legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

「おうちに かえろう」

2006-05-29 15:48:03 | すーさん
広大な土地に所狭しと咲き乱れる・・・バラ・薔薇・・・腹






爺婆の
「バラの香りに包まれてロマンチックメルヘン幼児ポーズ」
を指令されて素直にやるすーさん。
(注:本人はロマンチックな気分だったわけではありません)








先ほどまで降っていた雨音が聴こえてきそうな可憐なバラ






「シエスタ」(昼休み)という名の一重のバラ






のどかな休日など知るよしもない「ハチさん」







たとえば、

白鳥の優雅な泳ぎには

水面下で必死に足をバタバタさせなければ・・・ならないのでございます。


このような絵に描いたような素敵な休日を手に入れるには、



そうでございます。



「試練」があることをお忘れなく、なのでございます。



爺婆は、先週金曜日に児童精神科のワンちゃん先生の所へすーさんを連れて行き、


眠剤、安定剤を調整して頂いて参りましたのじゃ。


睡眠が安定しない、薬も多め、強めに処方されているすーさんに


あえて試練を申し渡すことにしたのでございます。(鬼婆)


試練のタイトルは、






に乗る



すーさんは電車に乗れないんです。

これは、爺婆に責任があります。


怖がるからと言ってずっと乗せなかったのです。

車での移動ならスムーズだから・・・

他のことでは面倒なことも多いから・・・

この位は・・・よいじゃないか・・・

そんな感じで時が過ぎて来てしまいました。

前回、爺さんがすーさんを連れて電車に乗ったのは去年の2月のことじゃった。

その時のことは余りにも悲惨だったので記事にはしなかったのじゃが、

爺婆にはずっとずっとその宿題?は残っていたのでございます。

ビビる、拒否する、パニックを起こしそうな子に

「きみなら、やればできる!!」

「大丈夫だよ!」

「慣れればいいのさ!」

それらの励ましのような言葉は通用致しません。

かと言って、

すーさんを電車に乗せることに良いアイデアは結局見つからずにおりました。

河川敷から何度となく鉄橋を渡る電車を見せ、

駅の近くへ行けば幾度となく

「電車に乗ってみようか?」 と、白々しく誘い、

電車の絵カードは「東京メトロ東西線」で馴染みを持たせておったのは、

他でもない、この爺婆両名が宿題と向き合うのが

「怖かった」のである。

すーさんに電車に乗せようとしてパニックを起こされるのが・・・

怖かったのじゃ。

爺さんはどう思ったかわからないが、

婆さんはこと電車に関してはすーさんと同じ位置に立っていることを認めた。

すーさんが怖いものと向き合わなければならないのなら、

同じ怖いものを持つ婆さんは便乗させてもらおう・・・と。

「相乗り」ってやつですがな。




改札口に近づくだけで「おしまい」「ないのぉ~」と叫ばれました。

改札を通ってホームへ上がるエスカレーターでも叫びました。

でも、すーさんは

その場に寝っころがって足をバタバタさせたりせず、

爺さんに

「抱っこぉぉぉぉぉぉーーー」


そう言ったのです。

爺さんは23キロのすーさんを抱っこしてホームに上がりました。

ホームに上がると向かい側の上り電車が通過しました。

間髪入れずに下り電車がホームに入ってきました。

すーさんが最も恐れている「自動ドア」が開きました。

爺さんはすーさんを抱っこしたまま乗車します。




すーさんと

「電車に乗ったらチョコレート食べようね」

そう、約束した爺婆は約束通りチョコレート様をすーさんに差し出しました。

チョコレートが差し出されたのを薄目で確認したすーさんは、

それでも耳塞ぎをしている両手を耳から離すことはできませんでした。

すーさんは、

婆さんの手の平に乗っているチョコレートを直接口を押し付けて食べました。

「犬食い」じゃないか? 行儀が悪い!

