legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

【一日早い卒園式】

2008-03-31 23:55:48 | 保育園

卒園式の模様もアップしないまま、


とうとう、保育園最後の日が来てしまった。


明日は通常の火曜日であるが、すーさんはもう保育園には行かない





卒園式から2日間はいつもと変わらない土日だった。

3日後の月曜日のお迎えの時、


あんみつ先生から一本のカセットテープを手渡された。


あいにくと我が家にはラジカセカセットデッキもない。







困った。






それに、3月に入ってから卒園式までは

なるべく保育園を早退するスケジュールを入れないようにしていたため

連日、予定が折り重なるように詰まっていた。



そして、卒園式から一週間経ってラジカセを園友から借りて、



やっとテープを聴くことができた。



ラジカセからは、卒園式前日のすーさんの声が聴こえてきた。


フラッシュ「一日早い卒園式」へGo!


↑クリックしてFlashをどうぞ




28日金曜日、卒園式のDVDと園友の母が作った謝恩会用のスライドショー


婆さんが作った「連絡帳、最後のページ」と、この「1日早い卒園式」を収録した


2枚組のDVDをあんみつ先生とスナップ先生と園長先生

お世話になった他園に異動になった先生方、


引っ越してしまった3人も含めたクラスメートに届けたり発送の準備をした。



しかし、園長先生とスナップ先生は4月1日の異動先へ行かれてお留守だった。



その夜、希望していたすーさんの就学先が決定したと連絡が入った。


ここまで待った吉報なのに心はまだ躍らない







すーさんの歌声あんみつ先生の控えめな声を聞いた晩から、



「連絡帳、最後のページ」「1日早い卒園式」



トレーナーの袖に涙汁と鼻汁の染みを作りながら制作に没頭した。







5年2ヶ月の保育園での時間は・・・





戻したいのに戻らない時間は・・・やはり長い





お世話になったことも多すぎる





「ありがとう」を積み上げても頂上は雲の上。





睡眠不足の日を重ねても作業に入ると眠くない





何度見直しても見たりないし、





もう1人の婆さんがダメじゃ!・・ピシャリと背中を叩く。





見るたびに涙が溢れ出て顔面ワダチができた。





心筋梗塞で急死してしまいそうに胸が痛い





まるで大失恋したみたいだ。





こんなに苦しい思いをしてまで、



なんで小学校なんて行かなきゃならんのじゃ





今、苦しいのは、



今までが、幸せだった証しだと・・わかってはいるが。







七味唐辛子のビンを力いっぱい何度振っても

山椒の粒が出口の穴を塞いで出てこなくて、


そのうち、ビンを振る手が疲れて



「もう、なくてもいいか」とあきらめかけた時、


ドっバー ー ー 






おいしそうなウドンの丼一面に・・・くまなく七味・・















そんな失敗だけは絶対にしたくなかった。












保育園最後の日の今日のために



腫れて3ミリしか開かない重たい瞼にペテンをかけながら完成させた。







やっぱり作ってよかった。



結局、先生にはこれっポッチしか伝えられなかった。





今なら激辛七味うどんだってなんだって食べてやる。





勿体ないだろ!





その位、淋しくてたまらない。





明日も連絡帳を長々書いてしまいそうな勢いだ。







だけど、すーさんはとても調子がいい



今日のお別れ会で「さようなら」という場面で泣いたらしいが、





額に「無理」と書いて迎えに行った爺婆とは対照的に









ウサギのようにピョンピョン跳ねて教室から出てきた。









明日は保育園に行かないすーさんと一緒に



小学校用の黄色い帽子体操着でも買いにいくかな。









どうすっかな?







【追伸】



コメントを頂戴しておる皆様にはお返事もせずに申し訳ないと思っております。



許して下さい。



もう少し・・もう少しだけ経てば、



きっと婆さんにも大好きな葉桜を見上げる元気が出てくると思います。







保育園最後のバス遠足-君はどこに行ったのか?

2007-10-20 00:36:56 | 保育園

平成19年10月18日木曜日(晴れ)

自閉症児すーさんは、保育園最後のバス遠足へ行った。

事前にすーさんご本人にお弁当の中身についてのリクエストをお伺いしてみた。

 ・梅干おにぎり
 ・ウインナー
 ・卵焼き
 ・ブロッコリー

彩りはなんとなく・・・完璧じゃ。

ノンタンのお弁当袋にしっかり入れてズッシリ重いお弁当のできあがり。








---ここからは担任あんみつ先生の連絡帳---
-----  を引用させて頂きます   -----



と~っても楽しい遠足になりました。
リュックをしょってバスのところまで行き、

バスの姿を見つけると嬉しさを身体全部で表現する
(全身動かして)
すーさんなのでした。







バスの中ではす~っかりリラックスモード・・・
イスにもたれかかるように座っていて=
すーさんなのでした。

(去年は背筋をピーンとして緊張感もある様子のすーさんでしたが
今年はすっかりバスの中でもリラックスしてのぞめたようです








動物園の「なかよしひろば」では
モルモットにはやはり手を後ろにして
拒否ポーズ!!







ひよこのところにすっかり腰を落ち着けていました。

ひよこには自ら
片手づかみ~~!!





たくましいすーさんなのでした。




そして、なんといっても楽しかったのがお弁当Time  

保育士:「何か見た後にはお弁当です!」

すーさん:「お弁当早く~~~!!」

とアピールしていましたよ
すーさんが選んだ
リクエスト弁当~!
とあって1つたべるたびに「おいしいねぇ~と満面の笑顔
お母さん達にも見せてあげたかったです。









いぁッぱー~い食べたので、

保育士:「そろそろおしまいにする?」 とたずねてみると

すーさん:「ブロッコリー 食べます!」

すーさん:
「トマト 食べます!」

と、ほとんど完食・・・・


ちょっと離れたオラウータンへの散歩コースに行くよりも


お弁当完食~!!

に、力を注いでいたすーさんなのでした(笑)






【追伸】

その日のお迎えの時であった。


延長保育士:「すーさん、今日、遠足楽しかった?」

すーさん:「は~~い、たのしかった」

延長保育士:「すーさん、どこに行ったの?」

すーさん:「 え ん そ く 」

延長保育士:「何を見たの?」

すーさん:「おべんとう には ブロッコリー!!

