legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

「わかる」からツライのさ

2007-01-30 12:19:47 | 障害について

「あの中では『すーさん』は重い方だね。」

前回の記事のバスハイクから帰宅した爺さんがポツリと言った。

婆さん: そうじゃな。・・・・・だけどもよ、爺さんや・・・。

その先の言葉は・・・爺さんも婆さんも同じだった。


前回の記事では書けなかったことをお話したい。


千葉県立現代産業科学館から千葉県西部防災センターへ向かうバスの中でのことじゃった。


すーさんは窓際、その隣に婆さん、通路を挟んで爺さんが座った。

後ろの列には、千葉県立現代産業科学館では何も問題がないとわしらには見えた

小学校2年生だという元気なピョン君と年長さんだというピョン君の弟君とお母さんが座っていた。

いずれも婆さん一家とは初対面の間柄である。

ピョン君に障害があるのか?ピョン君の弟君に障害があるのか? それもわからない。


道中、皆が退屈しないようにと親の会のお母さんが手作りビンゴゲームを用意してくれていた。

内容は簡単である。



25個のマス目だけが書かれた紙が配られ、その中に鉛筆で

1から25の数字を書く  ただし、 同じ数の数字を書き入れないように

それだけのことであった。


ピョン君は一言「簡単だよ」  そう言って数字を書き進めた。


(後方のことなので婆さんには見えないが)


「もう~やめた~! ヤダ!!」


どうやら、ピョン君・・



同じ数字を書いてしまった・・・らしい。


ピョン君は並べる。

「つまんない」

「おもしろくない」

「だから、いやなんだよ」

「もう、やめる」

「絶対、やらない」



でも、ピョン君のお母さんは言う。

ピョン君母: やり直せばいいじゃない




「やだ、もう、やらない」




ピョン君母: すいませ~~~ん、間違えちゃったのでもう一枚紙を下さい。




ピョン君の母の手に新しい25個のマス目がある紙が届く。

ピョン君の母は、ピョン君が間違えて同じ数字を書いた紙を握り潰す。




ピョン君母: ほらっ、これにまた書けばいいのよ。それだけでいいのよ。



それだけ・・・・・・・。


それだけ・・・が・・・・・ピョン君にはできないのである。







このことができなかった時点でピョン君の「これから」が完全シャットアウトされているのである。


ビンゴゲームを進行して下さるお母さんもピョン君のパニックの行方を見守っている。


ピョン君母は、続ける。


「間違ってもやり直せば済むことなのよ」


ピョン君母の説得を婆さんは頭を下げながら神妙に聞いていた。


説得は続く・・・続く・・・・


ピョン君の拒絶も続く・・・続く・・・・



「僕は もう しない、やらないって言ったらやらない」




すーさんには「この紙に25までの数字を書く」と言う指示さえ理解できないはずだ。

だから、1から25までの数字は婆さんが書いた。

でも、すーさんはその紙の中で「9に○をして」と言えばできる。

ゲームをしているという実感はないままに・・・・でも。




ビンゴゲームが終了し、1から25までの数字が書かれた紙は缶の中に回収された。


その中にピョン君母がクシャと握り潰した紙が入れられた。


ピョン君は「もう~~やめた!」と言った時から脱却できずに目的地に到着してしまった。



婆さんは期待した。


バスを降り、千葉県西部防災センターへ入ることでピョン君に何かが変わることを。


きっと・・・変えられるはずだ。



でも、やっぱり問屋はそう簡単に卸してくれなかった。




千葉県西部防災センターの廊下を歩きながら

「ゲームなんて全部つまらないィィィィイィ」


そう言って、ピョン君は自分の頭をきつく握った拳で殴る

何度も・・・何度も・・・・


「うわっ」 (婆さんは思わず声を漏らした)


ピョン君母は「やめなさい」と言いながらピョン君の握り拳を掴む。


ピョン君は右手をお母さんから振りほどき、

千葉県西部防災センターの白い壁に躊躇せずに頭を打ち付けた


「イテっ」 (婆さんはきっとそう漏らしていたに違いない)


これが・・・・自傷    か



婆さんは初めて見たのだ、自傷を・・・・。


コンクリートの壁に頭を打ちつけ「ゴツン」と鈍い音をさせても本人には痛いという感覚が全くないことを・・・知った


もう、やめておくれ。ピョン君の願いは全部聞くからやめておくれ。






控え室に到着して、そこそこ綺麗な案内嬢の話が始まってもピョン君は合いの手のように言う。

「どうせ、つまんないでしょ?」

案内嬢はその絶妙な合いの手に1秒困惑したが、話を続けた。



ピョン君の震度7の地震体験をわしは固まっているすーさんを膝に乗せて見ていた。

ピョン君は震度7の揺れに我を取り戻したように見えた。

体験部屋から出てきたピョン君は「あんましおもしろくなかったよ」と言いながら笑っていた。


ピョン君のそんな投げやりな言葉に安堵する婆さんであった。





問題は帰りのバスであった。





手遊びを取り入れた「ジャンケンゲーム」が始まった。

ビギナー婆さんでもジャンケンという勝ち負けがはっきりするものに対してのピョン君の反応が気になった。

しかし、ピョン君は始めから

「僕はやらないよ、ジャンケンなんておもしろくない」

と・・・不参加であった。

ジャンケン大会が進み、

「次のジャンケンで勝った人には賞品をあげるからねぇ」 の時、

それまで「おもしろくないゲームなんかやらない」と何度も宣言していたピョン君が

いきなり参戦。






相手は




ピョン君は




ピョン君は「勝ち」である。




でも、それは「勝ちであって勝ちでない」





「どうして僕は勝ったのに賞品がもらえないの」

「僕は間違ってない!!」




「だから、やりたくないんだよ、ゲームなんて」





ピョン君は爺さんと婆さんの間にセットしようとしていた補助椅子を蹴り上げる

婆さんが補助椅子を元の場所に納めるとバスの前方にダッシュ!