それでもいい・・・・そう思われてもいい・・・

その後はとりあえずチョコレートを手渡しして食べてくれましたが、

チョコレートの袋は・・・・依然持てないままでした。

電車に乗る = チョコレートが食べられる

すーさんがそうこだわりを持っても・・・仕方ない。 それでもいい。

駅に電車が到着するたびに

「おりるの~~~~~」

「まだ、あと3回止まったらおわりだから」

婆さんはすーさんの苦痛に歪む顔と行き先案内電光掲示板と

自分の怖さをにらみつけていた。



雨上がりのムシムシする目的地の駅に降り立った時にはフラフラだった。

「えらかった、がんばった」

すーさんにはっきり、心から・・・そう言い続けた。

すーさんが立ち止まるたびになぜかそう言っていた。

すーさんは駅から徒歩13分の見知らぬ道を40分近くかけて牛歩。

遅くたっていいさ、電車でここまで来たんだからさ。



色とりどりのバラと香りにすぐには馴染めなかった。

やっとド・緊張から一歩だけ離れられたのは

「シエスタ」という一重の香りの薄いバラを見てからだった。


帰りの段取りを

帰りのすーさんの反応を想像すると

バラの花びらが土の上に落ちる音がはっきり聞こえてくる。

錯覚だとわかっていてもだ。


しかし、すーさんからの乗車拒否が全て言葉だったことが、救いだった。

おうちにかえるよ。

そうだね、電車に乗って帰ろうね。

ないの!歩いてかえるよ。

歩いては帰れないよ。

車に乗ろう。

車はないから、電車で帰ろう。

ないのぉ~、車に行くよ。

電車に乗っておうちに帰ろう。そうしよう?

おうちにかえるよ。


行きの乗車の様子とほとんど変わらぬ「岩状態」のすーさんだったが、

爺婆がマヌケで快速に乗ってしまって

「もう一度電車に乗るよ、ごめんね」 と拝み倒しながらも

3人はおうちに帰ってきた。



【追伸】

すーさんに帰宅後あの電車の絵カードを見せた。

すーさんは「でんしゃ」の文字を人差し指でなぞりながら

「で・ん・しゃ」

そう、言った。




音の不思議-0.5の「独唱」

2006-05-28 08:00:47 | 音の不思議
ゆきこ先生のピアノの伴奏に合わせて1人で歌ったのは初めて見た。
       



・・・・感動した・・・・


普段、言葉数の少ない爺さんの声からスタートさせて頂きました。









爺さんの言葉の意味・・・お解かり頂けましたでしょうか?




えっ?

すーさんの頭を殴って虐待しているのは
婆さんか?

とかおっしゃる方は・・・・いますかな?(笑)


すーさんが村山祐季子先生のレッスンを受けさせて頂いて一年が経ちました。

村山祐季子先生は一環して

「すーさんの今の反応」を最重要視して下さいました。


事前告知(シナリオ)はありません。

村山祐季子先生とすーさんの時間が・・・そこにあっただけです。



爺さんが申しておったことは・・・本当です。

すーさんがゆきこ先生のピアノの伴奏で

ゆきこ先生や婆さん&爺さんの歌声なしで

独唱

したのは初めてでございます。


タコ こと すーさんは、


おちょぼ口ではありますが、


声はデカイです。


でも、この時の歌声は


レベル 0.5 で ございました。


婆さんができること・・・・


それは、


シワシワな手で


リズムを取る振りをして


すーさんに


「それでいいのじゃ」





伝えることしかできませんでした。


彼女 すーさんが


伴奏に合わせて


歌を唄う


それは・・・・


それは・・・・


すごいことなのです。





彼女 すーさんは


同時処理


できたことになります。


【追伸】

爺さん&婆さんが唄って(誘って)すーさんの”歌”を引き出そうとしても

彼女は・・・最近、完全拒否してきました。



”茶でもしないかい?”とナンパしても


”あんたなんか嫌い”

と一瞥され、


どことなく寂しいさが残るナンパ師の気持ちがわかりかけた・・・

いまごろ・・・・のお話です。




【追伸2】

この歌は「はらべこあおむし」でございます。


うちの子~自閉症という障害を持って~

2006-05-26 07:01:07 | すーさん
うちの子~自閉症という障害を持って~


先日、いつも的確で優しいコメントを下さるまいらさんのブログの記事
婆さんはこの番組(作品)のことを知った。

そして、まいらさんをはじめきっと多くの方が放送要望メールをTBSへ
送られたことにより婆さんを含め多くの人がこの番組を受信できることと相成った。

バンザイ!