 ・
 ・
 ・
 ・

婆さん、ほとんど空の弁当箱なのに何故か重たく感じるのであった。



【追伸2】

遠足の次の日のあんみつ先生の連絡帳には・・・


他のクラスの保育士:「すーさん、昨日の遠足楽しかった?」

すーさん:「たのしっかった~

他のクラスの保育士:「どこに行ったの?」

すーさん:「・・・・・ (考えるすーさん) 」

あんみつ先生:「ど・ど・どう・・・」 と ヒントを出すと

すーさん:「どうぶつ の おやこ~!!」



自信満々に答えてくれた姿に

すーさんのかわいさにみんなで笑ってしまったのでした。

改めて 楽しい一日だった事を確信してしまいました~~~




連絡帳を読んだ婆さんは、我が娘すーさんには

暫く遠足でどこに行ったのか?についての質問は

しない方が無難だろうと確信したのであった。




保育園最後の運動会-君はきっと頑張った

2007-10-08 10:54:47 | 保育園
2007年10月6日 土曜日



自閉症児すーさんの保育園最後の運動会であった。



すーさんの担任のあんみつ先生が運動会に向けて用意して下さった支援カードはこの4枚。







あんみつ先生にお願いしてこのカードを見せてもらった時、



婆さんは・・・・素晴らしすぎて言葉がなかった。



しかし、現実問題、すーさんが運動会当日”成果”としてできるか否かは「その時」でないと誰にもわからない。









担任のあんみつ先生とスナップ先生のわしら親への当日のリクエストは



観覧席にハンカチ持参で座って観て下さい。







それだけ・・・・だった。









いざ、当日へ ~~~













バランス









 → シャッターを切ることを忘れてしまった。



手押し車

















~扇~

















ピラミッド









タコこと年長の自閉症児すーさんが参加できた種目はこれだけではない。





しかし、





音楽に合わせ、8秒間の間にポーズを決める





そんな高度な動きの変化にすーさんが適応できるのか??









例年の如く、婆さんには確信はありませんでした。





爺さんも婆さんもお尻が座りっぱなしで四角に硬直し軽い痛みはありました。





しかし、「観覧席」にずっといました。



そして、運動会後半、



「私を見てね!」





と、言わんばかりのすーさんに数回手を振りましたのじゃ。





すーさんが初めて親に求めた「勇姿への視線」







婆さんは2日後になって・・・やっと







すーさんの成長に両手にを作り、したのであった。









「楊枝」に「用事」あります! - フィードバック -

2007-06-07 13:18:00 | 保育園


爪楊枝事件解決から約一週間が経った。

婆さん自身の反省は、ちゃんとしたつもりである。




わしが悪い



じゃが、ただ1つ、嬉しく感じることがあった。





わしは、一年前の保育参加の時のお弁当に

ウインナーではなく、シュウマイで同じような細工を施したおかずを入れた。



担任のスナップ先生はそのシュウマイから楊枝を取り除き、

ポイッ! とどけたすーさんを見ている。

だから、ついつい・・・今回も同様のものを入れた。


しかし、見た目は同様じゃが、

誤飲の原因に繋がる大きな違いがここそこにあった。





前回のシュウマイの時は、先の尖った部分ではなく

爪楊枝上部を基準にして半分程度にカットしていた。

要するに先は尖っていなかった

それと、

シュウマイからすーさんがつまめる程度爪楊枝が顔を出していた

今回は、タコさんウインナーの足の部分で爪楊枝が隠れていた

すーさんには、食べる前に爪楊枝を見ることができなかったはず。


似ている形態のようで全然違う、

すーさんには危険なおかずであったことがお解かり頂けたであろう。



さて、婆さんは何が言いたいかというと、

危険なおかずの制作者である婆さんが悪い 

ということは反省した上での話なのであるが、



このように

すーさんの視点で、

すーさんの捉え方を想像し、

視覚優位な図解を基にして、

自らを反省し、絶望しなかったことは


すーさんの親として、支援者として、

ちったー(ちょっとは)力をつけてきたのかな?

と、嬉しく思ったのであります。





我が娘、6歳にして誤飲経験者となった。

今まで誤飲をしなかったのは、

すーさんの持つ一見厄介に思える感覚過敏が

誤飲を防いでいてくれていたと言っても過言ではないだろう。




このヘナチョコでナヨナヨな悪い婆さんに

時間と心の余裕が持てるまでその厄介な感覚過敏

見守っていてくれたのではないか。



カバ先生が爺さんと婆さんが納得できるような

目で見える説明をしてくれたように

わしらもすーさんに目で見ることができる説明ができるようになることで

1つ1つ、すーさんとの繋がりの数を増やしていけるはずだと

実感を持てたのであった。


運が良かっただからこそ言える婆さんの戯言かもしれんがな。



すーさん、ほんと、


ごめんなさい





「楊枝」に「用事」あります! - その4 -

2007-06-07 13:17:09 | 保育園
昨夜の夕食のメインは ”こんにゃくカレー”

副菜は”刺身こんにゃく” と ”根菜サラダ”

しつこく水分補給を促し、

爪楊枝の手配書を貼り出してから何事もなく一夜が明けた。





おはよう、すーさん、朝だよ!


グースカ、グー


爺さん: 一度起こしてトイレに行ったのに又寝ちゃうんだ


婆さん: すーさん、保育園行かないの?


グースカ、グー、グー ・・・




2度寝、3度寝、4度寝。


それじゃなくても

昨日の「爪楊枝事件」で心配してくれているあんみつ先生に

昨日の今日で「起きられないんです」と電話するのは

思いっきり、気が引けた。




熱は・・・ない! 全然・・・ない!!


そのまま、あんみつ先生に伝え遅刻の了承を得た。





10:00 自力で起き出し「保育園に行く」と言ってるので送り届けた。

その日から保育園に迎えに行くと

「担任からの聞いています。熱は36.8度でした。ウン●は出ていません。」

と、ついつい頭を下げてしまう報告が始まった。




事件から3日後の27日の日曜日の晩には

あんみつ先生から自宅に様子伺いの電話が入る。




いやーーーー、

ウン●は出ないが、熱はなし、元気である





事件から5日目の午後9:24(夜)、



ついにその時がやってきた。



咽返るような臭気を鼻息で飛ばしつつ解体作業は進行した。







でました!!


平行に並んでました!!


