legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

”とうちゃん”の歩く道

2006-11-26 07:28:54 | 婆さん



うちのタコこと自閉症児のすーさんが、まだまだ短い5年という人生の中で


「どうぶつえん」  と言えば


ただ今、放映中のドラマ「僕の歩く道」で主人公・輝明が勤務する動物園をイメージするだろう。


なぜなら、現実にロケ地となっている動物園に何度も訪れたことがあるからだ。


「テンジクねずみ」 に触れたこともある。


まぁ、そんなことはどうでもよい のじゃ。


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「僕の歩く道」の第6話をご覧になった方も多いことじゃろう。


ベテラン飼育係の古賀年雄(45)が自分の息子を「自閉症」と認められずに


ひたすら「逃げていた」過去を回想する。


息子が自宅から勝手に出て行ってしまい、近所の店の前で

耳塞ぎをし、

奇声をあげ、

苦しさのあまり うずくまっている。


そして、そんな息子に手を差し伸べずにただただ「噂話」の世界の傍観者が遠巻きにしている。


古賀年雄は、傍観者と同じように、


自分の息子に手を差し伸べることさえできず、


その場に背を向けた。


背を向けた夫(古賀)を見た時の妻の気持ちは、婆さんには言葉にすることはできない。


婆さん:「ひどいよな~、行っちゃうんだ~」 





爺さん:「でも・・・・・・・・わかるよ」





婆さん:「なんで 『わかる』 のさ?」






爺さん:「【おかあさん】じゃないから・・・・・」





(全然わかんねぇ~) by:婆さん






第6話のラストに近づいた時、


ずっと、自閉症に背を向けていた古賀が輝明と「たった二人」になった。


古賀は目覚めた輝明に死んだお父さんのことを尋ねた。

「いつ戻ってくるのかな」と輝明が答えたのを聞いた古賀は、堪えきれず静かに泣いた。

(↑番組の物語より引用)





婆さんは根がしつこい性格なので、もう一度、


古賀がパニックを起こしている息子に背を向け去るシーンから


古賀は、堪えきれず静かに泣いたシーンを 観た。



ここで修正させてもらいたい。


古賀は、

自閉症児の父ちゃんは、

自ら勝手に湧き出るくる想いに

パワー全開で”泣いた”    と。





爺さんが 自閉症の我が子から逃げている古賀を 


「わかる」 と言ったことを婆さんは「まだわからない」 と言っておこう。




なんで、苦しんでいる我が子をとうちゃんが傍観者の前で抱きしめないんじゃ?

なんで、世話は かあちゃん ばっかり なんじゃ?





それは、社会的に「逃げられる」立場だから・・・・だけじゃない、


とうちゃんは、力の限り、フルパワーで 
「泣ける場所」がなかったからではないか?


と 無責任かもしれないが、そう思ったのであった。




自閉症のことを勉強しないから・・・


自閉症のことを知ろうとしないから・・・


障害があることを「恥」だと思うから・・・・




一概にそうも言えんのかもしれない。



婆さんは思う、


障害を診断された子供のとうちゃんが


「思う存分泣ける場所」     と


不測の事態による「育児早退」    を


ある一定の期間限定でもいいから、提供してもらえんじゃろうか?

(誰に向かって言っているのか・・・・)





【追伸】



爺さん:「おかあさん は やるしかないんだよね・・だけど・・・」



爺さんの「だけど・・・」の先は今は追及しないでおこう。



だけど、爺さん、あんたは



すーさんの
とうちゃん なのである。




【追伸 2 】



婆さんは「障害児のかあちゃんも兼用」 した経験を持つ とある人物にコンタクトを取った。


かあちゃん も とうちゃん も 知っている人だからである。


とうちゃんが泣ける場所 を 提供できるのは、


悲しいかな、


かあちゃん がいる場所 ではないのかもしれんから。






自閉症・発達障害児のための「やってみFlash」第2弾 & アンケート

2006-11-20 16:58:00 | 療育

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お時間のある時に覗いてみて、
みなさんの声を
是非聞かせて下さい。


母の気持ちとその事情

2006-11-12 10:18:21 | 婆さん


親の会のランチに参加させて頂いたことは↓前回の記事に書きましたが、

その中で 年齢・性別・障害の程度・・などを問わず必要なことじゃないか!