(まいらさんのその後の記事はこちら

番組の詳しいことは↑上の画像をクリックして頂き
HPへ飛んで下さいますようお願い申し上げます。



この番組のディレクターであり、自閉症児のお父さんでもある神戸金史氏が

自らご自宅にカメラを持ち込んで息子さんや奥様の姿を撮影された

ドキュメンタリー番組だそうじゃ。

タイトルはそのものズバリ

「うちの子~自閉症という障害を持って~」




障害にさえぎられ、親ともうまく意思疎通できないけれども、

大きな母親の包容力によって、

子供はゆっくりと、

しかし確かに成長していく。


そのささやかな「希望」が取材結果として番組のテーマとなった。




わしが”見たい”と強く思ったのは神戸金史氏のこの言葉じゃった。



うちの子、すーさんは自閉症。

自閉症の子の親は正直言ってシンドイ。

なぜにシンドイか?

それは・・・・すーさんの成長が見えにくいからじゃ。

よくわからない自閉症という障害名を告げられ、

世間様からは”見た目、身体的には不自由はない”と即断され、

堂々と ”あなたは神様に選ばれた親だ” とか言われて、

結局、何もわからないままシンドイ親を押し付けられただけ・・・・


そう思っていた(いる)自閉症児の親は自閉症児の数だけいるのではないか?


それでも自閉症児の親を続けていられるのは・・・・

いつも心のどっかですーさんの成長を期待しているからだ。


自分の親バカ見解だけではなく他の誰かに成長を確認して頂けるから、

続けられているのではないか。

神戸金史氏の言葉をお借りすれば確かに成長するという

「ささやかな希望」が命綱なのかもしれない。



【追伸】

半世紀前、婆さんは今では市民権を得ている「フリーター」という立場で

テレビドキュメンタリーに己の全てを賭けた牛山純一氏の会社に

在籍していたことがあった。

いつも世界中を飛び歩いている牛山氏がたまに会社に顔を出すと

耳を劈くような大声で話していた。


ある日、非常階段で昼ご飯を食べていたアルバイトである婆さんは

忍び寄る足音と共に

「美味そうな弁当だな」

と、聞いたこともないようなか細い声を聞いた。




見上げると空の手前にガタイの大きい牛山氏が立っていた。


でも・・・次は・・・怒鳴られる!・・・と身構えた婆さん。



「おいおい、そんなに怖い顔して威嚇するな。

まるでマサイ族が初めてよその人間を見たような顔だな。」




・・・・・ブハッ・・・・そう来たか・・・・。



「シャ・社長にも同じお弁当買って来ましょうか?」



「バカヤロー!! 社長と言うな。死ぬまでプロジューサーだ!!」




がっ、・・・・やっぱそう来たか・・・・。


牛山純一氏はいつも、こう怒鳴ってた。(話していたともいう)


「文字や言葉という論理の世界では表せない意味を表現できるのが映像だ」




わしはこの番組に期待している。

言葉を超えた映像からの「希望」を・・・・。



『マネっ子』、すーさん

2006-05-22 12:49:01 | すーさん

昨日は、潮干狩りで有名な海浜公園に行った。

とっくに潮干狩りの季節は過ぎたので静かだと思っておった。

が・・・着いてみると、バケツと熊手を持った親子連れってのがたくさん。

参ったなぁ~~。

でも、「タコ」という別名を持つ「すーさん」

とりあえず干潟に放してみた。

いつもなら、人ごみの中ではすーさんの周り一角だけが時が止まったようになる。


















が・しかし













タコは走る。

タコは戯れる。




試しにすーさんにいつものように声かけしてみた。



「ああぁ~~~、これは貝だねぇ~~」 (感嘆符!!仰山な抑揚)
     