原型のまま、


フヤケ、ササクれ、などの変形なしで埋まっておりました。





「容疑者確保」、偉大なる「出土」に思わず大声で爺さんに報告。




じゃが・・・・



出土本数は・・・・



2本・・・・じゃった。




3 - 2 = 1



いや、引き算的見方はよろしくない。





・便に血が混っていない = 内臓を傷つけていない

・平行に並んで出てきた





という紛れもない事実により、

もしも、まだあと1本、楊枝が体内に残っていたとしても

同じように無事に出土する確率は高いと言えよう。

落胆することはない



すぐにあんみつ先生に電話で報告しようと思ったが、

爺さんに「こんな夜中に電話すんな」と怒られ、

テンション”高”の自分に気がつく。(笑)



そこで、改めて婆さん自身の記憶の確認作業をしてみた。


本当に残りは1本なのか??




タコさんウインナーのお花編は6本制作したと思う。

しかし、お弁当箱に詰める段階で6本全部は入りずらいことが判明。

なので、たぶん、

1本は
・・・抜いた・・・はず。




だから・・・やっぱり、


6 - 1 = 5


なのであろう。




2本出土後に至っては、このような婆さんのへんな記憶力が疎ましい。






爪楊枝手配書もご覧の通り、薄ボロけて来た

事件から8日後の6月1日金曜日の夜、

残り1本がウン●から出土した。




ラスト1本の爪楊枝が最初の2本と同様、

なんら変形もなしに埋まっていたことで

体内で爪楊枝が留まって内蔵を傷つけなかったことに

すーさんが体格に見合った腸壁の広さに

心から感謝する婆さんであった。




ほんと、よかったよ。



保育園の先生方・・・ほんと、お騒わせしました。


「楊枝」に「用事」あります! - フィードバック - に続く

「楊枝」に「用事」あります! - その3 -

2007-06-07 13:16:47 | 保育園
自宅に戻ったすーさんは、普通に・・・お元気。

婆さんの目を大げさバージョンにチェンジさせてみても、

やっぱり、普通に元気なのじゃ。


時折、爺さんが「おなか痛くなったら教えてね」

へー気のへーちゃんで任天堂DSで遊んでいるすーさんに声をかけているが、

6歳1ヶ月の自閉症児すーさんは顔も上げず、

ただ一言、



はい!





と、答えるだけであった。




完全に婆さんの頭は宅配ピザのハーフ&ハーフ状態。

楊枝を食べたのか? 楊枝を捨てたのか?

全くわからない。


今できることと言えば、休日モードになっているすーさんに

カバ先生の所へ連れて行くまで固形物を与えないこと位じゃ。


時折、すーさんの腹部をジッと見ながら

胃の中の消化状態を想像透視してしまったりしていたので

すぐに時計は3:00になった。



電話が鳴った。


担任のあんみつ先生からだった。


やはり、クラスメート全員のお弁当箱からも

すーさんがお弁当を食べた周辺からも

楊枝は発見されなかった





あんみつ先生: カバクリニックに何時頃行かれますか?

婆さん: 3:30からの診察なので3:30にはクリニックに到着している予定です。

あんみつ先生: ほんとにすいません。

婆さん: あんみつ先生のせいじゃありませんがな。

 まさか、あんみつ先生もクリニックに来て下さるとか?

あんみつ先生: そのつもりで・・・・

婆さん: そんな事しなくても。後でちゃんと報告しますから。

あんみつ先生: でも、心配で・・・心配で・・・


あんみつ先生の気持ちもわかる。

いくら婆さんが「大丈夫ですがな」と何度言った所で、

あんみつ先生の真っ黒な心の影は晴れることはなかろう。





3:28 すーさん、爺さん、婆さん、クリニックに到着

建物の入り口には園長先生とあんみつ先生が立っていた。



「なんでここにいるの?」と不思議そうな面持ちではあるが、

いつもすーさんの姿を見てホッとしている先生方。


園長先生はネットで「楊枝の誤飲」についてずっと調べて下さったとのことじゃった。

でも、きっかけになるような情報は得られなかったそうじゃ。





婆さんが楊枝を弁当に入れたばっかりに・・・申し訳ない。




いかんいかん、早く、カバ先生にすーさんを診せなきゃあかん。



クリニックの受付で残っている2本の楊枝を提出し、

あらかたの事情を伝えた。






カバ医師: これ、飲んじゃったの?

婆さん: 正確には食べちゃったかどうか定かではないんですが、

 体内に入っている確率の方がやや高めです。

すーさん: もしも~~~し


すーさんは既に受診態勢万全である。

カバ医師: まぁ、もう見える所には楊枝はないね。




-------ここからカバ医師の診察・解説-------

さて、じゃ、これからどうすか? だね。

まずは、こんなもん(ビニール袋に入っている楊枝を持って)レントゲンには写らないよ。

材質が 「
 木 」 だからね。

と言っても、
消化はしない

金属やプラスチックのような硬い物なら写るけど。

CT や MRI だってちゃんと写るか?っと言えば・・それも確かではない。


たとえば、CT や MRI にそれらしいものが写ったとしよう。

それで、お腹を切って摘出すべきか? ってことだけど、

それには
大きなリスクが伴うことだよね。

そこまでするか? ってことになるわけ。


それに楊枝は体内で常に
動いているわけだし。

もしも、この楊枝が内臓のどこかに刺さり、そこが化膿したとする。

そうなれば、
熱が出る

(すーさんが痛みを訴えでることができない子だと言うことを知っている医師である)

体に痛みが出てくれば、なんとなくすーさんの様子も変化する。

熱に対して気にするのに
まず一週間はみて。

で、経過観察として、まぁ、
2週間は必要かな。



でもね、
「こんなものまで出たか!」とビックリするほど

色々な物が出てくるもんなんだよ。


ほんと、普通じゃ
考えつかない物がね、出てくるんだよ。


それにさ、

よかったよね、この位、
長くって!

もっと楊枝が短いと内臓を突き破ってしまう可能性が逆に高くなる。

要するに・・・こうなるんだよ。






だけど、これ位長いと・・そのまま流れに平行に外に向かうことが多い。

便に混ざって出てくることができるわけ。





すーさんの様子を見ながら待ってみるしかないね。


------- カバ医師の診察・解説 ここまで -------




カバ医師の診察結果と解説に爺婆は納得した。

すーさんの様子の変化を今後2週間程度気をつけて見ている以外にやるべきことがないことを・・・。


待合スペースの園長先生とあんみつ先生にカバ医師からの話を伝えた。


様子を見ながら排便を待つ!