懸命に自分が賞品をもらえないと言われたことと戦っている。

ピョン君母もそんなピョン君と向き合おうと必死だ。



ピョン君のことを何も知らない人は、

「癇癪持ちのわがまま坊や」 と 思うだけであろう。







ゲームを進行してくれたお母さんがピョン君の席にやってくる。

「わかった、おめでとう、プレゼントあげよう」


今度はピョン君母が初めて強い口調でピョン君に言う。


「途中から参加した人はプレゼントはもらえないの」


「だって、僕、勝ったんだよ。どうしてもらえないの?」


「最初から参加した人がもらえるの、だからあなたはダメ」






わぁ~~~~~~





ピョン君は初めて涙を見せた。

ゲーム進行のお母さんはピョン君が勝ったことを認めプレゼントを渡そうとしてもピョン君母は断り続けた。



「あなたにはもらう資格はない!」 と・・・・



婆さんの膝の上で抱っこされているすーさんが正面にいるピョン君を見てわしに言う。



すーさん; 「だいじょうぶ?? 泣いちゃったねぇ」



婆さん: お兄ちゃんに言ってあげれば?


すーさん: 泣かない   泣かないよ    だいじょうぶだよ


すーさんの声はピョン君には届かなかった。



ピョン君は大きな音にも初めての場所にも順応できるし、楽しめる。

知的障害もないとどこでも判定されるであろう。

障害のない子供に見えるはずだ。



でも・・・・・ピョン君は障害があるのだ。

障害があるから・・・苦しんでいるんのじゃ。


理解できる分、ツライのである。




【追伸】

知的障害のない高機能自閉症・アスペルガー症候群・LD・・・・。

彼らも苦しいのである。

彼らの親御さんもツライのである。

障害に程度はやはり関係ない。


わしらは、その苦しみやツラさにどう関われるのか?

どう向き合えるのか?

改めて、支援の形を考えるようになった。





地震・雷・火事・オババ

2007-01-25 12:39:39 | すーさん
阪神・淡路大震災から12年が経過した。

地震は怖い! 

はっきりとそう認識できたのは阪神・淡路大震災からだった。

自閉症児すーさんは、危険認知力・危険察知力・危険回避力・・・

0 である。

すーさんが生まれてからというものの、災害も怖いが、

被災後のすーさんのことを考えることも怖くなった。

「この人を連れて避難生活なんかできない」

「体育館などに避難して近くの住民と共同生活なんてできない」

そう思ってビビっている。


そして、

どんな風にして色々な危険や災害をすーさんに理解してもらうか??

なんの手立ても見つからないまま現在に至っている。


そんなことをまた考えるようになった先週16日の火曜日のことじゃった。

発達障害・親の会のメンバーの方から、

「今度の日曜日、小学生の部でバスハイクに行くんだけどすーさん行く?」

と、電話がかかってきた。

どうやら、バスハイクの参加者が少ないらしい(笑)

スケジュール調整をしなければならなかったが参加することにした。

すーさんにとっても、爺さんにとっても、婆さんにとっても

親の会のイベントは”初参加”である。


金曜日の夜から「明後日はバスに乗るよ」とルンルンのすーさん。

目的地は

千葉県立現代産業科学館 と 千葉県西部防災センター

産業科学館は買い物によく行くコルトンプラザの前だし、

図書館の隣の建物なんで・・・

まぁ、いっか!

すーさんに事前予告と言うか目的地の情報を伝えなかった。

西部防災センターのHPもかなりお粗末なものだったので、

まぁ、いっか!

と、「バスに乗ること」以外はすーさんに伝えずに出発した。


まず、千葉県立現代産業科学館 に到着。

婆さん: ここ入るよ。

すーさん: ・・・・・・

お得意の耳塞ぎで館内突入。

爺婆も建物の中に入ったのは初めてだったので、その広さと立派さに驚いた。

赤い制服の背の高いガイドさんに続いて館内ツアー開始。

予想を遥かに超えた展示に爺婆もすーさんのド・緊張を気にしつつも目はおのぼりさん化。


広い建物内をちょっと複雑な順路で周り、再度1階に降りてきた。

1階は色々な実験を体験することができる。

爺婆: おもしろそぉ~~~

すーさん: ・・・・・・・・・


その時、小学6年生の男の子のお母さんから

「耳塞ぎをしているけど、音に敏感なのね?」 と声をかけてもらった。

婆さん: 音にも敏感なんですが照度の変化にも弱くて・・・

小6のお母さん: うちもそうだったわぁ~。

婆さん: ワンフロアーにこれだけの実験の音があるとさすがにツライみたいで。
(もうちょっと、順応できんかいな!すーさんよ)


次は 放電実験室 に入ります。 どうぞこちらへ・・・とガイドさん。

何やら、薄暗い・・・・・。

まだ大丈夫だろう。

放電実験室のおじさん: 大きな音が苦手な方、妊娠中の方はご注意下さい。


あいつは子は宿してないが・・・・音・・・?この暗さ・・・?

