legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

絵カードの威力-おにぎりの巻

2006-06-29 12:49:05 | 療育
どうせやるなら・・・まとめて

そう思って1つの行動が2つや3つ目の行動を抱え込む習性が婆さんにはある。

母親が共働きで生後7ヶ月から保育園児だったので

母親の

「どうせやるならまとめて、これも、そして、あれも」という合理的な考えから来る口癖が

婆さんの行動基準として身体に染み付いている。

良くも悪くも・・・癖なのである。


前回の記事で

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そこで・・・更に婆さんは欲が出てきてしまった。

おにぎりの製作工程を上のように一連の絵にしたらすーさん・・・作ってくれるか?!

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と、思ってしまった。

「電車に乗る」で初体験した「一連の絵カード」が、すーさんに理解してもらえた。

ならば・・・おにぎりの作る工程を「一連の絵カード」で理解してくれないか?

作業表を作って見通しをたてられ、おにぎりを作ることに少々でも喜びを感じてもらえないか?


更に、すーさんの保育園での良きパートナーであるスナップ先生が

今までにない長期休暇を取られる事態と重なり、

婆さんは・・・どうしてもおにぎり作業表なるものを作りたくなった。


事前にもう1人の担任のあんみつ先生に作業工程と目標完成図を連絡帳でお聞きした。


で、ダイニングテーブルをスタジオに見立て連絡帳に書いて下さった工程を物撮りした。





昨日、この作業表を持ってスナップ先生の長期休暇を確認したいことも含め

園長先生とお話をさせてもらった。

園長先生の隣には今回のクッキングを担当される栄養士さんもいらしたので、

1:ご飯は白米状態ではなく「香りごはん」と呼ばれる大葉のふりかけのようなものが含まれていること。

2:4番までの工程は既にできている形で子供達の前に出されること。

3:目的は「三角▲おにぎり」とは限ったことではなく
『にぎる』を体験することが目的であること。

4:自分で握ったおにぎりはそのあとすぐに給食の自分の主食となる。



栄養士さんと園長先生は

1:この作業表だと白米だから、香りご飯のように緑の粒々が入っていることですーさんが嫌がるならすーさんだけ白米を用意する。

2:1番から順番に工程を進まないとすーさんが混乱するなら子供達に1番からの工程を見本で最初に見せる。

そう・・・とまでおっしゃって下さった。


でも、婆さんは・・・やんわりお断りした。

全てがカード(絵)の通りでないと受け入れられないのなら仕方あるまい。

あくまでも”工程の事前予告”なわけだから。



とにかく、今夜、自宅で予行練習してみます。香りご飯はできないかもしれませんが。



あんみつ先生に園長先生と栄養士さんとの話しを手短に作業表を見せながら

伝えていると、すーさんが作業表を欲しがったので渡した。

すーさんが認識している海苔付きおにぎりではないのに一発で

美味しそうなおにぎり!!


と、言いやがった。


作業表を持ったままお気に入りの窓際に行ったすーさんをクラスメートのセブンちゃんが追った。


しかし、婆さんはあんみつ先生との話しを続けた。

あんみつ先生が突然

「ダメ、セブンちゃん、押しちゃダメだよ」

そう言ってセブンちゃんをすーさんから離した。

どうやら、作業表をすーさんから取ろうとしたらしい。


いや、違ったのだ。

1分後、セブンちゃんは得意げな顔で作業表を婆さんに差し出した。

どうやら、本当はセブンちゃんは作業表を奪った悪者すーさんから

作業表を取り返して婆さんに渡した正義の味方
のつもりらしい。(笑)


そしたらどうだろう。

セブンちゃんが婆さんから離れるとすぐに婆さんとあんみつ先生の所へやってきて


もうーーーやだ!


と言って地団駄踏むではないか?!

あんみつ先生も
「こんなすーさん見たことない」と目を丸くして驚いていた。


いや、婆さんもみたことないべ(笑)


作業表をセブンちゃんに取られたことが相当悔しかったようで

帰り道の自転車の後部座席で


おにぎり、たべるーーー!!


と連呼し、帰宅後も


おにぎり、たべるーーー!!