しかしながら、近日排便には期待薄である。

元々、4日間隔という排便サイクルの持ち主のすーさんが、

この日の前日に9日振りに「かつて見たこともない」分量の排便をしていたからじゃ。



とは言え、

自閉症という障害はあれど、

子供の持つ成長する力をゆっくり見守りつつ待つ、

と言う、せっかち婆さんにとっては過酷な修行よりは遥かに

「発熱に気をつける」


「変化を見逃さない」


「排便の際は、便を解体して中身を確認する」



と、目的・目標がはっきりしているので意欲がわく。


意欲がわく分だけ、途方もない心配の影は薄くなっていった。



お弁当に入れた爪楊枝付きタコさんウインナーを再び食卓に出した。

例のウインナーを食するすーさんを爺さんからの避難の声を尻目に

この婆さんの目で見てみたのである。(非情な婆さんめ!)


すーさんは「楊枝には用なし」と言わんばかりに取り出していた。



すーさんは、きっと大丈夫じゃ。




「楊枝」に「用事」あります! - その4 - に続く


「楊枝」に「用事」あります!- その2 -

2007-06-07 13:15:54 | 保育園
婆さん: どうしましたか?


あんみつ先生: これが・・楊枝が・・・・


婆さん: はい、ウインナーに刺してあった・・・


あんみつ先生:

すーさんが最初に卵焼きを食べて、おにぎりを食べて・・

 大丈夫だなぁ~と思ったので皆の様子を見に行って

すーさんの所に戻って来たら。



婆さん: たぶん、5本入れたと思いますが・・もしかして?


あんみつ先生: 

すーさんの口にちょうどウインナーが入っていて、

爪楊枝ごと口に入れていて、

慌てて爪楊枝を引き出したんです!!



婆さん: では、すーさんが楊枝を喰っちゃった・・・と?


あんみつ先生: ウインナーは確かもっと入っていたと思って。


カラッカラになっている弁当箱の隅には、

確かに、2本・・・半分に切った爪楊枝がヘバリついていた。







・・・って・・・・ことは・・・・



3本の楊枝は何処に????




さて、ここで

どのような爪楊枝が、

どのようなウインナーに、

どんな形で合体したものであったか

をご説明させて頂くことこととしよう。













婆さんの


「ウインナーを5本入れた」


と言う記憶が正しければ、


残り3本の楊枝の行方を捜さなければならぬ





でも・・・・ちょっと、待て!



すーさんは、触覚過敏がある。

婆さんが取り損ねた小さな魚の骨もきちんと出す奴である。



婆さんは、弁当箱にヘバリ付いていた楊枝を取り出して

自分の口に入れてみた。




これを飲んだ???



それは・・・やっぱり、考えにくい。



飲み込めない。



しかし、


すーさんの特技の一つに


飲み込む力は百万力!



ってのがあったっけ。


爪楊枝がウインナーにスッポリ包まれた状態で、

咀嚼もそこそこで

百万力の飲み込む力で・・・・飲んだら???











飲める・・・かも??









「期待」せずに恐る恐るすーさんに

弁当箱に有難く残っていた楊枝を見せながら聞いた。



婆さん: ここにあったウインナーはどうしたかい?















たべちゃった









張りのある、しっかりとした声で笑み少々を加えて返答してくれた。






たべちゃった・・・かぁ・・・・





沈んだ婆さんの反応にどうやら


「婆さんも食べたかったなぁ」と思ったものと誤解したすーさん。




「ウインナーですよ、美味しいです」



そう言って、ウインナーをつかんだつもりの指を

婆さんの口元に運んでくれた。




モグモグモグ




食べているつもりで想像する。



やはり、ウインナーを1回でも噛んだのであれば


楊枝の存在には気がつくはずだ・・・・。








こんな時は、事を整理することが重要じゃ。


【楊枝を喰ってないとしたら?】

・すーさんが弁当を食べていた周辺に楊枝がある・・はず。

・すーさんの至近距離でお弁当を食べていた友達の弁当箱にもぐりこんでいる・・はず。


とにかく、探せばどこかに楊枝があるはず。





【楊枝を喰ってしまったら?】

・レントゲンに写るのか?

・体内から除去する方法はあるのか?