と 思ったお話があった。




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~親の会の会長さんのお話から~

親の会のお子さんは既にハタチを過ぎておられる。

うちの子供は傷つきやすいの。

それはいろいろな場面であることなんだけど、

特に「母である私の様子・言葉の変化に傷ついている」ようだ。

別に今怒っているわけでも、腹が立っているわけでもないのに

「ちょっと今やることが重なっているから手短に子供に返答した」場合、

子供は

「お母さん、そんなに怒らなくてもいいじゃない!」

そう・・・過剰反応してしまうそうだ。

声のトーンが変化することに敏感なのはわかるが、

声のトーンの変化が全て「怒ってる」と受け取って傷つくのはどうもかわいそうだ。

いくら、「怒ってなんかいないよ。そんなにキツイ言い方をしたつもりはないのよ」

そうフォローしても子供が傷ついたことは消せないのが現実だ。


なんか・・・いい方法ないかなぁ~~~。



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手前味噌で大変恐縮ではあったが、

あの「しずかにします」のフラッシュの話をさせてもらった。


いつもこちらへおいで頂いて下さる方ならもうご存知のフラッシュじゃ。


「しずかにする」ということはどういうことなのかを「見せるとこうなる」というフラッシュ。



で、会長さんの話にどうこの「しずかにします」を挿入していったかというと、

母の「怒り」の度合いを

今は 10 です。

今は 3 です。

今は 0 です。


を 絵で見せる。





この鬼母のような顔を「普通=0」のレベルまで変化させたカードを見せて

現在の母の怒りレベルを子供に伝える。


簡潔に言うとこんな話をしてみた。





それ、いいかも・・・・・。


皆さん、そうおっしゃって下さった。





それに加えて、もう1人のお母さんが

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私はいつも ★理(月と女性だけの密会)の時はイライラするどころか

人格まで変わってしまったんじゃないかと思うほどヒドイので、

あらかじめお子さんに

「今日は、お母さん、怒って見えることがあるだろうけど、怒ってないからね。

 嫌な思いをさせてしまうけど、ごめんね」


そう伝えておくのよ。


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要するに
「事前予告」である。






障害があるゆえに「人とのコミュニケーション」がうまくいかない。

だからと言って、相手の気持ちをくもうとしていないわけじゃない。

ただ、相手の気持ちを理解するのが苦手なのじゃ。

気持ちだけじゃない、その時のその事情が見て取れないのであろう。


通りすがりの人・場所ならともかくも、

くつろげる我が家で、

家族であり、一番信頼している母の気持ちと事情を読み取ることができるならば・・。

読み取った成功体験が増えていくことで何か次のステップにいくことができないだろうか?


「怒ってないわよ、大丈夫よ」とフォローしても

最初に「怒られた」と傷ついた思いを完全に、即座に拭い去ることなんぞできないのだから、

事前に、はじめから、「見せる」「知ってもらう」ことさえできれば・・・。


そんなことを考えているうちになんか勝手に動き出していた婆さん。(笑)




婆さんの頭の中で整理されていないので、まだまだ未完のブツであるが、

ちょいと皆さんに見て頂きたい。




















絵の右側の言葉は色々とお母さんの事情や各家庭のルールで変化すればいいし、

文字はなくてもいいかもしれない。

文字を読むのではなく、事情と気持ちのイマジネーションへの

ほんの些細な手助けができればそれで充分。



【追伸】


婆さんが子供の頃、わしは人一倍母の言葉に敏感であった。

敏感なのに正解率が非常に低かった。

その為に、実母から

「人の心が読めない。気が利かない娘」 と 怒られた記憶が

今でも脳と心にギューギューとのさばっておるのである。




できることから広めよう!