と、わめいておったので婆さん塾のあとの夕食時におにぎり作りの予行練習をすることにした。


作業表を自分の右となりに置き、表と自分の手を見比べながら進めていく・・・


奴。


ラップの上から
「にぎる」と言うのに抵抗するかと思いきや


なんてことありしぇーーーん・・・・でした。


できあがり、





そして、爺さんように作った大きなおにぎりからすーさんの夕食の主食となった。

(どうしても大きな物から食べるようじゃ)


こうなりゃ、「どうせやるならまとめて」精神に則り、

当日の保育園のスケジュール用カードにこの2枚を追加して保育園へ出発した。




今朝はキリン先生の

「すーさん、今日はクッキングだね」 のエールから始まり、

婆さんの伝えたいことは全部伝えて託してきた。


全否定ならそれでもOKです。


スナップ先生がいなくても、

いや、いらっしゃらないからこそ


美味しそうなおにぎり。 パク。


と、豪快に召し上がってもらいたいもんだ。











【追伸】 【追伸】 【追伸】 【追伸】 【追伸】  




photo by 園長先生




カードを前にして1つ1つ指差し確認しちょります、


この子は ・・・  だーーれ??





ちゃーんとできました!!




らしいで・・・・・ございます。



うぉーーーーー!!




皆様にはご覧いただけるでしょうか?

モザイクの下の
「目線」ってやつが・・。

やはり、すーさんのみならずクラスメートの「目線」も集める


カードパワー!!





あんみつ先生もこの日すーさんのそばで自然にフォローして下さった

美人のライダー先生も更に美しさに磨きがかかって写っております。


園長先生:「私もね、三角巾とエプロンを持ってきたから」


とはお伺いしておりましたが、


まさか、写真までプレゼントして下さるとは思ってもおりませんでした。


全部・ちゃんと・  できました。



けど・・・・


たった1つだけ


カードでは知り得なかった予想外の展開がございました・・・とさ。


それは


おにぎりを作って給食のおかずが用意されるまでは



待っている。





あちゃーーーーーー。


作り上げたおにぎりを


パクッ



と食べるつもりだったすーさんは、


お友達に「まだだよ」と制止されたことで


泣いた





そうじゃ。


まぁ、いいじゃろう・・・・・。

なぁ? みなさんや・・・どう思いますかな??


わしは 大成功!!  だと思っておりまする。






絵カードの威力

2006-06-27 00:29:01 | 保育園
今年の4月に無事(笑)にすーさんは年中さんに進級できた。

年少さんで使用していた視覚支援の一つである文字カードを引き継いだ。

だが、去年のすーさんの加配の先生ではなかったが

クラス担任であったスナップ先生が今年度はすーさんの加配の先生である。

スナップ先生は年中さんの教室に黒板がないので新しく簡易ホワイトボードを

作成して下さった。

それに伴い、去年度からの文字カードのサイズを小さくした。


それにはすーさんはなんら抵抗をしなかった。


だが、この3週間ほど前からすーさんは時間排泄をかなりの頻度で抵抗し出した。

スナップ先生は、トイレのカードではなく、ブロックにトイレの文字を貼ったものを

使用してすーさんの反応を見ててくれた。


じゃが、やはりトイレへの誘導には応じないことが頻繁になり、

話し合いの結果、時間排泄を一旦取り止めすーさんの意思に任せることとした。


ならば・・・遊びはただの「あそび」という文字だけだったので色々な遊びを

チョイスできるようにしたらどうだろうか?ということで

爺さんが『愛娘すーさん』のために線画でカードを作った。




ここで褒めるのもなんだが、

婆さんには描けない完結明瞭な絵カードができたと思う。


この新しい絵カードを作ったことですーさんとスナップ先生とのやり取りが

より具体的に楽しくなったように連絡帳からも伺えた。


保育園では現在このような形でカードを使っている。



毎日、日付と天気を貼り、その日によって「何をするのか?」「何をしたいのか?」を

すーさんがカードを見て時には自分の希望も伝えわかるようにしている。

小イベントは即日スナップ先生が文字・または絵でスケジュールに追加して下さる。



いい具合に絵カードの感触が伝ってくるので、

25日の日曜日に課題であった 「電車に乗る」 練習をすることにした。

前回の記事で皆々様からかなり具体的で的確なアドバイスを多数頂戴していたので、

婆さんはすぐに絵カードに必要な諸々の材料である画像を集めていた。


「電車に乗る」 というパターンをカードにするにはちょっと枚数が多すぎるので、

普通の紙に印刷して、縦長に長くして、番号ごとに蛇腹にしてすーさんに見せた。


数日前までは

電車に乗ろうか?