で、まず、

すーさんの両隣でお弁当を食べていたお友達の弁当箱をお借りして

あんみつ先生の捜索が開始された。



・・・・・・ない





はい、次、


ブルーシートをあげてその下を主任先生方が捜索




・・・・・・ない





そこで、保育園の看護士さんに事の次第を話しつつご意見を伺う。



かかりつけの小児科に診てもらった方が良い・・との結論。



それは婆さんもそう・・・思う。



すーさんの様子を気をつけて見ている ことと

かかりつけのカバ先生に相談する べきだ。





婆さんが悪い



格好つけてタコウインナーに装飾を施し、

楊枝の尖った方をウインナーに埋め込み、

弁当箱に素直に入ってもらうように短くカットした、




婆さんが悪い






でも、今、ここでそんなことを嘆いていても仕方ない。



高齢妊娠・流産の危機・妊娠中毒症を経て

帝王切開ですーさんをこの世に出してしまったことを

ひたすら後悔しているのと同じように

全く生産性のない思考の堂々巡りをしている

今は、時間はない










靴をはこう




突然、すーさんがそう言った。




そうだよ、靴を履いて歩き出さなきゃ・・・な。




楊枝を3本、体内に入っているかもしれないすーさんを

このまま、あんみつ先生にお任せするのは申し訳ない。


小児科 カバクリニック の午後の診察は 3:30 からだ。


婆さん: 本人も自宅に帰る気になっているようなので連れて帰って様子を見ます。


あんみつ先生: 後でクラス全員のお弁当箱に楊枝が入ってないか調べてみます。



勢い余って栄養士の先生にまで「楊枝を食べたとしたら?」と質問をしてしまったので、

心配して下さっている大勢の先生方に見送られ、

すーさんと婆さんは保育園を後にした。




「楊枝」に「用事」あります! - その3 - に続く

「楊枝」に「用事」あります!- その1 -

2007-06-07 12:38:37 | 保育園

去る、平成19年5月24日木曜日、 

婆さんは・・・寝坊をしてしまった。



そうじゃないべ・・・



その日、すーさんの保育園では「保育参加」が行われた。



保護者が「ママ先生」「パパ先生」になって子供達と一緒に過ごす。



そして、

その日は保護者が普段、子供達が食べている給食を

試食できる素ん晴らしい日でもあった。


子供達の給食を保護者が食べてしまうわけだから、

子供らはお弁当持参するということになる。





寝坊した婆さんは、それでもお弁当を作ったのであった。





すーさんのクラス(年長組)は、

ちょいと遠い公園まで歩いて行き →

公園で遊ぶ → 保育園に戻る → 保育園でお弁当を食べる



そんなタイムスケージュルであった。



すーさんよりも頭1つ分小柄な「Kゴン」という名の男の子に

ガッチリ手を繋いでもらい、エスコートされ公園へ向かった。



保育参加に初参加の爺さんは活発なお姫様達の「ジイ」になって

すーさんとは少し離れて歩いていた。



目的地の公園に「着いたよ~」と聞こえてきそうな時、


すーさんはド派手に転んだ


たぶん・・・・婆さんの足に引っかかって転んだのじゃ。



すまん。



すまん。





だが・・・・




なんか





もっと、




すまん・・・が



続くような





そんな・・・ 予感がした。







公園に到着すると爺さんは予定があるのでここで「さいなら」





だから、もっと、婆さんは・・・嫌な予感をより強く感じた。






その日はもの凄く暑かった。



公園で10分も遊ぶとすーさんは


「お茶を飲みます」


と言って体温調節したがった。


保育園への帰路はずっと


「おべんとうだよ」


と、お弁当への期待が心の器から溢れ出しそうだった。



もう一度・・・・念を押しておくが、



婆さんは寝坊はしたがお弁当を作った



保育園に到着すると保護者は給食を試食するためホールへ。


すーさん達は、園舎脇にブルーシートの上でお弁当を食べる。



婆さんは、保育園の給食を思う存分満喫した。



すーさんは幸せじゃな。



いつも、こんな美味しい給食食べて・・・。



その幸せ気分のまま婆さんは仕事に戻るはずだった。



だけど、お弁当を食べているすーさんを見たかった。


だから、2階のホールを出た所からすーさん達をそっと見下ろした。


すーさんは、淡々とお弁当を食べていた。


ここの所の食欲不振の影も見えなかった。


又々、幸せ気分の婆さんだった。



じゃが、


ニカっーと覗いていた婆さんの存在をすーさんは見つけてしまった。



ならば、すーさんに「仕事に行ってくるぞよ」と伝えてから・・


そう思ってすーさんがお弁当を食べている場所に下りて行った。





担任のあんみつ先生がニマニマ婆さんに聞いた。




お母さん・・・・・



ウインナーはいくつ入ってましたか?








なんだって??





「楊枝」に「用事」あります! - その2 -  に続く







カレーライス と 友達

2007-04-06 16:59:01 | 保育園

すーさんは5歳11ヶ月の自閉症児。

2歳になる頃まではカレーライスがお嫌いでした。

詳しく言うと「レトルトのカレー」は嫌いでございました。


いつしか、カレーライスも好物の1つになり

「カレーライス が 友達」 みたいな関係でした。



昨日、担任の先生&園長先生と今年度の保育についての話し合いの時間を設けて頂きました。

去年のクラス担任であり、今年はすーさんの加配の先生になって下さったあんみつ先生から面白い話をお聞きした。


すーさんは「かるた」「トランプ」などのカード類は大好きである。

最近、保育園ですーさんの楽しみの一つに「キンダーの生活カード」があるらしい。

その中で特に好きなカードが1枚

「男の子と女の子が数人で一緒にカレーライスを食べている」

カードであるらしい。


そのカードの中の1人の男の子を指差し、あんみつ先生に


「YOU君!」 と 主張するらしい。


あんみつ先生は少々上気して

「こちらが聞いていないのにお友達の名前がすーさんから聞けたのが初めてだったのでこういうのはいいなぁ~と思ってるんです」

と、おっしゃっていた。


すーさんはその1枚のカードを手に取り、

YOU君とカレーライスを食べているのを想像しているのだろうか?





今年のひなまつりの時、保育園で撮影してもらった写真が↓これ↓である。







どうやら、一緒に撮影するパートナーは当日クジで決まったらしい。

すーさんの横で写っているのがその「YOU君」である。

撮影した日、あんみつ先生もスナップ先生も

「ものすごく二人がかわいかったんです!」 と ルンルンしてらした。



もう、さくらの花が散るっていうのに我が家のリビングには

今日も片付けられないお内裏様とお雛様が真面目な顔で並んでる。


だから、YOU君をイメージし易かったのか?




【追伸】

YOU君とすーさんはお互いに生まれる前から知り合いで、
(YOU君母と婆さんは入院仲間だったのである)

0歳児の時から同じ保育園だった。

YOU君とご近所さんなので保育園以外でも会うことがよくある。


ベビーの頃から繊細な心を持つYOU君が少し「男っぽく」なったきっかけが

カレーライスだったとYOU君母から聞いたことがあった。


保育園の給食がカレーライスの時、

一番最初におかわりをするのはYOU君だということは男子の中では有名な話。(笑)


【追伸2】

確か、ひなまつりの撮影の数日前、

「僕が一番すーさんのことを知ってるんだぞ」

ワンパク軍団に胸を張って宣言していたYOU君を

婆さんは有難く聞いていたのであった。




白いお月様

2007-03-29 09:44:59 | 保育園

婆さんは幸いにして花粉症ではないが、

どうもこの季節には頭の天辺に鉛の塊が乗せられるのじゃ。


昨日もすーさんを保育園に迎えに行き例の塊を頭に乗せられてしまった。

保育園の先生方の移動が発表されていたからである。


0歳児クラスの途中から編入したすーさんじゃもん、

担任になって下さった先生方が全員、

卒園まで同じ保育園に在籍して下さることはあり得ない。


だけど、すーさんが保育園で1人浮遊していた時

言葉を持たなかった時

婆さんが孤立無援と強く思っていた時、

やっぱり、支えてくれたのは保育園の先生方だった。


すーさんの担任ではなくても同年齢の隣のクラス担任の先生は

”副担任”的な目で見守り続けてくれていた。


別のクラス担任になっても、

保育園の中でのすーさんを見ていて下さり、

婆さんに時折そのことを話してくれた。


今回の移動で現在の担任の先生の2人以外は

すーさんをよく知っている先生は誰もいなくなる




重い。





特に1歳児クラスと2歳児クラスの時に担任だったキリン先生が退職されることが一番キツイ


担任を離れたキリン先生の「目」はずっとすーさんの「目」であり、

キリン先生の「言葉」はいつもすーさんの「言葉」だった。


婆さんが既に担任ではないキリン先生をとっ捕まえて

感情むき出しの質問をしても

保育士として、1人の母としての回答をストレートに返して下さった。


キリン先生はご近所さんとは言え、退職されることは



痛い。








保育園から自宅への道のり。

昨日はずっと下を向いて歩いていたんじゃないかと思う。

すーさんと手をつなぎ、

すーさんの変形スキップにお付き合いしていても、

なぜか見えるのは灰色のアスファルトだけだった。










寂しい・・・がな












と、その時、





すーさん:「あっ!」












マンマル おつきさま だねぇ、おかあさん?






