報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

短信:チョムスキー独走中

2006年09月27日 13時29分46秒 | ■時事・評論
先日のコメント欄で触れたのだが、チャベス大統領が国連での演説の中で世界の首脳に向けて読むように薦めた本が、以後、米アマゾンで1位を独走している。

米言語学者ノーム・チョムスキーの、
”Hegemony or Survival: America's Quest for Global Dominance”という本だ。1日で2万冊をゴボウ抜きにしたらしい。ハードカバーも47位に入っている。
日本では集英社新書から出版されている。
『覇権か、生存か―アメリカの世界戦略と人類の未来』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4087202607
日本のアマゾンのランキングでも徐々に上昇して、現在1307位。

米アマゾンのランキングの7位に、パキスタンのムシャラフ大統領の著書が入っているのも興味深い。米テレビでのインタビューで「爆撃を覚悟しろ。石器時代にもどしてやる」というアーミテージ国務長官(当時)の脅迫を暴露したためだろう。

他に、リチャード・クラークの”Against All Enemies”(『爆弾証言 すべての敵に向かって 』)が19位に入っている。

数年前であれば、チャベス大統領が同じことをしても話題にはならなかっただろう。


米アマゾンのランキング
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/new-for-you/top-sellers/-/books/all/ref=pd_dp_ts_b_1/002-2463657-8703256
ベネズエラ大統領が米大統領非難の中で「推奨」した著書、ベストセラーに- 米国 http://www.afpbb.com/article/920213
チャベス大統領が国連で「推薦」の本、ベストセラーにhttp://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200609250021.html



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8 コメント

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Unknown (FREEHUGS)
2006-12-20 06:16:29
http://www.youtube.com/watch?v=vL7Jo_1Z3Y8&mode=related&search=Free%20Hugs
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その後は? (みほ)
2006-11-11 11:10:56
アルカティリさんの身の上と、東部の状況が心配です。
現政権と豪州の関係は順調ですか?
中司さんは、お元気でしょうか?
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 この一年を振り返り  ( みなみ まさあき )
2006-11-10 00:51:33
中司さんのページからは、たくさんのことを教えていただきました。
 
お元気でしょうか? 
いろいろお忙しいこととは思いますが
今回のアメリカ中間選挙について
中司さんのご見解をお伺いしたいのですが。
是非。
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アンナ・ポリトコフスカヤ射殺事件 (ゴンベイ)
2006-10-11 10:41:56
奇しくもこちらのエントリと同じ話題を取り上げたのが、

マスメディアが民衆を裏切る、12の方法 | チャベスとチョムスキー

http://takeyama.jugem.cc/?eid=650



あちらのブログのただいまの関心事は、「アンナ・ポリトコフスカヤ射殺事件と報道の自由」です。
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やや後退3位 (中司)
2006-09-28 20:39:29
アマゾンのランキングも少し落ちて3位ですが、それでも面白い現象です。

チョムスキーの名前を知らなかったアメリカ人にも、今回のハプニングでかなり知れわたったんじゃないでしょうか。

ムシャラフ大統領の本が、その次につけているのが、さらに興味深いです。「石器時代」発言も、アメリカ人に大きなインパクトを与えたのだと思います。

ここから何かはじまるといいのですが。

でも、チョムスキーが読まれるだけでも快進撃と言えますね。

ちなみに、チョムスキーも「メディアに疑いの目を」と言っています。
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Unknown (BB)
2006-09-28 01:37:43
チョムスキーは初めて読んだのが、『アメリカが本当に望んでいること』(現代企画室 益岡 賢 訳)でした。私はもともと特別にアメリカ贔屓の人間という訳でもなかったのですが、それにしても、この本の内容にはショックを受けました。特に“裏庭”と呼ばれたラテンアメリカでアメリカがしてきたことについては・・・

この本を読んでいなかったら、中司さんがこのブログで書かれていることも、すぐには信じられなかったかもしれません。



『覇権か生存か』はたまたま近くの本屋で見かけたので、半年も前に買ってあるのですが、まだ読んでいません。チャベス大統領が取り上げたと言うので驚いたのですが、早々に読んでみなければと思っています。



しかし、『金で買えるアメリカ民主主義』のグレック・パラスト記者などもそうですが、こうした著作を書くのもまたアメリカ人なのですね。それでも、ホワイトハウスに陣取っている人たちよりも、彼らの方こそが真の“愛国者”ではないのかと私は思っていますが。

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知名度 (中司)
2006-09-27 23:38:01
チョムスキーはなかなか腰の座った学者ですね。その忌憚のない発言は常に物議をかもしていますが、その結果の脅迫や妨害をなんとも思っていないようです。

あるメディア(現AOLタイム・ワーナー)は、チョムスキーの本を市場に出さないために出版部門を潰したという逸話もあるようです。



またアメリカに言論弾圧はない、とも言いきっています。言論弾圧とは、裁判にかけられ、刑務所にぶち込まれるようなことを言うのだと。脅迫や妨害、嫌がらせなどは言論弾圧とは言えない、と。

さすがは、言語学者です。



アマゾンでの1位が話題となったのは、一般的な知名度は低かったからでしょうか。いままでチョムスキーの名前も聞いたことのない人達が買っているのかもしれません。
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Unknown (yegy)
2006-09-27 19:33:10
チョムスキーは米国では無視されていると聞いたことがあります。大江健三郎が朝日新聞紙上でチョムスキーと対談したときの解説にそう書いてありました。



しかし、チョムスキーは米国でも注目されている人だったんですね。
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