まだ、大丈夫だろう。


小6のお母さんが近くで心配そうにすーさんを見ている。


がっっチャン(重厚な部屋の2枚目の扉がしまる)


トッッシュン(いきなり部屋が真っ暗だ)


そりゃ、あたりまえだ。雷を落とすわけだから・・・・・



ならば・・・ やはり・・・






爺婆: す・すいませ~~ん。 でます!!
                    



間抜けな爺婆である。



平謝りで2枚の扉を開けてもらった。


すーさん、もう、不機嫌&不安レベルはマックス。


巨大シャボン玉作りに誘うが・・・・ダメ。


他の静か系の実験を見せるが・・・ダメ。


すーさん: あっち!

婆さん: どっち?

すーさん: そっち!

婆さん: たまごっち?

すーさん:・・・・・・・・・・・ないのぉ~~~~~~!!

婆さん: すまんすまん、今の君にそんな冗談通じないわな。

すーさん: あっちへいくよ!

婆さん: あっちじゃわからん、ちゃんと教えてね
      (時間稼ぎもいいところ)

すーさん: まっすぐ で


すーさん: ひだり 



婆さん: 見事な指差しじゃ。

すーさん: さぁ、いこう!

婆さん: お供します     が    どちらへ?



 スタコラ スタコラ スタコラ



婆さん: ここは??



自閉症児すーさんは、誠に道を覚えるのが早くて正確です。

婆さんはここに来るまでわかりませんでした。


そうです、ここは 出入り口です。

今日は団体行動ですので・・今、帰るわけにはいきません。



婆さん: 1つ、言っていい?

すーさん: はい

婆さん: (クルッと後ろを向き) まっすぐで 



婆さん: みぎ 


すーさん: (しばらく考え)     ないのぉ~~~


婆さん: だよね?

すーさん: だよね? (オウム返し)

婆さん: じゃ、これはどうじゃ?

すーさん: ないのぉ~~  (まだ何も言ってねぇよ)


婆さん: まっすぐで 


婆さん: みぎ で     ラムネ!
     (行き先は飲食可能なエリア)


すーさん: まっすぐで~みぎで~ラムネ  はい!!


婆さん: ヨッシャー、ラムネ食べよう
     (すーさん専用癒しグッズをこんな早くに出すことになるとは・・ガックシ)


すーさん: ないのぉ~~~


婆さん: またか! 今度はなんじゃい?


すーさん: お茶 飲む?


婆さん: あぁ~のどが渇いたわけね。いいよ、お茶飲もう。


すーさん: ないのぉ~~~


婆さん: だから、なんでじゃ?


すーさん: ラムネ と お茶 飲む?


婆さん: わかったがな、ラムネ と お茶 じゃよ、取引成立じゃ、おめでとう!
      (自閉症児の母は盛り上げ役が上手くなくてはなりませぬ)


すーさん: ・・・・・・・  (スタコラ スタコラ)


放電実験で雷が落とされ、実験室から出てきた皆様。

口を揃えておっしゃいました。

「すごかったわよ」



よかった、退出して。 やっぱ、自閉症児の母は引き際が良くなきゃなぁ~。

でも・・・・見たかった。



次はランチ。

そして・・・バスに乗り込み防災センターへ。


バスの中で少し防災センターの話をせにゃあかんと思ったが、

現地で何を見るのかわからんのでとりあえず

婆さん: 今度は防災センターへ行くよ

すーさん: ボウハイシェッター へいこう (そこはどこ?)


防災センターに到着してすぐに案内されたのが、なにやら大きな控え室。

そこそこ綺麗な案内嬢が

「手荷物は極力こちらに置いていって下さい」 とおっさる。

何をしよう・・っていうんじゃ?

自閉症児の母として→すーさんの負担にならないようにしなきゃね。

婆さん本体(本音)→未体験ゾーンへの進入にドキドキ

一番最初は


《地震の科学》

 阪神・淡路大震災や関東大震災などの再現地震を、起震装置とリアルな演出によって体験することができます。
 また、地震が起こるメカニズムや地震時の行動、日頃の備えの重要性を認識していただきます。

グループを2つに分けてわしらは”見る”ことにした。

当然、すーさんもご覧になられておりました。

身じろぎ1つせず見てます。

阪神・淡路大震災と同じ震度7の地震は見ているだけで・・・目が回りそうだった。

見ているだけでこれなのに、すーさんに「やる?」・・とは聞けません。


婆さん: 爺さんや、どうする?

爺さん: やる?

婆さん: すーさんはどうする?

爺さん: そうだよねぇ、これだもんねぇ。(岩のようなタコ)

婆さん: わしがすーさんと一緒に待ってるから爺さんはいっておいでよ。
     (ここまで白々しくよく言えたもんだと本人も感心中)

爺さん: いいよ、俺は。
      (いいよ、ってのは、「やる」の?「やらない」の?)