     「ほらっ、ほらっ」 
     (まるで舞台俳優のように大げさに貝を手渡す婆さん)



「・・・・・・・・・・・・・」

    (すぐさま、貝をご丁寧に婆さんに返却するタコ)



「やっぱりな・・・・」



また、タコは走る。




タコが止まったぞ。









タコが腰を曲げたぞ。











婆さんを振り返ったぞ。






婆さんになんか差し出しておるぞ。











「うほほーーーーーい。わしの
マネをしておるぞ。」
     (ウルウル・ルルルン)



「爺さんやこの貝を持ってて!捨てちゃあかんよ。
     


       せっかくすーさんがくれたんだからな!!」


「捨てないよぉ。(ブスッ)
     しっかし、随分楽しそうだね。来てよかったよ。(ホッ)」





途中休憩を入れたが、1時間半は
走り・止まったと思ったら「ジャブジャブ」と言って片足で水を蹴り、

また走っておったタコ。


「どうせ動け!って言ったって動かない奴なんだから」


そう思っていた婆さんには水遊び用の仕度なんぞしておらんかったのじゃ。


冬用のズボンに穿き換えて(ごめん)まだ行ったことがないショッピングセンターへ向かった。


タコは広すぎる店内に入ると通路で寝転がる。




拒否しているのではなく、


ただ、疲れただけのようじゃ。(笑)


ペットコーナーへ行っていざ出口へ向かう途中、子供用の遊び場があった。



「遊ぼうねぇ~」(誰に言ってるのか?)


遊び場の中にはバランスボールが4つ転がっていた。


すーさんはそのうちの1つのバランスボールを持ち、


ボールを投げる・ボールに座る・ボールをつく・ボールを追いかける


なんか・・・よく見る近所の子供みたいだよ。


親に遊びの見本を見せられたり、

「やってみようよ」と半ば強制されたり、

それでも「無視」を決め込んだような無反応がほとんどだったすーさん。


今日はどうしちゃったのか?


そのうち、ひとりの女の子が遊び場を仕切っているウレタンのブロックの上を

バランスボールを押し回してブロックに座っていた婆さんの隣にやってきた。

顔は仁王像のように「怒っていた」


「すまんのう。通るんだよね?ごめんごめん」


女の子は「こっくり」頷いた。


バランスボールをこんな風に遊ぶのってのも面白そうだ・・・・。



「すーさんもやってみれば?」


その場限りの婆さんの独り言。


だったはず・・・・じゃった。










すーさんはさっきの女の子と全く同じようにしてブロックの上をボールを押し回しながら歩く。


動きはギクシャクしているが、まさしくこれは


「完全な模倣」である。


しかもすーさんは笑ってる。(ヨダレも垂らしておるが)


本当に
今日はどうしちゃったんだ?




気をよくした爺婆はすーさんの好きな回転寿司へ向かった。


5時半だって言うのに、これまたすごい混みようじゃ。

店内から弾き出されて外で待つ旦那衆も数多い。


テーブル席待ち・・・27番目。


どうやって順番を待ってよいのか?も考えつかないほどなのだ。

結局、外の駐車場脇ですーさんと「ジャンプ」遊びをして待つことにした。

疲れているはずのすーさんはまたもやにこやかにジャンプする。

後半は仕方なく店内で待ったが酸素欠乏状態と周りの子供達の「任天堂DS祭り」ですーさんはすこぶる機嫌が悪くなった。

注)「任天堂DS祭り」・・
あっちを向いてもこっちを向いても色とりどりのDS片手に待っている子供達。
「手が届きそうなのに【触れられないDS】が目の前に沢山ある状態。