ないのぉ~~~




のワンパターンだったが、

この電車に乗るための絵カードを見せると





電車に乗ろうか?




はい! 電車に乗ります。





と、きたもんだ。

かなり調子が狂う。(笑)


不思議なもんだな。





すーさんが行きたい所で近距離の場所というのがヤマダ電機。

目的地がヤマダ電機でも、ずっと電車で行くのは嫌だと言ってたくせに。


電車で2駅の短い練習。

婆さんがあまりの緊張で切符を紛失してしまったこと以外は、

(婆さんが緊張してどうするよ?)

(すーさんの耳塞ぎは相変わらずだが、)

他にはなんらアクシデントもなく、時折外の景色を見る余裕も見せたすーさん。





帰りの電車はかなりつらそうではあったが一応帰ってこれた。




やれやれ・・・・と気を抜いている暇はない。


29日の木曜日に今度は保育園で
「クッキング」というイベントが待っている。

今回は
「おにぎり」を作るそうだ。

で、エプロンと三角巾を入れる袋を作って、

その袋から出して身支度をする所から「クッキング」が始まるらしい。


なので、さっき一連の絵を作った。

(当然、この3点セットも婆さんが作ったわけじゃが・・・(涙)








そこで・・・更に婆さんは欲が出てきてしまった。

おにぎりの製作工程を上のように一連の絵にしたらすーさん・・・作ってくれるか?!

「光とともに」の光君が。クッキングの工程をこのように一連で見せると

順番通りに作っていた場面を思い出したのじゃ。


ラップ系のものを使って丸いおにぎりを作るのかどうか・・・は

スナップ先生に聞いてみようと思うのであった。

工程や出来上がり図が違うと絵カードの信頼度が下がってしまうしな(笑)









爺シャツと羞恥心

2006-06-24 09:03:56 | すーさん
先週は『地獄』のようなハードな仕事をこなし、

今週は会議を筆頭に怒涛のような仕事を一旦整理し、

保育園で新たに使用するようになった絵カードを爺さんに作って頂き、

(婆さんは線画は描けねぇもん・・・ちぇ)

婆さんは、 とある事に夜な夜な精を出した。



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爺さんと婆さんは、話し合いの結果、

すーさんをこの夏に行われる村山祐季子先生の

「サウンド・マジック・2006」

という、コンサートに出演させることにした。



ちまたでは、このようなコンサートを

「ピアノの発表会」と呼ぶ。



しかし、村山祐季子先生のピアノ教室の発表会はちと違う。



歌もあれば、親子でのアンサンブルもある。


日頃、子どもと一緒にいられる時間の少ない父ちゃんがサックスを吹いて息子君がピアノを弾く。

それも子どもが気に入った曲を・・・・。



クラシックあり、ポピュラーあり、ジャズあり・・・とにかく多彩なのじゃ。



で、すーさんは皆と一緒に歌をうたう・・・ことに挑戦しようと決めた。

爺婆が先生と相談して

「嫌がってステージに立てなければ即刻引っ込む」

という条件付きで・・・・。



コンサート会場はすーさんが扉が開いていたから入れたあのホールだし。


決めた時、村山祐季子先生が婆さんに冗談で

「婆さん、今、何を着ようか考えてたでしょう?」 とおっしゃった。


図星じゃ。


いや、わしのではない。

すーさん・・・の洋服をじゃ・・・!!