2006-11-10 16:55:50 | 婆さん


脳みそが腐りそうな(既に腐敗が相当進行しておるじゃろうが)

多忙な日々の合間に本日発達障害の親の会の「ランチ」に初めて参加させて頂いた。


障害を持つお子さんが17~22歳と言う大先輩の親御さんばかりだった。

今現在すーさんが生活している環境が

そのお母さん方から見ると


「うらやましい!!」


と、つい出てしまったことは、お母さん方のお話を聞いているうちに完全に頷けた。


「排除」 の対象にしか見て貰えなかった我が子の話は、

話す人の目を見て話を聞くことが当たり前の婆さんでも

気がつくと目を逸らせてしまうような内容じゃった。



どのお子さんも「知的障害」はないのじゃが、

それでもはっきりと
「排除」の対象であったそうじゃ。



それでも、その母達は口を揃えておっしゃる。


「もっともっと幼少期からその子に合った支援を受けられるようになって欲しい」

「1人でも多くの理解者が増えてくれることが大事」

「(自分を含め)【知らない】ことがどんなにもこども達を苦しめてきたことか!」



懺悔のお気持ちをも織り交ぜてお話して下さった。



婆さんだったら、


「後発はいいよな~、でも、もう過ぎてしまったから仕方ないか」


などと 
妬み99% の 諦めの気持ちになっていただろうに。




22歳のLDの息子さんを持つお母さんは婆さんの横でメモを取り出した。

内容は婆さんがその時話していた「カバ先生」こと近所の小児科の医師のことだった。

すーさんの障害のことも全て話しをし、

すーさんが診察を当たり前のように受け、

決して、パニックを起こさない場所である

カバクリニックのことをメモしていたのだと思う。


22歳の息子さんを連れていくのか?


いくらなんでもそんなことはお聞きするわけにはいかなかったが、

その後のそのお母さんのお話から推測するに

小児科の診察に苦労している「仲間」に情報として

教えてあげるためのものだったと思われる。



このお母さんにとって、小児科は
「過去」ではないのである。

情報は、同じような障害を持つ
仲間の「宝」になると活動し、生き続けているのである。



婆さんが持参した「やってみFlash」の資料を手に取り

その場にいたお母さん全員が

「楽しそう!」

と 言って下さった。



「今、同じような障害を持つ子どもが生まれたらこういうのをやらせて一緒に遊んで、

 すごい子に育てる自信があるわよ!」




脳みそが腐敗していた婆さんは、そのお言葉を聞いて

思い切り脳みそにスペシャル防腐剤をジャボジャボ注がれた気がした。




【追伸】

「お父さんから見て、娘さんについて何か感じたことはありますか?」

障害の診断をはじめ、色々な所で同じような質問を受けるたびに

爺さんはいつも言う。

「うちの子は笑わなかったことです」



この話をした途端、親の会のお母さん方が止まった。


「爺さんって人もすごいですよ」

「そうそう、爺さん、すごい」



婆さん:(少々不満げに)「なんでですか???????」



会社勤めをしていて朝晩、いや、

忙しい時は24時間以上すーさんの顔を見なかったことなどザラ。


「そんなお父さんが専門家に『笑わなかった』と答えられることはすごい。

 たぶん、うちの旦那なんかそんなことさえも気がつかなかっただろうし、
 
 気がついていたとしても専門家に質問されても

 そうやって答えられなかったと思う」



他のお母さんも頷いていた。



そんなにも世の中は10年余りで変わったのだろうか?




だとしたら、諸先輩方からの
情報の宝をしっかり持って

世の父ちゃんも母ちゃんも

楽しく、

笑って、

ビシバシ 

我が子と共に
「できること」を増やそうぞよ!