報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

魔法の箱

2005年06月17日 22時57分26秒 | 写真:アフガニスタン

軒を連ねるフォトラボ。
はたして、競争できるほど現像やプリントの需要があるのだろうか。
ないと思う。
カメラを持っている人は、国民のいったい何%だろうか。
カンボジアでもそうだったが、復興が始まるやいなや、
突然フォトラボがあちこちに開店した。
アフガニスタンでも同じだ。
やたらフォトラボが目立つ。
これは先行投資ということなのだろうか。
ビジネスの世界のことは良くわからない。
フォトラボは庶民には、あまり縁のないところである。



庶民は、街頭証明写真屋さんを利用する。
こちらは、そこそこ繁盛している。
こんなもので、本当に写真が撮れるのか?と思われるであろう。
撮れるのである。


1.
撮影する。
  フィルムは使わない。
  印画紙に直接撮影する。
  この箱、いやカメラはシャッターも絞りもない。
  キャップを手で開け閉めする。
露光時間は約二秒。


2.
現像する。
中で何が行われているかは想像におまかせする。


3.
反転像が出来上がる。
ネガフィルムならぬネガプリントである。
これを板にペタリと張り付け、この反転像を撮影する。


4.
また、現像する。 
 1、2の人と服装が違うように見えるのは、あなたの眼の錯覚である。


5.
はい、正転像のできあがり。
3の反転像とこの正転像が別人に見えるのも、あなたの眼の錯覚である。
一枚、5アフガニー(1ドル=49アフガニー)。
  魔法の箱、僕もひとつ欲しい。