ちょっと話は飛ぶが、

自閉症児は「羞恥心」というのが身に付きにくい。


すーさんに普段スカートをはかせなかったのは

スカートをはかせた途端に「転ぶ」



お風呂でわめく



うるさい


という理由もあったが、


スカートをはいて大股開いておパンツを披露する娘を見せたくない。


そのような理由も多分にあった。


羞恥心を理解できないすーさんを見るのが・・・・いやじゃった。



しかし、そろそろスカートをはかせないとなぁ~と思い始めていた矢先に

すーさんが先日思い切って購入したガーゼのシンプルなジャンバースカートを見て

「スカート!!」  と言って

ニヤッ

としたではないか。


ならば、この際だから(どの際じゃ?ww)

いっその事・・・とコンサート用にいきなりドレス風のワンピースをネットで購入した。





そのワンピースが届くまでの間にわしは
「妄想」だけで

時間をやり過ごすのはあまりに怖いので動き出した。

















むふふっ、これ実は襟がボロボロになった爺さんのシャツのリメイク。


胸ポケットを付け替えてレースをつけて、

ボロボロになった襟の部分を取り外し、(あーー、すっきり)

スタンドカラーに見せかけてシンプルなレースをつけて、

フレンチスリーブのワンピースにした。

サッカー地の着古しのシャツなので肌触りも抜群。

肩のヨークの部分がなで肩をフォローしてくれる。

紳士用のシャツなのでボタンがそれなりに大きいので着替えの練習にもなる。



すーさんの体系は

太鼓腹で胴が長くてなで肩。


今時のキャシャな幼児とは程遠い。

ゆえにサイズが合う洋服が少ないのが実情だ。



130センチの洋服となるとラブべり(女の子が好きなゲーム)世代が好む

ビーズやスパンコールや豹柄をアクセントにした

婆さんから言わせると ”ド・派手” のものが多い。

(お願いですから普通の子どものTシャツをもっと作って下さい<メーカー)

ビーズやスパンコールが付いているとすーさんは気になって仕方ないだろうし、

フリルがいっぱい付いていると動きにくいし触覚過敏の強いすーさんにはキツイ。

それになってったって、この手のデザインは太鼓腹には似合わない。



ならば、作ってしまえ・・・となったのだ。


既にハーフリネンのシンプルな生地を購入し、

婆さんの頭の中のすーさんは

「スカートの似合うお嬢さん」として確立している(笑)


ついでに・・・って言っちゃなんじゃが、





婆さんが以前作った自分用の部屋着(ハーブの花柄)をリメイクしてすーさん用にした。

袖口にしつこくレースなんぞつけちゃって、

肩に紐なんかつけちゃって、

ウエスト部分なんか・・・まるで
修正しないで、

「おうちでも花柄の似合うお嬢様」 に仕立て上げた(爆

なんてったって、生地が「木綿」ってのが婆さんごのみなのじゃ。



妄想が宇宙へ旅立ってしまったが、

要するに、婆さんは

「おパンツが見えちゃうことは恥ずかしいのだ!」


と、すーさんに伝えたいのであった。





感覚統合-距離感-

2006-06-18 09:21:49 | 感覚統合
ちょうど一週間前のことじゃった。

6月11日 日曜日

木村順先生の感覚統合の個別訓練を受けた。

場所は、2週間に一度、すーさんが療育に訪れる発達センター内の遊戯室。

建物は同じであるが、いつもK先生の療育を受けるのは2階だし、

部屋全体の雰囲気はまるで・・・違う。

でも、ちょうど9ヶ月前、木村先生の訓練の見学をさせてもらったのも同じ遊戯室。

すーさんはどんな反応をするのであろうか?

雨具や靴を部屋の前に置くのにモタモタしていた婆さんを置き去りにして

爺さんとすーさんはスタコラ・サッサ と部屋の奥へ進んで行った。


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木村 順 先生 
(OT=作業療法士)





ポヨヨン 先生 
(アシスタントのかわいい先生)


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まず、木村先生の第一声。


木村先生:あらまぁーー、すーさん、随分と雰囲気変わったねぇ~!!

最近よくそう言われるんですけど・・・。

どんな所が・・でしょうか?


木村先生:顔が優しくなったよ。これも触覚防衛が軽減されたからなんだろうね。


いや、ホントに最近そう言われるのである。

2週間に一度会っている発達センターの先生方にも・・言われる。

他の人達にも「雰囲気が変わった」「女の子らしくなった」「お姉さんになった」など

言葉は様々だが、すーさんの顔の変化はどうやら著しいらしい。


木村先生:ところで、前回から変わったことなんかを聞かせてもらおうかな?

