この部分だけが平野部をなしている。
ピピ島のその他の地域は、山岳部をなしている。
津波は、南西の方角、つまり地図上で左下から押し寄せたと思われる。
そのため”ひょうたんの底”の部分が津波の勢いを、ある程度かわしたのではないかと考えられる。
トンサイ湾側の海岸線は大きな被害は受けなかった。
津波の力は、明らかにローダラム湾からトンサイ湾に向かって抜けた。
ただし、トンサイ湾側からもある程度の力を持った波はきたようだ。
”両側から、津波の挟みうちに遭った”という報告もある。
このくびれの部分は、海抜ゼロメートルの平地である。
トンサイ湾側からの波は、それほど大きな破壊力は持っていなかった。
ローダラム湾に正対しているため、まともに津波の圧力を受けた。
この建物の右側半分は、完全になくなっていた。
あとから人の手によって、壁は撤去されたのではないかとさえ思った。
津波の破壊力というのは、瞬間的なものではなく、持続的で強力である。
ローダラム湾の波打ち際に建っている。
一階はほぼ全滅。ところによっては、二階の部屋まで津波が突き抜けている。
津波の力にかろうじて持ち堪えた。
背後の山の斜面のバンガロー群はほぼ無傷だ。