が・しかし


テーブルにつくといつもは「ネタ」しか食べないすーさんが、

「シャリ」も一緒に無言で口に運んでいる。

それも5皿のマグロと1皿の卵。それにデザートとりんごジュースを

ほとんど汚さずに食べておった。




一見簡単そうに見える
「模倣」

人間に近づくための一番原始的な方法である
「模倣」

・・・なのにすーさんは
ずっとしなかった。

できなかった。


全く、不思議な話だ。

すーさんの中で何が変化したのであろうか・・・



【追伸】

すーさんは決して調子が良かったわけじゃない。

10日前から睡眠が乱れに乱れ、

医師と電話連絡を取り通常の2倍の眠剤と安定剤を服用していたのだ。

夜泣き・朝方泣きも、しっかりもれなく付いてきていた。

ただ、今回の変調には爺婆は疲れていたが、

いつもよりは冷静に受け止めていたのは確かじゃが・・。



気分しだい de 『婆さん塾』

2006-05-17 20:17:02 | 保育園



↑上の画像をクリックして頂けますと
「婆さん塾」へ飛びます。



保育園から帰って来てから「任天堂DS」ばっかり

っていうのもどうかと思い、

1ヵ月に2回ある療育と保育園での様子、

そして、すーさんの毎日の調子をベースに

婆さんと爺さんは「家庭内療育」(おこがましいったらありゃしない)を

始めました。


パソコンを使ったものではなく、

爺婆がすーさんと向き合ってする初めての試み。

まぁ、気負いはまったくございません。(きっぱり)


でも、帰って来てからの30分弱の時間を

すーさんと向き合っているという実感は

なんか・・・あります。(笑)


今日で3日間やりました。

さてさて、明日、は・・・・?????


【追伸】

療育をする前の「仕込み」を追加しました。

まぁ、難しいことは一切ありませんがね。(爆






わかるようなわかんないような日々

2006-05-16 14:41:36 | すーさん










これってなんか危なくないですか?



でも・・・なんでかわからん。













って、思ってみることにしました。














これも・・・なんか危ない感じがするんですが!



でも、でも・・・止めても止まらないんですわ。
















「笑いながら怒る人」(竹中直人さん)の芸に少しは近づいたのか?



(違うがな・・・全然)





こんな感じの今日この頃でございます。
















ハートをつなごう~発達障害~

2006-05-15 21:46:21 | すーさん

発達障害の番組があるようです。
詳しいことはNHKのHPでご確認下さい。



番組タイトル画像をクリックして下さい。
テーマ
発達障害
発達障害って知ってますか?
集団生活が苦手。片付けも苦手。
時に周囲とぶつかってしまう。
一方で、好きなことなら時間を忘れて熱中。
飛び抜けた才能を発揮したりする。
そんな個性的な人たち、
ADHDやアスペルガー症候群といった
「発達障害」の人たちが次回の主役です。

NHK
教育テレビ
5/29(月)~6/1(木)
午後8:00~8:29

再放送:翌週午後1:20~1:49
内容がどのようになるのか
楽しみにしています。

育てにくい子にはわけがある~感覚統合が教えてくれたもの~

2006-05-12 15:09:45 | 感覚統合

すーさんが感覚統合でお世話になっております、

OT=作業療法士の木村順先生の
「育てにくい子にはわけがある~感覚統合が教えてくれたもの~」
が出版されました。

詳しいことは下記の画像をクリックして下さい。




本の画像をクリックして下さい。
落ち着きがない、順番が待てない、姿勢が悪い、人の話を聞けないなど発達がちょっと気になる子供たちが増えている。その原因のひとつと考えられている触覚、聴覚防衛・重力不安など感覚統合の不全について事例を織り交ぜ解説。
木村 順
作業療法士(OT)。1957年生まれ。
日本福祉大学卒業後、金沢大学医療技術短期大学部(現、金沢大学保健学科)に進学し、資格取得。
足立区の「うめだ・あけぼの学園」にて臨床経験を積む。勤務のかたわら、専門学校の講師を兼務。2002年3月、退職し、「療育塾ドリームタイム」を立ち上げる。4施設の非常勤OTを勤めながら、十数の親の会のアドバイザーを兼務