そんな感じで進んでいく・・・はず・・・・・・・・だった。



木村先生:たとえば、誰かが泣きまねなんかして、


       
「ウェーーン」とかさ・・・









先生ぇーーー、それ
ヤバッい・・・です









木村先生:うん??



そ・そ・それが・・・・すーさん、だ・大丈夫だよ(相当オロオロ状態)




木村先生:もしかして・・・つられちゃう??








はい、とっても・・・つられちゃいますもんで。












来る

















来ます













来るとき











来ました!


















激しく長いイントロ。

もう、こうなるとしばらく・・・・・ダメだ。

と、・・・思いつつも


すーさん、大丈夫だよ。ほらっ!!


すーさんをがっつり・・思いっきり・・・ホールドする婆さん。





木村先生:婆さん、いいから最後まで泣かせてあげて!!




はい!!

(でも、もったいないよなぁ~)




木村先生:婆さん、すーさんの好きにさせてあげていいよ!!




はい!!

(でも、奴はいつ泣き止むかわかんないっすよ。すいませんなぁ)




しばらくすると、ドーナツ型のクッション遊具の中に入り



又、



号泣する・・・・タコ





しつこい・・・てば・・・・・よぉー!!








木村順先生は、すーさんに拒否されたとこの時点から




絶妙な距離感




をご披露下さった。




木村順先生が近づくことを許さないすーさんを確認した先生は

爺婆に遠くからすーさんへのアプローチの仕方を口頭で指導して下さる方法に

切り替えた。






木村先生はすーさんの視界には入らない。








しかし、時に背後に出現する。






木村先生から離れるために
すーさんは 『がんばっちゃう』 わけさ。



その『がんばっちゃう』には

爺婆以外の助けも利用することを受け入れる。


そう、ここでポヨヨン先生登場!!



ポヨヨン先生は

すーさんにとって「味方」となる。

そのことも木村先生の計算された指導である。





すーさんがこんな目をしたのは久しぶりだ。

爺婆の記憶では「この目」は既に忘却の彼方に消えていた。


最初、婆さんは「この目」を怒りの目と思っていた。


でも、木村先生は違う。

「この目」を
ライバル視と教えてくれた。


確かにそうだ・・・。


言葉は悪いが

「こいつには負けられねぇ」 的な要素でできているようだった。


すーさんお得意の「逃げる」ために使用する目ではなく、

「こいつと戦う」 意思が存在していた。


木村先生:婆さん、「この目」・・ブログに書いちゃってよ(笑)