でも、次・・・体験することにしました。婆さんが勝手にそう決めました。

でも、すーさんは爺さんに預けました。
(地震は途中で終わりませんから)

婆さん: すーさん、今度は地震をするよ。

すーさん: ないのぉ~~~

婆さん: い・く・よ! (決めたのじゃ)


すーさん、震度3まで机の下に潜り込むことさえできないほどフリーズ(凍結)




婆さんもまだここまでは普通じゃった。(地震の国の女ですから)

震度7にアップすると動けないというか呼吸を止めたままになってしまう。

初めて知る震度7の脅威。

すーさんには申し訳ないが、我が子の様子などうかがい知る余裕がない。

実験とわかっていながらの揺れなのにこのザマじゃ。

被災した方はどんなにか恐ろしかったことだろう。

言葉にできん。


実験は終了した。

実験には余震などない。

でも、しっかりと体に初めて知った揺れと恐ろしさが残っていた。


次、《通報と消防》

 火災と救急についての119番通報シミュレーションにより、通報の仕方、通報の仕組などを知ることができます。

いつもは電話好きのすーさんも地震体験の後遺症で呆然自失中。


はい、次、《風水害の科学》

 風水害のメカニズムや自然災害から身を守るための知識について学ぶことができます。
 また、風速30m/秒、雨量30mm/時の風雨の威力を実際に体験することができます。

爺さんが風速30メートルの暴風を体験する。(させるww)

すーさんと婆さんは実験室の外から見学。

すーさんは、漏れてくる暴風の音をバックにイケニエになった爺さんをずっと見てる。

カツラを着用されているかたはおやめになられた方がよろしいです。
(確実にぶっ飛びます)

はいはい、次次、《火災と消火の科学》

 火災についての知識を身につけ、初期消火の方法を実際に消火器や消火栓を使って消火訓練を体験することができます。

スクリーンの炎(火災)に向かって消火活動をします。

これは婆さん出動。
(消火器から出る水の勢いで婆さんの左腕はビショビショになりました。

すーさん、爺さんと一緒にご見学。怯えているものの逃走しません。(笑)

耐えてます。


はいはいはい、次々次、《避難と安全》

 火災時の、主に煙による災害の実態や煙の性質についての知識を深めていただくとともに、ホテル火災を想定した体験装置により煙の中を安全に避難する方法を学ぶことができます。

又、爺さんが体験する。(させる×2)

バニラの香りがする食品添加物を使用した煙でほのかに甘い鼻の奥。

婆さんとすーさんだけ残して一団は中に入っていく・・・。
(こればっかりは見ることができない)

暇な待ち時間。


すーさん: もう、おしまい!

婆さん: さてな、よー知らん。暇なら入る?(素っ気ない)

すーさん: ないのぉ~~

婆さん: だよね?

案内嬢: 今回は楽しんでいただけませんでしたか?(すーさんに・・)

すーさん: いただただただたタダです!(力入りすぎ)
        (そりゃ、ここは無料で入れますがな)


相当、苦痛で怖い思いをしただろうすーさん。(一瞬のみ優しげ)

帰りのバスでも、しきりに連呼

おうちに帰ります
(そんなに婆さんのことを信用できまへんか?)


この日の晩のお風呂タイムがやってきた。

婆さん: 一緒にお風呂入ろう

すーさん: ないの!(キッパリ)

婆さん: お母さんと入らないの?

すーさん: お母さんと入らないの?(更にキッパリ)

婆さん: じゃ、誰と入るのさ?

すーさん: おとうさん と お風呂入ります (婆さん、グッサリ)

婆さん: お母さんと入ろうよってば! (泣き落とし)

すーさん: おとーーーーさーーーん!
        (助けを呼んでいるかのごとく)


珍しいこともあるもんだ。なんでだ??



次の日の朝、(恐怖の月曜日です)

すーさんの目覚めは非常によろしい。

なんかおかしい。




裏がある。





すーさん: 今日は保育園! (見事にハキハキ)

婆さん: そんなに元気ならまた「地震」いく??

すーさん: いかないのぉ~~(半べそ) 保育園行きます。
      (そうか、地震が怖いってわかったんだ・・普通わかるよな)

婆さん: 保育園、休んじゃえば?

すーさん: ないのぉ~、明日も保育園 いきます。
       (すげーよ、次の日の予約まで入れておる)

婆さんがまた防災センターに連れていくかもしれないと思っているかのように

足早に玄関へ。(ソソソソソソソソソ・・・)

出て行った・・・


この日の晩も婆さんとお風呂に入ることを嫌がるすーさん。

どうやら、すーさんにとって怖いものの代表枠入りしたぞよ・・婆さん。(昇格か?)