上の画像をクリックして下さい。
2006年5月9日(火)
いい婆さん、この年にして初めて天下の「赤門」(東京大学)をくぐることになった。(キャーー、入っちゃったよ、東大 (謎)

木村順先生が著書「育てにくい子にはわけがある」を元に現役の保育関係者を対象に「臨床育児・保育研究所」の5月の研究会の講師として講演をされるとお聞きしたからじゃ。

さすがに「赤門」を撮影することは「恥ずかしい」のでできなかったが、ド・緊張しつつ参加させて頂きました。
盛りだくさんの内容をすべてお伝えすることはできませんが、婆さんが伝えられるほんのわずかなレポートをお届け致します。
臨床育児・保育研究会のホームページは
上の画像をクリックして下さい。


ヒントを下さい!!

じゃないと・・婆さん自滅しそうです!!

と、いう時期に木村順先生とお会いした。

発達につまずきがある子の特効薬なんか、

いや、育児そのものに特効薬なんかない。

でも、ヒントを探し出せる、見つけ出せる発想力は自分で身に付けることは可能なのではないか?


そんな希望を持てるようになったのは木村先生のおかげである。


子どものための、
親のための、

木村ワールドの欠片だけでもお届けしたい婆さんでございます。






見え方・見方・捉え方

2006-05-03 16:41:21 | すーさん


すーさんは色々な感覚過敏を持っているので

「物の見え方」が普通の人とは違うのではないかとずっと思っておった。

でも、

「どんなふうに見えておるか?」 とすーさんに尋ねた所で

「・・・・・・・・・・・・・・・・」(返答なし) ってことになる。

で、最近、携帯電話のカメラ機能を愛用するようになったすーさん。

すーさんが撮影した画像を確認していたら面白いことに気がついた。

どれも一連の撮影だったので

すーさんの

1:「物の見え方」

2:「物の見方」

3:「物の捉えかた」


の順番みたいなものがわかるような気がした。




まずは
「人物編」

ある夜、婆さんが携帯でメールを書いていた時であった。

すーさんは婆さんの携帯を欲しがるので別の携帯を貸した。

「おとうさん 写真撮るよ」

いきなりそばにいた爺さんを
フレームいっぱい撮った。
「目」だけとか「鼻」だけ撮影
することはない。
その後、
「ほれっ、婆さんを撮ってくれ」
と言うと
婆さんをフレームの真ん中に
置いて撮影した。






お次は、「四角編(縦横の応用)」


TVを撮影したが、
四角いTVを
四角いカメラのフレームに
なんとか入れようとしているのだが
すーさんの脳の中で
2つの四角の縦横が
混乱しているのがよくわかる。
携帯(カメラ)を持つ手元を全く変えずにTV本体に近づく。
近づけばもっとよく見れる(もっと広範囲で撮影できる)と
錯覚していることが伺える。
もっと近づいてみると
「これがTVである」ことさえわからなくなる。
パニックを起こさないのが不思議なくらい。
そこでやっと
持っている携帯(カメラ)を動かすこと、カメラを持っている自分自身が後ろに下がることによって自分が見えているのと同じ
「横長のTV」
を撮影できることに気づく。
これによってカメラのモニターフレームとTVの四角の縦と横の
「長さの比率の違い」
にもすぐには
適応できないことがわかる。






第3弾は「撮りたいものを撮る編」(動くものは嫌いだ)

これは婆さんが隣で何かの書類を書き込んでいる指のアップ。
しかし、指も手も手元の紙も
動くので2枚目を撮影しようとはしなかった。
続いて、同じテーブルの上にあった広告を撮影。
(広告は動かないわな)
構図はキマッているのにすーさんはお気に召さない。
角が揃ってないのが気になるのであろう。
左上と左下をフレームいっぱいに合わせシャッターを切った。
やはり綺麗に並べたい、綺麗に合わせないといられないと言う彼女の気持ちの表れであろう。