木村先生は大きく笑っておった。

木村先生から思わぬ承諾を得た爺婆も笑う。




ポヨヨン先生は
「味方」で、

木村順先生は
「ライバル」なのだ。



その証拠に

スポンジを用いた触覚防衛を軽減する訓練では、

上半身裸になっても、

嫌な部位にスポンジを圧覚されても、

婆さんが手を出さなくても、

長い時間であっても、

ポヨヨン先生の手を振り払おうとはしなかった、

からだ。



最後まで遊戯室から出なかった・・・・からだ。



すーさんと絶妙な距離感を保ったまま木村先生とお別れする時が来た。


婆さんはすーさんに、あえて木村先生にご挨拶を命じた。


ジュン先生、さようなら、バイバーーイ



そう言って遊戯室の出口に身体を向けたすーさんをトッ捕まえて


まだだよ。
    
    「誰?」

 ポヨヨン先生を指してすーさんに短く言った。





ポヨヨンせんせーーい、さようなら、バイバーーーイ





木村先生:ほらねぇ、すーさんって賢い子なんだよ



木村先生はポヨヨン先生に向かってそうおっしゃった。



わしもそう思う。

だって、ポヨヨン先生の名前は最初に1度紹介されただけで

訓練中は確認させたり、呼ばせたりしてなかったからだ。

すーさんは、ちゃんと聞いていて、覚えて、

そして、

挨拶ができた(出力)ことに、

婆さんは「コミュニケーション」の原点を見た気がした。



アイスでホットな話

2006-06-10 23:43:58 | 療育

さて、下の記事で書いた研修会で講師のアイス先生からお聞きした

面白く・元気になり・これからちょっと気にしてみようと思った

お話をいくつかご紹介させて頂くとしようかのう。





1:自閉症の人は大きく育つ。

  今だかつて、自閉症の人の偏食が原因で亡くなった話は聞いたことがない。

  安心して大丈夫。



1:確かにすーさんは体はデカイ。



今のところ「偏食」はないが「いつ偏食になるか?」食事の度にやっぱり気にしていた。



ふふふっ、あんまり気にしなくてよさそうじゃ。






2:(だから)コーラとフライドポテトには要注意。

  癖になると必ず肥満になる。

  学校を卒業すると見事に動く機会が減るのでミルミル肥満になる。




2:炭酸飲料は今の所「飲めない」すーさん。



ただ・・・「芋好き」



そう、フライドポテト好き。



ジャガイモを蒸して塩味で食べさせよう・・・なるべく。







3:字の書き順は最初から絶対に正しく習得するべし。

  書き順だけはどうしても直せない事例が誠に多い。





3:わかるような気がする。



「字を書く」ことばかりに目を向けちゃダメだな。



書き順もすーさんの理解できる(好きな)数字を使って気をつけるようにしよう。





4:字を読めるように無理に指導する必要はない。

  自閉症の人がどうして字が読めるようになるのかは不思議であるが、

  得意分野であることは絶対である。





4:そうなのかぁ~。つい、字を読ませることに力いれちゃうんだよな~。



専門家が「不思議」っていう位なんだから好きにさせちゃおうぞ。





5:最強最悪のこだわりは「人へのこだわり」だ。

  特定の人に対して特定の行為をしないと気が済まないというこだわりは即座に対処するように。






5:まじーーよ。



『タコのべったん』 は 非常にまずいかも。



しかし、最近はちょっと飽きてきた感じも見受けられるので様子を見るかな。





6:2LDKの狭いマンションでも自閉症用の環境作りはできる。

  創意工夫は私達日本人の得意とすることなのです。






6:アイス先生、うちのことをおっしゃっておるのかい?



狭いなら狭いなりの「工夫」をしないとな・・・。



実は、婆さん・・・宇宙人なんじゃよ・・(どこがじゃ??→誰か突っ込んで!!)








7:こだわりは無限大にある。

  だが、こだわりを利用した職業もたくさんある。





7:十人十色の自閉症。こだわりも1人頭いくつもあって、

加齢によって、

天候によって、

気分によって・・・とにかく変化することもあるので確かに無限大じゃ。



すーさんは「ドアの開閉」が好き。必ず「開けたら閉める」



ドアマン いや ドアレディー になれるか?



自動ドア嫌いなんだから・・・・いいかもな。  しめしめ。









次に
「これ、ナイス!」の作業の支援を2つほど。





脱いだ衣服をたたむ・・・
たたむ!!



すーさんに「たたむ」をお願いすると

「はんぶんにして・・・はんぶんにして・・・・」 とか言っちゃって















これだよ・・まったくな。







ちょっとした支援をします。

















こんなふうに厚紙で作った型紙を使用することで本人も納得できる形に仕上がる。





すんばらしい~~~~~~



型紙様!!

すーさんにどうかお導きを・・・。











次のお題は
「おてつだい」





なんと魅惑的なお題だこと・・・。







注)「印」はフェルトなどで靴下につけるそうです。



婆さんが思うに、



練習では小さくなった靴下にシールでもつけてあげれば・・・いいかも。







あら・・・不思議・・・。



すーさん、あんたの洗濯物だけで結構ですから





おてつだい・・・して下さい。





その時、婆さんは泣いて喜ぶからさ。






微妙で厚い壁

2006-06-07 11:29:46 | すーさん
6月2日土曜日、
いつも療育でお世話になっている発達センターのK先生のお誘いで
TEACCH(ティーチ)を基本とした発達障害の専門家の著名な先生の
お話を聞ける「保護者研修会」なる会に参加させて頂けることとなった。