そのおかげで登園拒否の横暴な言動・行動はなりを潜め、

毎日、しっかり保育園に通っております・・・とさ。



【オババの追伸】

耳塞ぎの正体は依然わかっておらん。

耳塞ぎをするときは、すーさんにとってよろしくない状況だとはわかっておる。

じゃが、だからと言って、

耳塞ぎをしないような環境の中だけですーさんは生きてはいけない。

婆さんは確かに怖いオババかもしれんが、

耳塞ぎをしながらでも”地震の怖さ”を知ってもらえたことはよかったと思っている。

耳塞ぎ = パニック だった頃と違い、

耳塞ぎをしていてもその場にいられるのなら、・・・少しずつでいい、

知って欲しい。

見て欲しい。

体験して欲しい。


雷と火事が残っておるからな・・すーさんや。



皆様も機会があれば地震や台風、雷などの自然災害や

火事の煙の怖さを体験できる場所があれば是非お勧め致します。


今日もなんとかこーとか言いいながらも誠に平和でございます。

ありがたや、ありがたや。

自閉症の人の偏食・変食

2007-01-19 10:50:35 | すーさん


自閉症児すーさんはおかげさまで偏食ではありません。


が・・・・・・・・・

  変 食 です。






「こいつは一体なんだんだ??」


と、すーさんの食事介助しながら何度吠えたことか。



自閉症の特徴として「独自のこだわり」があり、それを貫こうとしてしまいます。

こだわりがあるために、結果、「偏食」となっている場合がよくあります。



現在5歳9ヶ月のすーさんの場合は、

食へのこだわり = 

器に入っているものを 
●全て食べる or ●全て食べない

どちらかでなければならない・・・・的なものや、



●初めての食材・得体の知れないもんは 
絶対拒否する



みたいな「1品」にこだわりを持つものではありません。



体格が誠によろしい(デカイ)すーさんなので、

器に入っているものを食べなかったとしても・・・
「まぁ、いいじゃん」処理。


初めての食材に対し強烈な抵抗をしても


「誰でも最初は”得体の知れない”もんじゃ~~~」




と強力な眼力ですーさんを睨み返す程度で・・・
「まぁ、いいじゃん」処理。


となります。


しかし、そんな今が来るまでにはそれなりの「変食の歴史」がありました・・とさ。





生後4ヶ月から義理の姉とその妹によりすーさんの「華麗なる離乳食」が開始されました。


新米母である婆さんの心の準備など一切なしに・・・スタート。


その甲斐もあってか、

すーさんは離乳食の進行状況は極めて順調に見えた2回食に突入したある日

すーさんは器に入っている離乳食をほんの1口スプーンに取って口元に近づけた時点で




ウギャー




なんでだ?




何がダメなんじゃ?




何が違うんじゃ??






離乳食を与えるスピードが遅い!!と叱られるほど催促されたものと何が違う??





探しました・・・違いを。





違いはたった1つだけ見つかりました。





それは・・・塩を使っていない
天然和風顆粒だしを使ったこと・・・・。




それまでは抱っこしてもソックリ返って嫌がり、


触ると泣き喚き、


あやしても笑わない、


母である甘い実感などこれっぽっちも感じることのなかった婆さんが、


唯一、すーさんに母として認めてもらえたと感じれる離乳食作りに


精魂込めて向き合っていた頃ですので、


出汁は昆布と自分で削ったかつお節を使ってちゃーーーんと取っておりました・・とさ。


でも、塩を使ってないしぃ~~

でも、天然って書いてあるしぃ~~

でも、今日は疲れちゃったしぃ~~


だから、



確かに使用しましがな、
「顆粒だし」





まさか???? こんな
ガキんちょにわかるわけねぇよ。





いいや、わかっちまったんです、これが。




実験好きの婆さんはその後、昆布と鰹節で取った出汁(だし)で作った離乳食と



塩を使っていない天然和風顆粒だしを交互に使って、



見た目には全くわからないサンプルをすーさんに献上。




でも、すーさんはわかるんです。





顆粒だしを使った事実を・・・・・・。




まるで、
「怠け者め」と冷たく言い放って去っていく悪代官のようにわしを見る・・奴。






将来はソムリエだ!




無理を承知のポジティブ思考。







空しい・・・





一風変わった(いや相当変わっている)すーさんの食のこだわりは、


その後もなんの前ぶれもなく激しさを増してやってきた。




緑色のものならなんでも食べる。(これがなんとも異様に)



赤色のものは絶対に食べない。



肉は食べない。



米は食べない。



新規食材をどんなに細かくして混入させても食する前に匂いを感知して「完全拒否」




時期ごとになんらかの「絶対食べないと決めたもの」が存在しておりました。





離乳食では全く問題がなかった「卵マゴマゴ」も食べない。
(これは何年も続きました)



目玉焼きにしようが、
スクランブルエッグにしようが、
ほうれん草80%の卵焼き(ほうれん草のソテーにしか見えない)を作ろうが、


・・・・ダメなもんはダメ!!



4分の1個(卵)ほどの分量でパンケーキを焼いてメイプルシロップをダブダブかけても・・・・・


奴は、



匂いをかいですぐに”ポイッ”と投げたのを見てわしは卵を食べさせることを諦めた。



その代わりと言っちゃなんだが、



「普通、子供は嫌いです!」と育児書などに書いてあるものを大いに好んだ・・奴。



代表的なものを挙げると


● もずく酢 (汁まで飲み干す、1パックではおさまらない)


● アボガド (最初はマヨネーズも何もかけずに食べるのが好き)


● ブルーベリーのそのまま (ジャムやヨーグルトでは満足しない。)


● プルーン


● かつお節 (そのままをすくって食べる)


● きのこ類全て


● こんにゃく


● 魚のつみれ


● 野菜と魚介・海草ならなんでもござれ。
(ピーマンでも人参でも、シシャモも刺身も、ヒジキだってメカブだって・・)




他のお子さんと違うなぁ~としみじみ思ったことは、


★好きなものなら「とんでもない量」を食べること。
(お前の胃は足首まで伸びるのか???)

