報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

津波の破壊力

2005年07月02日 17時26分49秒 | ●津波後のピピ島

津波被害は、ローダラム湾とトンサイ湾に挟まれた、くびれた部分に集中した。
この部分だけが平野部をなしている。
ピピ島のその他の地域は、山岳部をなしている。

津波は、南西の方角、つまり地図上で左下から押し寄せたと思われる。
そのため”ひょうたんの底”の部分が津波の勢いを、ある程度かわしたのではないかと考えられる。
トンサイ湾側の海岸線は大きな被害は受けなかった。

津波の力は、明らかにローダラム湾からトンサイ湾に向かって抜けた。
ただし、トンサイ湾側からもある程度の力を持った波はきたようだ。
”両側から、津波の挟みうちに遭った”という報告もある。

トンサイ湾からローダラム湾側をのぞむ。
このくびれの部分は、海抜ゼロメートルの平地である。


平野部は、ほとんどが更地と化した。






残骸がなければ、もともとそういう風景であったように見える。


砂地に点在するタイル面で、かつてそこに建物があったことがわかる。


トンサイ湾の波打ち際に建つ建物。
トンサイ湾側からの波は、それほど大きな破壊力は持っていなかった。


ピピ島に押し寄せた津波は、3mから6mと推測されている。ここでは二階の天井までとどいている。


きゃしゃな建物だが、なんとか持ちこたえた。


逆に、鉄筋コンクリートであるにもかかわらず、梁まで崩れた建物。


内部の壁も、打ち抜かれている。


前部は完全に剥ぎ取られた。



津波の流れをかたどっているようにも思える。


平野部のほぼ中心位置。


長屋式の建物の壁がすべて打ち抜かれている。
ローダラム湾に正対しているため、まともに津波の圧力を受けた。
この建物の右側半分は、完全になくなっていた。


二階屋根の破壊は、おそらく倒れてきた椰子の木によるものと思われる。


おそらく椰子の倒壊による屋根の穴。


壁を打ち抜き、反対側に突き抜けている。


内部の仕切り壁も、破壊されている。


これが水の力による結果とは、にわかには信じられない。
あとから人の手によって、壁は撤去されたのではないかとさえ思った。
津波の破壊力というのは、瞬間的なものではなく、持続的で強力である。


高級ホテル「PhiPhi Marina Resort」。
ローダラム湾の波打ち際に建っている。
一階はほぼ全滅。ところによっては、二階の部屋まで津波が突き抜けている。



鉄筋コンクリートの頑丈な建物だが、いくつかの部屋は津波が突き抜けている。


ホテルの裏には、高床式の高級バンガロー群が建っていたが、いまは何もない。


きゃしゃな造りの民家だが、ある程度の高さがあったため、
津波の力にかろうじて持ち堪えた。
背後の山の斜面のバンガロー群はほぼ無傷だ。

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