K先生から
「いつもだと通園の親御さんだけが対象となっていたんですが、
 今年から療育に通って来ている子の親御さんもOKになったので」

そう、お聞きした。


講師の先生はネット情報上だけでも何度も目にする方だったし、

去年の秋にすーさんを今の保育園から通園に切り替えるか否かの

ことで悩んだこともあったので、

心の隅で

「すーさんを介した婆さんの知り合いができるかも?」

ちょっとは、期待していた。


すーさんのピアノのレッスンは爺さんにお願いして連れて行ってもらい、

婆さんはイソイソと会場へ向かった。


いざ会場に入って、婆さんは講師の先生(ここではアイス先生としよう)の

お顔が見れて、スクリーンも丸ごと見えて、最前列じゃない場所を確保した。

隣にも前にも・・・・誰も座っていなかったので・・・(結構、シャイな婆さん)

研修会の開始5分前になって、

さっきからずっと高らかに世間話をしている集団にセンターの女性が優しく声を掛けた。

「お母さん方、申し訳ないんですが、前の方へ移動してもらって良いですか?」


(えっ、前かよ・・・)


婆さんがひっそり座っていた席の周りにはピーチな香りとおしゃべりがどっとやってきた。

このピーチクラブは「通園施設」に通っている子のお母さんで

構成されていることは、

先ほどまでの「聞いてちょーだい」とも取れる

フルボリュームの世間話の内容でわかっていた。



当初密かに期待していた「知り合いができるかも?」は

とりあえず、机の下の簡易棚にしまってから研修会が始まった。




自閉症スペクトラムのお話から始まって、

対象となる「子どもの特性」の話になると婆さんはひたすら「うなずきマン」だった。

そうそう、すーさんもそうそう。


特性の1つの「偏食」の話になって、アイス先生が

「お子さんが偏食があるとおっしゃる方はどれくらい?手をあげて下さい」

とお聞きになると

半数位の人が手をあげていたようだった。

(婆さんはシャイなので周りをキョロキョロできない)


当然、婆さんは

手をあげ・・・・・ない。


すーさんは、すっぱいもんクラブの会長だし、野菜もバリバリ喰うし、乳製品も・・

要するに偏食は・・・・ないのだから。


ピーチクラブの人達は全員手をあげていたらしい。


何故、そう思ったかというと・・


手をあげなかった婆さんに
ピーチ光線がバシバシ当たってきたからだ。

(なんで、こんな所でピーチ光線だすかな?)


この研修会にいらした方の中には保育・教育関係者の方も含まれていると

司会のセンター関係者のお偉方が冒頭に言ってたな。

手をあげなかった人の中には「親」以外も参加されているのであれば、

半数でも妥当だろう。


スライドの中に通園の中での「工夫」がいくつも紹介され、

婆さんは
「これ、ナイス!」 って

思うことはメモにシャカシャカ絵を描いたりしていた。

何せ、TEACCHは言葉で言っても理解しにくい子のためのものなんだから、

絵でメモを取るしかあんめーー。


そうすると・・・また、
プチ・ピーチ光線を受ける。

(まぁ、いっか・・・)



研修会の中でアイス先生が説明して下さった中で実践しようと思うことが

いくつもあったのでこれは改めてご報告したい。



さてさて、最後に質問タイムとなった。


最初に挙手をして質問をしたのは、わしの斜め後ろにいらした

通園の親御さんだった。


司会のお偉方が

「じゃ、次を質問の最後に致します。アイス先生はお忙しい方なので」

と、おっしゃったので婆さんは意を決して挙手した。




「ハイ」



同時に

斜め前で   


「ハイ」





当然、司会は婆さんの斜め前で挙手した人が通園のお母さんだということをよく知っているようじゃった。


「▲■さん、申し訳ないんですが

後日質問はアイス先生に紙に書いてもらえれればできますし、担任にもできますので

 後ろの方の質問をお聞きしてよろしいですか?」


と、ピーチクラブの▲■さんにお願いをしている。



「いいです・・・それなら私は紙に質問を書いて提出しますから」

と、言っても・・・・無駄だった。


さぁ、どうする?婆さん?

やるっきゃないだろ!











