報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

米イージス艦はなぜ高知をめざすのか

2006年05月18日 23時45分59秒 | □イージス艦宿毛寄港
イージス艦宿毛寄港打診 県が核の有無照会中
 米海軍が核兵器の搭載も可能なイージス艦の宿毛湾港への寄港を県に打診していることが、8日までに分かった。予定では今月23日から4日間停泊。県は県議会の決議を基に、核搭載の有無を日米両政府に文書で照会中。橋本大二郎知事は9日に今後の対応を検討する方針だが、橋本県政は平成11年の県議会2月定例会で外国艦船が核兵器を搭載していないことを外務省に証明するよう求める「非核港湾」の条例化を目指した経緯(継続審査の末に廃案)があり、判断が注目される。
2006年05月09日
http://www.kochinews.co.jp/0605/060509headline01.htm#shimen1

全国ネットではほとんど報じられていないが、アメリカのイージス艦が高知県宿毛(すくも)湾にやってくる。戦後、高知には外国艦船が寄港したことはない。それが今なぜ突然、宿毛にイージス艦が立ち寄ることになったのか。公式には「親善と休養」ということになっているが、そんなものを額面どおりに受け取れるわけがない。

米国防総省は意味のないことは絶対にしない。あらゆる行動には理由がある。シンガポールからハワイに帰るだけなのに、わざわざ宿毛で休養をとる必要があるとは思えない。それとも、海軍兵士はそんなにヤワなのか。

1997年、高知県議会は「県の港湾における非核平和利用に関する決議」を全会一致で可決し、県内のすべての港で非核三原則を守ると宣言した。つづいて1999年、橋本知事は、「非核神戸方式」を県議会に提案した。これは、外国艦船入港時に非核証明書の提出を義務づけるものだ。

しかし、高知県のこうした動きに対して、外務省は猛反発した。「外国軍艦の寄港を認めるか否かは国の事務。地方自治体が関与、制約することは許されない」との見解を示した。当時の小渕恵三首相も橋本知事の動きを批判した。橋本知事の「非核神戸方式」は廃案となった。
http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000000605100003

その頃、宿毛湾では、池島地区と呼ばれる広大な地区が埋立中だった。1993年に着手され、2001年頃にはほぼ完成している。この広大なエリアはいったい何のために埋め立てられたのだろうか。この岸壁は水深が約13メートルもある。かなりの大型船の停泊を想定して設計されたということだ。しかし、大型船による商業航路の予定はいまのところない。おそらく今後もないだろう。産業がないのだから。

池島地区の埋め立てが完成する頃に、外務省が高知県の「非核神戸方式」を叩き潰したのは、単なる偶然なのだろうか。

宿毛湾には、大戦中、日本海軍の訓練泊地があった。戦艦長門を旗艦とする連合艦隊が訓練の合間に休息した港だった。宿毛湾は、深く切れ込み、水深も深く軍港にはたいへん適している。日本には数少ない天然の軍港と言えるかもしれない。

一連の流れから見ると、国は宿毛湾を米海軍の基地として差し出すつもりであると考えるのが妥当だろう。水深13メートルの岸壁を持つ広大な池島地区が、地方切り捨て政策で疲弊する人口2万の都市に必要とは思えない。イージス艦”ラッセル”は、将来の基地の下見に来るのだろう。

米国防総省は、米軍再編費用は3兆円などと気軽におっしゃる。
米軍再編といっても、気がついたら基地が増えているということになりかねない。
しかも、われわれの税金を何兆円も使ってだ。
これ以上日本に米軍基地を造らせるわけにはいかない。
宿毛以外にも、われわれの知らないところでこうした動きが進行しているのかもしれない。


宿毛湾港 航空写真
http://www.pa.skr.mlit.go.jp/kouchi/A/A13.html
高知新聞電子版
http://www.kochinews.co.jp/


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2 コメント

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気がついたら基地強化 (ひろゆき)
2006-05-20 01:57:41
神奈川は基地強化でたいへんなことになっています。

キャンプ座間への米日新戦争司令部の配備、相模総合補給廠への戦闘指揮訓練センターなどの配備、相模原住宅地区への米軍住宅の増設も示されています。そして横須賀への原子力空母の配備計画、などなどです。

だいたい独立国で首都のこんな近くに外国の軍事基地がある国なんてないはずです。

そんな国づくりをすすめている人たちが、教育基本法を変えて、「愛国心をもて」というのですから、変な国です。
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ひろゆきさんへ (中司)
2006-05-21 11:45:16
コメント、TBありがとうございます。



相模原には縁があってよく訪れます。

巨大な相模総合補給廠は、何か別世界の存在のように感じます。そこで何が行われていても、まったくわからないです。



米軍再編というのは、見せかけの削減があるだけで、実際は基地の強化拡大だと見ています。

そのために、2兆とか3兆とかいうわれわれの税金を使うつもりなのでしょう。実際に「再編」がはじまれば、4兆、5兆にふくれあがる可能性もあります。

国内の公共事業のカラクリと同じだと思います。



こんなふざけた行為は、なんとしても止めなければならないです。
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