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東ティモール警察創立3周年記念式典にて
2004年
マリ・アルカティリ首相は、インドネシア支配時代は、アフリカのモザンビークで亡命生活を送っていた。そのため、闘争の象徴であるシャナナ・グスマンやノーベル平和賞のラモス・ホルタに比べ陰の薄い存在だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/89/dae6eb41ccf7ea828f242bd2a13387d2.jpg)
ほとんどの閣僚が出席したこの式典にも、グスマン大統領の姿はなかった。
2004年
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2004年
そしていま、治安維持権は国際軍に移譲し返された。
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2004年
(長谷川氏は現在、国連東ティモール事務所代表)
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「独立」一周年記念式典にて
2003年
両者が笑顔で向かい合うことはもう二度とないだろう。
実際のところ、アルカティリ氏は人相があまりよくないし、報道されている写真はアルカティリ氏の無愛想な表情ばかりなのが悲しいです。
ただ、政治とは能力だけが問われる世界ではないです。全国民の生活を背負うということですから、まず第一に国民生活を考えられる人でなければならないです。
残念ながら、アルカティリ首相は、一番大事なものが欠けていました。
ベネズエラのチャベス大統領が、ブッシュとアメリカを向こうに回して、いまだ健在に戦い続けられているのは、ひとえに、国民の信頼があるからです。
南米がチャベスを生むのに500年かかりました。
アルカティリ首相の傲慢な発言には、驚きます。
僕には彼がなぜこのような発言をしてしまうのか、理解できませんでした。
中司さんにいわせると、「権力に酔っている」のですね。
僕は個人的に、彼は東ティモールでは少数派(ムスリム)で、背も低く外見にも魅力がないから、そして、国民的に人気のあるグスマンやホルタに囲まれて、それでこのようにひねくれた性格になってしまったのかな、と推測しています。
アルカティリと同じくらいに能力があり、そして人間的にも魅力の感じられるリーダーが登場してくれればと思うのですが。
ホルタ氏はあまりに考え方が西寄りのように思うのです。彼が911のテロのときに米国に当てた手紙を読むと、そのように感じます。
http://www.asahi-net.or.jp/~gc9n-tkhs/usngo.html
グスマン氏は僕はとても好きなのですが、彼は理想主義者で、現実的な行動ができないように感じるのです。
権力を持つことによって、誰もが自分に従い、追従を述べ、そして人々を自由に操れます。かつて、ホルタ外相がアルカティリ首相を批判した時、翌日には発言撤回会見を開きました。会見中のホルタ氏は、落ち着かない様子でした。
権力というのは、合法的な麻薬です。これに勝る麻薬はこの地上には存在しないと思います。権力の魔力の前では、崇高な理想や熱い情熱も、瞬く間に剥ぎ取られてしまいます。
権力は分散させなければならないのですが、権力者は権力を集中することに努めます。アルカティリ首相も、かなり努力したようです。おそらく、権力の持つ魔力というものには、限りがないのだと思います。
使いきれないほどのおカネを持っていても、人はそれでもさらにおカネを増やそうとします。権力もそういうものなのだと思います。ただ、権力を持ったことがないので、絶対とは言い切れませんが。
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ノーベル賞平和賞を受賞するためには、反欧米的な考えを持つことは禁物でしょう。ノーベル平和賞は国際的な政治力学の駆け引きに使われることが多いように思います。ブッシュ大統領と小泉純一郎氏が受賞する可能性もないとは言えないです。ラモス・ホルタ氏がアメリカの世界政策を批判することはありえないと思います。
ノーベル平和賞受賞者で、アメリカのアフガニスタン政策、イラク政策を批判している人がいるかどうかを調べてみるのも面白いかもしれません。たぶん、いないと思います。
シャナナ・グスマン大統領も、決して欧米の政策を批判しませんし、正義の遂行にも興味はないようです。インドネシアの犯罪を追及することよりも、インドネシアと経済協力をして、東ティモールの経済的安定を優先するというのが彼の考えです。インドネシアの犯罪を追及する東ティモールの重大犯罪部の仕事には、常に非協力的です。現実主義者と言えなくもないですが、国民は納得していないです。
今後、親欧米的なこの二人を中心に、東ティモールの国政は運営されていきます。
おそらく、実質的なオーストラリアの傀儡政権になるでしょう。