ゆっくり頭を上げて辺りはまだ明るいすーさんの指差す空を見た。















婆さん:「まん丸 か?」



すーさん:「大 正 解!!」



婆さん:「そりゃ、どうも」






しばし、立ち止まって静寂の時が過ぎる。











すーさん:「おとうさんが おうちで まってるよ」




婆さん:「たぶん なっ」








どうやら、婆さんの返答に不満げのすーさん。



白くてボンヤリ、中途半端な形のお月様に向かって









「おとーさーーん」










そう吠えるマルコメ娘であった。




【追伸】

4月2日(月)から、キリン先生ドール先生スマイル先生はいない。

保育園にはいないことをいつ頃気がつくのであろうか?

人知れず、ひっそりと園内散歩をしながら探すのであろうか?


すーさんは、言葉や態度には出さないが

「居るべき所にいない人」が誰であるかをきっちり見ているはずだから。




【追伸2】

園長先生とスナップ先生とあんみつ先生が保育園にいてくれる。

それは大変有難いことで、

空を見上げる元気に繋げられrるように・・・

切り替えなければいけないのであろう。



秋よりも学期末のこの時期の切なさの方が、

婆さんのような年寄りには染み入るのであった。




自閉症児よ、前に向かって走るんだ

2006-10-04 02:00:30 | 保育園

2006年9月30日、土曜日。


すーさんが通っている保育園の運動会があった。












































































すーさんの担任で加配の先生であるスナップ先生は



「すーさん、あっちだよ!って向きを変えてすぐに私は手を離したんです。

 すーさんがトラックのラインに沿って1人で走っていく後ろ姿を見たら、


 
もう、鳥肌たっちゃいました!!」



婆さんと致しましては、

1人でリレーだとわかった上でバトンを持って走る

そんな高尚なことをやれることすら当日まで


これっぽっち    も



信じちゃーーーおりませんでしたがな。




婆さんが自画自賛することは、


すーさんの方向転換から再度前に向かって走りだし、


次の走者であるすーさんより数日お姉さんで、


いつもどこかですーさんのことを見ていてくれる


桜子ちゃんにバトンを奪い取られる(笑)瞬間まで


「あっち、いけーーー」 と 左手で ホレホレしながら


撮影をし続けたことでございます。



でも、言い換えれば


すーさんが撮影している婆さんを見つけ、


「なにしてんのかな~~」 とポケポケ状態で近づいていく


すーさんの姿を見た父兄の方々の


なんとも言えない
「ざわめき」


カメラを置いて
「素」をさらすことができなかった・・・・・・


とも言えるのでございます。



今年の運動会に向けて、


婆さんは何も対応致しませんでした。


去年は運動会でやる遊戯の曲を事前に仕入れ、


すーさんの日常に曲を組み込み、


運動会の予行練習にビデオ撮影し、


これまた、すーさんの日常に摺りこみ、


当日の段取りをチェックし、


当日には、爺婆はいつでもすーさんのパニックに備えて、


すーさんの近くにスタンバイしていた。



今年は、2年前の担任のキリン先生をはじめとして


会う先生全ての先生が、完璧なコーラスのように


「すーさん、ものすごく
ニッコニコ


同じフレーズを聞かせてくれた。



運動会の予行練習の日のお迎えの時には


「婆さん、運動会でのサプライズを期待していて下さいよ」


スナップ先生は胸を張って言ってくれた。



それでも婆さんは
「期待」しそうで・・・・しなかった。



すーさんが参加したのは

●バルーン(オープニング)→去年はやっとこさバルーンの布を持てただけ

●親子でデカパン →親子でデカパンはいて走る

●VICTORY (GET A VICTORY) →途中で隊形も変わる遊戯

●紅白リレー


全て参加させてもらいました。



去年のように「木偶の坊」((1)操り人形。でく。(2)気のきかない人。役立たず。)状態では


ありませんでした。




確かに、
「動きは変です。」


やっぱり、
目立ちます。


でも、参加中だけは  
ニッコニコ  


だったんです。



保育園全体でありのままのすーさんを


世に出してくれたってわけです。




【追伸】


帰宅後、運動会のサプライズをじっくりビデオ鑑賞したいと思いました。


そやけど、すーさんが言います。


「うんどうかい、もう、おわりました」


爺婆は見たいんです。


どうか、見せて頂けないでしょうか?
(現在も激しく抵抗中のすーさんです)



【追伸 2】


運動会に終止符を打った張本人のすーさんが、


今日もまた、


GET A VICTORY!(遊戯)


を張り切ってやっていたと先生からお聞きしました。


やっぱり、爺婆は


運動会のビデオ・・・
見たい・・・・んです!!