★どんなものでもまず匂いをかいで確認してから食べること。

★食べ物の温度を指を器に突っ込んで確認してから食べる。


戸籍付きの警察犬になれ!


さもなくば


日本酒作りや味噌作りなどにその嗅覚と人差し指温度計を生かして雇ってもらえ!



外食では、
「普通、子供に喜ばれます!」と言われるものを大いに嫌った・・・奴。
(外食でのお子様ランチ系ならゼリー以外は食べない)


× カレーライス


× ハンバーグ


× ナポリタン 


× から揚げ 


× オムライス


× 市販のお菓子全般 (クッピーラムネ以外)


しかし、自家製ならオムライスの卵以外なら全部食べる・・・これが不思議。


決して、婆さんが料理が上手いわけがありません・・・


でも、これではささやかに外食を楽しもうとしている嫁に、


「外食は主婦の敵!」と信じている嫌味な姑から


「今の時代はお嫁さんは楽ができていいわよ と

冷や水をぶっかけられているのと同じ状況だ。



そこら辺の「ダルダル姑」には負けないが、

我が子の偏食・変食に一発ブチかましたいと

既に右手はグーになっている母ちゃんは沢山おられることじゃろう。

ね?!


去年のセミナーでアイス先生のお言葉にもあったように


1:自閉症の人は大きく育つ。

  今だかつて、自閉症の人の偏食が原因で亡くなった話は聞いたことがない。

  安心して大丈夫。


7:こだわりは無限大にある。

  だが、こだわりを利用した職業もたくさんある。



食べられなかったものが食べれるようになったことを知ることで、

大いに勇気付けられることもあるじゃろう。


食べられないもんは今も食べられなくても、

「まぁ、いいじゃん」と思えるきっかけはどっかにきっとあるじゃろう。


お時間のある時にアンケートにご回答頂いて気分転換でもしてみてください。




【追伸】

現在のすーさんは、器に鼻を引っ付けて「クンクン」と匂いをかいだり、

器に人差し指を突っ込んで食べ物の温度を確認したりすることはしません。

卵料理も喜んで食べるちょっと子供らしい子供になっております。

ホットケーキにも卵1個をちゃんと入れて作れます。

何がきっかけでよろしくない行動を止めることができたのか?

すーさんのどの部分が成長して卵が食べられるようになったのか?

すーさんをジィーーーと見てきた婆さんでもよーわかりません。

なんのヒントも出せなくて申し訳ないのじゃが、ほんとにわからんのです。


だから、思うのです。

子供は自然に成長するもんなんだ・・・・と。




なんだかなぁ~「重さ」と「プリン」

2007-01-14 08:35:22 | すーさん

自閉症児すーさんはもうすぐ5歳9ヶ月。

正真正銘、保育園の4歳児クラスに在籍しておる。


すーさんの出生体重は極めて標準。(2998g)  だった。


しかし、1ヶ月検診から・・・「デカイ」部類に属していた。

だから、婆さんは5年と8ヶ月の間、「娘はデカイ」と慣らされてきた。

なので、ちょっとやソッとで驚くことはまずない。





--------平成19年1月10日(水) 身体測定---------


  体重:27.8kg


-----------------------------------------------




連絡帳に挟んであった、しおりに↑そう書いてあっても
「またか!」と思うだけ。


なのじゃが、今回はどうも気になる。


なんだか・・・気になる。




婆さんが気になり出すと「数字」が脳みその中で踊り出す。




3ヶ月前の平成18年10月の身体測定では 
26kg


3ヶ月間の
増加分は 27.8 (kg) - 26 (kg) = 1.8 (kg)




1.8 (kg) を グラム(g) に直すと = 
1,800 (g)


3ヶ月 は おおよそ 
90日


ってことは だ!!





式は間違ってない、
1日に20グラム(g) 確実に増加していることになる。



ってことは????


20グラム(g)   って どの位なんじゃ????





キョロ キョロ キョロ 






よし、これにしよっ。






20グラム(g) を 





亀田製菓の
「柿の種」に換算すると








柿の種74個分であった。

(製菓用の計量器でちゃんと計りましたがな・・ホント)






だからなんだ?? (皆の衆のザワザワ)





そう、おっしゃいますが、


柿の種74個って結構食べゴタイありまっせ。

(誰もそんなこと聞いてないべさ)






なんだかなぁ・・・・














-------------- 2投目 いきます --------------



平成19年1月12日(金) 

(自閉症児すーさんを月2回の療育に連れて行く。)


15:41 すーさんが保育園から出てきた。

15:43 すーさんが車の後部座席に座った。

15:44 我が家のファミリーカーは発進した。

15:45 婆さんはなんも考えずにすーさんに聞いた。


婆さん: 今日のおやつは何食べたの?



すーさん: プリン!!

(先日のバナナ不登園事件の第一声と同じ位大声で一発!)




婆さん: ふぅ~~~ん、プリン ねぇ。








婆さん: え"??
  プリン 食べたの??????


すーさん: はい!





爺・婆・・・顔を見合す。






・婆: ねぇ、プリン だってよ。




婆さん: 今、すーさん、プリン って言ったよね?