のど自慢の公開録画じゃないんだからさ・・・・




ここまではピーチクラブには大きな動きがなかった。







なんでそうなるんだよ!! そんなこと一言も言ってねぇよ。




婆さんが「親」の分際だとわかるとピーチクラブは

にわかに、かなり、怒り始めた。

・・・気がする。

だって、凄い圧力を感じるんです・・・マジで。






溜めていたマグマを一気に噴出すかのように火柱が婆さんに向けられた。

何を言われたわけでも、何をされたわけでもないのじゃが、

とにかく・・・すごい眼力ですっ飛ばされてしまったのだ。


婆さんが
「親」であり、

すーさんが
市立の保育園に通っていて、

知的障害が
「軽度」と診断されたってのが・・・・

許せないらしい。






だってさ、

すーさんは自閉症と診断される前からずっと保育園児だったし、

婆さんがどう思おうとも、

1年2ヶ月前には「軽度」って診断されちまっている以上、

そう言うしかないだろう・・・・・。


研修会の中でアイス先生がピーチクラブの人達に何度か質問をされるたび、

ピーチクラブ員は必ず

「うちはアスペルガーではありませんが」

とか、

「うちは言葉がほとんどないですが」

とか、アイス先生の質問には直接関係ない

「我が子の位置づけ」 を前置きしていた。



いや、婆さんだって障害の程度ってやつを気にしてないわけじゃないけど、

(実は、すごく気になることも多いけど)



診断そのものが子どもにつけられた

「優劣を表す点数ではない」こと位、

どうしてあんなにわかりやすい療育を毎日受けている子の親なのに

わかんないのさ!!


確かに、ケースワーカーさんから通園施設を視察させてもらった時に、

「ここは、すーさんのように保育園に通えるようになるために

 が最終目的なんです。

 もしくは、普通の小学校に通えるようになるのが目的なんです。

 言わば、すーさんみたいなのは言わば
『あこがれ』なんです」

そう、おっしゃっていた。



ここら辺の心情は誠に微妙であり、

言葉にはできないニュアンスが多く含まれているが、

婆さんはどうしてもこの時に
「敵視」された意味がわからない。

すーさんが保育園に通っているから
「敵」で、

婆さんが保育士ではなく親であったから
「敵」なのか?

ロックオンしてミサイルを発射する標的は

同じ障害を持つ、

同じ育てにくい子と向き合ってきた、

自分達親子以外の人間なのか?



腹が立つというよりは、

こんな形で
「敵」を作っていくと

そんな気持ちで周りを見ていると

それこそ「我が子の特性」ってのを見落としてしまうぞよ!

って言いたくなる。



それにもう1つ、

そんなふうに壁を作ってしまうと

お母さんご自身が歪んでしまって苦しいぞよ

と・・・・大きなお世話でございましょうが・・・・。


【追伸】

去年一年間の間に

何度かピーチクラブと同じ通園施設に通っている

すーさんと同じ年の春風ちゃんが

すーさんの保育園へ来てくれて、

同じクラスで一緒に午前中の数時間を過ごしていた。

春風ちゃんのお母さんも一緒に来ているので、

すーさんが自閉症だってことは知っている。

すーさんの担任のドール先生にはすーさんが自閉症だと言うことを

春風ちゃんのお母さんに機会があったら話して下さい。

そう、お願いしておいたし。

今年の初め、すーさんがすこぶる調子が悪かった時期に

春風ちゃんと春風ちゃんのお母さんはすーさんのクラスの遊びに参加してくれた。

その時、担任のドール先生の連絡帳で

「あまりにすーさんが反応がないので、春風ちゃんのお母さんが

 すーさん、どうしちゃったんだろうね? 大丈夫かな?と心配して

 すーさんの様子を見ながら声をかけていました。」

・・・と知った。


春風ちゃんのお母さんは、

通園施設で同じクラスで、婆さん一家とは赤ちゃんの頃からの知り合い

(ダウン症の娘さんのお母さん)を通じて

「自閉症のすーさんがタコ焼き保育園にいるから一緒に行こうよ」

と、保育園の開放の日に誘ったが

「うちの子は保育園に行っても何もできないから・・・いかない」

と、一度は断ったこともあったそうじゃが・・・。

だから、春風ちゃんのお母さんがすーさんに声をかけてくれたことが

無性に・・・・うれしかったのじゃ。



婆さんも何度も落ちるし凹むが、

目の前に

ゆっくりと生き、成長するすーさんがいる以上、

先へも、外へも、目を向けなければならないのではないか。


そうもいかないのかなぁ??



【追伸2】

アイス先生に質問をした内容は・・・次の記事で・・・・ つづく。