ご理解の程よろしくお願い申し上げます。




アイパッチって『愛パッチ』

2006-07-17 07:45:39 | 保育園

2年近く前のことであろうか、

婆さんは娘・すーさんが『自閉症かも?』という思いを

心のどこかに住まわせるようになったのは。


その頃、婆さんは保育園で父母会の役員をやっていた。

そして、

父母会の会合ですーさんより1つ年上の娘さんのお母さんの笑い声が好きになった。

自分が心から笑えない時期だったからだろうか、

そのお母さんのサバサバした発言やキラキラした笑顔で婆さんまで乗せられた。


それから秋が来て、すーさんの(とうとう)3歳児健診(3歳半)に向けて

心の準備を始めた頃・・・初めて、そのお母さんの曇った顔を見た。


「うち、やっぱり眼科へ連れて行かないとダメなのよ」


婆さんは、そのお母さんの言葉の意味がよくわからなかった。

そのお嬢さん(ラヴちゃん)は、わしから見ると健康そのものの子に見えていたからだ。


「片方の目の視力が弱いみたいなの。春に保育園の検査で『問題あり』って言われていたんだけどさ」


この時、正直な所

「来年はすーさんも視力検査を保育園でやるのか?」

としか思わなかった。(ごめんちゃい)


1日置き位に保育園のお迎えの時にラヴちゃん母に会うので

保健センターですーさんのことをどんなふうに言われているのかを話しつつ、

ラヴちゃんの話も聞いた。


ラヴちゃんは
『不同視弱視』と診断されたようだった。




ある日、ラヴちゃんはメガネデビューをした。

ただ、そのことについてなんて声をかけたら良いか婆さんはちょっと迷った。

自分の気持ちや見た目を気にするお年頃のラヴちゃんだからだ。




おっと、ラヴちゃんや、かっこいいなぁ
(この時、ラブちゃんの返答をドキドキしながら待っていた婆さんである)


ラヴちゃん:うん、かっこいいよ。だって、ママと同じだもん。
(いつものラヴちゃんのお母さんと同じ笑顔だった)

おりょ?そう言えば今日ラヴちゃんのお母さんメガネしてるよね・・。ホントだ、同じじゃん!


ラヴちゃん:ママとね、同じメガネ買ったんだよ

ラヴちゃん母:仕方ないからさ~、買ったわよ、同じの!!

(顔は苦笑していたが、ラヴちゃんがメガネをしてくれたことを喜んでいるようじゃった)


次の日じゃった・・・。

ラブちゃんは今度はメガネに見えないメガネをしていた。






ラヴちゃん、今日もかっこいいなぁ~


ラブちゃん:でしょ! これ、ママが作ってくれたんだよ。


ラヴちゃん母:私さ、面倒臭いの大嫌いなんだけど・・・。この子、
ピンクが大好きだからさ。


この小道具はなんじゃ?

ラヴちゃん母:アイパッチって言って治療なのよ。眼科で紹介されたのはちょっと病人みたいでね。

その話を聞いたアホな婆さんは

「アイパッチ」  とは

「愛パッチ」  と書くもんじゃと思い込んだ。(いや、これマジな話じゃ)



その後、ラヴちゃんは
「愛パッチ」を愛用していた。



そして、わしがすーさんを迎えに行くと必ず一言何か言ってくれる。


ラヴちゃんのお仲間(クラスメート)がすーさんのことを

「なんで耳を押さえてすぐ泣くの?」

「どうしてすーさんは、お話しないの?」

と 問うても、

ラヴちゃんはそのクラスメート達のそばで婆さんからのコメントを待っているだけ。


決して

「どうして、すーさんは??」 と 直接婆さんには聞いて来ない。


その代わり、この4月からすーさんのお迎えが早くなったので


「いつからすーさんのお迎えが遅い時間になるの??」


と、何度も聞かれて困る婆さんである。(笑)





【追伸】

すーさんが自閉症と診断された直後、

「どうだった?」 と いうダイレクト質問をされたのはラヴちゃん母だけだった。

そして、素直にそのまま答えた婆さんであった。



【追伸2】

すーさんにどんなことをしたら理解してもらえるだろうか??

と 考える時、

わしは大概この
「愛パッチ」を思い浮かべるのである。







絵カードの威力

2006-06-27 00:29:01 | 保育園
今年の4月に無事(笑)にすーさんは年中さんに進級できた。

年少さんで使用していた視覚支援の一つである文字カードを引き継いだ。

だが、去年のすーさんの加配の先生ではなかったが

クラス担任であったスナップ先生が今年度はすーさんの加配の先生である。

スナップ先生は年中さんの教室に黒板がないので新しく簡易ホワイトボードを

作成して下さった。

それに伴い、去年度からの文字カードのサイズを小さくした。


それにはすーさんはなんら抵抗をしなかった。


だが、この3週間ほど前からすーさんは時間排泄をかなりの頻度で抵抗し出した。

スナップ先生は、トイレのカードではなく、ブロックにトイレの文字を貼ったものを

使用してすーさんの反応を見ててくれた。


じゃが、やはりトイレへの誘導には応じないことが頻繁になり、

話し合いの結果、時間排泄を一旦取り止めすーさんの意思に任せることとした。


ならば・・・遊びはただの「あそび」という文字だけだったので色々な遊びを

チョイスできるようにしたらどうだろうか?ということで

爺さんが『愛娘すーさん』のために線画でカードを作った。




ここで褒めるのもなんだが、

婆さんには描けない完結明瞭な絵カードができたと思う。


この新しい絵カードを作ったことですーさんとスナップ先生とのやり取りが

より具体的に楽しくなったように連絡帳からも伺えた。


保育園では現在このような形でカードを使っている。



毎日、日付と天気を貼り、その日によって「何をするのか?」「何をしたいのか?」を

すーさんがカードを見て時には自分の希望も伝えわかるようにしている。

小イベントは即日スナップ先生が文字・または絵でスケジュールに追加して下さる。



いい具合に絵カードの感触が伝ってくるので、

25日の日曜日に課題であった 「電車に乗る」 練習をすることにした。

前回の記事で皆々様からかなり具体的で的確なアドバイスを多数頂戴していたので、

婆さんはすぐに絵カードに必要な諸々の材料である画像を集めていた。


「電車に乗る」 というパターンをカードにするにはちょっと枚数が多すぎるので、

普通の紙に印刷して、縦長に長くして、番号ごとに蛇腹にしてすーさんに見せた。


数日前までは

電車に乗ろうか?





ないのぉ~~~




のワンパターンだったが、

この電車に乗るための絵カードを見せると





電車に乗ろうか?




はい! 電車に乗ります。





と、きたもんだ。

かなり調子が狂う。(笑)


不思議なもんだな。





すーさんが行きたい所で近距離の場所というのがヤマダ電機。

目的地がヤマダ電機でも、ずっと電車で行くのは嫌だと言ってたくせに。


電車で2駅の短い練習。

婆さんがあまりの緊張で切符を紛失してしまったこと以外は、

(婆さんが緊張してどうするよ?)