物を見る時、物が見える時、すーさんはやはり
一度にたくさんの情報を処理する

のは苦手なようじゃ。

苦手というか・・・
できない

ただ、写真撮影ではできないことに腹を立てずに

自分のペースで自分の中で納得できる

構図(フレームイン)ができるまでやってみることはできた。

(それはフレームという限られた視界だからなのかもしれないが。)

自閉症児はシングルフォーカスであると聞いて

バックが黒一色の中に塗り絵をする素材を浮き上がらせる

というお絵描きもどきをした時に

すーさんがスムーズにできたことからでも、

「囲い」

「フレーム」

「仕切り」
  みたいなもので見るべき物を限定してあげると

脳の中で情報を整理し易いことがわかった。





散歩中とかに普通にすーさんを呼んだって・・・反応ないけど
「足のトンネルの囲い・フレーム?」
 と申しましょうか、それをつけると
猫にマタタビ状態で興奮して擦り寄ってくる。






最初はこんな反応から

「すーさんは物が上下逆さまに見えるのか?!」


って思ったことあったけど、顔写真のように一応横向きだろうが正面だろうが

顔の上下は一応正しい見方ができるようじゃ。


だから、今回、写真を並べてわかったことは

1コマ、1コマの動きに分解して見せることが、

非常に面倒ではあるが、

今のすーさんは理解を得やすいのではないかと思ったわけです。


【追伸】

プロの写真家が仕事である撮影を終え、

ホテルの自室でバカチョンカメラ(今は死語じゃな)や

デジタルカメラで撮った商用写真ではないものに

婆さんはよく心を奪われた。

すーさんが撮影する写真の中に同じ何かを感じることがある。


【追伸2】

すーさんが発する単語の中に

思わず

「え”?」と言ってしまいそうになる言葉がある。

言い間違いともそうでないとも今は確認できないが、

すーさんの見え方にはかなり特徴的なものが

潜んでいる可能性が高いのではないか?

と、普通の生活の中で探りを入れているのである。

(なーんちゃってさっ・・・)





行き場のない痛み

2006-05-02 11:04:54 | 婆さん



膵臓(すいぞう)君から最後通牒を突きつけられて、

婆さんは真面目にそれを受け止めた。


だって、


すーさんを置いて入院なんかできないし、

したくもない。


だったら今は薬のご厄介になるしかないじゃろう。


どんなに薬が嫌いでも、

どんなに病院が嫌いでも、

膵臓君がわしに「痛み」と言う形で病気の存在を伝えてくれている以上、

それを受け入れるしかないのじゃ。



じゃが、更に性質(たち)の悪い「行き場のない痛み」が新たに発生した。

なぜ?

どうして?


すーさんだって、

婆さんだって、

爺さんだって、

自閉症と言う障碍と関わりたくて関わっているわけじゃない。


じゃが、障碍がある以上、

定型発達の子供とは違う面を持っている以上、

すーさんが我が娘である以上、

自閉症とすーさんと向き合って行かなければならない。


障碍を持った子供の親達は常に暗黒の世界と隣合わせでありながら、

我が子の成長を笑顔で見守りたいと努力しているのじゃ。


ぐうたら系の婆さんはそのような素敵な親御さんのHPやブログのおかげで

今まで生き長らえて来れたのじゃ。


想像を遥かに超えた数の親御さん達も同じように思っておるはずじゃ。


なのに、なぜじゃ?


なぜ、それらのありがたい発信が消えていくのじゃ?


なぜ、消えなくてはならないのじゃ?


すーさんの障碍は消えないのに・・・だ。


婆さんは失敗大魔王なのじゃが、

失敗を認めることも不得手なのじゃが、

痛みを感じることで反省をしている。


もっともっと器用に、

もっともっとしなやかに、

もっともっとスムーズに軌道修正ができる人間になりたいが・・・。


難しいことはわかっておるが、

行き場のない痛みが悔しい。