爺さん: 言った


婆さん: これ、ホントの話か?


爺さん: わからん


婆さん: だよね。



爺さん: プリン だったら・・・



婆さん: えらいこっちゃーーー





爺さん: でも、まだわからんぞ



婆さん: そりゃそうだ。   家に帰って献立表を見てみないとな。



爺さん: そだな。






なぜにすーさんが「プリン」と答えたことが記事になるのか?





【解説】

すーさんは「今日出来」 = 「今日の出来事」 を今までに語ったことはありません。


「食」に対する意識の高さから毎日保育園の玄関に置いてある


今日の給食 と 今日のおやつ のサンプルを携帯電話で撮影し、


「今日は保育園で何食べたっけ?」 と 撮影した画像を見せながら、


すーさんの「今日出来」を促していた時期もありました・・・とさ。


でも、そんなこと、完全無視のすーさんだったので、


フェイドアウト しました とさ・・・・・。







帰宅後、献立表を見る。






平成19年1月分





1月12日(金)





おやつ









婆さん: プリン じゃん。


爺さん: ホントだ








婆さん: すーさ~~~ん、今日、保育園でおやつは何を食べたのかな?





すーさん: ・・・・・・・・・・・・・・・(DSでゲーム中)


(期待を裏切らない・・・・奴)



爺さん: ダメだ、こりゃ。おやつ食べてすぐだったから答えたのかもね



婆さん: そうだね。        (それでももっと喜べよ < ジジィ )







婆さん・・・・・また気になる。






何をじゃ??



「今日出来」がホントだったことは素直に嬉しいが、









プリン と にぼし・・・・ ってどうよ??






たんぱく質とカルシウム 絶妙な摂取      ですが、






なんだかなぁ・・・・




【追伸】
すーさんは3ヶ月の間に身長も 2cm 伸びておりました。

微妙に  「肥満」 ではないようですが、

「肥満」 に より近い位置に属しております。



自己紹介バトン

2007-01-08 23:25:48 | 婆さん

楽天ブログを展開中の「よつばのおかーさん」より、

自己紹介バトンってもんを回して頂きましたでございます。


次に回す人って誰にしようかな?(もう既に決めちゃったぞよ)

ええかい?(読んでるあなた!!)

この栄冠を「
みちこさん」そなたに進呈しよう。

やっちゃって下さい、
みちこさんや。
北から回ってきたので北へ戻すぞよ。

うんでば、いきます。
(わしの紹介なんぞ、興味ある人おるんかいな?w)


【1】 回す人を最初に書いておく

   みちこさん



【2】 お名前は?

   「いい婆さん」でごあす。



【3】 おいくつですか?

   婆さんの歳なんぞ聞いてどうするのじゃ(笑)

   40歳を100年以上前に通り過ぎておりまする。



【4】 ご職業は?

   お笑い芸人「タコ」の付き人 兼 会社役員



【5】ご趣味は?

   ご趣味は?ご趣味?(ありすぎるような、ないような)

   アロマテラピー と ドライブ



【6】 好きな異性のタイプは?

   一言で言えば、「職人肌」の天才。

・原田 真二 (この人には人生の全てを賭けた時期がありました)

・忌野 清志郎 (RCサクセション)

・伊東 四朗 (コメディアン・俳優他)

・中嶋 悟 (元F1パイロット)

・中村 俊介 (サッカー選手)

・藤原 拓海 (藤原豆腐店の息子・アニメ頭文字Dの主人公)




【7】 特技は?

   人の名前と顔を覚えてしまう。(特技の自覚はないが・・)



【8】 資格は何かありますか?

   細々しい奴なら色々ありまっせ。(手短にいきます)

   真面目系:普通自動車・中型2輪・珠算・簿記・秘書・英文タイプ

   面白系:アマチュア無線技師・洋菓子のマイスター



【9】 悩みは何かありますか?

   あり過ぎてどれから書けばよいのやら。

   手っ取り早く書くと「デブリン」になってしまったこと。



【10】 好きな食べ物と嫌いな食べ物

   ●好きな食べ物:野菜・パスタ

   ●嫌いな食べ物:
タコ!!なんです。

どうしてもタコは勘弁なんです。(タコ好きの方ごめんなさい)



【11】 バトンを回してくれた人の印象

   同じ臭いのするお方。

   義理人情に厚くて正義感の強いクニャクニャしてない母ちゃん。



【12】 あなたが愛する人への一言

    そなたの笑顔が見たいんじゃ。



【13】 回す人を指名すると同時に、その人の紹介を簡単にお願いします。

    みちこさん です。

    わしはこの人が好きなんじゃ。

    思慮深い・一旦信じた人を信じぬくことができる人。

    その反面、時々お茶目なズッコケもしてくれる。

    なんと言っても、文章能力がスバ抜けている紙様である。

    生まれ変わったらこの人が作る紙袋になりたい。





みちこさんやぁ~~、聞こえるかい?
その後、よろしくです、ハイ!