(すーさんの耳塞ぎは相変わらずだが、)

他にはなんらアクシデントもなく、時折外の景色を見る余裕も見せたすーさん。





帰りの電車はかなりつらそうではあったが一応帰ってこれた。




やれやれ・・・・と気を抜いている暇はない。


29日の木曜日に今度は保育園で
「クッキング」というイベントが待っている。

今回は
「おにぎり」を作るそうだ。

で、エプロンと三角巾を入れる袋を作って、

その袋から出して身支度をする所から「クッキング」が始まるらしい。


なので、さっき一連の絵を作った。

(当然、この3点セットも婆さんが作ったわけじゃが・・・(涙)








そこで・・・更に婆さんは欲が出てきてしまった。

おにぎりの製作工程を上のように一連の絵にしたらすーさん・・・作ってくれるか?!

「光とともに」の光君が。クッキングの工程をこのように一連で見せると

順番通りに作っていた場面を思い出したのじゃ。


ラップ系のものを使って丸いおにぎりを作るのかどうか・・・は

スナップ先生に聞いてみようと思うのであった。

工程や出来上がり図が違うと絵カードの信頼度が下がってしまうしな(笑)









気分しだい de 『婆さん塾』

2006-05-17 20:17:02 | 保育園



↑上の画像をクリックして頂けますと
「婆さん塾」へ飛びます。



保育園から帰って来てから「任天堂DS」ばっかり

っていうのもどうかと思い、

1ヵ月に2回ある療育と保育園での様子、

そして、すーさんの毎日の調子をベースに

婆さんと爺さんは「家庭内療育」(おこがましいったらありゃしない)を

始めました。


パソコンを使ったものではなく、

爺婆がすーさんと向き合ってする初めての試み。

まぁ、気負いはまったくございません。(きっぱり)


でも、帰って来てからの30分弱の時間を

すーさんと向き合っているという実感は

なんか・・・あります。(笑)


今日で3日間やりました。

さてさて、明日、は・・・・?????


【追伸】

療育をする前の「仕込み」を追加しました。

まぁ、難しいことは一切ありませんがね。(爆






雲と弁当とコーヒー

2006-04-22 08:35:33 | 保育園

昨日の朝、いつものようにすーさんはチンタラ朝食を取っていた。

婆さん: 急いで食べようよ

すーさん: 1番 保育園。スナップ先生 積み木 するよ

婆さん: ほぉ~、スナップ先生と積み木するんだ?

すーさん: はい!

婆さん: じゃ、急げや・・・


空しく響くだけの爺婆の「急げ!」の号令・・これもいつものことじゃ。

しかし、すーさん、しきりに

「スナップ先生 積み木 するよ」 と言う。

スナップ先生との積み木遊びに何が隠されておるのじゃ?


午後5時、婆さんは保育園に迎えに行った。

スナップ先生が教室にいらっしゃった。

他の子は既に延長保育の教室に移動しているので静かだった。

金曜日恒例、お昼寝布団が教室に並べられている。

お昼寝布団のカバーを親が取り替えやすいように・・・。

すーさんはその布団の並びにゴロンとする。

スナップ先生も・・・ゴロンとした。

他の子供達には・・・「布団にゴロン」は禁止(笑)


スナップ先生が話し出す。

「今日ね、すーさん、すごい良い発音で
『コーヒー』って言うの。
 
 最初、何を言ってるのかわからなかったんですけど・・・」

(確かにすーさんの英語の発音は良い)

「でね、でね、すーさんといつものように皆がお昼寝している時にホールで遊んでいたら

 
くも!くも! って言うから空を見たら確かに色んな色の雲が見えたから、

 (この時春雷が轟いていた)

 ホールに寝転がって窓を見たらもっと沢山の雲が見えたので、

 『すーさん、先生と一緒に寝てごらんよ、いっぱい雲が見えるよ』

って誘ったら私の横にゴロンしたの。

 でね、でね、
『ほんとうだぁ~、くも、くも、くも』って言ったと思ったら

『おべんとう たべよう。 カッフィー、カッフィー』

って言うから・・・なんだろう?って聞いてたら

なんかねぇ、私、眠くなっちゃってね、すーさんと一緒にウトウトしちゃったんです。

『ねぇ?すーさん。あの時にこのお布団の山があったらもっとよかったのにね?』」


(ただ今、すーさん、布団の山に埋もれ中なので無言)


「でね、でね、(これはスナップ先生の口癖)
 
 爺さんにも朝話しをしたんだけど、積み木のこと私にはなんだかわからないんですよ。

 でもね、朝、爺さんから積み木の話を聞いたから給食の前に一緒にやったんです。

 ほらっ、横に並べたり、縦に並べたり。

 そしたら、すーさん
『おべんとう おいしいねぇ』 ってケタケタ笑いながら

 積み木を私にくれるの。

 でも、給食の用意の時間になったから、これで最後だよ・・・って終わりにしたんです。

 ちゃんと終わりにできたんですよ。

 でもね、給食がテーブルに並ぶとちょっと泣いちゃって席に着こうとしないから、

 『もう一度だけね』 って言って一緒に積み木をやったんです。

 そしたら、
『おべんとう これで終わりにします』 って1回やっただけで

 自分から終わりにしたんです。


 それから・・・ホールの話に繋がるんですけどね」



ここで、古畑”婆”三郎 登場。



”婆”三郎: もしや、積み木は四角(■)と三角(▲)がありましたか?



スナップ先生: あったあった。■はピタッと揃うけど▲は揃わないから
          手に持って色々動かしてたけど。


”婆”三郎: もう、犯人はわかっているんですけどね(笑)





すーさんのファンタジーと申しましょうか、

余りにも現実チックなファンタジーで恐縮なんですが、

ここで解説をさせていただきましょう。


「雲」→雨ではない
(毎日のスケジュールでお天気マークの中で「くもり」を「くも」と理解している)

「積み木」→■はお弁当箱。▲はおにぎり。

「カッフィー」→爺婆がお弁当と一緒に持っていく水筒には概ねブラックコーヒーが入っている。
         爺婆はコーヒーを飲むと幸せになる。
(すーさん用には別の水筒にジュースかお茶を用意しておる)

最近、お出掛けする時にはおにぎりと水筒は欠かせません。



これで皆様もお解りいただけたでしょう。



すーさんは、ゆっくりまったりのお出掛けをしたかったのであります。



【追伸】  

スナップ先生は誠に自然体ですーさんと接してくれます。


去年の婆さんならスナップ先生の自然体を無関心として捉えていたと思います。


スナップ先生は「すーさんを知っていくことが面白い」と言って下さってます。