を判断し修理するのに参考に
なるだろう。
制御ICはUTC225の他に互換ICのCP1005やBAK225が存在する。
まあ普通はメーターアッシーごと輸入して交換だろうけれ
どな~。w

 さて、せっかくここまで分解したんだから、ちょっと改
造を試みたよ。
エンジン回転の上昇に対して針の動きが遅れて追い付いて
いない現象を改善したいのだ。

 たぶんこのコンデンサーが原因だろう。

低回転時の針の振動を消すためのダンパー効果をC4の電
解コンデンサーでやってると想像した。
搭載コンデンサーの中で一番静電容量が高い。
これを470μFか330μFに交換すれば充放電特性が変わって
針の応答速度が速くなるはず。

 この1000μF10Vの電解コンデンサーを交換。

用意したのは470μFと330μFの二種類で耐圧は10Vのもの
が入手できなかったから上の16V用を買った。
物理的寸法を心配したけれど幸い純正品と変わらないの
でポン付け交換可能だ。
ハンダ作業に長けている人なら簡単に実行できるだろう。

動作の違いを確認するための実験として、最初に大きく
静電容量を下げて330μF16Vに換装してみた。
表示板をネジ止めし、最初に付けた印に合わせて可動コ
イルを動かし1000回転の位置で針を差し込み、メーター
アッシーを元通りに組み立てて車載する。

 始動直後の低いアイドリング時の針の動き。

動画でお見せできないのが残念。
予測通りに低回転時のパルス信号に合わせて針がプルプ
ルと震えていた。
イギリスのクラシックカーのタコメーターみたいに躍動
的な感じでカッコイイ。w

 十分暖気してから走り出しててみる。

予想通りに応答速度が速くなって1速2速での加速時に
チラ見するとエンジン回転音に対して追い付いてくる。
ただし下降特性は磁気回路と機械的要素で大きな改善は
起きなくて、若干早く針が落ちる程度で終わった。
これで気持ち良いタコメーターに改善できた。
改造後に仏舎利塔へツーリングに行き、針の動きとエン
ジン回転の同期を心地よく楽しめたよ。

アイドリング時の針の振動をもう少し抑えたいなら470
μFが
適当だろう。
WEB検索で見かけた色々なタコメーター回路図の中で
470μFを採用している例もあったから適正範囲内だと思
う。

 以上、かなりマニアックなタコメーター改造の例で
した。



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