なんか「裸の婆さん」になってもうた・・・ウキャーはずかし




犠牲者は「バナナ」だ。

2007-01-05 02:30:31 | すーさん
お断り:年始早々、ボヤきます。


昨日、1月4日は爺婆の仕事始め。

昨日、1月4日はすーさんの今年最初の「保育園登園日」


前夜、すーさんに
「明日は保育園」と何度も念を押し、

すーさん本人も
「あした は ほいくえん」 と確認済み。




年末年始のお休み中、すーさんは誠に寝起きがよーございました。

しかし、昨日の朝は
「意識不明のふり」して床から離れない。
(すーさんを起こす役目の爺さんはこの時
”やだな”と思ったそうです)


朝食係りの婆さんは、すータコのご機嫌を取る意味で

高級!びわゼリーといつものヨーグルトを先にテーブルに配膳。





高級!びわゼリーをお食べになり始めたのを見計らって、

うどんを出す。





食べるのが億劫そうなので
「食べさせてやった」


ムシャムシャムシャ・・・・と。   その時!



バナナ!!!!!!


婆さん: 「あらっ、すーさん、やだよ、バナナ食べちゃったからないよ」


すーさん: 「バナナ ダメ!!!!」


婆さん: 「ダメじゃなくてさ、バナナは食べちゃったからありませんよ」


すーさん: 「もう、ダメ!!」


婆さん: 「おうどん全部食べて保育園に行こうね」

(一応シラバッれてみる婆さん)


すーさん:「バナナナナナナナナナぁ~~」


婆さん: 「じゃ、1番:保育園、2番:バナナを買いに行く、それでどうじゃ?」


すーさん: 「バナナを買いに行くよ」


婆さん: 「そうだね、保育園に行ってからバナナを買いに行こう!!」


すーさん: 「バナナを買いにいくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

婆さん: 「ちょっと待て! 1番は?」


すーさん: 「保育園」


婆さん: 「2番は?」


すーさん: 「バナナを買いにいく!」


婆さん: 「そうだろ?それでいい・・・・」


すーさん: 「ないのぉ~~~~、バナナを買いに行く!」


婆さん: 「1番は?」


すーさん: 「バナナを買いに行く」

(なんでそうなるんだよ)



婆さん: 「では、(因みに) 2番は?」


すーさん: 「保育園」

(勝手に順番変えやがって!・・・タコめ)



婆さん: 「じゃ、1番、バナナを買いに行く。2番、保育園 じゃな?」


すーさん: 「はい!」


婆さん: 「では、バナナを買ってから保育園に行こう」


すーさん: 「・・・・・・・・・・・・」

(なんで返事しないんじゃよ?えっ!??)



婆さん: 「なに? どうしたんじゃ?? 言ってみぃ?」


すーさん: 「保育園     ないの 」


婆さん: 「保育園がなに?????」


すーさん: 「保育園は おやすみ」


婆さん: 「それじゃ、話が違うだろ!!」


すーさん: 「もう、ダメ!! 保育エ~~~~~~~ン(泣)」

(こんなときに泣きジャレを言ってどうするよ?、タコ)



婆さん: 「それなら、お父さんに・・・だな・・・・」






ドタドタドタドタ






バナナを買ってから保育園に行くものだと思って洗面台で

身支度をしている爺さんに一直線に走る、タコ一匹。






すーさん: 「おとうさんにぃ~、ほいくえん は おやすみ」


(誰がそんなことを言ってこいって言ったんだよ!!)






バナナを買いに行くために保育園はお休みする。







自閉症児すーさん こと タコは、

こうなったら微調整もヘッタくれもありゃせんのだ。


今年最初のお休みの理由が
「バナナ」かよ!!




バナナを喰っちゃったのはおまえだろ?

バナナを食べないと保育園に行かない!なんていうこだわりは、

今までにない!!! だろ??




新たに、




勝手に、





都合よく、





こだわりを作るんじゃねぇよ!!







爺さんは必死にタコへ理解させようとしている。


今日はバナナを買いに行くから保育園はお休み。


だけど、


明日は保育園に行くよ!!




タコは素直に
「ハイ」「ハイ」「ハイ」 なんでも「ハイ」





仕方なく保育園に電話。


加配のスナップ先生は遅番でいなかったので、もう1人の担任のあんみつ先生に

「明日は保育園に来るようにタコに言ってもらえますか?」とお願いした。


あんみつ先生: 「すーさん、明日、保育園で待ってるからね、来てね」


すーさん: 「ハ~~~~イ」


(どこまで調子が良い奴なんだ)







婆さんは知っていました。

バナナを買いに行かなくてもタコは全然平気だと・・・・。


そうです、

昨日の最後の目的としてバナナを買いに行くことにしても


タコは
「そうだったっけね?今日はバナナを買うんだったわね」状態。


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今日は行け!

絶対に行け!!

今日保育園に行ったら明日からまた3連休だ。


いいな・・・・行け!!!! 約束だからな!!


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【追伸】

おかげさまを持ちまして、本日、無事に保育園へ行きました。

「バナナ」という単語は一切出さず、

「バナナ」がぶら下っているのを見ても無反応。



それじゃ、あまりにも
「バナナ」が可哀想ではありませんか?


昨日、
「バナナ」の存在は爺婆に恨まれ、


悪名高き食べ物になり、


挙句に、


保育園を休むことになった途端にタコの頭の中からはすっかり消去され、


きっと、暖房の効いた台所の片隅で3日後には
バナナ」に変化し、


タコには吸盤(指先)でしか触ってもらえない芳醇な香りを放っておることじゃろう。



絶対、喰えよ。


絶対・・・だからな。